石原明の「知的経営の切り口」 | 経営者会報 (社長ブログ)
企業を発展させるための経営のヒントについて、独自の切り口で紹介します。
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2008年02月15日(金)更新
様変わりする「社員旅行」
都内の金属加工会社「フルヤ金属」では、各地の工場や営業所員約150人を集め、都内の高級ホテルで『ワインのテイスティング』を楽しむ、ちょっとハイソな社員旅行を実施したそうです。
(*写真はイメージです)
昼間はワインの基礎を学ぶセミナー、そして夜は「テイスティング大会」を開催。銘柄や産地を当てたり、「この味わいを表現すると?」などという設問に答えたり……豪華商品をかけて、テーブルごとの団体戦で行った大会は、大いに盛り上がったみたいです!(^^)!
この社員旅行を企画したのは、JTB首都圏の法人営業部だそうですが、ここ数年、各旅行代理店では社員旅行のオプション企画を増やす傾向にあり、JTBでも「陶芸」「ソバ打ち」「果物狩り」などの定番ラインに加え、「ラフティング(急流下り)」「パラグライダー」「地引き網体験」「着物の着付けもできる京都の町家体験」「お茶屋体験」「東京・横浜のヘリクルージング」など、なんと、100種類以上の体験プログラムを用意しているといいます。
また、「旅行の行き先を選べる社員旅行」を採用する会社も、年々増えてきているみたいです。旅行可能な期間を区切り、たとえば「沖縄・北海道・グアム・ハワイ」などの選択肢から好きな場所を選び、仲の良い同僚や家族と旅行するのだそうです。
もちろん、行き先により費用も異なりますが、あらかじめ会社の補助金額を決めておき、不足分は自己負担、というシステムが多いみたいですね。
マンネリ化した社員旅行では、「今更行きたくない」と参加率も下降気味なところ、 こうした様々なプランを採用することで、社員旅行のイメージも“おつきあい”から“楽しめる”ものへと変化しつつあるというわけです。
もちろん、社員全員が本当に「楽しめる」旅行を実現するのは至難の業でしょうから、旅行代理店としては、「遊び感覚に長けた幹事さん」みたいな社員を狙って、PRするんでしょうね(*^^)v
そうした旅行会社の作戦も見え隠れしますが、それはともかく、人付き合いが苦手な若手社員が増えるなか、社内のコミュニケーション不足を解消するのにも、社員旅行が一役買うかもしれません。
また、社員旅行を通して、一流のサービスを体験したり、文化的な知識を深めたりすることができれば、それが間接的に仕事に活きる可能性もあります。この事例を参考に、自社の社員旅行も見直してみてもいいかもしれません(@^^)/~~~
2008年01月25日(金)更新
上野松坂屋のマスコット「さくらパンダ」が人気!?
この「さくらパンダ」は、上野店が昨年3月、50年ぶりに行なったリニューアルオープンに合わせて企画されたキャラクターで、1階にある上野周辺の名店の商品を集めたコーナー「上野広小路倶楽部」の一角では、キャラクターグッズの販売もしています。
同社の販売促進本部によると、『売上高は想定の3倍』という好調ぶりだそうですが、中でもお湯を注ぐと普通のパンダがさくらパンダに変身するマグカップや、ぬいぐるみが人気なのだそうです。
近年は、上野駅がターミナル駅としての存在感を失いつつあることもあり、なんとか「上野にある百貨店」をイメージしてもらおうということで「さくらパンダ」が作られたとのこと。ひと目で上野をイメージできるもの…、と考えた結果が「さくら」と「パンダ」だったのでしょう。そのわかりやすさが人気の秘訣なのかもしれません。
当然、Web戦略もしっかり考えられています。「さくらパンダブログ」では、さくらパンダの着ぐるみが店内を紹介しているのですが、その紹介の内容がけっこう面白く、話題を呼んでいるみたいです。
私は、以前から、キャラクターやまんがを経営に活かすべきだと考えていて、以前にもブログで取り上げましたが、そこにネット戦略を上手に絡めることで、より大きな効果を発揮すると思います。
現に上野松坂屋では、これまでは50代以上が主要顧客だったのですが、さくらパンダのブログが話題になるとともに、20代~40代の女性たちも関心を持ってくれるようになったそうです。
また、松坂屋は昨年大丸と経営統合し、「J・フロントリテイリング」を設立しましたが、今後はこの関連グッズを松坂屋と大丸の全店舗で販売する予定だそうです。さくらの開花とともに、このさくらパンダが全国でブレイクするかどうか、今後も注目したいところですね。
