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2012年08月03日(金)更新

組織化しにくい業種をどう組織化するか

暑中お見舞い申し上げます☆ 思わず外出をためらうような暑さが続いていますが、みなさんお元気でお過ごしでしょうか? 
 
こんな季節は特に、しばらく避暑に出かけられるような優雅な社長がうらやましいですよね~。それが叶うどうかは、すべて「組織化」にかかっているのです。というわけで、今回はこんな質問を取り上げてみました。参考にしていただけると、嬉しいです(*^_^*)
 
== 質 問 ==
 
働く人の独立思考が強い職種、例えば、理美容関係や歯科、コンサルタントのような職種ですが、このような組織化しにくい業種を組織化するにはどうしたらいいのでしょうか?

== 回 答 ==
 
経営者が自分目線でなく、働いてくれるスタッフ目線になって組織化のしくみや給与体系、社内規定などを考えることです。一般的企業の組織化についてのノウハウはほぼ当てはまらないので、通常の企業経営における組織化は参考にしない方が良いと思います。

== 解 説 ==
 
こういう場合に大切なのは、働く人から見て納得する賃金体系や社内規定、そして組織運営の仕方を考えることだと思います。経営者が自分都合でしくみや給与体系を作っていたのでは、組織化は難しいと思います。
 
また、一般的な企業の組織化のノウハウはほぼ当てはまらないと思うので“一般の企業はこうだ”とか“普通はこうなっている”などと、経営者にとって都合の良い一般企業の例などを使って、スタッフを教育しようとかは絶対にしない方が良いと思います。
 
ちなみに(質問の書き方からこの方は違うと思いますが)、私の過去の経験で言うと、こういう質問をされる会社の社長さんに限って、自分(会社)に有利な給与体系や規定はそのままで組織化をしたいけどどうしたら良いかという質問をされる方が多いです。これ・・・・本当に多いんですよ~(ーー;)
 
こういう時に私は「あなたが現役バリバリで若かったとしたら、この給与や規定の組織にずっと居たいと思いますか?」とか「今のあなたの会社に魅力を感じて入れてくれって言うと思いますか?」と聞くようにしているのですが、自分はイヤだけれども、社員にはそうさせたいというような答えが返ってくる場合が多いですね(ーー;)
 
これだと、その仕事や業種が組織化に向いていないというよりも前に、そもそもその社長さんが組織化に向いていないということですが、これが分かっていないのです。
 
この回答文にドキッとした方は、そういう考えを改めないと、永遠に優秀な人が育っては辞めるという繰り返しになると思いますので、一回考えてみると良いと思います。
 
最後に参考として書きますが、経営数字や給与体系のディスクローズは絶対に必要なので、ココから変えていくことをお勧めします。 
 
 
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2012年03月09日(金)更新

人の感情を理解するための訓練法

春はもうすぐそこまで近づいているようですが、来月には新人を迎える会社も多いと思います。今回の質問は、若い世代にも伝えたい内容なので、このタイミングで取り上げてみました。新人教育に活かしていただけると嬉しいです(*^_^*)
 
== 質 問 ==

「人の感情を理解する」ということが、ビジネス上の大事なスキルであることはよくわかるのですが、日々の日常でそれをつかむためのポイントはありますか? 具体的な訓練法などがあれば、ぜひお聴きしたいです。

== 回 答 ==

まずは自分の感情によく注意を払うこと、それから相手の立場に立って相手(=人)の感情を理解するようにする、この方法が良いと思います。 

== 解 説 ==

相手(=人)の感情を理解するためには、よく相手の立場に立って考えましょうと言いますが、私は人の感情を理解できるようになるためには、まず最初に“自分の感情にもっと注意を払う”ことから始めた方が良いと思います。
 
自分も人間、相手も人間なので、基本的に自分の感情がどんな時に気持ちよくなったり不快になったりするのか? どんな投げ掛けをされた時に動くのか、動かないか?・・・etc、などをしっかり掘り下げてみると良いと思います。
 
顧問先のスタッフの方にもこういうふうに指導してから、かなり成果が上がっていますので、自分を通して人間についてもっと深く知った方が、結果として人の感情を読み取ることができるようになると思います。
 
