石原明の「知的経営の切り口」 | 経営者会報 (社長ブログ)
企業を発展させるための経営のヒントについて、独自の切り口で紹介します。
2012年02月17日(金)更新
自分でネイル!? 只今「セルフサロン」急増中
たとえば、持ちがいいと評判の「ジェルネイル」などは、プロのネイリストにやってもらうと1万円前後はかかるようですが、プロ用の道具が準備されたセルフスタイルのサロンに出向き、プロの助言を受けながら自分自身で行えば、3000円程度で済むことから人気を呼んでいるようなのです。
確かに、不景気の時代にはありがたいサロンです。しかし、セルフサロンがウケている理由は、価格の安さもさることながら、「前から自分でやってみたかった」という消費者の潜在的ニーズを満たしたことにあると見るべきでしょう。
ジェルネイルとは、爪にゲル状の樹脂を塗り、UVライトで硬化させるもの。マニキュアよりも長持ちし、装着感が軽くて違和感がないという部分が人気の秘訣のようですが、専用の道具がないと、なかなか自分では上手にできないみたいです。
つまり、自分でやってみたいけど、最初から道具をそろえるのはちょっとハードルが高い・・・こうしたセルフスタイルのサロンは、その“お試し”の場にもなっているわけです。
最初はプロの助言を受けながら試しにやってみる。そして気に入れば自宅用のキットを買うという流れです。その後は「プチスクール」を開催するなどして顧客フォローをし、消耗品を販売し続けられるように工夫すれば、かなりしっかりしたマーケティングロジックとなります。
さらにもうひとつ、女性の関心が高いジェルネイルは、自分でやったとなれば、何より“友達に自慢できる体験”となる点も見逃せません(*^^)v
今やブログやSNSなどで情報発信を続ける人も多いので、こうした「ネタになる体験」こそが、プロによるサービスより価値を持つ時代になったのかもしれませんね。
ネイルサロンに限らず、美容家電や化粧品などを試せるセルフスタイルのエステサロンや、愛犬のシャンプーを飼い主が行えるサロンなども続々登場しています。
このスタイルのサロンなら、会社が場所と道具さえ用意すれば、プロは時間ごとに一人か二人いれば十分ですから、従来型のサロン経営のネックになっていた人件費の問題もクリアし、収益性の高いモデルをつくれると思います。
この事例を参考に、自社の商品やサービスを楽しく「体験」してもらうにはどうすればいいか、そこから自社のビジネスモデルやマーケティングをブラッシュアップできないか・・・あれこれ発想を広げてみてはいかがでしょうか(@^^)/~~~
2012年02月03日(金)更新
海外パートナーと上手に付き合うために
とはいうものの、日本経済は冬の時代が長く続いています。
今週も、国立社会保障・人口問題研究所から、「2060年の日本の人口は1億人を割り込み8674万人にまで減少し、総人口における65歳以上の割合が4割に達する」などという、いささかショッキングな統計が発表されました。
国内マーケットが縮小の一途をたどる中、海外進出を画策する企業も多いのですが、今回「海外パートナーとの付き合い方」に悩む経営者の質問に答えるかたちで、そこには「言葉の壁」ならぬ「思考習慣の壁」が存在するという解説をしました。よかったら、参考にしてください。
== 質 問 ==
今後、日系企業もどんどん海外に出ていくと思いますが、海外パートナーとのやり方、考え方で上手くすすんでいないケースが多いと感じます。何か良い事例・方法があればお伺いしたいです。
== 回 答 ==
日本人と海外の人とでは、コミュニケーション上の思考習慣が違うので、そのあたりをしっかり理解した上で、またトレーニングした上で、パートナーとやり取りをすることをお勧めします。
== 解 説 ==
思考の習慣で一番違うのは、海外(主に白人の方たちですが)の人は、会議などをする時に、はっきり物事をいってもお互いに傷つかない思考習慣が身に付いています。
これは、その人の持つ「意見」とその人の「人格」はまったく別のものだと教えられているからですが、日本人としては、なかなかこの部分を理解しがたいのです(――;)
日本人は、自分の意見を否定されると、まるで自分の人格までも否定されてしまったように感じてしまいますが(だからはっきり物事を言えないとか、相手の意見を否定できないということになったりします)、これは単なる思考習慣の違いであると理解してください。
