石原明の「知的経営の切り口」 | 経営者会報 (社長ブログ)
企業を発展させるための経営のヒントについて、独自の切り口で紹介します。
2011年09月09日(金)更新
中古車リースが月額1万5000円!? 「レンタス」に学ぶ商売の極意
同社は2008年12月に設立され、「ニコニコレンタカー」として12時間2980円(登録会員は2520円)で展開している会社ですが、レンタカーの価格破壊もここまで来るとちょっとすごいですよね。
安さの秘密は「中古車」を使っているからですが、中古車流通で特に人気のない車種はオークションに出しても買い手がつかないので、このビジネスモデルは、スクラップされていく車の有効利用でもあるわけです。
そして来春からは、同じモデルを「中古車リース」でも展開するわけですね(*^^)v 法人・個人向けに車両のタイプにかかわらず、1ヶ月1万5000円程度の均一料金で貸し出す方針なのだとか…。
こちらも安さの秘密は、走行距離15万キロを超えた中古車を使うことにあるわけでが、なぜそれが可能になるかと紐解くと、同社のFCの8割が「ガソリンスタンド」だから、というところに行き着きます。
ガソリンスタンドのスタッフには車好きも多いですし、 自動車整備士の資格保有者も少なくないので、自社で整備点検ができるというメリットがあるのです。
また、近年業績悪化に苦しむスタンドも多いため、副業としてレンタカー事業やリース事業を持ちかければ、多くのスタンド経営者が同意するのではないでしょうか。同社はFC店舗数をこの2年半で3倍にすると意気込んでいるようです。
それにしても、バブルの頃は「どんな車に乗っているか」がステイタスでしたが、今どきの若者は、車に関心を持たないといいます。といっても、重い荷物を運ぶ時など、車があると便利な場面もあるわけで、そうなると「激安レンタカー」で十分ですよね。車のニーズは、ファッションから機能にシフトしているように感じます。
一方、企業も厳しい時代には社用車にかかる経費を減らしたいと考えているでしょうから、安全面さえクリアできれば、激安リースに飛びつく会社もあると思います。
車に対する消費者感覚の変化や中古車流通の実体をリサーチしたことで、このビジネスが生まれているわけですが、やはり「ガソリンスタンドと組もう」と発想したところが勝因だと思います。
この事例を参考に、自社が組むべき相手は誰か、あれこれ発想を広げてみてください(@^^)/~~~
2011年09月02日(金)更新
公共事業への新規参入を考える
そんな中、公共事業への新規参入にトライする社長さんからの質問が届きました。考え方のヒントにしていただけると嬉しいです(*^_^*)
== 質 問 ==
公共事業へのアプローチを試みているのですが、公共事業の新規営業について質問させてください。公務員はどうしてもいままでのやり方を踏襲してしまい、新規参入しようとする我々のような業者の提案に聞く耳を持とうとしません。ですので、どうしても既存の業者に偏る傾向があります。
また、既存業者は商品の囲い込みをして、新規参入業者への見積金額を吹っかけてくるような部分もあります。なかなか新規参入できないのですが、どうしたら既存業者の壁を打ち破ることができますか? ぜひ、ご指導お願いします。
== 回 答 ==
質問の文面から察するに、基本的に相手(関わる組織や企業)に対して敵対的な感情を持っているようですね。なので、このままではマーケティングは難しいと思います。
良くいうところの「相手の立場に立って・・・」ですが、まずはその気持ちになってフラットな感情から現状を分析すると、何らかの糸口が見えてくるのではないでしょうか?
