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2010年10月22日(金)更新

経営者のストレス耐性

あの暑かった夏がウソのように、すっかり秋らしい陽気になりました。私は例年、10月になると、来年の計画を立て始めます。秋はモノゴトをじっくり考えるのに、いい季節です。

さて、今回は「明大生との毎週一問百答」に寄せられた過去の質問より、事務局からの質問を選んでみました。よかったら参考にしてください(*^_^*)

== 質 問 ==

ご自身のストレス耐性は強い方だと思いますか? トップはことのほか強いストレスを感じていらっしゃるかと存じますが、「ストレス」をどのように捉えていますか?

(経営者会報ブログ事務局 田中学)



== 回 答 ==

多少のストレスは人の成長を促しますので、そう考えるとストレスは有効ですが、経営上のストレスがあまり強いと本当に大変なので、経営者は経営的なストレスを感じなくても仕事を進めていけるように早くなった方が良いと思っています。

== 解 説 ==

内容がストレスについて(捉え方など)ですが、私は、ストレスに強い経営者(・・・あるいは人間)は基本いないと考えた方がいいと思っています。

ですから、ストレスを感じなくても経営が成り立つように一秒でも早く、ビジネスモデルやマーケティングロジックを強化して、経営的に安全な場所へ行ってしまうべきだと考えています。

あ!もちろん、経営は単に売上げが上がればいいってものではなく「売上げ-経費=利益」なので、ちゃんと会計的にも収益が上がった状態にして、それでもって、何かあってもそうそうびくともしない位の内部留保をしておかないとダメだと思っています。

私は、ストレスについては最終的に誰かが責任を取ってくれる環境であれば、重要な人を成長させる要因と考えています。なので、少々厳しい社風や仕事環境などは、どちらかというとウエルカムだと思っています。

また、アマチュアスポーツなどにおいてもそうですが、緊迫する場面や状況で、ストレスを感じながら一生懸命やって成果をあげるなどということは、とってもすばらしいことなので、大いに経験すべきと思っています。

そういう経験を通してあきらめない気持ちが培われたり、他者への愛情が芽生えたり、自己成長するといったことがたくさん起きると思いますので、スタッフやリーダーの成長のために、仕事上でストレスをかけるという経営手法は大切で、すごくいいと考えていますが、これが経営となると、後ろに誰もいない状況になってしまうので、失敗=破産、となってしまいます。

また、これが自分だけの環境ならまだいいのですが、家族もいるし、社員さんやその家族の生活まで影響を及ぼすとなると、経営者がマジに遭遇する困難は、およそ人間の耐えうるストレスを超えてしまうということです(ーー;)

それに、いろいろな方にお会いして思うことは、そういう非常な困難を乗り切った方は確かに強いですが、どこか人間的なバランスをおかしくしてしまっている場合も多いようです(ーー;)

・・・と、以上のような関係から、私は、なるべくなら経営的なストレス無しに企業経営を進めていけたらと思っています。
また、顧問先の社長さんには、そういったリスク管理も含めて、成功して先に逃げるという経営を提案するようにしています。
  

いかがでしょうか? あなたはどうお考えになりますか(^^♪ 私の発行する週刊メールマガジン、『社長、「小さい会社」のままじゃダメなんです!』(購読無料)では、毎週メルマガ読者のみなさんからの質問にこんな感じでお答えしています。

これまでのQ&Aもバックナンバーにたくさんあるので、興味があればぜひ覗いてみてください。もちろん、質問も随時受付中です(*^^)/~~~

2010年10月15日(金)更新

創業100年以上の会社は日本に何社? 長寿企業の秘訣

少し前の話題になりますが、今年(2010年)9月20日の敬老の日にちなみ、帝国データバンクがおもしろい調査を実施したようです。

約130万社が登録されているという、8月時点の同社の企業概要データベースから、「創業100年以上の企業」を集計し、創業時期別、都道府県別、業種別に分析を行ったのです(詳しい資料はこちらから入手できます)。


shitennouji.jpg


ちなみに、日本で一番古い会社をご存じでしょうか? 大阪府にある「金剛組」という会社ですが、創業は飛鳥時代(@_@;) 西暦で言うと578年だそうですから、なんと! 創業から1432年も続いているということになります。