実は、この思考の違いこそが、日本人が海外に行ってなかなか成果を上げられない理由のひとつなのですが、こういう“ディベート”の感覚を事前に理解、そして身に付けると良いと思います。
外人は初対面でも集まってすぐに会議などでバトルを繰り広げ、物事をどんどん進めていけますが、日本人の場合はまずお互いの人間性を確認、仲良くなってから物事を進めるという時間が必要で、それがスタートダッシュの遅れや、仕事の進行の妨げになる場合が多いということですね(ーー;)
思考の習慣なのでどちらが良いか悪いかではなく、違いを十分に理解して、海外に出たら即そういった変化に対応するように、理解とトレーニングをすることが大切です。
トレーニングの仕方は簡単で、何人かを2つのチームに分けて、例えば「お金は良いモノか悪いモノか」を議論させるということをします。目的は、議論に勝つことですが、どちらかが勝ったら“お金は良いモノチーム”と“お金は悪いモノチーム”を入れ替えて、議論を再開させるのです。
さっきまで、お金は良いモノと言っていたチームは、今度は悪いモノだという意見をしなければならない訳ですが、ビジネスではお互いの立場を少しでも良いものにするために、こうやって意見を戦わせるということを、こうしたゲームなどで理解させることです。
慣れたら1対1でこれを繰り返します(^_-)-☆ 海外では、小学生の頃からこういうディベートのトレーニングを日常的にするわけですから、会議はタフになりますよね。
ちなみに、私の主宰する『高収益トップ3%倶楽部』では、来週2月7日(火)に開催される東京勉強会に、海外ビジネスのエキスパートである株式会社ソフィアネットワークスの岩崎義久社長をゲストにお迎えし、本物の国際感覚とディベートについてお話していただきます。
まだ若干お席があるようなので、よかったらご参加ください。コチラよりお申込みいただけます(*^^)v
2012年01月27日(金)更新
ひとりカラオケ専門店!? リアルをリサーチする目がビジネスを磨く
仕掛人は、カラオケボックス「カラオケ本舗まねきねこ」を運営する群馬県前橋市の株式会社コシダカ。ちなみに、コシダカホールディングスは、女性専用フィットネス「カーブス」の主要株主でもあります。
社長いわく「2009年、2010年に弊社が運営する『カラオケ本舗まねきねこ』の来店調査をすると、約18%もの方が、一人カラオケを楽しんでいらっしゃいました。平日の昼にとある店舗に行くと満室だけど、すべてお一人様という状態も多い。これだけニーズがあるんだったら、専用店舗があってもいけるんじゃないかと。ちなみに私もひとりカラオケでよく歌っています」とのこと。
そのことに気づいてからは、社長室の前に「実験機」を設置し、開発チームに暇さえあれば歌わせていたようです(笑)。
その成果か、「ワンカラ」は既存のカラオケボックスとひと味もふた味も違います。まず、ボックスではなく『ピット』と呼ばれるブースには、モニター、ヘッドホン、マイクが設置されていて、よくテレビなどで見かけるレコーディングブースのような状態で、ヘッドホンから流れるカラオケに乗せて、ひたすら歌うわけです♪
『ピット』での飲食ができない代わりに、疲れたら無料のドリンクバーが用意されているカフェスペースで休憩することができるようにした点も、既存のカラオケボックスと大きく違います。そもそもカラオケとは「飲みながら歌う」ものでしたから、その根本をくつがえしてしまったような、結構大胆な発想です(*^_^*)
しかし、それが「単なる社長の思いつき」じゃない点に注目してほしいのです。私は日本企業が海外の企業に簡単に負けてしまう原因は「リサーチ力の弱さ」だと思っているのですが、その点、腰高社長はすばらしいですね。
競争の激化するカラオケ業界において、客単価をグンと上げ(なんでも、都心の既存店平均の10倍近いそうですよ!)、食事を提供しないと決め、ドリンクをフリーサービスにしたことで、大幅な人件費の削減にも成功し、みごとなまでに収益性の高いモデルにブラッシュアップしています(*^^)v
開店から1ヵ月のデータでは、来店数の3割をリピーターが占め、1時間以上の利用客が約6割もいるそうです。3ヵ月間テスト運営を実施し、1日60人くらいの来店を見込めるとわかったら、まずは山手線沿線での出店を考えているそうですよ。