== 解 説 ==
確かに、こういう公共事業などへのアプローチの場合は、ある種特殊な関係や事情みたいなことがあり、なかなか新規参入者への扉が開かれないと思いますが、質問の文章を見ていて最初に気が付いたのが、関係者や現状に対して、何か怒っているような感情です。
感情はエネルギーになりますので、通常は、怒りだとしても、たいていは“見返してやる!”みたいな感じでプラスになりますが、ビジネスでの交渉や営業の相手に対してそうした種類の感情を持ってしまうと、モノゴトの成果や解決にはマイナスになると思います。
特に、この質問のように、アプローチをかけて行こうとする相手に対してマイナスの感情を持ってしまうと、何かに付けて“やっぱり”とか、“どうせ・・・”みたいな感じで予測なども前向きに出来なくなってしまいます。
なので、一度感情をリセットして、相手の立場に立ち、相手がなぜそういう考えをしているのかとか、そういう仕組みが出来てしまった経緯とかを考えたり出来るように、情報を取ってみるといいと思います。
この場合で言うと、なぜ今までのやり方を踏襲してしまうのか? とか、新規参入者に聞く耳を持たないか・・・などですね(ーー;)
予測ですが、これまでにもあなたと同じようにいろいろアプローチをしてきた企業がいっぱいあったけど、ぜんぜんコチラ(公務員サイド)のことが分かっていない頓珍漢で、言いたいことを言われたとか・・・苦労したとか、いろいろあると思いますよ。
特に公務員の方は権限の中で生きているので、その批判を自分にされても・・・なんてことがいっぱいあったと思います。
また、既存業者がなぜ商品の囲い込みをしているのかとか、どうやって今の仕事を獲得して行ったのか・・・・などもしっかり聞いてみると良いと思います。
おそらく、そういう聞き方をしていくと相手の立場になって現状を考えていけるようになると思います。敵対的な気持ちのままで進んでも、良い営業の切り口やアイディアは生まれないと思います。ぜひ参考にしてみてください。
いかがでしょうか? あなたはどうお考えになりますか(^^♪ 私の発行する週刊メールマガジン、『社長、「小さい会社」のままじゃダメなんです!』(購読無料)では、毎週メルマガ読者のみなさんからの質問にこんな感じでお答えしています。
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2011年08月26日(金)更新
裏方体験付き演劇チケット!? 劇団キャラメルボックスのインターンシップ
チケット販売の「ぴあ」がウェブサイトのみで扱いましたが、高校生・専門学校生・大学生を中心に、通常の学生割引より500円安い3500円でという価格です。
このチケットには、演劇界で著名な製作総指揮者の加藤昌史氏による劇団の仕事内容の説明やスタッフミーティングへの参加、公演パンフレットの配布やアンケートの回収業務などの『体験』が含まれているようですが、公演チケットに『体験』をプラスして販売するという発想は、なかなかおもしろいと思います(*^^)v
この企画について加藤氏は「演劇って、高校生や大学生にとっては敷居の高いイメージがあると思います。演劇を志す人が直接、劇団運営のノウハウなどを体験し、プロに聞く機会になればと思って始めました」と語っていらっしゃいますが、今年で創立26年になる同劇団も、エンターテイメントが多様化する中、演劇界の未来を考えているのだと思います。
もちろんインターシップを体験して、将来は演劇の道に進もうと考える人も出てくるでしょうが、もっと広い意味で言えば、こうした取り組みで若者たちに演劇への関心を高めてもらうことが、将来的な観客層の開拓にもつながるのではないでしょうか。
最近「工場見学」なども流行っているようですが、一度会社の「中」に入れてもらうと、なんとなく“身内感覚”が生まれ、その企業に対してこれまでにない親近感を持つことになるのです。また、ネット社会が進めば進むほど、リアルな『体験』こそが価値を増す、という側面もあると思います。
この事例を参考に、あなたの会社の商品に『体験』をプラスして売る方法はないか、あれこれ楽しみながら考えてみてはいかがでしょうか(@^^)/~~~
2011年08月19日(金)更新
経営者の器はどうしたら大きくなるか
さて、今回は「経営者としての自分の器を大きくするには」というストレートな質問にお答えしてみました。みなさんのお考えもお聞かせいただけると嬉しいです(*^_^*)
== 質 問 ==
経営者としての自分の器を大きくするために、取り組まれていること、または、良い方法があれば教えてください。
== 回 答 ==
器とは自分の思考の大きさと捉えることも出来るので、やりたいことのサイズを大きくすれば、基本広がると思います。それにサイズを大きくして行けば必ず、個人の欲望を超えた目標に行き着きますよね。