訓練のための具体的な方法ですが、まずは何か自分の感情が動いた時に“あ! 感情が動いた!”と思うことです。
 
例えば、喫茶店とかに行っていい気分でいる時にオーダーを何度も聞き返されたらだんだん“ムッ!”としてきて感情を害したとか、居酒屋さんに行って、ちょっとだけおまけされた時にすごくその店を気に入ったとか・・・考えると結構沢山ありますよね。
 
その場で、感情を捉えられない時は、家に帰ってお風呂に入って「今日一日どんなところで感情が動いたかなぁ~」と振り返りをするなんていうのもとっても良いと思います。
 
こういう繰り返しをして行くと、自分がどんな時にうれしくて、何でも言うことを聞いてしまうのかとか、気分を害してやる気を無くしてしまうのか・・・などがだんだんわかるようになってくると思います。
 
これ、実際にやってみてもらうとその効果にビックリすると思いますが、こうやってだんだん自分の感情を通して人の感情が読み取れるようになっていきます。
 
今回の回答は、参考にするだけでなく、実行に移してもらえるといいと思います。ぜひトライしてみてください。
 
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2012年02月24日(金)更新

一歩踏み出す行動が出来ない社員へ

早いもので、来週はもう3月に入ります。春には新入社員を迎える会社も多いと思いますが、経営者が抱える悩みのうちでも、「人」に対する問題は大きなウエイトを占めるものですね。
 
今回は、なかなか自分の殻を破らず、一歩踏み出す行動が出来ない社員への対応法について考えてみました。よかったら参考にしてください。


 
== 質 問 ==

一歩踏み出す行動が出来ない社員へ、どう対応したらいいでしょうか? 人はなかなか行動パターンを変えられないものですが、経営者はこういう社員に対して、どの様な切り口を発想として持つべきなのでしょうか? 教えてください。

== 回 答 ==

教育という観点から考えると、社会教育と社内教育が違うのは、「働くという環境」=「仕事が出来ないと社内に居られない」=「クビになる」ということが迫って来ることです。これは、責任を誰が持つかを教えるということです。仕事というものの原点に立って考えてみてください。

== 解 説 ==

この辺りのことをもう少し詳しく話すと、私は、資本主義社会の中での仕事という環境が良いのは、一生懸命に仕事をしたり、自己を成長させたり、あるいは何らかの期待される成果を出さないと、結果としてお金を貰えなくなるということだと考えています。
 
もちろん、働き方はいろいろありますが、その仕事が好きか嫌いかは別として、入社したからには、働かないと最後は絶対に許してもらえないということです。
 
どうしてこんなことを書いているかというと、スタッフが成長しないとか教育について悩んでいる会社の社長さんに共通しているのが、働くことの責任が相手(=その社員)にあるということをしっかり伝えていない場合が多いからです。
 
ですから、「がんばらないと生きていかれなくなるけど大丈夫なの?」ということをしっかり教えることが、経営者が持つべき発想の大事な切り口であると言えると思います。
 
政治や社会教育が難しいのは、自分の意見に反対の人のことまでも、生活の責任を政治家や国が持たないといけないからですね(ーー;) ちょっと冷静に考えるとわかりますが、会社は政治と違うので、この辺の整理をしてみてください。
 
経営者の方が結果責任を取るのは当たり前ですが、個人の生活においては、その人が責任を取るしかないということを原点として教えていくようにしてください。
 
いろいろな会社に行きますが、この原点がしっかり理解されている会社は、どこも自立した人をつくり、組織化に成功しています(*^^)v
 

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2011年12月16日(金)更新

これからの時代の「専門性」を考える

今年もいよいよ半月を残すばかりとなりました。経営者のみなさんは、来年の計画を固めていると思いますが、ポッドキャストのリスナーさんから、ちょっとおもしろい質問が届いたので、ご紹介したいと思います。自社の進むべき方向性を考える上での、参考にしていただければと思います。
 
== 質 問 ==

石原先生のポッドキャストを聞いていると、「まず専門家として突き抜けなさい」というお話がありました。私は、ITの技術ではそこそこの技術を持っていると思っています。ただ、一人社長でずっと現場をやっていますので、早くこの状態から抜け出したいとも思っています。
 
また先生は、「1社5業種」ぐらいにしなさいともおっしゃいます。もっと会社が大きくなった将来のことだと思いますが、マーケットリサーチする際に、自分の専門分野をどこまでどのように意識すればよろしいでしょうか? また、専門家として突き抜ければ、マーケットリサーチなど必要なくなるのでしょうか?

