石原明の「知的経営の切り口」 | 経営者会報 (社長ブログ)
企業を発展させるための経営のヒントについて、独自の切り口で紹介します。
2011年11月28日(月)更新
「一人前おせち」!? その意外さがマーケットを生む
時が経つのは、本当に早いものです。
そろそろお正月の準備を進めるご家庭も多いでしょうが、今年、「一人前おせち」を売り出した百貨店もあり、ちょっとビックリしてしまいました。しかも、予約は好調に推移しているそうです。
そもそも「おせち」とは、お正月に家族や親戚一同が会していただく食事です。ですから「一人前」と「おせち」はどう考えても結びつかないワード。聞いた時に感じる違和感も、そこに起因します。
しかし“マーケティング思考”を持ってこの現象を眺めると、ちょっとおもしろいことがわかります。果たしてどんな人がこの「一人前おせち」を買うのか・・・あなたはどう思います?
少し前に「おひとりさま」という言葉も流行りましたし、今は家族が生活時間に合わせてバラバラに食事を摂る「個食家庭」も増えていますから、やはり「おせち」も一人前ずつが便利なのでしょうか・・・。
もちろん、そうした傾向もあるでしょうが、じつは4人前がスタンダードの「おせち」を小分けにすることで、「いろいろな味が楽しめる」という利点が生まれたのです。
そごう・西武百貨店では、今年のお正月向けに出した「2人前おせち」が、数量ベースで前年比17%増という好成績を収めました。4人前のおせちは一つしか選べませんが、2人前であれば2つ買って、「2軒の料亭の味・食べ比べ」などが可能になるのです(*^^)v
しかも、近年は和風のおせちだけでなく、洋風や中華風のおせちもありますから、少量単位にすることで、「いろいろな味を楽しみたい」というニーズを生んだわけですね。ここに気づいた同店が、今年初めて「一人前おせち」を売り出したというわけです。
こんなふうに、販売の「量や単位」を変えてみると、また違ったマーケットが動き出すのがマーケティングの面白みであり、醍醐味でもあります。
また「一人前」と「おせち」のように、常識的な発想ではおよそ結びつかない2つのワードを掛け合わせるところから、まったく違った商品が誕生したりもします。
この事例を参考に、自社商品を「違った単位」で販売できないか、もしくは自社商品と「程遠い何か」を掛け合わせることで、おもしろい商品やサービスが生まれたりしないか・・・あれこれと楽しみながら発想を拡げてみてください(@^^)/~~~
2011年11月18日(金)更新
マーケット縮小時代の顧客化戦略
何かと忙しい暮れが近づくにつれ、なかなか思考を深められなくなってくると思いますが、今、経営者は、たとえどの業界にいても“次の一手”を投じておく必要があるのです。よかったら、今回の回答を、参考にしてください(*^^)v
== 質 問 ==
今後の日本のように、マーケット縮小傾向の時代では、新規開業客、自社使用の顧客、他社使用の顧客のどこを攻めればいいでしょうか? 現在、業界での自社シェアは10%程度ですが、よろしくご指導ください。
== 回 答 ==
自社の顧客を囲い込むのが一番先で、それが完成したらその次はマーケットシェアが低い会社の顧客を攻める、それを繰り返していくのが良いと思います。
== 解 説 ==
最近こういう内容の質問をよくされるので、答えもやや定番化していますが、一番大切なのは「現在の顧客の囲い込み」です。
理由はいろいろありますが、経営者や営業スタッフの意識が新規客の獲得に向いてしまうと、せっかく苦労して作った現在の顧客が置き去りになり、結果新規客は数件獲得しても、顧客が離れてしまい利益を大幅に無くすなどという事態になることが多いからです。
原因は、せっかくの顧客をしっかりフォローしていなかったために、顧客が離れてしまったり、他社に奪われてしまうからですが、これでは永遠に安定した経営は出来ません。
そもそも顧客にリピート購買していただいて売り上げを上げる方が、新規客を開拓し売上げを上げるよりも圧倒的にコストがかからないわけですから、絶対に現在の顧客を大切にして放してはいけないわけです。
また、新規を獲得する場合も、顧客からの紹介の場合はほぼコストゼロで新規客を開拓できるわけですから、絶対にこの路線は外してはいけないと思います。
顧客のフォローについてですが、人的コストをあまりこの作業に割いてしまうと、それはそれで大変なので、人を使わないソフトタッチのコミュニケーションの手法を工夫して使うことをお勧めします。
自社の顧客の囲い込みが完成したら、次に何をするかですが、マーケットの中で御社よりもシェアが低い会社・・・出来たら一番低い会社の分析をして勝てるプランを作成し、まずはその低いシェアの顧客を取りに行くといいと思います。
御社の体力が低いうちは、間違っても業界ナンバー1企業や御社よりもシェアの大きなところには行ってはダメですから、気を付けてくださいね。
一番小さいところを切り崩して、御社のシェアがその分拡大したら、また別の小さなところのシェアをという順番で徐々にマーケットシェアを拡大して行けば、最後はトップ企業と争う位にシェアは拡大していきます。ぜひ、がんばってください!