今は、プロが作った洗練されたキャラクターより、「うちの社長が描きました」みたいな、ゆる~い感じのキャラクターがけっこうウケる時代です。この事例を参考に、自社のマーケティングにキャラクターを活かす方法を、前向きに探究してみてはいかがでしょうか(@^^)/~~~
2008年01月11日(金)更新
試供品配布の新しいカタチ
ルーク19が運営する「サンプル百貨店」は、会員数が26万人となり、会員の8割が女性だそうですが、前年同時期に比べ会員数は1.5倍に増えたそうです。一方、試供品を提供する企業数も、昨年同時期から30%増えたといいます。
このサンプル百貨店では、「サンプラー」という仮想通貨を流通させています。会員登録をすると、まず500サンプラーがもらえ、その後は商品使用後に簡単なアンケートに答えたり、サンプル百貨店を友達に紹介したり、企業戦略企画室に参加することによって、サンプラーをどんどん増やすことができます。そして、そのサンプラーを使って、目当ての試供品を試せるというしかけになっているんです。
つまりユーザー側は「無料登録」ってことに変わりはないわけですが、こんなしかけになっていると、せっかく貯まった「サンプラー」を使わなきゃって気にもなりますし、むやみに配られた試供品と違い、自分から能動的にゲットしたサンプルですから、相当真剣に使ってみるんじゃないでしょうか。そして、気に入れば、その感想を誰かに伝えたくもなるというものです(*^^)v
企業側から考えても、アンケートの返信率の高さはかなりの魅力です。たとえば、「首都圏在住の30代の主婦」というふうに会員の属性を絞ってから試供品を配布することもでき、テストマーケティングの場としても十分使えます。
最近では、食品や化粧品などの消費財だけでなく、家電や自動車の試乗といった耐久財メーカーからの依頼も増え、エステや英会話教室などのお試しにまで裾野が広がっているようです。これからは飲食店やサービス産業にまで、この流れが広がっていくかもしれませんね(*^_^*)
こんなふうに両者にメリットを生む仕組みなわけですが、この仕組みを「リアル」で展開した、とっても頭のいい企業も登場しました。私のブログでも取り上げ、たいへんな反響を呼んだ「サンプル・ラボ」です。私は昨年、「ネットのリアル化」がひとつのキーになると発言してきましたが、このサンプル・ラボは、まさにそのモデルです。
この事例ひとつをとってみても、今年は「ネットとリアル」がお互いに影響し合いながら、これまではお金をかけなければ出来なかったことが、どんどんローコストで実現できるようになってくるのではないかと思います。
見方を変えれば、経営がますます簡単になってくるとも言えますし、われわれ中小企業もその手腕によっては、大企業と互角に戦える時代になってきたとも言えるでしょう。今年も、みなさんの経営のヒントになるようなことを、どんどん発信してまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします(@^^)/~~~
2007年12月28日(金)更新
企業独自のニュースランキング
一番有名になったのは「新語・流行語大賞」かもしれませんが、これは「現代用語の基礎知識」を出版する自由国民社と生涯学習のユーキャンがパートナーシップを組み、1984年から選び始めたものです。ちなみに、第1回の大賞は「オシンドローム」だそうです。NHKの連続テレビ小説『おしん』から生まれた新語ですが、なんだか懐かしいですね(*^_^*)
また、セーラー万年筆でも、毎年『10代の重大ニュース』を発表しています。こちらは、1974年から実施しているもので、今回で34回目となるかなりの老舗です。
今年10代から一番注目されたニュースは「安倍総理辞任」で、2位が「相次ぐ食品偽造問題」、3位が「消えた年金記録問題」、9位に「米国サブプライムローン問題」と、意外に硬めのニュースが並びます。
10代が選ぶ流行語の1位は「どんだけぇ~」、次いで「そんなの関係ねぇ」「おっぱっぴー」。4位が「KY(空気が読めないの略)」、8位には“しょこたん語”の「ギザカワユス」がランクインし、こちらは“いかにも”と言った結果です。
これは、セーラー万年筆が、全国の10代の男女500名(内訳は、小学生11名/中学生55名/高校生221名/大学・短大生152名 /専門学校生23名/給与所得者11名/その他27名)にインターネットを通じた調査をし、重大ニュース5項目までと、印象に残った流行語を1つ回答してもらったものの集計結果ですが、34年にも渡り独自の調査を続けている姿勢には、ちょっと感心してしまいます。