== 回 答 ==

今の状況を考えるとITという専門分野の他に、まずはもう一つ専門性を持つといいですね。その専門分野は、ITとなるべく遠いところの分野が良いと思います。ITの専門でよかったですね(*^_^*)

== 解 説 ==

ひと昔前の右肩上がりの経済状況であれば、専門性のある分野で何か確固としたモノ(技術や知識・・・etc)を持っていれば十分に生きていけたのですが、今の様な経済状況になると一つの専門分野だけで生きていけるのは、その分野の第一人者というタイトルを持った人だけ・・・ほぼ1人しか生きていけないという感じになっています。
 
なので、回答の様に何かもう一つ専門分野の開拓をされた方がいいのですが、ご自分の場合、今の専門がITということなので、非常に有利だと思います。
 
理由は、今どんなビジネスを立ち上げようとしても必須でITが関わってくるからです。ITの知識や技術をすでに持っていて活かせるようになっているということは、それだけでかなりのインセンティブを持っていると言えます。
 
私は、独立志望の若い人達に「今、独立するのなら、強烈なリアル営業を学ぶか、ITの知識を持つかのどちらかは絶対にクリアーした方が良い」とアドバイスしています。
 
IT技術者の方がこれに気付いていないのがなんとももったいないのですが、起業にはすごく有利なのです。
 
では、他の分野の専門性の見つけ方ですが、あなたの場合なら、絶対にITと遠い分野、業界としてITに関心がないとか遅れているという分野でプラスαの専門性を目指すと良いと思います。
 
ITが得意だと、他の分野を探す時にも何かITがらみで・・・という感じで思ってしまう方が多いのですが、簡単に移行できる分野にはそれだけライバルも多く、突出することや市場を独占することは難しいと考えるべきです。
 
それに比べて、ITとかけ離れている分野に進出すれば、ほぼあなたのひとり勝ちになる可能性が高いということです。
 
私の顧問先にも、弁護士で不動産知識がすごくある方や、ITの専門家で会計の能力が非常にある方などがいますが、いずれもすごく成功しています。
 
方向性としてはこんな感じです。ぜひ、何かプラスαになる専門分野を持つようにしてみてください。他の方がこれをするより絶対に成功しやすいですよ(*^_^*)
 

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2011年12月02日(金)更新

リストラのタイミングを見極める

師走に入り、さすがに冷え込んできました。寒さが厳しくなると、人間なかなか発展的な思考がしづらくなるものです。今回、かなりシビアな質問が届きましたので、それにお答えしました。
 
リストラが、単なる人員削減に終わるか、それとも“発展への一手”となるかは、経営者の決断ひとつにかかっています。よかったら参考にしてください。
 
== 質 問 ==

売上げが落ちてきていますが、リストラのタイミングがわかりません。経営者として知らないといけない、基本的な考え方を教えてください。また、社員に対して、どのようなことを話したら良いのでしょうか?

== 回 答 ==

ほとんどの場合にリストラの基準となるのは、単月で赤字になってしまってそれが、すぐに改善できないという状況になった時です。優秀な経営者は、赤字になる前にそれを察知して、経営の改善を図ると思います。

== 解 説 ==

リストラに対する基本的な考え方は、単月で赤字になると想定された時に行うのが基本です。これまでの蓄えが充分ある場合などは稀ですが、経済社会におけるお金の意味は「精神や性格を支える要素」ということが多いので、赤字では健全な判断が出来なくなり、顧客満足や経営理念を全うすることができなくなります。
 
その結果もっと経営状態が悪くなり、最悪倒産や廃業という結果になってしまいます。なので、どこかでこのマイナスのサイクルをプラスのサイクルに変えないと、経営がもっと悪い方向に進んでしまうので、単月の収支が赤字化したタイミングで行うのが良いと思います。
 
借り入れなどをしている場合には、返済が健全に出来なくなるといった状況が起こるということは、単月で赤字化しているということなので、借り入れで返済している(生き延びている)ということではダメだということです。
 
経営者がリストラをするタイミングを逸すると、経営はいっきにマイナスに傾きます。そうすると、もっと多くの社員に影響が及ぶわけですから、大変ですが、決断は早くしたほうが良いということです。
 