いかがでしょうか? あなたはどうお考えになりますか(^^♪ 私の発行する週刊メールマガジン、『社長、「小さい会社」のままじゃダメなんです!』(購読無料)では、毎週メルマガ読者のみなさんからの質問にこんな感じでお答えしています。
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2011年11月11日(金)更新
『ベストマニア』に学ぶ情報活用術
「ホットペッパー」や「R25」と同じく、リクルートの新規事業提案制度から派生した新会社である「エモーチオ」の運営です。
自分の考えた“ベスト3”を発表するサイトなのですが、たとえば「悩める中堅サラリーマンに響く名著」とか「韓国の歴史を知り、ドキドキする恋のドラマ」など、自分のアイデアで状況設定し、オススメする本や映画などの“ベスト3”を投稿するわけです。
サイトを訪れた人がそのランキングに共感した場合には「ササった!」ボタンを押すしくみになっていて、より多くの「ササった!」を集めた順に、サイトのトップページに掲載されていきます。
今後一年間で、ランキングの投稿を50万件集めることを目標に、中国や米国での展開も視野に入れており、5年後には世界で1千万件の投稿を目指す意気込みだそうです。
同社の林社長は、「情報が増え便利になったはずだが、検索サイトではうまく整理されておらず『情報ストレス』が発生している」と現在の情報化社会を分析し、ピンポイントで利用者のニーズに応え、役立つ情報を大量に作ると語っています。
『情報ストレス』については、私自身もネットユーザーとして感じるところなので、このしかけが上手に機能すれば、結構おもしろいことになるんじゃないかと思います(*^_^*)
テレビ番組でも、「ランキング」と「クイズ」は視聴率を上げるためのテッパン手法です。「さぁ、今週の一位はなに?」とか「果たして正解は?」などと視聴者に問いかけておけば、CM明けにも視聴率が落ちないわけですね。
それをサイトの企画に持ち込んだ同社は、賢いと思います(*^^)v よく「ネット上の情報のほとんどは2次情報、3次情報だ」と言われますが、どうせ生の情報じゃないなら、一次情報と真っ向から勝負するより、「どう料理するか」に特化したほうが賢い選択です。
このサイトでは、自分の「状況設定の妙」を競えるわけですから、より多くの「ササった!」を集めようと、どんどんハマっていくユーザーが増えるのではないかと思います。その結果、良質な情報が集まるようになれば、やがて検索ポータルになれる可能性もあるでしょう。
さすがに“人間心理の妙”を突いた企画だと思います。たとえば将来的には、彼女と初めてデートするときのレストランを探したい・・・なんてときに、一番最初に『ベストマニア』を立ち上げてくれるようなユーザーが増えればいいわけですよね。
それはともかく、この事例は「情報活用」のいいヒントになると思います。たぶん、どこの会社でも、サイトを含めて社内にはコンテンツがたくさん溜まっていると思いますが、そろそろ、それらの既存コンテンツを「いかに料理してお客さんに届けるべきか」を考える時期かもしれません。
ここから先は、余分なお金をかけずとも「アイデアで勝負」する世界です。ぜひ今回の事例を参考に、脳みそに汗をかいてみてください(@^^)/~~~
2011年11月04日(金)更新
進化系「エリアマーケティング」を考える
さて今回は、「エリアマーケティング」に関する質問を取り上げてみました。これは私の顧問先でも、実際に起きている現象なので、参考にしていただければと思います(*^_^*)
== 質 問 ==
マーケティングも、時代に応じて変えていく必要があると思うのですが、これからの時代のエリアマーケティングの方法について解説してください。
== 回 答 ==
これからのエリアマーケティングは、既存シェアやインフラ勝負という様相が強くなってくると思います。すでにある程度のシェアや設備などを持っている会社であれば、それを強化して他社がマーケットに入って来ないようにするのがポイントです。
== 解 説 ==
右肩上がりの経済から、確実に右肩下がりの経済へと変化したことによって、エリアマーケティングのやり方や考え方は、確実に変化していると思います。