ネット環境が整備された現代では、こうした調査も比較的簡単に低コストで行うことができるわけですから、その切り口さえ面白ければ、世の中から注目を集める存在になれるかもしれません。
ネットに氾濫する「誰々がこう言ってました」みたいな二次情報より、独自調査によるランキングという「生の一次情報」はよっぽどおもしろいですしね(*^^)v
この事例を参考に、来年はあなたの会社や業界でも、独自のランキングを始めてみるのもいいかもしれませんね。来たる新年が、ますます輝かしいものでありますように(^.^)/~~~
2007年11月09日(金)更新
有田焼の器で食べられる即席ラーメン屋
「インスタントラーメン専門店? どこかで聞いたな…」ちょっと調べてみたら、以前私のブログにも書いたことがある「インスタントラーメンさくら」の姉妹店のようです。
この店の名前は「Akiba Noodle(アキバ・ヌードル)さくら秋葉原店」。アニメショップや電気店などに囲まれる雑居ビルの中にある10畳ほどの店で、壁には約400種類ほどのインスタントラーメンばかりがずらっと並び、さながら「インスタントラーメン博物館」の様相を呈しています。
メジャーな大手メーカー品ばかりでなく、地方限定のユニークなものもあり、オタクの聖地だけに「ジャケ買い(パッケージだけで判断して買う)」するお客さんも多いのだとか。
好きな商品を選んで調理してもらい、自家製のメンマやチャーシューが入って190~380円。それが高いものだと3万円を超える有田焼の器に入って出てくるわけなんですが、店主曰く「中身が安いので、見た目だけでも豪華な気分を」という粋なはからいのようです。
この店主、実は6年ほど前に「ラーメンブームに乗ろう」と横浜にラーメン店を開いたものの、あえなく失敗(――;)。そこで「普通のラーメンは繊細で難しい。インスタントラーメンなら自分のセンスは関係ない」と方向転換したそうです。
この店のコンセプトは「大人の駄菓子屋」というもので、「昔、部活帰りにカップ麺をすすった感覚で来てほしい」ということだそうです。10席にも満たない小さなお店ながら、土日には200人を超すお客さんが来ることもあるそうなので、なかなかの繁盛ぶりといっていいのではないでしょうか。
また、アキバならではの企画も始まっているようで、アニメのパッケージに包まれた「変身ラーメン」の先行発売が、今月からスタートしています。
こういう話題は、ネットであっと言う間に広がるでしょうから、広告宣伝にお金をかけなくとも、集客に成功できると思います(*^^)v
このように、情報化社会の進化のおかげで、今は「売る」ことが比較的簡単になった時代になったともいえます。しかし、ネット上に氾濫するのは、あくまでも2次情報や3次情報が主体で、本物や価値あるものを探すのが大変になってきたという側面もあります。
こういう時代の中で、企業が進むべき方向は『価値ある1次情報』を発信することだと私は考えているのですが、従来品より一歩突っ込んだ本物の商品やサービスを開発するのもしかり、この事例のように、既存の商品をケタはずれの単位で集め、付加価値を付けるのもしかり…、経営により“オリジナリティ”が求められる時代になったことだけは間違いないようです(@^^)/~~~
2007年11月02日(金)更新
六本木ヒルズと新丸ビルにみる変化と進化
2003年にオープンした六本木ヒルズは、「ヒルズ族」なる言葉ができるほど、東京のビジネスや文化に影響を与えた存在に間違いはありませんが、今年は、ヒルズから続々とIT関連企業が引越しをしたようです。
「脱・ヒルズ」などと新聞にも書かれていましたが、楽天は品川区内に借りた23階建てのビル、通称「楽天タワー」に移転しました。ヒルズには楽天証券と電子取引の楽天市場事業が残ったようですが、グループ企業が丸ごと移転したといった格好です。
六本木ヒルズをいやというほど世間に印象づけたライブドアホールディングスも、港区赤坂のビルに本社を移転しました。再建に向けたコスト削減が主な理由で、同社によると「賃料は15%ほど安くなる」ようです。
また、ヤフージャパンは、同じく六本木にオープンした「東京ミッドタウン」に管理部門などの大部分を移しました。こちらは、社員数がここ3年で5倍に急増し、今や3,400人のスタッフを抱えるまでに成長。ヒルズ内に空きがなかったことが移転の理由だそうです。
