石原明の「知的経営の切り口」 | 経営者会報 (社長ブログ)
企業を発展させるための経営のヒントについて、独自の切り口で紹介します。
2009年10月16日(金)更新
組織化におけるリーダーの条件とは
== 質 問 ==
今週の記事について、すごく共感できました。「01(ゼロイチ)思考」の人材が2,3人いれば すごく面白い経営が出来ると思いました。
組織化におけるリーダーの条件の一つとして「01思考」があると思うのですが、その他、リーダーの条件としてこういう能力が必要、というのがあれば、お教えいただきたく、また、日々の仕事の中でそういう能力を見抜くポイントがあればあわせてご教授ください。
今、弊社では、私が見込みありそうだな~と思った人に、社長直轄のプロジェクトを企画責任者としてやってもらい、その様子で考えるようにしています。 目標達成のために主体的に考えているか、あらゆる手段を検討しているかを重視しています。以上、宜しくお願い申し上げます。
== 回 答 ==
「01(ゼロイチ)思考」の他に、リーダーとしての資質や条件をあげるとすると、それは責任感と目標遂行(達成)能力だと思います。ちなみに、こういう責任感や目標遂行能力は育てるのが本当に難しいと思いますので、そういう要素を持っている人を採用するか、伝播させるしかないと考えています。
== 解 説 ==
「01(ゼロイチ)思考」の他に、リーダーの資質や能力をあげるとすると、この責任感と目標遂行(達成)能力が大切になると思う根拠は、この2つが無いとトップは安心して仕事を任せられないし、集団の指導者として組織を任せられないからです・・・が、両方とも本当に身に付けさせるとすると難しい能力だと思います。
ちなみに、こういう資質や思考はどれ位までに身に付けないといけないかというと、年齢的に言うと、30代の前半できれば32歳くらいまでに身に付けていないと、その後に付けさせるのは困難になると思いますので、経営者は採用時などに、そういう感覚で人物を見るといいと思います。
・・・とういうことは、32歳を超えた人材の採用には、教育して育てるという観点を入れてはいけないということですね(ーー;)
そして、特に、責任感については、教えてもなかなか育てることは難しいと思うので、責任感を持った先輩などの姿勢を通して伝播させる方が良いと考えてください。
責任感についてどう考えるかですが、例えば「これはキミの責任だからしっかりやってください」と言ったとして、部下が「わかりました」と答えたとしても、これで部下に責任感が持てるわけではありません。
部下が、あなたに言われなくても、これは自分の責任なのでどんなことをしてもやり抜くと考え行動する時にのみ発生するモノです。
例えば、その問題が自分では出来ないと判断したら、出来る人を探してでも達成させる・・・というくらいに、そこに努力と工夫が発生しなければならないモノです。
ということは、責任は与えるものではなく、勝手に取るという姿勢があるかどうかということで計られるということです(これ、分かりますか?)。
なので、リーダーとして指名するからにはこういう人材をあてないといけない、そしてその姿勢をその人の部下に伝播させていかせないと、組織の一員がそういう形で成長していかないということです。
こう書くと、目標遂行(達成)能力も基本的には、この責任感とイコールのように聞こえますが、目標遂行(達成)能力は、この責任感の上にロジカルな思考や行動力そして人を動かす力等を持って、最大効率で目標を達成する自分なりのスタイルや技能・技術を持っているかということと捉えていただけると良いと思います。
責任感を根性、目標遂行(達成)能力を本人なりのスキルと考えてもらってもいいですが、この2つが前回の回答で解説したの「01(ゼロイチ)思考」の上に備わっていれば、とってもすごいリーダーということですね。
ちょっと、高度な回答になってしまいましたが当社ではこういう人材をリーダーと捉えられているし、少なくともコンサルタントを目指す人間には最低限備わっていないといけない能力と考えています。
ちなみに、今紹介させていただいているコンサルタント養成講座はこういう要素をしっかり育てることも主眼において行われます。
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2009年10月09日(金)更新
今、食品メーカーの「部活」が熱い!?