変化の要点は、マーケットが拡大している時は、常に他社が参入してくる危険性がありますから、経費はなるべく抑えて値段勝負となった時にも勝てるような経営を目指さないといけないなど、儲かっているマーケットはターゲットにされるという流れを持っていました。
それに比べて、マーケットが縮小している場合は、ある程度のシェアやインフラがあれば、そこにあえて参入してくる企業はほとんどなくなるというように変化します。
分かりやすく例えると、飲食店や歯科などで、マーケットが拡大している時には、儲かっている店舗があったらその近くに店舗を出せば、こぼれたお客さんが当初からある程度拾えて“そのうち逆転するぞ!”みたいなライバルが常に出てきたりする可能性があったのに対して、マーケットが縮小する右肩下がりの状況になると、ライバル会社は、マーケットを調べて、すでに勝っているところがある場合には、そこにあえて挑戦して戦争状態に持ち込むより、強い店舗がないところへ出店することを考えるようになるということです。
ですので、すでにある程度のブランドやシェアを持っている会社、そして特に強いのはインフラ(工場やプラント、大きな店舗など)を持っている会社は、その強さをより強化して、いち早くマーケットを制覇してしまい、他社が入り込んで来ないような演出も含めた戦略を取ることが重要になってきます。
また、あなたがこれからマーケットを探すなら、「強者のいない=あなたが強者になれる可能性の高いマーケット」に打って出て、早めにシェアやインフラを作ってしまうことをお勧めします。この場合は、日本中に残されたマーケットはそんなに多くないので、早めに探して出店することをお勧めします。ぜひ、がんばってください(@^^)/~~~
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2011年10月28日(金)更新
走るトイレ!? TOTOの『トイレバイク ネオ』1,400km走行中
バイクの座席部分に、従来の節水便器に比べて68%の節水を実現した同社の最新型トイレ「ネオレスト」の形状を模したものを据え付け、後部には巨大なトイレットペーパー状のオブジェが付いている『トイレバイク ネオ』が、本社のある福岡県北九州市から東京までの約1,400kmを約1ヶ月かけて走行するというユニークな企画なのです(@_@;)
今月(2011年10月)6日に北九州市のTOTO本社を出発し、毎日「今日はここに居ます!」と、サイト上のマップやブログで報告しているので、近所の人がひと目見ようと集まってきたりして、かなり話題を呼んでいるようですが、twitterなど「リアルタイム」のツールと親和性の高い企画ですよね。
こんなインパクトのあるバイクが目の前を通ったら、思わず携帯カメラで撮影したくなりますし、twitterやFacebookに書き込みたくもなるでしょう。まさに、ネットとリアルを繋ぐ発想です(*^^)v
そもそも「TOTO TALK」プロジェクトは、「TOTO GREEN CHALLENGE」をはじめとする同社の環境保全に向けた取り組みを多くの人に知ってもらうことを目的として、2009年から実施しているものですが、バイクの燃料には、家畜の排せつ物や生活排水などから生成されたエコなエネルギー「バイオガス」を使用して、環境に配慮しているようです。
ネットでは、動力は「○○○そのものじゃないのか」などと話題になっているみたいですが(笑)、もしかしたら、そんな話題づくりも想定した上での企画じゃないかなんて、深読みしてしまいます。
それはともかく、こんなユニークな企画が採用されるとは、同社経営陣の頭の柔らかさに、ちょっと感心してしまいました。たとえ大企業であっても“発想力”が問われる時代になっているなぁと、つくづく感じます。
「トイレバイク ネオ」は、広島、岡山、京都、箕面、四日市、静岡、沼津を経て、11月2日に東京都世田谷区の『TOTO テクニカルセンター』に到着する予定だそうです。もし遭遇できたらラッキーですね(^_-)-☆
この事例を参考に、自社でもできるユニークなプロモーションのあり方を、アレコレ発想してみてはいかがでしょうか(@^^)/~~~
2011年10月21日(金)更新
初めて人と会うときにチェックすべき点とは
さて、今回はちょっとおもしろい質問が届きました。「初対面のチェックポイント」についての質問ですが、こうした普段意識しないことをあらためて考えてみるのも、結構楽しいものです♪