と、移転の理由はさまざまですが、六本木ヒルズが「IT企業の象徴」であった時代の移り変わりを感じずにはいられません。運営する森ビルは「既存テナントのフロア拡大や新規入居の希望も多い」と、全くあせりを見せていないそうですが…。
一方、東京駅前の新丸の内ビルディングは、今年4月のオープン以来、相変わらずの人気ぶりです。遅ればせながら、先日私も行ってきましたが、飲食店はどこも混んでいて、ビジネスマンやOLたちに完全に受け入れられた感があります。
また、7階には三菱地所が運営する「丸の内ハウス」というスペースがあるんですが、ここでさまざまなイベントを企画し、実行し始めています。60年代デザインの家具を集めた展示会を開いたり、ジャズやソウルのイベントをしかけたりしているのです。
「サマーカクテルパーティー」と題し、午後9時から深夜まで著名DJが音楽を流したイベントはかなりの盛り上がりを見せたとか。この新丸ビル内には「深夜営業」の店舗もあり、夜中はひっそり静まりかえるばかりだったビジネス街に、深夜のにぎわいを生んだことは、かなり意味があると思います(^^♪
同社では「音楽や芸術には街を進化させる力がある。今後は“街”としての魅力を高め、毎日のように人々が集う空間作りに力を入れていく」と話していますが、開業時をピークに利用者が減っていくばかりの施設が多い中で、特筆すべき取り組みだと思います。
要は、都市開発も企業も、運営側に「育てる」という発想がないと、継続的な発展はあり得ないということです。打ち上げ花火のように派手にオープンしたものの、ジリ貧の一途をたどるのか、それとも進化することで、人を集め続けることができるのか……結局は経営者が「どこを見ているか」にかかっているようです(@^^)/~~~
2007年10月19日(金)更新
高校の“実習ショップ”で商売感覚を磨く
店名の「Gestore(じぇすとーれ)」とは、イタリア語で「経営者」という意味で、文字通り次世代の経営者を育てることを目的としているのでしょう。農業校や工業校には、それぞれ「農場実習」「工場実習」があるのに対し、商業校には、実際に職業体験できる施設がほとんどないのが現状だそうです。
世の中にないのであれば作ってしまおう、とばかりにオープンしたのがこの「Gestoreおだわら」。そもそも、市主催の「起業プランコンテスト」で金賞を受賞したことをきっかけに、その賞金10万円とPTAからの出資金30万円を元手に、地元の商店街にも相談しながら、平成16年4月にJR小田原駅近くの小田原銀座商店会の空き店舗に開設したそうです。
かれこれ4年目になるわけですが、高校生同士のネットワークを活かしながら、扱う商品をインターネットで探し、「安全なものの販売」を基本方針に運営してきたそうです。現在は、静岡県立下田南高校“産”の「モロヘイヤの粉末」や、神奈川県立三崎水産高校“産”の「ツナ缶」など、24道府県45校と取引をしているとのこと。
取り扱い品目はゆうに150種類を超え、北は北海道の「ほたて水煮」から、南は沖縄の「ゴーヤ麺」まで、バラエティ豊かな品揃えを実現しています。授業終了後の午後3時から6時まで、2~4人の生徒が交代で、制服姿で店舗に立つそうです。
ただ、3年間続いた市からの家賃補助が今年で打ち切られることもあって、今後の存続には本格的な「経営」を余儀なくされるようですが、定休日の毎週月曜日には、生徒18人からなる「店舗経営同好会」で幹部会議を開き、いろいろな企画を話し合うのだそうです。
7月には、東国原宮崎県知事の人気に目をつけ、「宮崎フェア」を企画。高校だけでなく、企業からも「名産品」を仕入れることに成功し、「宮崎フェア」の好評ぶりにかなりの手ごたえをつかんだといいます。
今後は、経営安定を目指して、業者に製造を委託する「自主開発商品」も検討中だといいますから、ぜひ頑張って欲しいものですね(*^^)v
こうした高校生ならではの感性や積極性が地元の商店街にも好影響を与え、さらには自治体などと上手にコラボレーションできれば、地域に「好循環」が生まれるはずです。
この事例から学べることは、今までビジネス界に関係なかった層の人たちをこんなふうに上手に参加させることで、ビジネスに違った角度が生まれるということです。
たとえば、開発した新製品を幼稚園に持ち込んで、「どれがいいですかぁ~?」と聞いて手を挙げさせ、その結果を写真と一緒に「○○幼稚園の園児が選びました!」みたいに告知したりするのはどうでしょう。同じ新製品の告知でも、ぐっと話題性が上がり、メディアにも取り上げられやすくなるはずです。
