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2010年03月12日(金)更新

増える「自転車通勤」をターゲットにした仕掛け人は・・・

最近都心では、自転車でさっそうと街を走る姿を目にすることが多くなりましたが、今月(2010年3月)の1日、東京・青山に自転車通勤者向けの施設がオープンしました。

その名も「ファンライドステーション プラス ランステ」。自転車1台分の駐輪スペースとロッカーの使用料で、月額2万3千円。シャワーや着替えのためのスペースも用意されています。


funsta


私の事務所は、皇居から近いところにあるのですが、今、皇居の周りには「ランナー」たち向けのこうした施設がたくさんあります。ですが、まだ「自転車通勤者」向けの施設は、目新しい感じがします。ちなみに、「自転車通勤者」のことを「ジテツウ」と呼ぶらしいですよ。

満員電車には乗らず自転車で通勤して、この施設でシャワーでも浴びて、スーツに着替えていざ会社へ・・・などというライフスタイルが、これから増えてくる予感がしますよね。

通勤のストレスからも解放され、運動不足も解消され、なんたって「エコ」だし、そのうえちょっとカッコイイし・・・そう考えると、なんだかイイコトずくめです(*^_^*)

「どこが仕掛けたのかな」と調べてみると、なんと!その仕掛け人は出版社でした。

「アールビズ」が同社で出版する自転車雑誌「ファンライド」と連携してつくった施設で、今後は自転車通勤に関するセミナーや新モデル試乗会などのイベントとも連携していく計画だそうです。

つまり、出版社が読者に対して「リアルなサービスとコミュニティ」を提供した、ということです(*^^)v

今週、当社の会議でも話題になったのですが、デジタルブックの進化が著しい時代に、「本」はどうなっていくんだろう…と。本を印刷しなくなると、大量の木を伐採しなくてもいいわけで、そのうえ、倉庫もいらず、物流もしなくていい・・・「これって究極のエコ?」なんて会話まで飛び出しました。

ご存じのように、今、出版各社は、デジタルコンテンツに対抗すべく「おまけ」を付ける作戦に出たり、昔懐かしい「パラパラマンガ」を本にしたりと懸命です。

結局、デジタルに対抗できるのは「リアル感」しかないわけです。実際に「手」に取り、触れることのできる「おまけ」を付けるのはもっともわかりやすいパターンですし、「パラパラマンガ」復活にしても、「手」でページを繰るという「身体性」に着目してのことです。

本好きの私としては、出版業界の今後がかなり心配ですが(-_-;)、当面は、この事例のように「アレもコレも」の精神を持ち、雑誌もウェブもリアル店舗もイベントも…というふうに、「自社内メディアミックス」のような感覚でチャレンジしていくことから、活路が見出せるのかもしれません。

そうした意味では、この「経営者会報ブログ」も、「自社内メディアミックス」ですね。これからも応援しますので、ぜひ出版社の成功モデルを築くべく、頑張ってください(@^^)/~~~

2010年03月05日(金)更新

既存顧客の「値下げ要求」にはどの位応じるべきか

今年も、あっという間に3月になりました(*^_^*) 年度末を迎えて、お忙しい毎日をお過ごしの方も多いと思いますが、こうした節目の時期は、ものごとを見直すいいチャンスです。

社内のしくみはもちろん、顧客との取引条件なども、定期的に見直してみることをおすすめします。というわけで、今回は「既存顧客の値下げ要求にはどの位応じるべきか」という質問を取上げてみました。「発想」という点において、ぜひ参考にしてください。


== 質 問 ==

大阪で製造業を営んでいます。既存顧客の値下げ要求にはどの位応じるべきでしょうか? 価格競争には陥りたくないし、今のご時勢を考えると少しは協力しないといけないかな? とも思いますし・・・悩むところです。


== 回 答 ==

今回は、価格競争に関する質問ですが、当社が主に製造業など必ず価格交渉に陥る業界や企業体質の会社のお世話をする時には、予め準備して価格競争でどんどん有利になる様なビジネスモデルを作るように指導します。発想を変えて、そういった準備を始めてみてはどうでしょうか?