秋の夜長・・・「普段見過ごされがちなこと」に対して“哲学”してみてはいかがでしょうか(*^_^*)
== 質 問 ==
初めて人と会う場合に、チェックすべき点や必ずする質問などがあれば教えて欲しいです。よろしくお願いいたします。
== 回 答 ==
あまり意識してはいませんが、仕事柄、着ている洋服のセンスやビジネスセンス、実績とそれを裏付けてくれる実力(=どのレベルの仕事をされているか)、それから性格や人間性などは、無意識にトータルでチェックしていると思います。
本当に大勢の人に会いますので、ビジネス的にもビジネスを離れた人間関係でも、リアルで会える人には限界があるので、どの方と継続した関係を持つかは大切ですよね。
== 解 説 ==
この質問の答えに、一番最初に私が書いたのが洋服のセンスだったので自分でも笑ってしまいましたが、人を見るときに仕事の実績や成果もそうですが、あるレベルを超えたら私服以外(あるいは私服も含めて、パジャマ以外)は、TPOというか、自分の好みもありますが、自身の仕事やレベル、まわりの人との関係で選ぶべきだと思うので、その辺は良く見ていると思います。
というか、洋服は、ビジネスセンスや人間性・気配り・思いやりなども表現していると思います・・・ので、絶対にチェックするというか、無意識にも見ていると思います。
・・・それに、外見なので、分かりやすいのも良いですよね。
また、トップ企業の経営者や役職者であれば、スーツは“英國屋”さんとか“壱番館”で仕立てるなどが常識なような感じもありますので、それに習うというように、洋服はその人が付き合っている人のレベルを自然に表現していますから、そういう意味でも外見は重要だと思います。
それから、その人が付き合うレベルは会話の中で、どこが行き付けのお店か? などでも分かりますが、案外こういうことはチェックしていない方も多いかもしれませんね(*^_^*)
あと、気になって反応してしまうのが、その人の言葉使いですね。どんな表現や単語を使うのかとか、人に対して丁寧な言葉を使うかなどは、とっても気になります。
これ、本人はあまり気付いていないケースも多いのですが、まわりの人や第三者に対して乱暴な言葉を使ったり、批判的なことを言う人はあまり感心できないと思ってしまいます。
あとは、立ち居振る舞いで、細かいことにも反応できるかとかも見ているかもしれませんね。
・・・・と、こんな感じのことを自然に観察しているのだと思います。
もちろん、会った方の年齢などもあるので、その辺の仕方なさなんかも考慮していますが(若い方は教えればOKですからね)、それで、今後の関係を作るかどうか? などを決めていると思います。参考にしてみてください。
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2011年10月14日(金)更新
商品の“お試し”拠点!? 「TOKYOBIKE」のカフェ
相変わらずの「自転車」人気が続く中、デザイン性の高さと手頃な価格で人気のある「トーキョーバイク」のショップなのです
カフェというくらいですから、コーヒーやワインなどを提供するちょっとしたスペースはあるのですが、「レンタルバイク」(半日1,500円~)とガイド付きの「バイクツアー」(昼食・保険・ガイド料込みで10,000円)がウリです。
なんでも同社は、「山を走るのが『マウンテンバイク』なら、東京を走るのが『トーキョーバイクだ!』と思いついたことから始まっているようですが(笑)、来年開業の東京スカイツリーを見越しての浅草なのかもしれませんね。
上野・秋葉原・銀座・築地・皇居というメインスポットから、谷中・向島・日本橋・人形町などのディープな下町巡りまで、快適な“街乗り”を体験してもらおうという狙いでしょう。
つまり、ここは「自社製品のお試し体験ショップ」と位置づけることができるのです(*^^)v
近年、購入を検討している商品の「お試しサービス」が広がっていて、パナソニックでは今年(2011年)6月に発売した市場想定価格9万円前後という高額の炊飯器を「お試し」してもらうために、全国100店の飲食店で同社の炊飯器で炊いたご飯を使ったメニューを提供する試みにチャレンジしました。
同社の販促担当者は「店頭に炊飯器を買いに行っても、実際に食べることはなかなかできません。炊飯器で炊いたご飯を食べられる場所をつくることが狙いです」としていますが、賢い選択だと思いませんか?