== 解 説 ==
経営者の方はもちろんですが、ビジネスマンや学生さんからも、自分の器を大きくしたいけれどどうしたらイイか? という質問は沢山来ます。ですので、今回はこの質問を取り上げますが、私は「器とはその人の思考の広さである」と考えられると思っています。
肉体を自分と捉えるか? 思考を自分と捉えるか? というのは結構難しい問題ですが、私はその人がどんな人かは、その人がどんな事を考えているかとイコールと捉えていて、器の大きさもこれに比例すると考えています(というか、その方が分かりやすいと思っています)。
例えば、自分中心にモノゴトを考えている人は器もそのサイズなので結構小さい、それが、まわりの人のことも含めて考えていると器もそれに比例して広がる・大きくなる、そして業界全体とか社会とかを考えているともっと大きくなるという感じですね。
また、思考は立場に比例しますので、課長なら課全体のことを考えられる器=思考が必要、部長なら部全体を考えられる器=思考が必要、世の中を預かる方達もその責任に比例する器=思考が必要と考えていますが、そこには当然、思考してもよい能力も伴わないといけないわけですから、思考の裏づけとなる技能や能力も共に高めていかないと器は広がって行かないと思います。
こうしたいと思うのは自由ですが、実際に出来る可能性が伴わないと独りよがりなだけで、器は広がらないということです。会社の経営でいうと、理念がこれ(思考)にあたりますが、経営者の思いが単に利益を上げることだったりすると、まだ理念が無い(器の狭い)会社ですが、仕事を通して経営者の方が成長し、いろいろな思いを持つようになるとその思考が理念に変わっていき、会社の器も大きくなっていくと思います。
・・・私の言わんとしていることが、だんだん分かってきましたか?
もちろん、そういう器を広げる生き方をするには、理念を持って生きた人の考えや思考に触れることが大切(近道)なので、あなたの身近なところでも構わないし、歴史の中で紹介されている方などでも良いので、彼らが世の中のためとか社会のためにどんなふうに生きたのか、自分を超えた目標を持って困難に際してどう真剣に生きていったのかなどを、なるべく肌で感じるように勉強されるといいと思います。
その方たちは「通常の仕事だけで大変で」とか「世の中がこんなだから」・・・なんて、けっして言ってないですよね(^_-)-☆ 参考にしてみてください。
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2011年08月08日(月)更新
自社商品の本当のユーザーは誰!? 経営者は「リサーチ力」に磨きをかけよう!
このあたりのことは、以前、私の主宰する『高収益トップ3%倶楽部』の勉強会でたっぷりお話したので、よかったらこちらの「勉強会ダイジェスト」をお読みいただきたいのですが、どうやらその業界でプロになればなるほど「素人の意見」を聞けなくなってしまうようですね(――;)
しかし、時代は大きく変化しています。たとえば、今、公園を一番利用しているのは、どんな人たちだと思いますか?
イメージ的には「そりゃ、子どもたちでしょ!」と答える人が多いと思いますが、試しに近所の公園をよーく観察してみてください。・・・そこには高齢者の姿のほうが多いと思います。
国土交通省による休日の利用者数を年齢別にみると、今から45年前の1966年度には5歳以下の幼児が22%、65歳以上の高齢者は6%だったのに対し、07年度には幼児が13%まで減り、代わりに高齢者が14%まで増えているのだそうです。
また最近では、公園にこれまでのすべり台やジャングルジムに代わって、「健康遊具」なるものが設置され、それを利用して専門の指導員が運動のしかたをレクチャーする「うんどう教室」という講座が、50~80代の方々を対象にして行われるようにもなっているみたいです。公園は高齢者にとって「無料のスポーツジム」と化しているのです(*^_^*)
一方、こんな面白いデータもあります。今、最も食パンを食べているのは「60代の女性」であるという調査結果が出たそうです(@_@;) こちらは、製粉協会と製粉振興会が実施した「小麦食品にかかわる生活者調査」ですが、20代~60代の男女、約34,000人の食生活を調べたものです。
食パンを食べる頻度を聞いたところ、首位が60代女性の42%、続いて60代男性の40%。一方、20代の男女では、共に2割の人しか食パンを食べていないことがわかったのです。同協会では、20代に朝食を自宅で食べる人が少ないのが理由かもしれない、と分析していました。
この調査結果を聞いて、あなたはどう感じましたか? 公園の利用者は子どもとその母親が中心、食パンを食べているのはほぼ若い人・・・うっかり、こんな感覚を持っていませんでしたか?