部活といっても、サイトからワンクリックで「入部」でき、会費も無料。登録すると「会員証」をダウンロードすることができ、もちろん、「退部届」もサイトから…という手軽さです。
そんな「バ部」の部員が熱中するのは、フーセンガムを膨らませて、いろいろなカタチを作る“トリック”で、部員だけの「認定試験」をクリアすると、シルバー、ゴールトと会員資格が上がっていくしくみです。
おもしろいことに、ネット部活の盛り上がりを受け、今年(2009年)6月には、社内の部活動として、正式に「バ部」が誕生したのです。まさに、ネットとリアルの融合ですね。
さまざまな部署から集まった10人の社員が、おそろいのジャージを着込んで、ガムを膨らませては、ギネスに挑戦しているそうです。ちなみに、ギネス記録は50.8センチだそうですから、その道のりは、かなり厳しそうではありますが…(笑)。
しかし、そんな部活動のなかから、新製品のアイディアも浮かんできたりするみたいで、そうなると、1万人の「部員」は、「新商品モニター」としてもかなり有効な存在ですよね(*^^)v
調査機関を使って1万人に調査をしたら、それなりに費用もかかると思いますが、そこにお金をかけるより、「部活」を目的に集まったフーセンガム好きの人たちと楽しくコミュニティを作るほうが、企業にとってはよっぽど有効だと思います。
一方、日本ケロッグにも、部員数6千人を超える「マイナス思考ダイエット部」があり、部員専用のダイエット日記を活用しながら、摂取カロリーを「減らす」活動を展開中です。
また、永谷園にも「生姜部」があります。こちらは、2年前に女性の冷え対策として商品化された「ショウガ入りカップスープ」のヒットをきっかけに、社内の「部活」がスタートしたそうです。
「ショウガについて地道に勉強し、部員同士が切磋琢磨してショウガのプロになるのが使命」とのことですが、約20名の社員での活動報告をウェブに公開すると、全国から「入部希望者」が殺到したのだそうです。
そうした熱意を受け、社外のオンライン部員の募集を開始。さらに7月からは、社内部員と一緒に活動する「特別部員」も誕生したそうです。部活の盛り上がりにつれ、ショウガの関連商品もバリーエーションを広げています。
今後、日本の少子高齢化傾向を考えれば、どんな業界でも、「熱いユーザー」といかに繋がれるかがキーになってくると思いますが、どうやらそのためには、経営者が発想を変える必要がありそうですね。この事例を参考に、ぜひ“楽しく”発想を拡げてみてください(@^^)/~~~
2009年10月02日(金)更新
組織リーダーの条件は「01(ゼロイチ)思考」だ!
さて、今回はQ&Aバージョンでお届けします。私のメールマガジンで、かなり反響が高かった内容なので、この質問を選んでみました(*^^)v
== 質 問 ==
先日の「高収益トップ3%倶楽部」の勉強会(東京会場)で、リーダーの育成に関して、基準値がきちんと受け継がれるのが大切とありましたが、「人間観・仕事観」の基準を受け継ぐのに気をつけることを知らないと、自分のクローン、つまり、「性格が良くて言うことを聞いてくれる人」を育ててしまうケースも出てきてしまうと思います。石原先生は、何に「気をつける」必要があるとお考えになられますか?
== 回 答 ==
先日お話した組織化におけるリーダーとは自ら判断して最善の行動をとってくれるレベルの人を指すと考えていただけると良いですが、そのためには「01(ゼロイチ)思考」が大切だと考えています。
== 解 説 ==
人間の能力には大きく分けて、何も無いところから何かを発生させる能力を持っている人と、何かの形なりセオリーがあればそれを広げていける人の2種類があると考えることが出来ると思いますが、前者の能力を、「01思考」-ゼロから1を生み出すという意味で-ゼロイチ思考と私は呼んでいます。
そして、この01思考こそがリーダーの欠かせない能力と考えているので、共通の基準値が大切だと思っている・・・ということです。
ということで、質問にあるような「性格が良くて言うことを聞いてくれる人」的なクローン型の人間がリーダーになることはないと考えてください。
それで、この能力の問題ですが、何も無い所から何かを発生させる能力を持っていないと、どんな場合でも仕事を任せることは出来ないと私は考えています。