または海外にまで裾野を広げ、「ケニアで選ばれた・・・」みたいな切り口も楽しいですよね。こんなふうにアイディアはどんどん広がります。ぜひ、発想力豊かに自社のビジネスを捉えなおしてみてください (@^^)/~~~
2007年10月12日(金)更新
中小企業向け「エコ」認証
京都では、「京都・環境マネジメントシステム・スタンダード(KES)」という環境認証がスタートしていますが、これは京都市や企業、市民らが集まった「京のアジェンダ21フォーラム」のなかで、中小企業向けの規格を求める声が高まったことから、2001年に作られたもののようです。
ISO14001などの国際規格は、取得に100万円程度、コンサルティング費用などを含めると数百万円かかるケースも多いようですが、このKESの取得には、初級レベルで約10万円、ISO14001と同じ要求水準を設けたレベルでも約30万円だそうですから、中小企業にとってはありがたい規格です。
実現の裏には、大企業を退職した専門家らがボランティアとして取得企業の認証や管理を助けているために費用が安いというからくりもあるようですが、KESの管理は、フォーラムからNPOの「KES環境機構」が受け継ぎ、01年には104件だった登録数も、07年8月末時点で1,020件にまで増えているそうです。
その他にも、地域版環境認証は、青森県弘前市の「ASE」、東京都の「エコステージ」、横浜市の「Y-ES」など、全国で約15ほどあり、その管理機関はNPOが多いものの、なかには「企業」が主体となっているものもあるようです。
行政も活用を促していて、取得費用の補助制度がある自治体もあるのでよく調べてみるといいかもしれません。さらに、金融機関までが関連商品を開発しているのにはちょっとびっくりしましたが、たとえば三井住友銀行では、「ビジネスセレクトローンECO(エコ)」という商品を作り、環境認証を持つ中小企業向けに、5千万円を上限に貸し出し金利を最大0.5%優遇してくれるそうです。金融機関としても、環境に配慮している企業に融資することで、社会貢献をアピールできるメリットもありますよね。
それはともかく、ようやく「エコ」がビジネスに結びついてきた感がありますが、「国際規格」だからといって海外に多額の費用を払うばかりでなく、日本国内でそれに見合う取り組みが始まったことはすばらしいと思います。
まさに「その手があったか!」みたいな感じがします。この規格を海外の企業が日本に取りに来るようにまでなればさらにいいですね(*^^)v 自治体のなかだけに目を向けず、PR方法も含め、もっと視野を広げて大きく考える団体が出てくればおもしろいなぁ~などと考えてしまいました(@^^)/~~~
2007年10月05日(金)更新
大人版『キッザニア』?! なりきりツアーが人気
ANAセールスがこの8月に開催した「東京メトロまるごと体験ツアー」は、東京メトロの研修センター(動力車操縦者養成所)で、運転手が実際に使うシミュレーターを使った訓練ができるというものだったそうですが、「4歳~12歳の子どもとその保護者」を対象にしていたものの、「お子さんより目を輝かせて楽しんでいる親御さんも多かった」そうです。
普段、養成所のシミュレーターは一般開放されていないのですが、地下鉄博物館などの簡易シミュレーターと違って、計器など運転室の中は本物と同じ。しかもドアの開閉まで可能とあってか、鉄道好きにはたまらないみたいです。同社ではツアーの好評ぶりを受けて、東京メトロ側の受け入れが可能なら、第2弾も企画したいと意気込んでいるようです。
一方、エイチ・アイ・エスでも、今月18日から12月末まで、台湾・台北市近郊にあるトレーニングセンターで、キャビンアテンダント(CA)の訓練を受けられる体験ツアーを実施するそうです。
18歳から35歳までの女性を対象に、実際にユニフォームを着て機内食サービスを練習したり、機内での立ち方・歩き方、緊急時の対応などをトレーニングするそうです。同社によると「申し込みも入っており、反応は予想以上にいい」そうです。これって、かたちを変えた「求人活動」になるかもしれませんね。
それはともかく、体験ツアーの増加には、単なる観光に飽き足らなくなった層が、「大人の社会科見学」に注目しはじめているといった背景があるわけです。京情緒あふれる祇園での「舞妓さん変身プラン」なども相変わらずの人気ぶりだそうですし、タイ式マッサージやバリ式のエステ、イタリア・トスカーナ地方の家庭料理など、一度体験して気に入ったものを、今度は自らやってみたいという需要が、20~30代の女性を中心に高まっているのだそうです。