== 解 説 ==

経営の秘訣はいろいろありますが、その中でも重要な項目に出口を理解して経営に当たるというのがあると思います。これはどういうことかと言うと、最後はどの方向に向かっていくかを理解してそこに早く向かった方が経営は楽になり他社に勝てるというものです。

例えば、数年後に法律が変わり今の仕事のやり方が出来なくなるとなった時に、まだ出来るということでそのままの仕事を続けるか、いち早く方向転換して新しい方法を考えようとするかの違いですが、結果は必ず、早く対処したところに軍配が上がります。

そういう意味で今回は、単に相手が値段交渉を言ってきたというより、仕事をしていれば必ず起こるということに対してどうすればいいかということでの回答にした方が良いと思って、この回答を書いていますが、経営のやり方を思い切ってドラスティックに変えて、顧客に言われなくても自社努力で毎年々々商品原価を何%か下げていく努力をする方が良いと思います。

相手に言われて対応しようとすると絶対に後手になり主導権を取れませんが、絶対に起きることなら先手を取って対応、それが勝てる経営の肝になると思います。

年間行事として、原価の見直しや在庫管理、作業の棚卸し工程チェックを戦略として繰り返してください。

他社はこういった感覚ではなかなか経営しないと思うので、御社の一人勝ちになると思います。がんばってくださいね。


いかがでしょうか? あなたはどうお考えになりますか(^^♪ 私の発行する週刊メールマガジン、『社長、「小さい会社」のままじゃダメなんです! 』(購読無料)では、毎週メルマガ読者のみなさんからの質問にこんな感じでお答えしています。

これまでのQ&Aもバックナンバーにたくさんあるので、興味があればぜひ覗いてみてください。もちろん、質問も随時受付中です(*^^)/~~~

2010年02月26日(金)更新

昔懐かしのリンゴ「国光」をネットで

みなさん「国光」というリンゴをご存じでしょうか? 最近ではほとんど目にしなくなりましたが、1960年代には、日本一のリンゴ生産県である青森で、品種別収穫量の6割を超えていた“メジャーなリンゴ”だったのです。

その「国光」に、年配者からラブコールが贈られ、今年(2010年)の年頭から、同県の産業技術センター「りんご研究所」が、「まごころふるさと便」としてネット販売を始めました。


ringo


今では、同研究所に残る「国光」の樹も、樹齢109年の7本を残すのみになってしまったようですが、毎年11月下旬頃には、この7本から約1トンものリンゴが収穫できるのだそうです。
この「国光」は収穫時期が遅く、実が雪をかぶることから別名「雪の下」と呼ばれ、青森の風土に適して貯蔵性も高く、長い間地元で愛されてきました。

また、しゃきっとした歯切れのよさとその酸味が特徴的で、この「国光」とデリシャスの配合で「ふじ」が誕生し、その「ふじ」と別の品種の掛け合わせで「星の金貨」などの優秀な新品種が生まれたのです。

こうした新品種に押され、「国光」自身は、近年、ジュースなどの原材料として引き取られることが多かったそうです。しかし、一方では、その味を懐かしむ年配者から「どこで買えるんですか?」といった問い合わせも、度々受けていたのだとか…。

そこで、いよいよ残り7本になったこの老木たちに「もう一度生きがいを与えたい」と、ネットでの販売を決めたのです。老木にあやかり「長寿林檎」と名付け、1箱3千円で販売しています。

国光、ふじ、星の金貨の“3世代”詰め合わせもあって、なかなかの人気ぶりみたいですよ(*^^)v

こうした事例を見るにつけ、「大量生産・大量消費」の時代は、確実に終わったのだと実感します。たとえ全国規模では供給できないものでも、その希少価値をわかってくれるお客さんにだけ、「限定品」として確実に届ける・・・ネットというインフラを使えば、それが誰にでも可能な時代なのです。

加えて「老木に生きがいを」といったストーリーは、人の心を打ちますよね(*^_^*) このストーリーに共鳴するかのように、「国光」を食べてみたくなる人も多いと思います。

意外とあなたの会社にも、“復刻”すべき貴重な財産が眠っているかもしれませんよ。ぜひ、そんな視点で、社内をじっくり眺めてみてください(@^^)/~~~

2010年02月19日(金)更新

「ひな菓子」販売で考えるデータベース・マーケティング

このところかなり寒い日が続いているので、“春”はまだ遠い感じがしますが、月があけると、もうすぐ「ひな祭り」です(*^_^*) 