今やリアル店舗で吟味して「ネットで買う」人も多いので、だったらいっそ、「リアルでは売らずに試してもらおう」という発想を取り入れると、また違ったマーケティングが展開できると思います。
「お試しの場を増やす」・・・この事例を参考に、自社商品のマーケティングを今一度見直してみてはいかがでしょうか(@^^)/~~~
2011年10月07日(金)更新
価格競争をせず、リピート性を高める道
さて、今回はある経営者の方から、切実な質問が届いたので取り上げてみました。問題を解決する際の私の「思考法」も一緒に読み取っていただけると嬉しいです。
== 質 問 ==
値引競争をしようとしている他社もある中で、非価格競争に持ち込ませ、かつリピート性を高めるにはどうすればいいのでしょうか?
== 回 答 ==
答えは、マーケットを特定して、そのマーケットに対して競争他社と比べて比較にならないほどの圧倒的な技術やサービスレベルを達成することです。それ以外には人的な繋がりを持つ等ですが、なかなか難しいのでお勧めしません。
== 解 説 ==
こうした質問は、いろいろな形でされることの多い質問ですが、すぐに出来るか? 出来ないか?(笑)、は別にして、起こっている問題を整理して考えると答えは簡単で、競争する他社に対して何かで値段に負けない圧倒的な差をつける以外に道はありません。
説明を付け加えると、競争なので戦っている何かのフィールドがありますよね。まずこれを決めることが必要で、これがマーケットになります。
マーケットは、BtoBの場合はあの企業とこの企業・・・などと言うように分かりやすい形もあれば、BtoCのようにこの所得帯で顧客を想定する・・・などというようにかなり曖昧な場合もありますが、そうすることで、そのマーケットでの競争相手も特定できるようになりますね(*^_^*)
そこで、他社に対して同じ値段帯なら圧倒的に勝てる技術やサービスを作れば、価格競争になりません・・・というか、相手が値段を下げても勝てないくらいに、必要な技術やサービスを持った会社になってしまうと思います。
ここで、それでも他社が値段を下げたら、そっちで買うという会社も出てくるという意見もありますが、それはそもそも、そのお客様は当社とはマーケットが違っていて、安くしたら買うというお客様だったということなので、当初はあまり気にしなくても良いと思います。
あとは、人的繋がりを持つとか、便宜を図る、接待漬けにする・・・等の寝技的なことがありますが(笑)、現状ではかなり難しいので、業種にもよりますが、あまりお勧めしていません。
これ、答えていて思ったのですが、問題を解決する時に、現状を考え過ぎてしまって「あ、無理・・・!」などというように、自社に当てはめてイメージしてしまうと、解決策や解決の切り口という“答え”は見つけ難いと思います。
先に「出来るか? 出来ないか? は別にして、整理して考えると答えは簡単で・・・」と書きましたが、みなさんはこういう思考にあまり慣れていないのかもしれませんね。
こういう時は、問題の解決策を探すという次元(・ステップ)と、それを自社に当てはめて考えるという次元(・ステップ)を分けると良いのではないかと思います。
解決策と、それを自社でどうするかは別問題なので、これを区切って考えられるようになると良いですね(*^_^*)
そして、“そうか、やっぱりこれしかないのか”ってクリアーになると、踏ん切りも付つくし、退路を絶たれるので、案外画期的な技術やサービスの糸口が見つかるかもしれませんよ。
それから、どうしても当社では圧倒的な技術やサービスが作れないので経営方針を変更、徹底した値段競争という戦略に出る! なんていう経営判断も、ハッキリと打ち出せるようになったりするものです。
ということで、こんな問題解決の方法も一緒に参考にしてみてください。今後の展開に、期待しています(*^^)v
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2011年09月28日(水)更新
水族館にお泊り!? 八景島シーパラダイスの大人の女性限定プラン
9月~11月の週末、1回あたり20名の限定プランで、価格は12,000円。夜8時に集合し、翌朝7時の解散となるようですが、参加費には2日目のアクアリゾーツパスと朝食および夜食代、さらに「ポプリバイキング」というサービスも付くようです。
サシェ(匂い袋)に好みの香りをブレンドし、イルカたちと共にオリジナルな香りの空間でたっぷり癒されてください、という計らいなのです(*^_^*)
これまで、他の水族館でも子ども向けのお泊りプランなどはありましたが、「大人の女性限定」としたところが面白いですよね。同じ施設が、別の用途で活かされるってことです。水族館の存在価値を、見学施設から「癒しの空間」にシフトしたわけですね(*^^)v