これがもし、自社商品のユーザーに対しての感覚だったらどうでしょう? もしかしたら、30代の女性向きに開発していた商品が、「かわいいからお友達にプレゼントしたい」という理由から、60代女性に爆発的に売れているかもしれません。
今の高齢者層は感性も若いですし、可処分所得も高いですから、ここがメインユーザーになっている業界も少なくないと思います。
それはともかく、過去の経験や思い込みだけで仕事をすることは、本当に怖い時代になりました。外資系企業が参入してきて、正確なリサーチの元に、お客さんを根こそぎ持っていってしまうかもしれませんよ(――;)
何も、高額の費用を投じてリサーチ会社を使え、という話ではありません。リサーチの第一歩は、「自社の顧客の声を生で聞く」ことから始まります。もう一度初心に戻って、目の前のお客さんの声に耳を傾けてみてはいかがでしょうか(@^^)/~~~
2011年07月29日(金)更新
会話が伝わらない若手社員とどう向き合えばいいか
== 質 問 ==
最近、会話が伝わらない若手社員が増えています。言葉のピントを合わせる訓練法はありますか?
== 回 答 ==
コミュニケーションの基礎は、「共通の認識や理解を増やすこと」です。そうすることでお互いの距離はぐっと近くなります。
そのためには相手の努力で距離を近くさせるだけではなく、コチラからも相手が距離を近くしやすくなるような投げかけをしてあげたらいいと思います。
== 解 説 ==
最近、こういう質問、すごく多いですよね。古くは“ジェネレーションギャップ”とか言いましたが、ゆとり教育などの影響もあって、今いろんな会社でこういう現象が、かなり切実に起こっているのではないかと思います。
では、どうするかですが、一番いいのは彼らが好きなことや関心のあることに対してコチラも関心を持つとか、知るようにして、そういう話題を会話の中にどんどん入れてあげることです。
そうすることで、相手にコチラを受け入れる接点や視点が生まれますので、会話のベースを作って行けるようになります。
その後で伝えたいことを伝えると、かなり理解してもらえるようになると思いますし、教育も出来るようになっていくと思います。
ということで、こういう状況では一方的に若手側に努力させるとか何か訓練法を教えるというより、まず最初に接点を作ってお互いの会話がスムーズに進む関係をコチラから作ってあげた方がいいと思います。
そこで、接点を作る方法ですが、例えば、若い方なら好きな漫画は“ONE PIECE”とか“スラムダンク”とかありますよね。それから、歌手なら“AKB48”とか“kara”とか流行ってますよね。
こういう漫画やタレント・歌手とかの話題を会話の中に入れる・・・例えば、「AKBの総選挙すごかったね・・・」なんていうように、会話の中にどんどん入れてあげると、コチラに親近感が生まれるし、相手も初めて知ってることを中心に、話が出来るようになったります。
会話が上手く成立しないということは、そもそもコミュニケーションの基礎が出来ていないということで、信頼関係や、心を開いた状態が出来ていないということなので、まずはこういう会話をすることで「この人は話せる相手だ」と、相手に感じてもらうことが必要だということです。
また、そういうふうに話題を振ったときに相手が「そうですよね・・・・・etc」と、コチラが知らないことなどを一生懸命に詳しく話す姿を見て初めて、「この子はこんな表情で話すんだ・・・」などと感じて、相手に好感が持てたりしますが、それで、その他の会話は恐ろしく上手く行くようになるものです。