今回は、ひな菓子販売における質問を取り上げ、既存の「リスト」をどう活かしていくべきか、経営者としての「考え方」にスポットを当てて回答してみました。

今後の日本は少子高齢化・人口減少に向かっていくわけですから、たとえどんな業種であっても、既存のお客さんを大事に「顧客化」し、顧客ごとの「生涯利益」を上げていくことを考えていかねばなりません。そういった意味で、ぜひ、この事例を参考にしてください。


== 質 問 ==

ひな菓子をスーパーに販売している片手間に、幼・保育園向けにカタログを作成し通販をしてみました。結果、4年で1000件のお客様ができましたが、ひな菓子シーズン以外に有効活用できていない状況です。1000件に対して今後どのような展開をしかければよいですか?


== 回 答 ==

今回は具体的な質問ですが、これだけ顧客がいたら出来ると思うので、例えば年中行事とかに合わせて前倒しでいろいろなお菓子を企画してオーダーを取るようなしくみを考えてみたらどうでしょうか?

決め手は、そのお菓子の企画があることで幼・保育園の保母さん達が仕事がしやすくなること、いろいろ考えなくても良くしてあげることだと思います。季節感に合わせて考えてみてください。

== 解 説 ==

これ、以前いただいていた質問ですが、シーズンが近くなって来たので回答しようと思いました。

回答したように、季節に合わせた企画商品を、年間を通して提供する通販へと発展させたらどうでしょうか?

仕掛けとしては、まず、お雛様のようにイベント性の高い企画からスタートさせて、面白さを演出するのが良いと思います。そしてこれが決め手になると思いますが、近くの幼稚園や保育園に行って乗りの良い保母さんや園長さんと仲良くなって、このお菓子を使っていろいろなイベントや企画をリアルにやってもらい、それをお客様の声としてリポートすると良いと思います。

子供たちがすごく喜んでいるところや、父兄の方の写真や声も集めるといいですね(*^^)v
ポイントは、コチラが企画を提案、保母さんやスタッフの方の仕事を楽にしてあげることです。それで成果が上がるようにしてあげれば、定着していくと思います。それを年中行事に合わせて進めていくわけですね(*^_^*)

おそらく、この企画に反応していろいろやってくれる幼稚園や保育園さんが出てくると思うので、そういった写真やメッセージをさらにお客様の声として、増幅させて、出来れば取材なんかにも行って、ほとんどの幼稚園や保育園さんで日常的にこういう行事が行われるようにもっていければ、かなり面白くなると思います。

最近は日本の伝統行事みたいな事も薄れてきてしまっているので、各行事の本来の意味や歴史を通しての薀蓄(うんちく)なども分かるようにしていただければとてもすばらしい教育にもなりますよね。父兄の方もきっと喜びます。

そう考えると、これは日本の将来のためにもいいのでぜひやってみてください。応援します。

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2010年02月15日(月)更新

「ハイパーヨーヨー」に学ぶ“愛好家”を巻き込むマーケティング

玩具大手のバンダイが、「ハイパーヨーヨー」の販売促進に、ちょっとおもしろい手法を取り入れているのをご存じでしょうか?

先週末(2010年2月13日)に発売された「ハイパーヨーヨー」は、糸と本体の間に特殊なベアリングなどを入れることで、さらに様々な回し方が可能になったみたいですが、愛好家団体を通じて技術の高い大人100人あまりと契約し、約150店舗へ派遣する計画だそうです(@_@;)


ヨーヨー


なんと言っても、その商品の良さやおもしろさを存分に知っているのは「愛好家」たちです。その愛好家たちが販促に手を貸すとなれば、鬼に金棒ですよね。
技術の高い大人から教われば、子どもたちは「ハイパーヨーヨー」の技をどんどん習得したくなるはずですし、一方の愛好家たちにしても、自分の技を披露できる「場」を提供されたわけですから、活き活きと活躍してくれると思います(*^^)v

愛好家を集めるにあたっては、「日本ヨーヨー協会」を通じて、ヨーヨー技術にたけた人を募集したようですが、彼らを大手量販店や家電専門店を中心に派遣して、各店で月に1~2回、子どもたちに技を教えるイベントを開催するそうです。

さらに、イベントに参加してくれた子どもたちには「専用のカード」を配り、技をマスターしたらその都度「認定印」を押していくようなしくみも用意したのだとか。ディープユーザーの“囲い込み”作戦としては、なかなかのセンスですよね。