この会社は「神社仏閣の建築」を専門に行う会社ですが、聖徳太子が四天王寺建立のために百済の国から招いた工巧(くぎょう)が始祖とされています。

続く2位は京都府の池坊華道会、3位は山梨県の西山温泉慶雲館。いずれも1300年以上続く企業ですが、創業500年を超す企業が、日本には39社ほどあるそうですよ。

そころで、創業100年を超す企業が、日本には何社くらいあったと思いますか?

・・・正解は「2万2219社」だそうです。

そのうちの9割は江戸時代末期から明治にかけて創業した会社で、都道府県別では東京都が1位、愛知県が2位、大阪府が3位。業種別では小売業が1位で、酒、呉服などの業者が目立ちます。続く2位は製造業、3位が卸売業という結果になったようです。

経営者として、この結果をどうお感じでしょうか? もしかしたら、100年続く企業をつくることは、すでにみなさんの目標に入っているかもしれませんが、「1000年」となるとどうでしょう。「1000年先」に視野を置く経営者は、ごく少数だと思います。

この調査結果を受け、マスコミ各社でも「長寿企業の秘訣」といった内容で、「変化への対応力に優れている」とか、「結局本業に特化した企業が強い」などといった分析をしていましたが、私が思うに「やめない」と決めることが一番重要なんじゃないでしょうか(*^_^*)

どんなビジネスでも、本当に儲かるのは「新規事業」と呼ばれる時期だけです。マーケットが成熟していくにつれ、しだいに儲けが薄くなるので、競合他社は次々にその事業から撤退していきますよね。

そんななか、業界で最後の1社か2社に残ることができたら、その先は長寿企業に向けてまっしぐら! というわけです。私の友人に書道用の「筆」をつくる会社の社長がいますが、同業がどんどん廃業するなかで、彼の会社だけは、今でもきちんとした商いを続けています。

みなさんには、その覚悟がありますか? 秋の夜長・・・たまには100年先、1000年先に思いを馳せて、自社の将来をイメージしてみてはいかがでしょうか(@^^)/~~~

2010年10月01日(金)更新

経営者はどうしたらいつも笑顔でいられるか

早いもので、今年も10月に入りました。念頭に掲げた目標に対して、順調に推移しているでしょうか? 経営には「自分の思い通りにならない」要素も多分にあるものですが、今回はこんな質問を取り上げてみました。私の笑顔の秘密(?)を明かします(*^_^*)

== 質 問 ==

石原先生はどうしていつも笑顔なんですか? 私はいち経営者ですが、恥ずかしいことに感情のコントロールが苦手で困っています。つい部下を怒鳴ったりしてしまうのですが、どうすればいつも笑顔でいられるのでしょうか?

== 回 答 ==

この手の質問はよく聞かれるので、参考になるかと思いお答えしますが、一番の理由は「周りの人に対して依頼心をまったく持っていないから」だと思います。


== 解 説 ==

「なぜ、依頼心を持たないと感情的にならないで、ニコニコしていられるのか」ということですが、これ、わかりづらいのでちょっと解説すると、社長として部下や周りの人に対して感情的になるという背景には、少なからず部下や周りの人に対して依存心や依頼心があり、「こうやってくれるはず」・・・という気持ちがあるからだと思います。

だから、思いどおりにならないと「何でこうやってくれないのか!」とか「信じられない!」とかというように感情的になってしまうのだと私は思っています。

ですから、この周りの人に対する依頼心をなくして、基本、全てのことは自分の責任においてやると最初から決めてしまえば、そんなに感情的にならないで済むということです。

そうすると「先生は周りの人を信用していないのですか?」と質問されますが、言い方はちょっと難しいのですが、期待はいっぱいしているけれど、最終的に何かあったらそれは全て自分の準備や確認がおろそかになっていたからと思うようにしているという感じです。