これ、だまされたと思ってやってみてください。すごく上手くいって、ビックリすると思いますよ(*^^)v
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2011年07月22日(金)更新
お寺でヨガ!? 今「寺ヨガ」にブームの兆し
試しにネットで「寺ヨガ」と検索してみると、いろいろなお寺さんのページや、体験者のブログにヒットします。知らないだけで、結構あなたのご近所のお寺もでもやっているかもしれません。
うちのスタッフは東上野の「明順寺」というところで体験してきたらしいですが、お線香の香りに包まれつつ、ご本尊を前に「ヨガ」をするという体験は、なかなかディープだったようですよ。
なんでも、元々は住職さんご自身が腰痛を患っていたとかで、前々から「ヨガ」に関心はあったそうですが、忙しい毎日の中ではなかなかヨガ教室に通うことも叶わず、「だったらヨガの先生をお呼びしたらどうか」と思いついたのだとか。まさに「逆転の発想」ですね(*^^)v
最初の頃は、先生とご住職とその奥様のたった3人・・・などという日もあったそうですが、どこで嗅ぎつけたのか、いつしかメディアの知るところとなり、新聞や雑誌に取上げられたり、FM局から取材が来たり、朝のワイドショー番組からタレントさんが体験レポートに来たりもしたようです。
そんなこんなで、今では予約するにも「2~3ヶ月待ちは当たり前」の状況。10月までは毎回「満員御礼」だそうです(@_@;) もちろん、自主的な宣伝は何もしていないのに、です。
その昔、お寺は地元住民の心の拠り所でもあったのでしょうが、近年、観光地以外でお寺を訪れたことがあるでしょうか? もちろん、そのお寺の檀家さんであれば別ですが、正直なところ檀家さんの高齢化といった問題もあり、年々お寺を訪れる人は減ってきているという現状があります。
そう考えると、この「寺ヨガ」は、お寺に若い女性を呼ぶには、最高のしかけですよね!(^^)! なぜ女性がいいかといえば、「男性は女性が連れて来るから」と、そのご住職もおっしゃっていたそうですよ。まさに、そのとおりだと思います。
もちろん、ここのお寺の場合は、前述のとおり、集客のために始めたわけではありませんから、そこがまたいいんです。結果的に「しかけ」として機能していても、こんなふうに純粋な理由で始めたことは、簡単に陳腐化せず、長続きするのが世の常です。
考えてみれば、お寺だけに限らず、中小企業でも代々受け継がれてきた「資産」をお持ちの会社は、結構あるんじゃないでしょうか。蔵なども含めた古い建造物、あるいは骨董品や美術品の類・・・自分たちには「見慣れたモノ」だとしても、外部の人には魅力的に映っている場合が多々あります。
この「寺ヨガ」のように、自分たちのフィールドに、これまでとは違った層の人たちを上手に呼び込むしかけ・・・何か思いつかないでしょうか? そこからまた、新たなビジネスの可能性が開いていくかもしれませんよ(@^^)/~~~
2011年07月15日(金)更新
プレーヤーでありたいマネ―ジャーと、どう対峙すべきか
== 質 問 ==
どうしてもプレーヤーでありたいマネ―ジャーに、マネージャーとしての価値観を持たせるにはどうしたらいいでしょうか?