おそらくこの事例は、他の業界にもかなり応用がきくと思います。今はネットを使えば「その道の愛好家」を集めることは比較的容易にできますし、その愛好家集団をうまくマーケティングに組み込めれば、最強のしくみを構築することも可能でしょう。

ネットでうんちくを語るだけではあきたらない愛好家たちを、いかに「リアル」の世界に引っ張り出すか・・・この戦略の成否を決めるカギは、そんなところにありそうです。

最近、私の周りにも「iPhone」ユーザーが増えてきたのですが、彼らのちょっと得意げな「iPhone解説」を聞いていると、うっかり欲しくなってしまいます(笑)。彼らは「iPhone」に関してなら、携帯電話売り場の販売員さんより、ずっとお客さんの心に届く説明ができるのです。

ちょっと話はそれましたが、この事例を参考に、あなたの会社の商品やサービスの「愛好家」たちを、うまくマーケティングに巻き込むしくみを考えてみてはいかがでしょうか(@^^)/~~~

2010年02月05日(金)更新

衰退市場で勝ち組になる方法

立春も過ぎ、まだまだ寒い日が続きそうですが、みなさまいががお過ごしでしょうか? 

さて、今週は「Q&A」なので、今回も私の主宰する「高収益トップ3%倶楽部」の勉強会に参加してくれた方からの質問を取り上げてみました。業界は違っても、参考にしていただける内容だと思います。


== 質 問 ==

「高収益トップ3%倶楽部」の東京勉強会で、衰退市場で勝ち組になる方法として、他社が撤退したり廃業するのを待つというお話をしていましが、どこまで我慢して最後の1社になるか? そのレベル感について知りたいです。
            

== 回 答 ==

しっかりした市場調査とライバル会社の動向を調べた上での判断ですが、残るということに“勝機”があると判断したら、徹底してバックヤードの管理などをして経費節減、最後の1社になる戦略をとることです。

== 解 説 ==

事業会社はもちろん飲食店でも商店でもそうですが、マーケットにライバルがいなくなると結果として1人勝ちするのは当然です。なので、御社がもしこういった可能性がある衰退市場をベースに戦っている会社ならば、徹底した生き残り戦略で経営にあたることは良いことだと思います。

こういうケースが当てはまるのが、製造業などで跡継ぎがなかなか出来ない業種とか、伝統的なしきたり等があってなかなかその事業で新規開業しようとする人間がいない場合などです。

こういう環境で、もしあなたが若い後継者で他社に継承者が無い場合などは、絶対にあなたが勝ちます。そして時間をかければ、他社が廃業する時に顧客を預けに来るという現象まで起こります(*^_^*)

また、経営者の年齢が同じくらいだった場合は、徹底して経費節減などをして生き残り戦略に出れば、同じ売り上げ規模だったとしても結果としてはあなたの会社が生き残りますので、思い切った戦略に出ることをお勧めします。

質問のレベル感ですがマーケットのライバルを調査していただくと、こうなれば勝てるというレベル感は意外にハッキリ分かると思います。・・・・実感があるのでやれると思うわけですね(*^_^*)

ちなみに、例を挙げると、以前にお世話した会社がまさにこういった衰退産業の会社でした。マーケットを調べると、おそらく5年~10年で市場は半減することが予想されましたが、その後はその売り上げ規模がかなり継続、衰退するとしてもかなりゆっくりだろうという見通しでした。

その地域には、当面のライバル企業も含めて同業者が10社ありましたが、おそらく残る企業数は2社~3社なのではないかという結論になりました。

これに加えて事業継承者の有無を調べたところ、かなりの企業で子供が継がない様子や現行社員の年齢等も合わせると社内から継承者が現れそうに無い会社がすでに数社あることが分かりました。

さらに残った会社の資金繰りなども調べて、勝算が見えたので、先ほどの生き残り戦略を決定、自社物件の事務所を縮小半減し、残ったスペースを賃貸に回すなどして徹底的に経費節減と内部留保に努めました。

人事戦略も当面採用をストップ、最低の補充に留めるなどとしたのを覚えています。

結果、見事に最後の2社になり最後は市場でこの会社1社になることが出来ました。そうすると先ほど書いた様に廃業していく会社が顧客を預けていくと共に、その業種での優秀な人材がみんな同社に入れてくれということで集まってきました。