こういうふうに考えることを、今の会社を設立する時にハッキリと決めました(*^^)v
なので、上手くいったらそれはすごいことで、スタッフのおかげ、上手く行かなかったときは残念ながら自分の確認や詰めが甘かったと考えるようにしています。ですから、ぜんぜん怒ったりすることはないのです(*^_^*)

もちろん、こういう思考が持てる背景には、しっかりした(今の仕事をずっと続けられるなど、長期的に成果の上がる)ビジネスモデルとマーケティングのしくみがあり、いろいろな出来事はあったとしても体制には影響ないという形を作っていることも大切なので、経営者であれば、絶対にそういうしくみの上で経営できるスタンスを早く作るようにして欲しいと思います。

私が主催する「高収益トップ3%倶楽部」は、そういうしくみを自ら作るために勉強する会ということですね。

また、私はずっと営業の仕事をしていたので、いざとなれば、何でも売って来られるという自信があるというのも、いつも笑顔でいられる秘訣の一つだと思います。経営者が販売にそもそも強くないと、結構大変だと思うのでその辺も足りないなと感じたら、トップ営業が出来るように自分を磨いてみてください。

・・・と、こんな感じで仕事をしているので、いつもかなり平和に仕事をしているということです。よかったら参考にしてください。


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2010年09月24日(金)更新

twitterのビジネスユースをガチャピンに学ぼう

twitterのビジネスユースについては、諸説入り乱れるところですが、じつは「ガチャピン」ほど、上手にtwitterを活用している人(?)はいないんじゃないでしょうか(*^^)v

先ほどあらためて確認したら、今現在のフォロワーは、なんと!796,786名。いよいよ80万人に届こうという勢いです。


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聞くところによると、「ガチャピン」のフォロワーの多くは歴とした社会人だそうですが、自分のタイムラインにずらっと並ぶビジネスチックなつぶやきのなかに、ガチャピンからの「今日はおうちでゴローン。」とか「博多なぅばい。」といったつぶやきを見ることで、癒されているオトナたちが相当いるみたいです(*^_^*)

もちろん、twitterとブログ「ガチャピン日記」との連動も秀逸で、こういった短いつぶやきのなかに、「てへへ。http://gachapin.fujitvkidsclub.jp/2010/07/2010730.html」という感じで巧みにブログに誘導するつぶやきが含まれています。

この日のブログの内容は「てへへへ。ムックとケンカしちゃった。」という内容だったのですが、つぶやきの3分後から「仲直りしてね!」というような応援コメントが続々200以上も集まるのです。またある日は、奈良にひとり修学旅行に行ったり、スノボをやったり、農園で種まきをしたり…と、アクティブに「ロケ」を決行している様子からは、ブログへの本気度が伺えます。

つまり、ガチャピンの「twitter×ブログ大作戦」は、片手間という域を超えた本気の取り組みなわけですが、その結果何が起こったかというと、自分で自分のキャラクターとしての価値を限りなく上げることに成功しました。

ご存じのように、ガチャピンはフジテレビ系の子供番組『ひらけ!ポンキッキ』に登場するキャラクターで、株式会社フジテレビKIDSの登録商標です。番組放送開始は1973年。そう考えるとガチャピンももう37歳になるわけですが(笑)、昨年から始めたtwitterの効果で、キャラクターグッズの売上げもかなり伸びているはずです。

また、最近ではガチャピンとコラボしたがる企業も増えていて、この夏には「ニコニコ動画」のライブライブイベントで、ガチャピンの音声をパソコンで合成して楽曲を歌わせることができるソフト「ガチャポイド」が発表されました。

このニュースは「ガチャピン“歌手”転向!?」などと、かなり大きくメディアにも取上げられていました。さらには、『笑っていいとも!』の「テレフォンショッキング」に登場するなど、タレントとしての価値までも上げつつあります。