また、この状況であれば、リストラも退職の勧告をするということではなく、全体の給与を減らすという提案などもできるので、とにかく早く単月黒字を目指したリストラの動きを始めた方が良いと思います。
 
この方法を薦めるのは、通常だとこういう提案をすると会社に対して愛着をそんなに持っていない方や、もともと不満のある方、経営者と合わないと感じている方が辞めるということも多いからです。
 
いずれにせよ、社員さんが会社を辞めるというのは苦しいことですが、会社そのものが無くなれば、今いる社員さんにも影響が及びます。決断は早めにすること、それが一番の経営判断です。
 

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2011年07月15日(金)更新

プレーヤーでありたいマネ―ジャーと、どう対峙すべきか

関東地方でも梅雨明けし、猛暑が続いています。今年の夏は節電への貢献も加味して、より効率的な行動を心がけたいですね。組織で効率的な仕事をするためには、マネジメント能力の高い管理職の存在が不可欠ですが、今回はマネージャー育成に悩む経営者からの相談に答えてみました。よかったら、参考にしてください。

== 質 問 ==

どうしてもプレーヤーでありたいマネ―ジャーに、マネージャーとしての価値観を持たせるにはどうしたらいいでしょうか?

== 回 答 ==

こういう場合、とにかく無理しないことが重要ですが、何かの機会にマネージャーを体験させ、役にたっている自分を経験させると、マネージャー業務に興味をもって移行していくことは多いです。ですので、そんなシチュエーションを作れるようなトライをしてみてください。

== 解 説 ==

経営者や上司から見て、マネージャーや現場の責任者にさせたいと思っているプレーヤーの方がマネージャーや現場の責任者になりたがらない原因で多いのが、マネージャー業務そのものに対する情報や理解が無いために、漠然と無理と思っているとか自信が無いという状態でいるということです。
 
かなり積極的な人は別ですが、スタッフは知識や情報が無いと基本的には失敗を恐れて、何かに挑戦しようとしないことの方が多いので、そういう状況ではトライさせることは難しいと思います。
 
解決策として、こういう場合に有効なのが、仕組みとしてマネージャー業務を知るとか体験させるという機会を設けてしまうことです。
 
やり方としては、外部の研修に行かせて知識を身に付けさせる方法と、社内に教育の仕組みを作って、毎年定期的に現場のスタッフにマネージャー業務の知識や情報を与えておく、体験させるという方法があります。
 
また、社内の仕組みでいうと、本来は入社したときからキャリアパス等で現場の仕事が出来るようになったら次のステップとしてマネージャーの業務に上がって行くのが普通という環境や理解を作ってしまうという方法もありますね(*^_^*)
 
質問の方の場合だと、社内の準備もありますので、前者の外部教育に出すという方がいいと思いますが、この場合も「社内にノウハウを蓄積するために○○さんに外部の研修に出て来てもらってレポート書いて欲しい、感想を聞かせて欲しい・・・」というように、本人にはあまりプレッシャーにならないような伝え方で、参加させるなどの配慮をしてください。
 
そういう研修やセミナーに参加すると、現場力のある方であれば、知識が増すに連れて、かなり興味を持ってマネージャーの仕事を見るようになると思いますし、参加者とも仲良くなったりしますので、マネージャーに対するイメージも変わってくると思います。
 
無理しないで、興味の枠を広げさせるために、まずは知識を入れる、マネージャーの人と情報交換できるようにさせる、役に立つ自分をイメージさせたり、体感させたりする、そんなステップを踏みながら進めていくといいと思います。
 
もちろん、人によっては絶対にイヤダという人もいるので、その場合は無理しないで現場で活躍する方を選んでいただくわけですが、今回のことを教訓として、会社としては、先ほど解説したようなマネージャーへの自然な流れなどの仕組みはしっかり作るようにしてください。
 

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2011年07月01日(金)更新

社長は「24時間年中無休」で戦うべきか

ここ数日、関東甲信越地方でも記録的な猛暑となっていますが、今年の夏は節電対策から長めの夏休みを取る会社もあるようです。そもそも日本人はまじめな国民なので、経営者ともなると「24時間体制」の方も少なくないですよね(――;)
 
私も最近、社長の勤務時間について聞かれることが多いので、「明大生との毎週一問百答」でも、過去に同じような質問があったことを思い出し、今回あらためてこの質問に答えてみました。あなたのスタイルはいかがですか?
 