資金繰りにも余裕が出来たので、同社は衰退する隣のエリアに進出マーケットを拡大してとてもよい会社になりました(*^_^*)

と、こんな例もありますので、可能性があったらぜひトライしてください。最後に、その際絶対に大切なのが市場調査と他社情報の収集です。これを誤るとなかなか難しいと思いますので、そこは注意してくださいね。よろしくお願いします。

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2010年01月29日(金)更新

「100円レンタカー」というビジネスの切り口

モノが売れない時代、自動車産業もまた消費不況に悩む業界のひとつです。そんななか、自動車販売のカーベルが、おもしろい切り口のビジネスを始めました。その名も「100円レンタカー」。中古車を10分100円からの基本料金で貸し出すサービスをフランチャイズ化したのです。


100円レンタカー


同社では、昨年(2009年)8月に埼玉県ふじみ野市で、11月には東京都中央区で試験的にサービスを始めたところ好調な結果を得たため、年末には加盟店を募ってのチェーン展開に踏み切ったようです。
このところ、下取りした中古車を販売できない店舗も多いようですが、その「在庫」をレンタカーとして活用できれば、中古車販売店にとってもありがたい話です。利用者がその車を気に入れば、販売にも応じるといいます。

また、自動車販売店だけでなく、ガソリンスタンドやビジネスホテルなどの異業種からも加盟店を募り、今春には50店舗、3年後には500店舗にまで拡大する計画だそうです。

以前、ブランド品の「レンタル」が伸びているという話題をブログでも取上げたことがありますが、きっかけは不況であるにしろ、一度消費者から「所有する」という意識が薄れたら、たとえ景気が戻ってもその意識はなかなか変わらないと思います。

「借りたほうが得!」と気づいた賢い消費者たちは、今後も「買うもの」と「借りるもの」を上手に分けていくでしょう。経営者としては、その消費者意識の変化を十分理解しておく必要があります。

また、「時間を細切れにする」という感覚も大切です。時代のスピードがますます速くなっている今、「半日」「1日」といった単位はまったく長すぎますし、もはや「時間」単位でさえも長すぎる感があります。その点、「10分」という単位を採用した同社のセンスはかなりのものです。

さらに「100円レンタカー」というネーミングも秀逸ですよね(*^^)v 波及していく商品やサービスには、これくらいインパクトのある「名前」が必要なのです。

こんなふうにこの事例を見ていくと、大いに参考になると思います。私は『世の中は自分のお金を出して実験してくれている』という感覚で世の中を見ることを教えていますが、この事例もまさにそうです。

「100円レンタカー」というビジネスのなかには、100円均一ショップが登場したときのインパクトや、近頃好調な「カーシェアリング」の要素が上手に組み込まれています。そういえば、最近では「社用車」を持たずに、カーシェアリングを利用して商品を配達する会社もあるみたいですよ。

それはともかく、経営者の“ビジネス脳”がますます問われる時代になっています。楽しくアイディアを出しながら、常に新しい切り口を持って、ビジネスを展開していきましょう(@^^)/~~~

2010年01月22日(金)更新

新規事業とコンセプトが合わない従業員をどうすべきか

今回は、私の主宰する「高収益トップ3%倶楽部」の勉強会に参加してくれた方からの質問を取り上げてみました。

経営に「人」の問題はつきものですが、経営者が考え方の基軸をどこに置くかで、進む方向性も変わってくるものです。よかったら、参考にしてください。


== 質 問 ==

事業を売却し、従業員を引継ぎ採用しなければならない時、今、新規事業を立ち上げる際、コンセプトが合わない従業員をどのようにしたら良いか悩んでおります。考えを教えてください。よろしくお願いします。

            
== 回 答 ==

企業経営に変化はつきものなので、その変化をしっかり社員さんに理解してもらってまずは前向きに参加してもらうということが大切です。その後スキルや向き不向きという問題が出てくると思いますので、生産性などを課題にして、結果として社員さんが入れ替わっていくようにうながすのがいいのではないでしょうか。

== 解 説 ==

おそらく、会社のある部門の売却をされたのだ(なのでその部門で採用した方がこれから取り組む仕事に向いていないということだ)と思いますが、企業が社員に支払う給与は基本的に依頼した仕事や業務に対して、社員が前向きに取り組んでくれて尚且つ望む成果を達成することを前提に支払う訳ですから、今後取り組んでもらう仕事は、最初の雇用の仕事と違う仕事ということを理解してもらって、それに取り組んでもらうようにうながすことが最初に取り組むことだと思います。