昨今、好みの多様化で、キャラクタービジネスも難しくなってきているようですが、このガチャピンの戦略には、学ぶところが多そうです。とりわけ、オトナのファンを増やし、自らマーケットを拡げたセンスはさすがです。経営者として、ガチャピンの今後に、しばし注目してみてはいかがでしょうか(@^^)/~~~

2010年09月17日(金)更新

続く消費不況。マーケットの閉塞感にどう立ち向かうか<>

今週は、前回のQ&Aの回答でふれた「バックヤードの省力化」という部分にスポットを当て、続けて解説してみたいと思います。ぜひ、参考にしてください。

== 質 問 ==

ここ数年、消費不況が続いています。こんな時代に、お客様の財布の紐をゆるめるには、どうすべきでしょうか? 日々の営業に閉塞感を感じて困っています。

== 回 答 ==

バックヤードの省力化についてもう少し詳しく解説しますが、経営とは常に革新と考えて、コレまでの習慣を見直すクセを組織全体につけること、経営者は常に新しい情報に触れ、システム化などを含めた最新の手法を取り入れることです。

== 解 説 ==

消費が低迷して企業間の競争になった時に、どうやってその状況を打開するかですが、前回お話したように、顧客が本当に自社の商品なりサービスを気に入ってくれているかを見直すことが重要です。

特に売り上げの数字が大きくなると、一人一人のお客様との距離感が離れてしまう傾向にあるので、その辺の見直しは重要なのです・・・と、先週も回答しましたが、企業として同時に考えておかないといけないことは、仮に他社と同じ商品やサービスレベル(商品やサービスで優位性が出せないという状況)になってしまった場合でも競争優位に立てるようにするにはどうするかということです。

その解決策は、ズバリ、値段的な競争になっても勝てる体質を企業内に作っておくことです!

それには、バックヤードや間接部門の作業効率を上げて、他社ではスタッフが数人でやることを、当社では1人で出来るというように、工夫しておくということです。効率化をする時に一番大切なことは、これまでの常識を疑うことですね(*^_^*)

特に御社が歴史を積み重ねて、社員数もかなりいる会社だとすると、仕事のための仕事みたいな感じで業務が拡大・肥大(?)している可能性があるので、気をつけて見直さないといけないと思います。

今の世の中の風潮は、歴史のある古い会社が、新しく出来た会社にどんどん負けているという状況です(-_-;)

コレは、伝統のある会社が創立当時の最新の仕組みでいまだに仕事の仕組みを作っているのに対して、最近設立された会社は最新の仕組みをどんどん取り入れているので、コスト的に圧倒的に勝っている結果、起きていることなのです。

・・・今の中国が国を挙げてそんな感じなので、日本の企業は根こそぎ危ない感じですよね(ーー;)

コレを打開するためには、経営者が常に新しい情報に触れ、今やっている仕事をもっと簡単に出来る方法がないか常に研究する必要があります。新しいということは、これまでやっている仕事を、安く・簡単に・人手をかけずにやれる・・・ということなのです。

他の分野でもいいので、最近伸びている会社を見てみてください。システムはじめ御社で行っている業務をゾッとするくらい、恐ろしく少人数でやっているはずですよ。

一昔前の経営者は、社内に目を配り外に出る時には常に顧客回りをしろと言われましたが、そんなことを今も守っている経営者は、省力化を進めている他社に圧倒的に価格で負けることになると思います。

顧客の消費行動における価格差はネットの普及によってさらにハッキリとして来ています。「高くてもうちの商品はこんなに良いんです・・・」と、言っていても、リアルに顧客と接することが出来ればまだ売れる可能性はありますが、ネットではまず無理ですよね。

ということで、「同じ値段でも他社と比べて利益が取れる=いざとなったら、値段で勝負できる」という体制を社内に作っておく努力は怠らないでください。


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2010年09月10日(金)更新

続く消費不況。マーケットの閉塞感にどう立ち向かうか

このところ、ようやく秋の気配を感じるようになりました。少し陽気もよくなってきたところで、自社の抱える根本的な課題と向き合ってみてはいかがでしょうか。

というわけで、今回はこんな質問を取り上げてみました(*^_^*)