この事例からわかるのは、「自社のお客さんはこういう層だ」と決めてかかることの怖さです。経営者が「カラオケボックスは、飲み会の後の2次会、3次会で使われるのが主流」などと思っている限り、こんな発想は出てきませんよね。
ちなみにうちの女性スタッフは、ランチライムにカラオケボックスに一人で行って、昼食を食べながら数曲歌ってストレスを発散するOLの友達がいるって言ってました(@_@;) また、子どもさんを連れたママたちのランチ会には、騒いでも怒られないカラオケボックスがピッタリなんだそうです。
こういう話を聞くと、思い込みでビジネスすることの怖さを感じませんか? この事例を参考に、ぜひ自社の「本当の顧客」を、リアルからリサーチし直してみてください(@^^)/~~~
2012年01月20日(金)更新
これからの時代の新規事業
そこで今回は、新規事業に関する質問を取り上げてみました。よかったら参考にしてください。
== 質 問 ==
新規事業のマーケティングについて質問です。参入しやすい、参入しにくい、もしくは利益が出る、出ない等の見分け方があれば教えていただきたいです。よろしくお願いいたします。
== 回 答 ==
今、新規事業を考える場合、まず景気の良い時の新規事業とは、状況やイメージがかなり違っているということを知ることが大切です。
後はしっかりしたライバル調査やリサーチが必要で、そのリサーチの時に、利益のことを精査するのが良いと思います。
== 解 説 ==
最近特に景気が悪くなっているせいか、新規事業について多く質問されますが、新規事業を考える場合にまず、景気の良い時と悪い時では新規事業に対するスタンスが根本的に違うということを知る必要があると思います。
どういうことかと言うと、景気の良い時や経済が発展している時に考える新規事業は文字通り“新規=誰もやっていないことをする”という意味合いが強く、成功すると事業も大きく発展するようなイメージが強いのですが、それと同じ感覚で、景気後退時に新規事業を考えてしまうと失敗する可能性が高くなるということです。
では、景気後退時に考える新規事業とはどんな意味合いと考えたら良いかと言うと、自社がこれまでやったことがないことは、自社にとっては全て新規事業と考えて、マーケットでのライバル企業の状況などを考えて事業を選別した方が良いということです。
景気後退時の新規事業=すでにある既存事業で自社が進出したら勝てそうなビジネスをマーケットから探して進出すること、これはとっても重要なので、ぜひ覚えておいてくださいね(*^_^*)
景気が悪い時は顧客も保守的になっているので、誰もやったことがないビジネスはなかなか成功しにくいということです。
さて、質問の答えですが、そう考えると、参入しやすいかどうかは、マーケットに有力なライバルがいるか・いないかということになります。有力なライバルがいる場合は難しく、いない場合は簡単ということになりますね(*^_^*)
また、利益が出る・出ないも、ライバルとの状況を比較して考えると良く分かってきます。
ライバルの固定費が高かったり資金体質が悪い場合は、競争という観点なども考えると、相手は商品やサービスの価格を下げようとしても下がりませんから、同じ値段でもうちが固定費を抑えた分だけ利益が取れる可能性があるなど分かってきます。そういう視点で考えると、既存の事業で勝てる仕事が見えてくると思います。
いかがでしょうか? あなたはどうお考えになりますか(^^♪ 私の発行する週刊メールマガジン、『社長、「小さい会社」のままじゃダメなんです!』(購読無料)では、毎週メルマガ読者のみなさんからの質問にこんな感じでお答えしています。
これまでのQ&Aもバックナンバーにたくさんあるので、興味があれば覗いてみてください。もちろん、質問も随時受付中です(*^^)/~~~
また、オフィシャルマガジン『石原明の不定期情報通信』をご希望の方は、コチラから読者登録ができますので、ぜひこの機会にご登録ください。様々な切り口から“経営脳”に刺激を与える内容を配信しています(*^^)v
2012年01月13日(金)更新
東京スカイツリー VS 東京タワー 物件の価値を上げるのはどっち?