事業売却に際して買収企業に雇用の継続を依頼出来なかったわけですから、新しく取り組む仕事とコンセプトの違う社員さんが社内に出来てしまったとしても、まずはその方たちが今回の事業の担い手として成長するように、仕事の理解と教育をすることが重要だということです。

・・・本来は、事業を売却する際に社員さんも買収先に雇用してもらう(あるいはその時に何らかの方法で退職してもらう)方が良いのですが、上手く行かなかったということで、こういう事態になってしまったのだからしかたないと思います(ーー;)

その後の取り組みですが、新規事業で期待する成果を基準に、それぞれの社員に課題と評価を繰り返していき、成長してくれない社員がだんだん社内での仕事に限界を感じるようにうながすのが良いのではないかと思います。

企業というのは常に成長をしていくわけですが、その成長の速度に合わなくなった社員が自然に会社を去っていく流れを持つようになると、優秀な人が社内に残り、そうでない社員が辞めていくという、人材の自然な流れが出来ていきますから、それを意識してやっていくということです。

ただ、こういう仕事は本来事業売却時に、買収企業との間でしっかり交渉して雇用を継続してもらったり、売却時に何らかの方法で退職をうながせば起きない問題ですので、そもそもこういう問題自体が起きたことに経営者として反省した方が良いということも回答に付け加えておきます。

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2010年01月15日(金)更新

中国人観光客を囲い込み!? 家電量販店の海外戦略

突然ですが、これ、何て読むかわかりますか?
       ↓
     「友都八喜」


yodobasi


この画像を見ると、なんとなくイメージできるかもしれませんが、「友都八喜」とは、なんと!「ヨドバシ」カメラのことです。上のサイトは、昨年(2009年)7月にオープンした、ヨドバシカメラの中国人向け家電専門のネットショップなのです。
扱うのはデジカメや携帯音楽プレーヤーなどの小型製品が中心で、その品揃えは1,500~1,600点にのぼり、いずれも日本から発送するそうです。

同社は国内のネット通版で300億円以上を売り上げる実績を持つようですが、それを中国市場にも広げようと、他の家電店に先駆けての取り組みです。

サイトを通じて同社の知名度が上がれば、日本に旅行に来る際に来店してくれる可能性も高まるわけですが、それに加えて同社は注目すべき発言をしています。

それは、「日本の店で買った人が帰国してからネットで再び買うというケースもある」というコメントです。

今やネットの家電ショップは「価格競争」の世界ですから、同じ製品なら他社より1円でも安くしないとなかなか買ってもらえません。しかし、リアルの店舗をフォローするかたちでネットショップを運営するなら話は別です。

日本へ旅行した楽しい思い出とともに、帰国後に同社のサイトを覗く可能性は十分にありますし、「あの時は迷って買えなかったけど、ゆっくり考えたらやっぱり欲しい」なんて商品も出てくるかもしれません。

仮にサイトのコンテンツを「旅行客」向けに特化して、「秋葉原の穴場」とか「日本で行きたいとこランキング」みたいな内容を上手に発信すれば、「日本に行くならこのサイトを見ておいたほうがいいよ」なんて感じで、しだいにクチコミで広げていくことも可能です。

近年、ネットショップの運営は、しだいに難しくなっているみたいですが、ネットとリアルと融合できるならなるべくその方向性を追求する、もしそれが難しいのなら、単にモノを売るだけでなく、そこにどんな情報を付加すればお客さんに喜んでもらえるかを真摯に追求する・・・そうした姿勢で運営することがとても重要なのです。

年が明けても、まだまだ経済環境は厳しいですが、経営者の枠を超えた発想力と迅速な行動力で窮地は切り抜けられるはずです。ぜひ、経営者自ら“新しい情報”に触れる機会を大切に、明るい気持ちでがんばっていきましょう(*^^)/~~~

2010年01月08日(金)更新

ポッドキャスト番組『経営のヒント+(プラス)』を始めた理由

いよいよ2010年がスタートしました! 今年も、経営者のみなさんの良い刺激となるような情報をこの「経営者会報ブログ」から発信していきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