== 質 問 ==

社長業は「365日24時間年中無休」という考え方がありますが、率直に言って、どのようにお考えになられますか?

== 回 答 ==

経営者にはそれぞれ考えがありますので、働き方のスタイルは好みの問題ですが、「365日24時間年中無休」で働いて大きな成功を収めている経営者の方はそんなに多くないのではないかと思います。感覚的な印象では、休みの多さに比例して会社は大きくなるのではないか・・・そんな感じです(*^_^*)

== 解 説 ==

今回の質問はとってもおもしろい質問なので、回答するのも楽しかったのですが、最後に付け足した「感覚的な印象では、休みの多さに比例して会社は大きくなるのではないか・・・そんな感じです」は、多くの経営者に会っている私の体験からすると本当で「まさにそうだ!」と思っています。
 
これには、いろいろな理由がありますが、まず一番の要素が組織化をしっかり完成させているので、経営者が毎日現場で行われている実務や作業に関わらなくてもよくなっているということが一番大きな理由だと思います。
 
私が主宰する『高収益トップ3%倶楽部』の勉強会でもよく会員の方に話すのですが、経営は二層構造、現場(=実務であり作業)と経営(=企業の向かう方向の決定・決断やアイディアを考えること)で、経営者はなるべく早く現場を離れて経営を仕事とすることが大切ですが、それに気づいて経営者という役割を果たしているということです。
 
もし、経営者が「365日24時間年中無休」で、現場の作業をしていたら、経営的な判断や将来の方向を考えるための情報収集や思考の時間がなくなってしまいます。
 
次の理由が、本当の情報は深い信頼関係を持った人間関係の中からしか掴めない、伝わってこないので、そういった関係を作るためには、経営者にかなり時間的な余裕がないと築けないという現実があるからです。
 
今は、情報化社会でネットからいろんな情報が集められると思っている方も多いのですが、ネットに流れる情報は、ある意味モノゴトが終わった後、完成された後に流れるのであって、何かを作り上げていく情報ではないのです。
 
経営者が掴まないといけない情報はまだこの世の中に公になっていない「コアな情報」ですから、それは、リアルな人間関係を通してでないと伝わってこない、ということです。
 
ですから経営者は長年にわたるリアルな人間関係を大切にするわけですが、「365日24時間年中無休」で働いていたら、絶対にそういう関係は築けないので、大きく成功することは難しいと思います。
 
最後にしくみ化の問題からの観点ですが、経営者が自ら実務を行う場合(1人で会社をやっているとか、自営業の場合などですね)でも、成功している人はなるべく仕事を他社(もしくは他者)とかに割り振ったりして自分は仕事をしない方向で成果をあげている場合が多いです。
 
極端に言うと、自分は何もしないで収益を上げる仕組みを作っているような方までいますので、「365日24時間年中無休」とは違う観点で仕事をしていると思います。
 
もちろん、これまで話したようになるまでには「365日24時間年中無休」でがんばったからこうなったという方も多いと思いますので、過程としてはある意味正しいと思いますが、経営のゴールはそこにはないと考えた方がいいと思います。
 
「休みの多さ=企業の経営の大きさ」・・・しっかり経営していけば、こんな方程式が完成するということです。参考にしてみてください。
 
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2011年06月17日(金)更新

部下に新しいことをやらせてみるために大切なこと

今回は、部下に組織運営を任せてみたり、新しい仕事をやってもらうときに、どう教えたらいいかという質問を取り上げてみました。これは、経営者なら誰もが突き当たる問題の打開策でもあります。よかったら、参考にしてください(*^_^*)
 
== 質 問 ==

部下に組織を運営させたり、新しいことをやらせてみる時の準備で、石原先生が何をされているのか(考えているのか)を、聞かせてほしいです。実際動きだした検証を、どういう視点でみているのかなども教えてください。

== 回 答 ==

目的を明確にして、仕事を実行する前にしっかりした準備(=プラン作り)をしてもらうこと、そして経過の報告をしてもらうことを心がけています。

== 解 説 ==

人が成長するには「チャレンジ」することだと思うので、なるべくやったことがないこと、初めてのことをやってもらいたいと思っていますが、そのときに大事なことは『ゴールは何か』ということを明確にすることだと思います。
 