== 回 答 ==
こういう場合、とにかく無理しないことが重要ですが、何かの機会にマネージャーを体験させ、役にたっている自分を経験させると、マネージャー業務に興味をもって移行していくことは多いです。ですので、そんなシチュエーションを作れるようなトライをしてみてください。
== 解 説 ==
経営者や上司から見て、マネージャーや現場の責任者にさせたいと思っているプレーヤーの方がマネージャーや現場の責任者になりたがらない原因で多いのが、マネージャー業務そのものに対する情報や理解が無いために、漠然と無理と思っているとか自信が無いという状態でいるということです。
かなり積極的な人は別ですが、スタッフは知識や情報が無いと基本的には失敗を恐れて、何かに挑戦しようとしないことの方が多いので、そういう状況ではトライさせることは難しいと思います。
解決策として、こういう場合に有効なのが、仕組みとしてマネージャー業務を知るとか体験させるという機会を設けてしまうことです。
やり方としては、外部の研修に行かせて知識を身に付けさせる方法と、社内に教育の仕組みを作って、毎年定期的に現場のスタッフにマネージャー業務の知識や情報を与えておく、体験させるという方法があります。
また、社内の仕組みでいうと、本来は入社したときからキャリアパス等で現場の仕事が出来るようになったら次のステップとしてマネージャーの業務に上がって行くのが普通という環境や理解を作ってしまうという方法もありますね(*^_^*)
質問の方の場合だと、社内の準備もありますので、前者の外部教育に出すという方がいいと思いますが、この場合も「社内にノウハウを蓄積するために○○さんに外部の研修に出て来てもらってレポート書いて欲しい、感想を聞かせて欲しい・・・」というように、本人にはあまりプレッシャーにならないような伝え方で、参加させるなどの配慮をしてください。
そういう研修やセミナーに参加すると、現場力のある方であれば、知識が増すに連れて、かなり興味を持ってマネージャーの仕事を見るようになると思いますし、参加者とも仲良くなったりしますので、マネージャーに対するイメージも変わってくると思います。
無理しないで、興味の枠を広げさせるために、まずは知識を入れる、マネージャーの人と情報交換できるようにさせる、役に立つ自分をイメージさせたり、体感させたりする、そんなステップを踏みながら進めていくといいと思います。
もちろん、人によっては絶対にイヤダという人もいるので、その場合は無理しないで現場で活躍する方を選んでいただくわけですが、今回のことを教訓として、会社としては、先ほど解説したようなマネージャーへの自然な流れなどの仕組みはしっかり作るようにしてください。
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2011年07月08日(金)更新
サマータイム導入で変わるビジネスの時間軸
森永乳業はもっとも早い3月28日からその導入を決めたようですが、始発電車でも間に合わないケースを除き、始業を朝8時・終業を午後4時半と、通常より1時間早めました。
またKDDIでは、6月27日よりサマータイムと在宅勤務を組み合わせたシフトを実施しているそうです。朝早くから会社で勤務し、電力需要ピーク時に備えて午後からは帰宅、午後3時以降に自宅で仕事を再開してもらう、といったスタイルも取り入れているみたいです。
こうした動きにいち早く反応したのが、外食産業です。「16時~18時まで生ビール半額!」なんてサービスを見かけることもめずらしくありません。いまや「アフター5」は死語になりつつあり、サービスの中心は『アフター4』に移っているようですね(*^_^*)
中小企業では、取引先との関係もありますから、なかなか独自の時間軸で仕事をすることは難しいかもしれませんし、大手の休みが分散した分、中小は24時間・年中無休体制で仕事をしなくてはならなくなった・・・などという話も漏れ聞こえてきますが、要は経営者がこの時代の「変化」をどう捉えるかにかかっているんじゃないかと思います。
たとえば京王プラザホテルでは、プールのフリーパスを発行し、6月25日~9月4日までの期間中、16,000円で平日午後3時~8時までなら何度でも利用できるようにして、ホテル利用の敷居を下げる作戦に出ました。
また、語学学校のベルリッツが、平日のオンライン英会話レッスンを6時15分からのスタートに変えたり、早朝の出勤客を見込んで、開店時間を早めるオフィス街のカフェなども増えているようです。
日本人のいいところは、変化を受け入れる柔軟性に富んでいるところでもありますから、サマータイムにも割合すぐに順応し、時間軸の変化がそのまま「商機」につながっていくんじゃないかと思います。
経営者はこうした世の中の変化を敏感に察知し、自社の勤務形態も見直してみるとか、サービスの提供時間を見直してみるとか・・・前向きに、そしてスピーディーに反応してほしいと思います(@^^)/~~~
2011年07月01日(金)更新
社長は「24時間年中無休」で戦うべきか
私も最近、社長の勤務時間について聞かれることが多いので、「明大生との毎週一問百答」でも、過去に同じような質問があったことを思い出し、今回あらためてこの質問に答えてみました。あなたのスタイルはいかがですか?
== 質 問 ==
社長業は「365日24時間年中無休」という考え方がありますが、率直に言って、どのようにお考えになられますか?