ご存じの方もいらっしゃるかもしれませんが、私が昨年末から始めた“新しい試み”があります。ポッドキャストで『経営のヒント+(プラス)』という番組を持ったのです(*^^)v

このブログと同じく、これから毎週金曜日に配信していく予定ですので、ぜひ楽しみにしていてください。

今回は、私がこの番組をスタートした理由についての質問を取り上げてみました。今や、ほとんど費用をかけずに、一企業が「メディア」を持てる時代です。ぜひ、参考にしてください。

== 質 問 ==

ポッドキャストの番組をはじめた理由と今後の展望について勉強会の中でも触れていただきましたが詳しく聞きたいです。
                
== 回 答 ==

映像と違って、耳からの情報収集は“ながら”で出来るので便利なのと、コミュニケーションツールとして人柄や人間性(?)を臨場感をもって伝えられると思ってトライしました。
あ、もちろん「iTunes」のメディアとしての可能性も意識しています。

== 解 説 ==

実は学習のツールとして本などの文章、そしてDVDやビデオといった映像と、今回の「iTunes」のような音声データを比べると、圧倒的に音声の方が学習機会を多くできるいうことで、まず使い勝手が良いと思います。

また、臨場感を伝えることについては、文章は不向きです。DVDが一番適していますが、音声でもかなりカバーできるという点で、優れたツールだと思っています。
学習機会を増やせる、とはどういうことかと言うと、文章やDVDなどの映像は、読んだり見たりということなので、それにしか向かえないという弱点を持っているのに対して、音声ならば通勤の途中(映像も可能ですが、乗り換えの時とかは映像は不向きです)や車を運転している最中とかにも聞き流すことが出来るので、いろんなところで学習できるということです。

音声が口コミで広がるってなかなかいいですよね(*^_^*)

臨場感を伝えるということに関して言うと、前々から自分のイメージとコンサルタントというどっちかというと堅い仕事のイメージがアンマッチだなと思っていたので、情報を出す時に私の人柄(とってもフランクで柔らかいですよ(*^_^*))、とか親しみやすさとかを伝えられたら良いなって思っていました。

講演会で私の話を聞いた方の第一印象は、「すごく親しみやすくてやさしい感じですね」とか「本の内容から、もっと恐い人だと思っていましたが、全然違うんですね」なんですよね(ーー;)

また、今回は早川さんとの掛け合いみたいな番組構成で、その場でいろいろな質問に答えたりしているので、私のコンサルを受ける時ってこんな感じでやり取りがされるのかってことも伝えやすいと思っています。

それから、何でも実験する自分の性質として、ビジネスモデルやマーケティングの情報やセンスを身に付けるためには、

「世の中は自分のためにお金を出して実験してくれている」
という感覚で世間を眺めること、また、日頃から、

「経営はいろんな技術が進歩しているので、時間と共に簡単になっている」

と、言っていますが、今回はまさに、世の中が進歩して、「メディア」を持てるようになったことの実験としてトライしています。

まだお聞きでない方は、毎週コンテンツを追加していきますので、ぜひ、一度お聞きになってみてください。  ↓  ↓  ↓
 http://j.mp/ishihara-pod

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ボードメンバープロフィール

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石原 明(いしはら あきら)氏

僖績経営理舎株式会社代表取締役
AZ Collabo株式会社

ヤマハ発動機株式会社を経て、外資系教育会社代理店に入社。約6万人のセールスパーソンの中で、トップクラスの実績を収める。「セールス・マネージャー世界大賞」を受賞後、日本経営教育研究所を設立し、経営コンサルタントとして独立。中小企業から大企業まで、業種や企業の規模を問わず幅広いコンサルティング活動を行っている。毎年の講演回数は100回以上。ビジネスの発想力やマーケティング力を開発・育成する「新経営戦略塾」には1000人が登録し学び、全国延べ4500社が参加。
2万人の読者を抱えるメールマガジン『石原明の「新経営戦略塾」』や、独自の視点で経営を綴るブログ『石原明の経営のヒント』も執筆中。大人気Podcast番組『石原明の経営のヒント+(プラス)』は累計ダウンロード数6000万回を超えている。著書に、累計30万部を超え『営業マンは断ることを覚えなさい』(三笠書房)、『「成功曲線」を描こう。』(大和書房)、『トップ3%の会社だけが知っている儲かるしくみ』(KADOKAWA)などがある。

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