現にANAセールスでも、「通常のパック旅行は価格競争にさらされているのが現状だが、プロがアレンジしなくてはできない『特別な体験』なら、多少高くても参加してくれる」と話しています。
私は常日頃から「世の中は、自分のためにお金を出して実験してくれている」という観点で世の中の現象を見ることをおすすめしていますが、経営者にそうした視点があれば、経営のヒントはいくらでも見つかるものです(*^^)v この経営者会報ブログも、そういう意味でみなさんのお役にたてばいいなぁ~と思っています。ぜひ、参考にしてください(@^^)/~~~
2007年09月28日(金)更新
「ホノルルマラソン」ツアーの人気ぶりに思う
業界で最も早く発売を開始した H.I.S(エイチアイエス)でも、ウェブ上に特設ページを作ったのはもちろん、独自の「マラソン攻略講習会」を開き、事前トレーニングのレクチャーや初心者向けランニングトレーニングなどを行っています。
12月9日に開催される「ホノルルマラソン」は、今回で35回目を迎えるそうですが、昨年は2万8千人超のランナーが参加登録し、なんと!このうち約1万7千人が「日本人参加者」なんだそうです。参加費用は、日本国内受付(10月26日必着分)で、ひとり15,000円のようですから、日本人の参加費だけで、2億5千万以上にもなるのかと思うと…いささか複雑な感じもします(-_-;)
以前、私のブログに書いた「ビリーズブートキャンプ」にしても、おそらく市場を牽引しているのは日本人だと思いますから、日本のマーケットが欧米各社から狙い撃ちされるのもわかります。これが一過性のブームではなく、「文化」として定着すれば、日本人は「消費者」としてしっかり成熟したと言えるのでしょうが…。
マラソンの場合は、昨年の「東京マラソン」の成功もあり、スポーツイベントとしても定着した感がありますし、日本人にとっては、オリンピックでメダルを狙える数少ない競技であるとともに、お正月の「駅伝」の視聴率からみても、日本人がかなりの“マラソン好き”であることがわかります。
だったら、思い切って世界中のランナーを日本国内のどこかに集めて、ホノルルマラソンに負けないくらいの大会を開催できないものなのでしょうか? ホノルルマラソンの人気ぶりを見るにつけ、「もってかれっぱなし」を悔しく感じ、「誰かやらないかなぁ~」などと思ってしまいます。
そういえば、私がお世話しているある会社では、社員に対して「ホノルルマラソン」への参加を半ば義務付けているんです。同じ困難を体験することにより、より社員同士の連帯感を高めるっていう意味合いもあるんですが、一番大きな目的は「自分が1週間海外に行っていても、支障のないような仕事の体制を作る」ってことなんです。
そのために、アルバイトやパートさんとも上手に連携を取ったり、仕事を「マニュアル化」することを社員に課しています。社員がほぼ全員でホノルルマラソンに参加しているなんて、かなりユニークですから、何かと話題にもなりやすいですし(*^^)v
スポーツは上手に使えば、「教育」にも効果の高いものです。スポーツの秋、まずは自社で何かイベントを企画してみるのも、面白いかもしれません(@^^)/~~~
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ボードメンバープロフィール
石原 明(いしはら あきら)氏
僖績経営理舎株式会社代表取締役
AZ Collabo株式会社
ヤマハ発動機株式会社を経て、外資系教育会社代理店に入社。約6万人のセールスパーソンの中で、トップクラスの実績を収める。「セールス・マネージャー世界大賞」を受賞後、日本経営教育研究所を設立し、経営コンサルタントとして独立。中小企業から大企業まで、業種や企業の規模を問わず幅広いコンサルティング活動を行っている。毎年の講演回数は100回以上。ビジネスの発想力やマーケティング力を開発・育成する「新経営戦略塾」には1000人が登録し学び、全国延べ4500社が参加。
2万人の読者を抱えるメールマガジン『石原明の「新経営戦略塾」』や、独自の視点で経営を綴るブログ『石原明の経営のヒント』も執筆中。大人気Podcast番組『石原明の経営のヒント+(プラス)』は累計ダウンロード数6000万回を超えている。著書に、累計30万部を超え『営業マンは断ることを覚えなさい』(三笠書房)、『「成功曲線」を描こう。』(大和書房)、『トップ3%の会社だけが知っている儲かるしくみ』(KADOKAWA)などがある。
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