不動産総合情報サービスのアットホーム株式会社が、昨年末に発表したアンケート結果なのですが、「東京スカイツリー VS 東京タワー 住まいの眺望に関するアンケート調査」と銘打ち、それぞれのタワーが不動産物件に与える価値を調査したのです。
「自宅から東京スカイツリーや東京タワーの夜景が見えると物件の価値があがるか?」の問いには、約6割の人が「上がると思う」と答え、女性においては約7割がYesだったそうです。
「自宅から見えるなら?」の問いには、東京スカイツリーを選んだ人が2割超、約5割の人は東京タワーを選んだようで、「眺望」から言えばスカイツリーより東京タワーの人気がまだまだ高いということがわかったようです。
おもしろいのは、その夜景の価値を数値化したところなのですが、平均で東京スカイツリーが月額7,176円、東京タワーが月額9,233円と出ました。つまり、東京タワーの夜景が見えるなら、家賃が1万円高くてもOKだと、多くの人が言っているわけですね(*^^)v
また、アンケートの最後には、「東京スカイツリーや東京タワーの夜景を一緒に見たい有名人」なんて設問もあったりします。女性では新垣結衣と綾瀬はるか、男性では福山雅治と向井理が人気のようです。
この調査結果をどうビジネスに活かすのかはともかく、設問のセンスにはちょっと感心してしまいました。上の画像をクリックすると、同社のニュースリリースに飛べるので、ぜひ目を通してみてください。
以前もお話したことがあるかと思いますが、企業が発信する情報の切り口として、「ランキング」と「アンケート結果」はテッパンなんです。しかしご存じのように、今は多くの企業がこの手法を使っていますから、ありきたりの内容では見向きもされませんよね。
その点、このアットホームの切り口は、圧倒的に冴えてます(*^_^*) この事例を参考に、自社ならどんな「ランキング」や「アンケート調査」ができるか・・・あれこれ楽しみながら発想を広げてみてください。
もしかしたら今年の年末あたりには、この経営者会報ブログの会員さんが仕掛けた「◎◎大賞」や「××ベストテン」が大きな話題になるかもしれませんね。楽しみにしています(@^^)/~~~
2012年01月06日(金)更新
小さい会社の「ポッドキャストの活用方法」
さて、みなさんはどんな年末年始をお過ごしでしたか? じつは私の元には、とても嬉しいニュースが飛び込んできました(*^^)v
私がここ2年余り、毎週金曜日に配信を続けてきた無料版ポッドキャスト『石原明の経営のヒント+(プラス)』の2011年の累計ダウンロード数が、100万を突破したというのです!
「100万」という数字は、かなりインパクトがありますよね(*^_^*) というわけで、今回はタイムリーに届いた「ポッドキャストの活用方法」についての質問を取り上げてみたいと思います。よかったら、参考にしてください。
== 質 問 ==
石原先生のポッドキャストを毎週聴いています。小さい会社の「ポッドキャストの活用方法」について教えてください。よろしくお願いいたします。
== 回 答 ==
企業研修の代わりや教育ツールとして使ったり、共通認識などを養う媒体として使っている企業が実際にあり、喜ばれています。
== 解 説 ==
今回の質問に対する答えとして、実際にポッドキャストを企業で上手く活用してくれている事例も一緒に紹介することにしますが、結構沢山の会社が社員の意識向上のための教育ツールとして活用してくれているようです。
ほとんどの場合社長さんがポッドキャストを聞いて気に入ってくれて、それを社内で活用してくれる場合が多いようですが、地方の会社では、通勤や営業活動など車での移動の間に何度も聞くことを勧めることで、社員研修の時間を取らなくて良くなったという声は良く聞きます。
最初は社長が幹部にだけ紹介したけれど、気に入った幹部が部下に教えて、今では会社全体で聞いているという会社では、共通認識が出来て連帯感が高まったと言ってくれています。
また、社員研修の代わりにみんなで聞いてから意見交換するというふうに、(研修のように)社内で活用してくれている会社もあります。
こちらの会社は、毎年、年間を通して結構研修をやっていたそうですが、講師を依頼するお金で音声が聞けるツール(iPodなど)を買って社員全員に支給したと言っていました。
もともと、私がポッドキャストを始めた理由は“学習効率が一番良いのは音声を繰り返し聞くことだ”と思っていましたから、こういう使い方に気づいていただけるのは本当に嬉しいことです。
特に、学習に対する現代人に共通する問題は、今後ますますこの傾向は強くなって行きますが“学習したくても時間が取れない”ということだと思っていますから、音声はバッチリだと思っています。
・・・例えば、勉強会に行きたくてもその時間が取れないし、DVDなどを見ようとしても、なかなか何度も繰り返し見ることは出来ないですよね(ーー;)