そして、その目的に向かって具体的に何をするかをタイムスケジュールも考えて、事前にしっかりプランニングしてもらうことだと思います。
 
私の経験から言うと、大体この時に作ったプランのレベルで、その人のスキルが分かるので、OKならすぐスタート、難しかったらここで時間をかけて何度も再考してもらうようにしています。
 
これをやらないで実行に移してしまうと、また、大枠の話だけで大丈夫だと思ってGOしてしまうと、後で相当厄介なことになってしまいます。それに、やらされる本人も大変になってしまいますよね(ーー;)
 
そして、出来上がった計画を実行に移す時には、定期的に数字(=売上げ等)も含んだ報告をしてもらった方がいいと思っています。
 
この時、「時間は=お金=コストである」こと、計画は計画でしかなく、結局は「その計画に合わせて現実を動かしていくこと=人を動かすこと=統治=管理すること」などを身をもって体験してもらいたいと思っています。
 
企業や組織は、常に次期経営陣や経営者を生み出していかなければならないわけですから、こういう取り組みは、人を成長させるという目的とは違った、経営的視点で考えても必須だと思います。
 
ぜひ、組織として切羽詰まった状況を迎える前に取り組んでおくべきだと思います。参考にしてください。

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2011年05月06日(金)更新

全く違う業界から採用するときに気をつけること

GWも終盤ですが、みなさんどんな過ごし方をされているでしょうか? ぜひ上手に時間をつくって、日頃はなかなか向き合えない問題について、思い切り思考を深めてみていただきたいと思います。
 
採用に関しても、多くの経営者が悩みを抱えていると思います。今回は、ある税理士さんからの質問をもとに、違う業界から採用する場合に気をつけるべきことを考えてみました。よかったら、参考にしてください(*^^)v
 
 
== 質 問 ==

税理士事務所でシステム開発とWEBマーケティングができる人の採用を検討しています。全く違う業界の人を採用するときに気をつけることは何でしょうか? 教えてください。


== 回 答 ==

専門家と仲良くなって、入社時のスキルチェックをしてもらうこと、また業務に入ってからは、家庭教師になってもらうことが重要です。経営者はそういう専門家との人間関係を普段から構築しておくことが大切です。意識して人脈を広げておきましょう。


== 解 説 ==

経営者が分かっていない分野で専門分野のスタッフを採用する際に問題になるのが、まずスキルチェックの問題です。面接等の際に話していることが実際に出来るのかなど、確認しないで採用すると後でとっても大変なことになりますよね。
 
それに、そもそもしっかりした技術があるなら、一般的には全く違う分野に仕事を求めようとしないわけですから、この採用の人選にはかなり気を付けたほうがいいと思います(こういう採用は危険がいっぱいです)。
 
また、採用してから大変なのが、教育と支配(?)と言うか上下関係の構築の問題です。トップが出来ないことを部下がやれるとか、知っていることで起きる組織内の秩序の乱れは、経営上大事な仕事を任せている人間であればあるほど難しくなっていきますので、変な関係が出来上がってしまったら、なかなか直せないと考えておくことが必要です。
 
さらに、その人間がやっていることが、他社と比べて勝っているのか劣っているのかなども経営の競争や効率に大きく影響しますので、常にチェックできる状況を作っておく必要があるということです。
 
こういう場合にどうすれば良いかですが、私は事前に専門家の知り合いを作っておいて、入社時のスキルチェックをお願いしたり、定期的に面談等をしてもらって成長を確認してもらう、必要ならば教育してもらえると良いと思います。
 
専門スタッフにしても、社長の関係者に自分の分野の専門家がいると分かると、良い意味で緊張するし、組織内で変な特権を持つなどという関係を作れないことになりますので、リスク管理にもなると思います(*^_^*)
 
もちろん、現状でそんな関係が出来ていないのであれば、専門家にお金を払って入社時のチェックや教育を任せるということになりますが、長期的には経営者は意識して人間関係を広げていって、いろいろな専門家とのネットワークを構築しておくことが重要だと思います。
 