== 質 問 ==

ここ数年、消費不況が続いています。こんな時代に、お客様の財布の紐をゆるめるには、どうすべきでしょうか? 日々の営業に閉塞感を感じて困っています。

== 回 答 ==

経営的に考えると、取るべき手段は二つあります。一つはもっと個々の顧客の思考を参考にしてビジネスを再考すること。そして二つ目は、少ない人数で同じ仕事をこなせる方法を考えることです。

== 解 説 ==

ビジネスモデルを考える時に大切なのは、イメージしているビジネスが、最終的に本当に顧客対象となるターゲット(会社や人ですね)から支持されるか、ということです。

そんなこと当たり前だと思うかも知れませんが、意外に多くの会社が予測のままにビジネスを立ち上げ、こういった「本当に顧客から喜ばれるか?」という確認をしないで、大きな投資をしてしまうことが多いのです(ーー;)

ちなみに、支持されるとか、喜ばれるというのはどういうことかというと、喜んで対価(定価で、ですよ!)を払ってくれるか、ということです。

ビジネス立ち上げ時にアンケートを取って、「こういう商品やサービスがあったらうれしいですか?」とか、「これを買いますか?」って調査をする会社がありますが、実はこういうアンケートはマーケットをまったく捉えていないケースが多いのです(ーー;)

では、何がいけないかですが、それは、この商品はサービスが実際に売れたわけでは無いからです。

うれしいと思う・・・というのと、実際に買うということとは、まったく別次元だということを知らないといけないですね。

ちょっと解説が長くなりましたが、市場に閉塞感を感じ、これまである程度売れていたモノの売り上げが落ちているということは、企業として、このあたりのズレを一回しっかり確認してみるといい状況にあるということです。

マーケットは常に動いています。顧客の思考もスッゴク変化しているので、これまでの会社側の予測ではなく、個別に現状を聞いて戦略を立て直すのが良いと思います。

「今まで言わなかったんだけど、本当は御社の商品にこんなサービスが付いていればいいなと思ってたんです」とか、「前は良かったけど最近はココが不満」とか、「こんなライバル会社に負けてるよ」・・・などという声が聞こえてくるかも知れませんよ。

コンサルするときに常に言うことがあります。それは、『売上げは最小単位の積み重ねで作られる』ということです。

コレは売上げが、1億でも10億でも100億でも、その構成要素はあくまでも、『ビジネスの最小単位=目の前のお客様が喜んでくれているか』にある、ということです。このあたりの確認を、ぜひしてみてください。

あとは、同じ売り上げでも利益の出せる会社にしないと競争に勝てないので、バックヤードをなるべく省力化することも大切です。できるだけ少ない人数でこれまでと同じ仕事をこなせる工夫や努力も同時に取り組んでください。こちらについては、来週、改めて解説してみますね。


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2010年09月03日(金)更新

困難は“発想”で乗り切る!? 「就職祝い金」モデルが求人サイトを救う

近年、仕事探しには「インターネット」が欠かせない存在になっていますが、リクルート、インテリジェンスをはじめ大手がひしめく求人情報サイトのなかで、ベンチャー企業である「リブセンス」が急成長を遂げているのをご存じでしょうか?