もちろん、任せるという意味もいろいろあって、何かの部分を任せてやってもらった後に確認するというのも任せるということには違いないのですが、これだと、確認という作業が常に経営者について回りますので、仕事を振れば振るほど経営者の時間が束縛されてしまう、また、責任は常にトップということからも解放されないということになってしまいます(ーー;)
たとえば・・・
(リーダー) 「これやりたいのですが、いいでしょうか?」
(社長) 「なるほど、面白いね。やっていいよ」
(リーダー) 「出来ました!」
(社長) 「すごいねぇ~!!」
という会話が目指す理想というか・・・・。
反対に、何か仕事を依頼して、責任者や役職者がいつまで経っても「でも、これは社長が最終的には判断していただかなければ分かりません…」などと言うようであれば、絶対に企業は大きくならないと考えています。
また、そんな当事者意識の無い責任者はリーダーという存在から考えると、最低レベルということになりますよね。
ちなみに、「01思考」を持っている人は本当に少ないので、採用する時は相当見極める視点を持って面接をしてくださいね。
前職や過去の職歴が凄くても、結局は何かの土台の上でそれを発展させただけの人であれば、「01思考」の人ではありません。(この辺りの見極めが本当に難しいですよね(ーー;))
もちろん、1があればその積み重ねで100まで持っていける人も重要ですが、仕事を100%任せて発展させられるのは、こういう「01思考」のある人だけですからその辺は絶対に大切だと思っています。ぜひ、参考にしてください。
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2009年09月25日(金)更新
新しい葬儀のスタイル!? 日比谷花壇の「おくりばな」プラン
なかでも、日比谷花壇が今年(2009年)6月に始めた、通夜や告別式を行わず近親者らによる火葬のみで故人を見送る「直葬(ちょくそう)」と呼ばれるサービスが反響を呼んでいるみたいです。
この新プランは『おくりばな』という、どこかで聞いたことのあるような名前なんですが(笑)、スタッフが火葬場や自宅に出向き、故人に白装束を着せ、お棺にバラやコチョウランなどを敷き詰めて美しく飾る儀式「おくりばなの儀」を行った後、荼毘(だび)に付すというものです。
基本料金は、343,610円。同社はこれまでも葬儀ビジネスを手がけていましたが、従来の葬儀プランより3割以上安い価格設定だそうです。
この直葬サービスを手がける背景には、高齢化社会が進んだことに加え、近年は地縁・血縁関係が薄れる傾向にあり、葬儀の参列者が減っているという現状があるようです。また、自ら「簡素な送り方」を望む声も多く、このプランを「生前予約」する方も少なくないそうですよ。
まずは都内近郊からスタートしたこの「おくりばな」プランですが、こうした社会背景を加味すると、かなり将来性のあるビジネスという感じがします。
とは言うものの、100人以上の参列者を集める大規模な葬儀に比べると利幅も少ないので、大手の葬儀会社はほとんど手がけない分野のサービスです。
このサービスがストレートに売上げに貢献するかはともかく、同社の本業が花屋さんであるからこそ出来るサービスですし、このプランをきっかけに、同社の葬儀ビジネスが世間から注目されることを考えれば、賢い選択ではないでしょうか。
いつも言うとおり、これからの日本は、少子化傾向が止まらない限り、どのマーケットも縮小の一途をたどることは目に見えています。また、ひとつのビジネスのサイクルも年々短くなっていますから、どこの企業も、常に新たなビジネスモデルを模索する必要があるのです。
そうした意味では、この事例はかなり参考になるはずです。葬祭場に花を届けるばかりでなく、葬儀そのものを請負うという展開は、自社の強みを活かした賢い選択だと思います。ぜひ、参考にしてください(@^^)/~~~
2009年09月18日(金)更新
採用後の受け入れ態勢を考える
== 質 問 ==
優秀な人材を採用(特に新卒で)したいのですが、採用したあと受け入れ体勢がないため、自信をもって採用活動をすることができない(訴求力が弱い)と思っています。受け入れ態勢についてどう考えたら良いでしょうか? 石原先生のお考えを聞かせてください。
== 回 答 ==