今回質問されている方ですが、税理士事務所の方なので、あなたの仕事がそもそも専門分野ですから、この方法はとってもやりやすいと思います。
 
経営者が経理に明るくなかった場合、その会社の経理スタッフのスキルチェックや教育は、お手のものですよね(*^_^*)
 
お互い協力し合っていきましょうと、システム開発&WEBマーケティングの専門家の方に言ってみてください。良い関係が作れると思います。



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2011年04月15日(金)更新

古い体質とビジネスモデルから抜け出す法

4月に入り、新入社員を迎えた会社もあると思いますが、春は「変化」の季節です。今回は設備関係の製造業を営む経営者さんからの質問を取り上げ、古い体質やビジネスモデルからの脱皮について考えてみたいと思います。


== 質 問 ==

設備関係の製造業を営んでいます。古い体質と古いビジネスモデルであることは重々承知しているのですが、そこから抜け出す方法がわかりません。何かいいアドバイスをいただけると幸いです。


== 回 答 ==

新しいビジネスは、現在の仕事の周辺か、あなたの人間関係の延長線上で発生することが多いものです。そういう視点で、周りのビジネスや人間関係を見直してみてください。必ずなんらかのヒントが見つかるはずです。

== 解 説 ==


設備関係の仕事は、今の日本の状況を考えると、やはり今後どんどん発展するという仕事では無いと思います。なので、ご質問のように何らかの業態変化なり、別の業種に転換するなどの変化をすることで、将来に備えた方がいいと思います。

そこで、出口を見つけるための方法ですが、仕事の発生は今のビジネスの周辺にあるか、もしくは人間関係の中から発生する場合が多いので、まずはそこを起点に出口を探してみてはいかがでしょうか?

ビジネスの周りとは、単に関連する仕事というだけではなく、もう少しイメージを広げると、今の業種で困っていることを解決するという方法などもあります。

これは、今実際にあなたが仕事を進める中で、こんなことで困っている・・・という事などを真剣に考えて改善する方法を作るとかですが、業種的に考えてこういう方法はたくさんあるのではないかと思います。

また、あなたが業種転換などを考えるということは、他の方たちも考えているということなので、M&Aや、異業種に転回するためのアドバイスなんてことも、ビジネスの要素としてはありますよね。そういう感じで、発想を広げて切り口を考えてみてください。

また、新しいビジネスは、通常人間関係の延長線上に発生する場合も多いので、まずは知り合いに「今の仕事にとらわれないで、新しいビジネスを探しているんだよね」とインフォメーションすることをはじめてください。案外簡単に「こんなのどう?」などという話が来ると思います。こういう感じで、常に情報が入って来るようになれば、新しい切り口が見つかっていくと思います。

この時に問題になるのが、今のあなたの人間関係ですが、業界の人しか付き合いが無いというのであれば、まずはいろいろな会合などに参加して人脈を広げる所からスタートすると良いかもしれませんね(ーー;) こういう場合は、焦らなくても良いのでそこからスタートしてください。

経営者ならば、経営上のリスクを考えて日常からいろいろなところで人脈を増やしておくといいですね。以上、参考にしてみてください。 


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ボードメンバープロフィール

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石原 明(いしはら あきら)氏

僖績経営理舎株式会社代表取締役
AZ Collabo株式会社

ヤマハ発動機株式会社を経て、外資系教育会社代理店に入社。約6万人のセールスパーソンの中で、トップクラスの実績を収める。「セールス・マネージャー世界大賞」を受賞後、日本経営教育研究所を設立し、経営コンサルタントとして独立。中小企業から大企業まで、業種や企業の規模を問わず幅広いコンサルティング活動を行っている。毎年の講演回数は100回以上。ビジネスの発想力やマーケティング力を開発・育成する「新経営戦略塾」には1000人が登録し学び、全国延べ4500社が参加。
2万人の読者を抱えるメールマガジン『石原明の「新経営戦略塾」』や、独自の視点で経営を綴るブログ『石原明の経営のヒント』も執筆中。大人気Podcast番組『石原明の経営のヒント+(プラス)』は累計ダウンロード数6000万回を超えている。著書に、累計30万部を超え『営業マンは断ることを覚えなさい』(三笠書房)、『「成功曲線」を描こう。』(大和書房)、『トップ3%の会社だけが知っている儲かるしくみ』(KADOKAWA)などがある。

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