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急成長の秘密は、そのビジネスモデルにあります。同社の運営する「ジョブセンス」は、2006年4月のサービス開始以来、求人広告の掲載は『無料』。実際に採用できた時点で初めて課金されるシステムになっているのです。

同社いわく「そもそも、ネットでは“情報はタダ”といった感覚が強いのに、求人情報を掲載しただけで料金が発生する課金方式には無理があるように思う」とのこと。言われてみれば当たり前ですが、ネットの「広告モデル」を敵に回すも同然ですから、なかなか勇気のいる決断だったと思います。

案の定、立ち上げ当初は求人広告集めに苦労したそうですが、しだいにこのシステムが理解され始め、クチコミなどで評判を呼ぶにつれ、求人の掲載件数は常時1万件、月間利用者数は300万人に達するまでになったのです。

しかし、規模が大きくなると、このビジネスモデルの思わぬ欠点が浮き彫りになってきました。課金するためには、その企業が「採用したかどうか」の後日調査が必要で、そこに膨大な手間や人件費がかかるわけです(-_-;)

悪気はないにしろ、日ごろの忙しさにかまけ、企業側から進んで採用の事実を報告してくれる例は極めて少なかったのでしょう。そこで同社が編み出したのは、「採用された人にお祝い金を払おう!」というモデルです。

この「就職祝い金制度」を設けたことで、採用された本人から、確実に自己申告が受けられるようになったのです。金額は1000円から2万円までのようですが、採用の実態を調査するためにかけていた手間と費用にプラスして、このモデルそのものが生み出す「競争力」を考え合わせれば、とても賢い選択だったのではないでしょうか。

こんなふうに、目の前の課題を乗り越えるには、経営者が常識にとらわれない自由な発想と知恵を持てるかどうかにかかっています。この事例を参考に、あらためて自社の課題と向き合ってみてはいかがでしょうか(@^^)/~~~

2010年08月27日(金)更新

今どきの日本男児に「龍馬」はいない!? エネルギーは情報量に比例する

今年は厳しい残暑が続いていますが、みなさんお元気でお過ごしでしょうか? さて、今回はちょっとおもしろい質問が寄せられたので、取り上げてみました。

幕末の志士たちの中でも、坂本龍馬は絶大な人気を得ていますが、毎週、NHKの大河ドラマ「龍馬伝」を見るにつけ、自社の若手社員(特に男性)の元気のなさが気になるという、とある経営者からの質問です。

== 質 問 ==

毎週「龍馬伝」を楽しみに見ていますが、幕末の日本男児のエネルギーには感動します。それと比べるのもどうかと思いますが、自社の若い男性社員の元気がないように感じてしまうのですが、こんなことを感じてしまう私はただのオヤジでしょうか……。

== 回 答 ==

活性化は情報の量に比例すると思うので、自社の若手社員さんに元気がないのであれば、与えている情報が少ないと考えて、質・量ともに充実させる工夫をされることをお勧めします。

== 解 説 ==

与える情報には量と質という問題もあるので、「定期的にいろいろな情報を社内に流す仕組みを考える」「社員を関係する分野の専門家と会わせて、その分野の専門に特化した情報に触れさせる」などの工夫が必要だと思います。

また、今話題の「龍馬伝」について、幕末の日本男児のエネルギーと情報の質と量の話で言うと、明治維新の際に、伊藤博文が時の為政者を大量に数年間に渡って世界中に派遣して情報を収集させたことにより、実現化が加速していったという経緯があります。

それに対して、人物的にはすばらしい方だったが世界に触れることが出来なかった西郷隆盛は(情報に触れることが出来なかったために)明治維新という流れに結果として逆らう形になってしまいましたよね(ーー;)

そう考えると、人が何かに向けてエネルギーを持つためには、質量ともにある一定の情報という刺激が必要で、社員の活性化のためには具体的にそういった刺激をする方法を設定したり、考えたりする方が良いと思います。

私の顧問先でこういう方法を上手に工夫している会社もあるので、例を挙げておくと、この会社は貿易関係ということもあり、社員さんが入社後数年すると、海外の仕入れ先に1人で出張に行かせます。

観光旅行ではなく先方との交渉も含まれるビジネスですから、1人で何でもやらないといけない状況から、ものすごい緊迫感とともに情報の刺激を受けて帰ってくるそうで、行く前とはまったく別人のようになるそうです(*^_^*)