== 回 答 ==
経営者にはそれぞれ考えがありますので、働き方のスタイルは好みの問題ですが、「365日24時間年中無休」で働いて大きな成功を収めている経営者の方はそんなに多くないのではないかと思います。感覚的な印象では、休みの多さに比例して会社は大きくなるのではないか・・・そんな感じです(*^_^*)
== 解 説 ==
今回の質問はとってもおもしろい質問なので、回答するのも楽しかったのですが、最後に付け足した「感覚的な印象では、休みの多さに比例して会社は大きくなるのではないか・・・そんな感じです」は、多くの経営者に会っている私の体験からすると本当で「まさにそうだ!」と思っています。
これには、いろいろな理由がありますが、まず一番の要素が組織化をしっかり完成させているので、経営者が毎日現場で行われている実務や作業に関わらなくてもよくなっているということが一番大きな理由だと思います。
私が主宰する『高収益トップ3%倶楽部』の勉強会でもよく会員の方に話すのですが、経営は二層構造、現場(=実務であり作業)と経営(=企業の向かう方向の決定・決断やアイディアを考えること)で、経営者はなるべく早く現場を離れて経営を仕事とすることが大切ですが、それに気づいて経営者という役割を果たしているということです。
もし、経営者が「365日24時間年中無休」で、現場の作業をしていたら、経営的な判断や将来の方向を考えるための情報収集や思考の時間がなくなってしまいます。
次の理由が、本当の情報は深い信頼関係を持った人間関係の中からしか掴めない、伝わってこないので、そういった関係を作るためには、経営者にかなり時間的な余裕がないと築けないという現実があるからです。
今は、情報化社会でネットからいろんな情報が集められると思っている方も多いのですが、ネットに流れる情報は、ある意味モノゴトが終わった後、完成された後に流れるのであって、何かを作り上げていく情報ではないのです。
経営者が掴まないといけない情報はまだこの世の中に公になっていない「コアな情報」ですから、それは、リアルな人間関係を通してでないと伝わってこない、ということです。
ですから経営者は長年にわたるリアルな人間関係を大切にするわけですが、「365日24時間年中無休」で働いていたら、絶対にそういう関係は築けないので、大きく成功することは難しいと思います。
最後にしくみ化の問題からの観点ですが、経営者が自ら実務を行う場合(1人で会社をやっているとか、自営業の場合などですね)でも、成功している人はなるべく仕事を他社(もしくは他者)とかに割り振ったりして自分は仕事をしない方向で成果をあげている場合が多いです。
極端に言うと、自分は何もしないで収益を上げる仕組みを作っているような方までいますので、「365日24時間年中無休」とは違う観点で仕事をしていると思います。
もちろん、これまで話したようになるまでには「365日24時間年中無休」でがんばったからこうなったという方も多いと思いますので、過程としてはある意味正しいと思いますが、経営のゴールはそこにはないと考えた方がいいと思います。
「休みの多さ=企業の経営の大きさ」・・・しっかり経営していけば、こんな方程式が完成するということです。参考にしてみてください。
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ボードメンバープロフィール
石原 明(いしはら あきら)氏
僖績経営理舎株式会社代表取締役
AZ Collabo株式会社
ヤマハ発動機株式会社を経て、外資系教育会社代理店に入社。約6万人のセールスパーソンの中で、トップクラスの実績を収める。「セールス・マネージャー世界大賞」を受賞後、日本経営教育研究所を設立し、経営コンサルタントとして独立。中小企業から大企業まで、業種や企業の規模を問わず幅広いコンサルティング活動を行っている。毎年の講演回数は100回以上。ビジネスの発想力やマーケティング力を開発・育成する「新経営戦略塾」には1000人が登録し学び、全国延べ4500社が参加。
2万人の読者を抱えるメールマガジン『石原明の「新経営戦略塾」』や、独自の視点で経営を綴るブログ『石原明の経営のヒント』も執筆中。大人気Podcast番組『石原明の経営のヒント+(プラス)』は累計ダウンロード数6000万回を超えている。著書に、累計30万部を超え『営業マンは断ることを覚えなさい』(三笠書房)、『「成功曲線」を描こう。』(大和書房)、『トップ3%の会社だけが知っている儲かるしくみ』(KADOKAWA)などがある。
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