こうした企画は、聞いた瞬間に「行ってみたい!」と反応する人がどのくらいいるかで決まるのですが、コレを聞いて私も思わず行ってみたくなりましたから(笑)、結構イケるかもしれません。
世の中にはお金をかけて作ってしまったものの、集客に失敗している施設がたくさんありますが、こうした発想を持って、違うマーケットにアプローチしてみることは大事だと思います。国内マーケットが縮小の一途をたどる今、どんな業種も業界も、入念なリサーチを繰り返し、ビジネスを磨き続ける必要があるのです。
もちろん自社の商品やサービスにも同じことが言えますし、もしかしたら、自社の持っている施設や資産にも、別のカタチで活かす道が見つかるかもしれません。秋の夜長、この事例を良い刺激として、思い切り発想を拡げてみてはいかがでしょうか(@^^)/~~~
2011年09月16日(金)更新
社長の飛び込み営業は「OK!」か「NG!」か
さて、今回はちょっとおもしろい質問が届きました。私はいつも「社長がいつまでも現場の仕事から抜けられないような会社はダメですよ」と教えているのですが、「社長が飛び込み営業するのはどうですか?」という質問です。よかったら参考にしてください。
== 質 問 ==
私を含めて4人の小さな会社ですが、今年になってようやく現場の作業をかなり離れる事が出来るようになりました。これからはマーケティングによる集客の仕組みを構築したいのですが、時間が出来た分、飛び込み営業とかに行きたい衝動にもかられます。
石原先生は「社長は1日も早く現場を離れなさい」とおっしゃいますが、時間があるからと言って営業に行くのはやはりダメでしょうか?
== 回 答 ==
マーケティングロジックを構築する上で、リアルな顧客情報は欠かすことが出来ません。なので、時間があるから飛び込み営業するのではなく、必須事項として営業活動するべきだと思います。
== 解 説 ==
4人の会社で、経営者が現場を離れるようになったということは、とても素晴らしいことだと思います。
ビジネスを成功させるコツは、今日の努力が今日の売り上げに繋がると同時に、未来の売り上げも構築できることです。ただ、一度で両方の利益はなかなか生まれないので、現場のスタッフの努力で今日の売り上げを構築し、経営者は将来の利益を創造できるように組織化することなのですが、それが出来るバランスになったということですね。
こういう組織化はかなり意識して取り組まないとなかなか出来ないことなので、とても素晴らしいと思います(*^^)v
さて、そうなった後に経営者は何をすればいいか? ですが、未来の利益を構築するためにまずは仕組みとして収益が見込めるようにすることです。ですから、あなたが進めようとしている方向はとても良いことなのですが、ここで営業活動をするのはどうかという質問ですよね。
先にも書いたように「するのが良いか?」ということではなく、必須の項目としてしなければならないというのが回答です。
理由は、マーケティングロジックは想像で作っていくと必ず失敗するか、成果が上がるまでにすごく時間がかかってしまうからです。
仮説を立て、それを実行し、成果を確認して行くことのトータル速度が、マーケティングロジック完成の速度になるわけですから、仮説が適切であるかないかはとても重要だということです。
ということは、しっかり営業活動をして、なるべくリアルな仮説を立てること、これが早くロジックをつくりあげていく秘訣です。営業が好きな自分に感謝して、マーケティングロジックを完成させるための飛び込み営業をぜひしっかりやってください。期待しています。
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ボードメンバープロフィール
石原 明(いしはら あきら)氏
僖績経営理舎株式会社代表取締役
AZ Collabo株式会社
ヤマハ発動機株式会社を経て、外資系教育会社代理店に入社。約6万人のセールスパーソンの中で、トップクラスの実績を収める。「セールス・マネージャー世界大賞」を受賞後、日本経営教育研究所を設立し、経営コンサルタントとして独立。中小企業から大企業まで、業種や企業の規模を問わず幅広いコンサルティング活動を行っている。毎年の講演回数は100回以上。ビジネスの発想力やマーケティング力を開発・育成する「新経営戦略塾」には1000人が登録し学び、全国延べ4500社が参加。
2万人の読者を抱えるメールマガジン『石原明の「新経営戦略塾」』や、独自の視点で経営を綴るブログ『石原明の経営のヒント』も執筆中。大人気Podcast番組『石原明の経営のヒント+(プラス)』は累計ダウンロード数6000万回を超えている。著書に、累計30万部を超え『営業マンは断ることを覚えなさい』(三笠書房)、『「成功曲線」を描こう。』(大和書房)、『トップ3%の会社だけが知っている儲かるしくみ』(KADOKAWA)などがある。
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