そもそも海外旅行に行ったことが無い人が1人で海外に行くということ自体がスッゴイ刺激ですもんね(ーー;) そりゃあ生まれ変わるくらいの危険や刺激があるわけです。

また、この会社は、仲の悪い社員を2人だけで海外出張に行かせたりもしますが、こういう場合は、2人の人選を、英語が話せるが業務が分からない人間と、業務は分かるが英語が話せない人間という感じで組み合わせるので、刺激も受けて尚且つ、結果としてスッゴク仲良くなって帰ってくるそうです。

下手な研修を何回もするよりも絶対に単独出張の方が効果がありますよと、その社長さんは言いますが、こういう感じで、刺激を受ける方法を業務の中で設定できると良いということです。こうした事例を参考にして、ぜひ、人が活性化する仕組みを考えてみてください。


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2010年08月13日(金)更新

老舗の新戦略「あめや えいたろう」に学ぶ

突然ですが、コレ、何だと思います?


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どう見ても「リップグロス」か何かに見えますが・・・じつはコレ、「あめ」なんです(@_@;) 
しかも、あの榮太樓總本鋪の商品。同社は安政4年(1857年)の創業だそうですから、もう150年以上も続く企業なんですね。

みなさんも子どもの頃に、赤や黄色の缶に入った「榮太樓飴」を食べた思い出があると思いますが、榮太樓飴には「有平糖(あるへいとう)」という材料を使っています。

有平糖が日本に入ってきたのは江戸時代のこと。南蛮菓子のひとつとして伝わってきたもので、当時は非常に高価なものだったそうですよ。

その「有平糖」をつかった飴を現代風にアレンジしたのが、この「スイートリップ」という商品です。なんでも江戸の男性たちは、その頃めずらしかった「飴」をお目当ての女性へのプレゼントとして贈ることが多かったそうです。

で、もらった女性たちは、飴をなめた後にそっと唇にグロス代わりにつける・・・そんな、ちょっと色っぽいストーリーを、この「スイートリップ」という商品に込めたかったそうです。

とは言うものの、有平糖をベースとした「みつあめ」を、チューブに入れてちょうどいい具合に練り上げるのにはかなり苦労したようです。しかし、そこは150年の歴史を持つ企業。職人さんたちは嬉々として、試作品を何度も作ってくれたみたいです。

そして、老舗の技を現代にマッチするカタチで披露すべく、榮太樓總本鋪は「あめや えいたろう」というブランドを立ち上げ、この「スイートリップ」をはじめとしたオシャレな商品を展開しているのです。

この「スイートリップ」は、ただの「あめ」に留まらず、紅茶に入れたり、ヨーグルトにかけたり、パンケーキやクッキーのアクセントにしたり・・・と「あめ」の世界を見事に広げています(*^^)v

1本525円という手頃な値段なので、バッグに入れて持ち歩き、友達に見せて驚かせたり、ちょっとしたプレゼントとしても最適ですよね。

店舗展開としては、新宿の伊勢丹店のみですが、最近テレビなどにも取り上げられ、売り切れになる日も多いみたいなので、今後は多店舗展開していくんじゃないでしょうか。

時代の流れがますます速くなるなかで、100年以上も企業を存続させるのは至難の業だと思います。やはり経営者が「変わるものと変わらないもの」をしっかり見極め、時代に合った舵取りをしていく必要があるのです。

世間はお盆休みですが、この事例を参考に、自社の未来をじっくり考えてみてはいかがでしょうか(@^^)/~~~

2010年08月06日(金)更新

集客のために効果的な媒体を選ぶ法

早くも8月に入りました。来週からお盆休みを取られる方も多いかもしれませんが、経営者は休暇中といえども、「世の中をウォッチング」する眼だけは休めないでいただきたいと思います。

というわけで、今週はこんな質問を取り上げてみました(*^^)v

== 質 問 ==

集客のために告知を考える時、最もコスト効率の良い媒体(マスメディア、メルマガ、ミニコミなど…)をどうやって見つけ出すのが良いのでしょうか?