求人、特に新卒者採用の際の受け入れ態勢ですが、一番大切なのは誰が関わって仕事を教えるかということが決まっているかだと思います。
== 解 説 ==
新卒者に限らず、採用の際の受け入れ態勢は、会社にとっても採用された方にとってもすごく重要だと思います。また、この質問は顧問先の方からもよくされるので、みなさん共通の(質問)内容だと思います。
それで、態勢ですが一番良いのは、入社時の教育体制が会社や仕事に対するオリエンテーションも含めて整っていること、しっかりとした評価制度が出来ていてキャリアパスを入社時に示してあげられること、実際に仕事に入った時に誰がその人の教育をするか、質問や疑問に答えてあげるかという態勢が決められていることだと思います。
まず、入社時の教育ですが、上司や総務の方もしくは社長自らが、会社についてどんな業務をどういう関係性(提携先等です)を持って進めているかということ、その中であなたが最初に担当するのはこういう仕事であるということなどを、最初にしっかり説明することが大切だということです。
ビジネスモデルなんかもココで話して会社や取り組む業務に対して、そして関係する方たちについても、興味と関心を持ってもらうことが大切だと思います。
評価制度とそれを構成するキャリアパスは、業務を通してどんなふうに自分が成長していけばいいかを分かってもらうという点で重要なのです。
そして、最後の誰が教育や質問・疑問に応えるかということですが、人は孤立する環境では能力を発出来ない存在ですし、人間関係が定着することや組織を好きになるという点で非常に重要で大切なポイントです。
もし、教育体制や評価制度等が整っていなくても、この誰が関わってあげるかという担当がしっかり決まっていることは重要ですし、準備しなくても出来ますので、最低限これはしないといけないと思います。
人は自分に関心を持ってもらえればかなりのことは前向きに取り組めるものです。新卒者の場合などは、その担当者と日報のやり取りを毎週してあげるだけでもかなりの成長や定着要因になるものです。
ということで、御社の場合は、まずは、誰がその採用者に関わるかを決めるといいと思います。参考にしてください。
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2009年09月11日(金)更新
「山歩き女子」急増中!? ブームの兆しをマーケットに変えるもの
女性登山家の田部井淳子さんも、今年(2009年)20~40代の女性にもっと山と親しんでもらおうと、ネットワーク『MJリンク』を発足させ、ネットで仲間入りを呼びかけています。
山歩きには、自然に触れ合って癒されるとか、体が鍛えられるとか…いろいろな「効用」があると思いますが、このブームの兆しを安定した「マーケット」に成長させるためには、“ファッション”の力を借りるしかないと私は考えています(*^^)v
失礼ながら、「山歩き」って、中高年の趣味って感じしませんか? ですから、ショップで見かける山歩きファッションも、中高年テイストのものが主流です。
そこにファッションリーダーみたいな存在が表れて、かわいい山歩きファッションを提案すれば、ガゼン山に行きたがる若い女性が増えると思います。ちょうど「走る」女性が増えて、おしゃれなランナーズファッションが続々と誕生したようなイメージですね。
またもうひとつの作戦としては、私の先輩世代ならよくご存じの「合ハイ(合同ハイキング)」を復活させる作戦です。昭和の中ごろまでは、大学生が今で言う「合コン」のノリで、一緒にハイキングに行っていたみたいです。
昨年、私のブログで「ゴルコン」の話題を取り上げたことがありますが、山歩きもゴルフと同じように、相手のタフさや思いやりがよくわかりますから、「相手選び」に結構向いているかもしれません(*^_^*)
それはともかく、「ファッション性」や「ネーミング」は、ブームを安定したマーケットに変えるためのとても大事なポイントです。
あなたなら、どんなアイディアがありますか? ぜひ楽しみながらあれこれ考えてみてください(@^^)/~~~
2009年09月04日(金)更新
経営者は「雇用」をどう考えるべきか
== 質 問 ==
非正規雇用の問題がとても多いですが、社長のみなさんは雇用の重みをどのように考えて、経営されているのですか?