その点、音声ならば、何かをしながらでも聞くことは出来ますからとても便利なんです。通勤中でも、お風呂でも、掃除をしながらでも簡単に聞き流すことが出来るので、とにかく便利。その上、反復して聞くこともカンタンにできるので、時間を有効に使えるわけです。
と、音声学習が良いその最大の理由は、「ながら勉強」ができることなんですね(*^_^*)
ちなみに、みんなでポッドキャストを聞いてデスカッション型の研修をしている会社の社長さんが、普段は聞くことができない社員の思考を知ることができて、とっても参考になると言っていましたが、人間関係やお金について、また、人生についてなどの話もポッドキャストではQ&A形式で話しているので、確かに仕事の場面では知ることのできない、社員さんの思考がわかると思います。
この社長さんは、これをヒントに採用の際に相手の思考を聞き出すツールとしてもポッドキャストを活用していると言っていましたが、これも良い方法だと思います。
・・・というように、みなさんいろいろな方法で活用してくれていますので、参考にしてみてください。ちなみに、ポッドキャストまだ聞いていないという方は、こちらのページから聞いてみてくださいね(@^^)/~~~
いかがでしょうか? あなたはどうお考えになりますか(^^♪ 私の発行する週刊メールマガジン、『社長、「小さい会社」のままじゃダメなんです!』(購読無料)では、毎週メルマガ読者のみなさんからの質問にこんな感じでお答えしています。
これまでのQ&Aもバックナンバーにたくさんあるので、興味があれば覗いてみてください。もちろん、質問も随時受付中です(*^^)/~~~
また、オフィシャルマガジン『石原明の不定期情報通信』をご希望の方は、コチラから読者登録ができますので、ぜひこの機会にご登録ください。様々な切り口から“経営脳”に刺激を与える内容を配信しています(*^^)v
2011年12月22日(木)更新
レディ・ガガならぬレディ・カガ!? 石川県加賀温泉郷の集客戦略
石川県の加賀温泉郷が、集客戦略の一環として、地元の女性約60人で「レディ・カガ」なるグループを結成したと言うのです。テレビCMにも登場しているので、すでにご存じの方も多いかもしれませんね。
このCM動画には、日本語版と英語版があり、YouTubeでも話題になっているようですが、BGMにご本家「レディ・ガガ」の曲を日本風にアレンジして使っているところが、またニクイですよね。
レディ・ガガさんは、相当の親日家のようですから、ことによったら、本当に加賀に遊びに来ちゃうかもしれませんよ(@_@;) そうなればこの企画は、まさに大当たりですね。
誰の企画なのかと調べてみたら、石川県旅館ホテル生活衛生共同業組合青年部加賀支部が立ち上げたプロジェクトのようです。青年部だけあり、アメブロ、Facebook、twitterなどの交流サイトを駆使して、かなりがんばっているみたいです。
また公式サイトでは、「レディ・カガに会えるお店」を紹介し、各旅館ではレディ・カガたちのおもてなしを前面に出した宿泊プランを用意しています。ネットとリアルの連動も意識しているようですね。
「レディ・ガガ」と「レディ・カガ」。飲み会の席で誰かが発したおやじギャグの香りもしますが(笑)、誰もが一発で覚えてしまうほどのインパクトがあるネーミングですよね。
またAKB48のヒット以来、世の中には「女子の団体=売れ線」というイメージが定着していますから、この企画もイイ線いくんじゃないでしょうか。
最近つくづく感じますが、もう「機能や性能の高さ」ではモノは売れません。その商品やサービスがいかに人の感情を動かすか・・・とりわけ「おもしろい!」という感情を動かせたら、かなりの確率で成功するはずです。
日本人はまじめな国民なので、とかく一生懸命になりがちです。年末の忙しい中ではありますが、たまには肩の力を抜いて、思いっきり「おもしろいこと」を考えてみてください。いきなり目の前が開けたり・・・するかもしれませんよ(@^^)/~~~
2011年12月16日(金)更新
これからの時代の「専門性」を考える
== 質 問 ==
石原先生のポッドキャストを聞いていると、「まず専門家として突き抜けなさい」というお話がありました。私は、ITの技術ではそこそこの技術を持っていると思っています。ただ、一人社長でずっと現場をやっていますので、早くこの状態から抜け出したいとも思っています。
また先生は、「1社5業種」ぐらいにしなさいともおっしゃいます。もっと会社が大きくなった将来のことだと思いますが、マーケットリサーチする際に、自分の専門分野をどこまでどのように意識すればよろしいでしょうか? また、専門家として突き抜ければ、マーケットリサーチなど必要なくなるのでしょうか?