「コスト低いがヒットが低い」とか「コスト高いがヒットも高い」とか…、参考になることを教えてください。よろしくお願いします。

== 回 答 ==

効率の良い集客の方法を見つけるには、テストマーケティングを繰り返すことが必須です。

ですから、まずは考えられる方法を選定して実際に費用をかけて実行してみる以外にはないと思いますが、投資できる金額がそんなに多くないというのが現状だと思います。

== 解 説 ==

というわけで、なるべく費用を抑えた方法で、媒体を選定するためのアドバイスをすると、それは、ライバル企業や同一マーケットでの類似企業、または別のマーケットで同じ商品やサービスを扱っている企業がどんな告知媒体を使って集客をしているかをリサーチすることです。

特に、そういった企業がずっと使っている媒体、また、例えば、広告だったらだんだん広告スペースが大きくなっているような媒体というように、何らかの方法で効果が確認できるようであればもっといいわけですから、出来れば継続的にそういった企業の告知情報を集めておくと良いと思います。

これは以前に私の顧問先で実際にやった方法ですが、他地域の情報を取るために、知り合いで異業種の社長さんに、自社のエリアのその業種の告知情報を集めてあげる代わりに、自分の業界の情報を集めてもらい、お互いのマーケティングの強化をサポートし合ったりしていました。これもなかなか良い方法だと思います。

こういう情報を常に集めておくと、同じ媒体に広告を出している会社でも、広告の書き方にかなり違いがあるとか、毎月内容を変えている会社があるとか、いつも同じ広告を出し続けている会社があるといったことも分かってきたりと、それぞれの企業の真剣度なども分析できたりしますので、いろいろ勉強にもなると思います。

この分析はネットで集客している企業の場合には、出しているメルマガをストックして内容を分析したり、サイトで集客をしている企業の場合は、サイトそのものを毎月プリントアウトして変更点を探したりというようにして分析していきます。

こういう方法は「高収益トップ3%倶楽部」のマニュアルに詳しく書いていますが、日本の中小企業の欠点は、努力が勝手な独断で行なわれていて、マーケティングをする時にほとんどライバル企業の分析をしないことだと思います。

マーケティングとは同一エリア内の他社との競争なので、こういう感覚では、絶対に進歩が遅いと思いますよ(――;)

また、私が常に言っている『世の中は自分のためにお金を出して実験してくれている』という感覚で世の中を見るということも常に大事にしていただきたいと思います。
以上が費用をなるべくかけずに、効果の上がる集客の方法を見つける方法です。ぜひ参考にしてください。

ただ、これもマニュアルで書いていますが、効果が上がったら絶対にその効果をもっと大きな投資に繋げていってくださいね。そして、最終的には集客の方法も一種類より多くの媒体や手法を使っていくような会社にならないとなかなか成功していきませんので、それも忘れないでください。

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ボードメンバープロフィール

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石原 明(いしはら あきら)氏

僖績経営理舎株式会社代表取締役
AZ Collabo株式会社

ヤマハ発動機株式会社を経て、外資系教育会社代理店に入社。約6万人のセールスパーソンの中で、トップクラスの実績を収める。「セールス・マネージャー世界大賞」を受賞後、日本経営教育研究所を設立し、経営コンサルタントとして独立。中小企業から大企業まで、業種や企業の規模を問わず幅広いコンサルティング活動を行っている。毎年の講演回数は100回以上。ビジネスの発想力やマーケティング力を開発・育成する「新経営戦略塾」には1000人が登録し学び、全国延べ4500社が参加。
2万人の読者を抱えるメールマガジン『石原明の「新経営戦略塾」』や、独自の視点で経営を綴るブログ『石原明の経営のヒント』も執筆中。大人気Podcast番組『石原明の経営のヒント+(プラス)』は累計ダウンロード数6000万回を超えている。著書に、累計30万部を超え『営業マンは断ることを覚えなさい』(三笠書房)、『「成功曲線」を描こう。』(大和書房)、『トップ3%の会社だけが知っている儲かるしくみ』(KADOKAWA)などがある。

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