== 回 答 ==
人を雇用するということは非常に責任の伴うことだと思いますが、非正規雇用に関して言うと(非正規雇用という文字に反応してしまうと)正規ではないということで、なにかいけないことのように感じてしまいますが、必要から生まれた雇用の形態と考えるのが正しいと思います。
== 解 説 ==
人を社員として雇用することは非常に重たい責任のあることだと思います。なので雇用に際しては経営者はよくその辺のことをわきまえて採用にあたるべきです。ただ、この雇用に関してはもう一方の視点でいうと雇用される側の問題もあり、お互いの考えや利害が一致して初めて納得のある雇用関係が成り立つと思います。
そういう意味でいうと非正規雇用という雇用形態もそのお互いの利害の一致する形で生まれた雇用の形態で必要に応じて出来た形と理解するべきです。もちろんそれによって良い面もそうでない面もありますが、本来はお互いの必要において発生した形と捉えるべきだと思います。
どういう意味かということを少し解説しますね。雇用は雇用する側とされる側の利害の一致で初めて成り立つと言いましたが、会社であれば社員として採用するからには会社の目的や目標に沿って考え活動してくれることを望んでいて、ある程度長期に渡ってその意志を持った方を採用したいと考えるのが当然です。
なので、社員となったからには、できるかぎり前向きに上司や社長の意向に沿った活動をするのが本来求められた責任です。
また、社員からすると採用されたからには、なるべく長く働けて、安定した生活の基盤が築けるような環境を提供してもらいたいと考えると思いますよね(*^_^*)
この関係は、確かに理想ですが、企業の状況によって、また、働く側の状況によってそういう関係では雇用できないという場合が発生するのもこれはまた現実です。
どういう場合かというと、企業の側でいうと、突然大口の受注が舞い込み仕事が発生したが、どう考えてもこの受注が長く続くわけがないと考えられる場合や、個人でいうと将来何かしたいと思っているので、社員としては働きたくはないが、収入が必要となる場合などです。
実は、本来はこういう場合にアルバイトや派遣といった非正規雇用という関係が成り立つわけですね。
企業側はこういう条件なので安心して人も増やせるし、働く側も正式な社員ではないので規制や取り決めの少ない環境で自由に働けるということですから、非常に有効な雇用形態でもあったのです。
社員になったらなったで責任として果たさないといけない義務は多く、それがイヤだという人もたくさんいるので、派遣は結構歓迎されたしくみでしたよね(*^_^*)
事実、今、問題になっている製造業などは、派遣さんがたくさん働いてくれることで需要の変化に対応できる経営状態を確保してきたという現状もあるわけです。
もちろんこれから社会に出て行く学生さんが目的もなくすぐに派遣社員になるとかというのは反対ですが、社会問題はこうやってちょっと掘り下げて考えるといいと思います。そういう意味でも参考にしていただければうれしいです。
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2009年08月28日(金)更新
教習車はハーレー!? コヤマドライビングスクールの集客術
女性の教官も増えたうえ、教習が始まる際には、教官が自ら車のドアを開けてくれて「どうぞこちらへ」なんて言うそうですよ(@_@;)
近年、少子化や若者のクルマ離れの影響で、教習所はどこも入校者の減少が続いていますから、サービスを良くしないことには、過酷な競争に勝てないのでしょう。
そんななか、首都圏で自動車教習所を運営する「コヤマドライビングスクール」では、大型二輪用の教習車として、米ハーレーダビッドソンを導入しました。
今のところ、横浜市の綱島校だけのプランですが、「スポーツスター 883R」5台を使って教習をするみたいです。
同社では、「中高年に人気の車種で、30~50代の入校を促したい」としていますが、ハーレーに憧れを持つ中高年は多いですから、この集客作戦は結構期待できると思います(*^^)v
「ハーレーで教習」というのはかなり話題性もあり、それに伴う宣伝効果もありますから、設備投資と考えても、有効なお金の使い方だと思います。
“みんなの憧れ”を手の届く位置で提供する…この切り口は多いに参考になりそうです。この事例を刺激にして、ぜひ自社にも活かせるアイディアはないか、楽しく考えてみてください(@^^)/~~~
2009年08月21日(金)更新
新規開拓する上で「業種」を絞るべきかを考える
== 質 問 ==
新規開拓する上で、業種に特化するかどうか迷っています。今まで様々な業種にアプローチしてきたからこそ、今のトヨタショックの影響も軽い状態で済んでいますが、今後は絞り込んだ方が良いかと・・・難しいところです。
== 回 答 ==
一業種に絞らず、かと言ってあまりたくさんの業種にならず・・・といったところが正解だと思います。あまりバラバラに開拓営業をすると、本当に効率が悪いからです。こういう場合は、サイトなども使いながら、「特性の違う数業種」を対象として新規開拓するのがいいと思います。
== 解 説 ==
経営にはパラドックスのような要素が多く、何かに特化すればその分強くなりますが、強くなった反面柔軟性がなくなり、変化に対してとても脆くなるという状況が生じます。
例えば、今回の相談がまさにその典型で、業種や顧客企業に特化すれば、その業種や顧客に対しては商品やサービスがベストマッチしますから当然強くなりますが、その業種や顧客の業績が悪くなると、一気に売上げが低迷します。重ねて、別の業種や顧客に対して、急には対応できないという弱さが出てきてしまいます。
極端な場合、1社に特化してビジネスをすれば、教育も簡単だし仕事の効率もよくなりますから、短期的には非常に強い経営となります。しかし、長期的に見たら、その会社の状況をモロに受けた経営になりますので、特化した分、経営の安定度は超不安定になってしまいます。
なので、こういった一見相反する要素を常に意識しながら経営に当たるというのが、本来の経営者の役割になるということですね(*^_^*)
ということで、これらを踏まえて今回の質問の回答をすると・・・。
さすがに今の景気が景気なので、経営を強化するための新規開拓は効率を考えて業種の絞り込みは必要と考えるが、かといって、あまり狭く絞ってしまうと将来に問題を残す可能性もあると考えて、「特性の違う数業種に絞って新規営業をかける」・・・というのが良いということになると思います。
もちろん、やり方は、数業種をバラバラに進めるより、最初の業種はコレと決めて開拓、次は○○、その次は△△・・・というように、効率的に集団でノウハウや経験を蓄積したり情報交換したりしながら進めたほうが良いと思います。
また、サイトを使うと、お客様の問い合わせから向かうべき新規開拓の業種の選定が出来たりしますので、リアルな営業とウェブの営業を両方使うなどして戦略を立てていくというのがいいと思います。参考にしてください。
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2009年08月07日(金)更新
「ダンス」を切り口にガムを売る!? ロッテのフィッツに学ぶ
人気タレントに印象的なダンスを躍らせるCMもさることながら、YouTubeと組んで行った『ダンスコンテスト』のしかけは秀逸です(*^^)v
しかも、その広告戦略にはさらに続きがあって、今度はソニー・ミュージックエンターテイメントと組んで、音楽アーティストの発掘に乗り出したのです。その名も、「『歌のあるガム』プロジェクト」。
応募があった5,000組のアーティストのうち、ソニー・ミュージックによりすでに10組が選ばれているのですが、最終選考に進む5組のうちの1組を「Fit's(フィッツ)」購買者による一般投票で決めるのだそうです。
商品に印刷されたシリアルナンバーを、インターネット上の専用サイトに入力すると、10組のアーティストの楽曲のサビ部分が視聴できるようになっていて、9月30日までに指定のポイントを貯めた人は、自分の好きなアーティストに応募ができるようになっています。
さらに、応募者のなかから、毎週1,000名に着うたが当たったり、応募2回ごとに、最終選考のライブへの招待チケットが当たる抽選に参加できるという、かなり入念なしかけになっています。
なお、最終選考で選ばれた1組は、来年(2010年)の同社のCM曲に起用される予定だとか。自分たちで選んだアーティストなら、当然、ブログなどで話題にもするでしょう。このプロジェクトは、アーティスト発掘と話題になるしかけを同時に達成する賢いしかけだと思います。
今どきの若者たちは、もう「豪華景品」などには興味を示しません。この世代を巻き込んでいくには、これまでとはまったく発想をシフトしていく必要があるのです。
自社のマーケティングを見直す意味でも、ぜひ、参考にしてください(@^^)/~~~
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ボードメンバープロフィール
石原 明(いしはら あきら)氏
僖績経営理舎株式会社代表取締役
AZ Collabo株式会社
ヤマハ発動機株式会社を経て、外資系教育会社代理店に入社。約6万人のセールスパーソンの中で、トップクラスの実績を収める。「セールス・マネージャー世界大賞」を受賞後、日本経営教育研究所を設立し、経営コンサルタントとして独立。中小企業から大企業まで、業種や企業の規模を問わず幅広いコンサルティング活動を行っている。毎年の講演回数は100回以上。ビジネスの発想力やマーケティング力を開発・育成する「新経営戦略塾」には1000人が登録し学び、全国延べ4500社が参加。
2万人の読者を抱えるメールマガジン『石原明の「新経営戦略塾」』や、独自の視点で経営を綴るブログ『石原明の経営のヒント』も執筆中。大人気Podcast番組『石原明の経営のヒント+(プラス)』は累計ダウンロード数6000万回を超えている。著書に、累計30万部を超え『営業マンは断ることを覚えなさい』(三笠書房)、『「成功曲線」を描こう。』(大和書房)、『トップ3%の会社だけが知っている儲かるしくみ』(KADOKAWA)などがある。
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