== 回 答 ==
今の状況を考えるとITという専門分野の他に、まずはもう一つ専門性を持つといいですね。その専門分野は、ITとなるべく遠いところの分野が良いと思います。ITの専門でよかったですね(*^_^*)
== 解 説 ==
ひと昔前の右肩上がりの経済状況であれば、専門性のある分野で何か確固としたモノ(技術や知識・・・etc)を持っていれば十分に生きていけたのですが、今の様な経済状況になると一つの専門分野だけで生きていけるのは、その分野の第一人者というタイトルを持った人だけ・・・ほぼ1人しか生きていけないという感じになっています。
なので、回答の様に何かもう一つ専門分野の開拓をされた方がいいのですが、ご自分の場合、今の専門がITということなので、非常に有利だと思います。
理由は、今どんなビジネスを立ち上げようとしても必須でITが関わってくるからです。ITの知識や技術をすでに持っていて活かせるようになっているということは、それだけでかなりのインセンティブを持っていると言えます。
私は、独立志望の若い人達に「今、独立するのなら、強烈なリアル営業を学ぶか、ITの知識を持つかのどちらかは絶対にクリアーした方が良い」とアドバイスしています。
IT技術者の方がこれに気付いていないのがなんとももったいないのですが、起業にはすごく有利なのです。
では、他の分野の専門性の見つけ方ですが、あなたの場合なら、絶対にITと遠い分野、業界としてITに関心がないとか遅れているという分野でプラスαの専門性を目指すと良いと思います。
ITが得意だと、他の分野を探す時にも何かITがらみで・・・という感じで思ってしまう方が多いのですが、簡単に移行できる分野にはそれだけライバルも多く、突出することや市場を独占することは難しいと考えるべきです。
それに比べて、ITとかけ離れている分野に進出すれば、ほぼあなたのひとり勝ちになる可能性が高いということです。
私の顧問先にも、弁護士で不動産知識がすごくある方や、ITの専門家で会計の能力が非常にある方などがいますが、いずれもすごく成功しています。
方向性としてはこんな感じです。ぜひ、何かプラスαになる専門分野を持つようにしてみてください。他の方がこれをするより絶対に成功しやすいですよ(*^_^*)
いかがでしょうか? あなたはどうお考えになりますか(^^♪ 私の発行する週刊メールマガジン、『社長、「小さい会社」のままじゃダメなんです!』(購読無料)では、毎週メルマガ読者のみなさんからの質問にこんな感じでお答えしています。
これまでのQ&Aもバックナンバーにたくさんあるので、興味があれば覗いてみてください。もちろん、質問も随時受付中です(*^^)/~~~
また、オフィシャルマガジン『石原明の不定期情報通信』をご希望の方は、コチラから読者登録ができますので、ぜひこの機会にご登録ください。様々な切り口から“経営脳”に刺激を与える内容を配信しています(*^^)v
2011年12月09日(金)更新
ベストセラーが“リアル”に登場!? 「丸の内タニタ食堂」来月オープン
ちなみに総合第1位は、嵐の櫻井 翔くんの主演でドラマ化された『謎解きはディナーのあとで』ですが、それにしてもタニタの本はどのくらい売れたのでしょう? シリーズ累計で450万部近いという話も聞きますが、2年連続でベストセラーランキングに入る本はそうそうありません。
同社には毎日のように、「一般人は社員食堂を使えないのか?」とか「せめて試食できるスペースを作って欲しい」といった問い合わせや要望が寄せられたそうですよ。そればかりか、多くの食品会社や外食産業が、アプローチをかけていたことでしょう。
その中から、レストラン事業のパートナーとして選ばれたのが、大阪の「株式会社きちり」です。同社は首都圏と関西圏にカジュアルレストランを展開する外食チェーンで、20代~30代の女性をメインターゲットに、和食の「KICHIRI」や「いしやまハンバーグ」などを運営しています。
1998年の創業以来増収を続けているようですが、今年度、これまで培ってきた店舗デザインやマネジメント、資金調達から人材活用までの店舗運営のプラットホームをパッケージ化し、飲食店の開業・運営支援事業をスタートしました。「丸の内タニタ食堂」は、このプラットホームを活用する初のケースとなるようです。
来年1月、丸の内の国際ビルヂング内にオープンするこの食堂では、「日替わり定食(800円))と「日替わりスペシャル定食(900円)」が食べられるようです。いずれも、一食当たりのカロリーを500Kcal前後に押さえ、塩分も3g程度に抑えられているのだとか。
また、社員食堂の雰囲気を出すために、配膳・下げ膳はあえてセルフサービスとし、店舗内のBGMやアロマテラピーにも配慮して「癒しや活力を生み出す空間を提供していく」意気込みだそうでが、店舗内のBGMは『タニタ食堂の音楽』として、CD発売の予定もあるようです(@_@;) 脳波測定や自律神経への影響は科学的に検証済みだとか・・・さすが本業ですよね(笑)。
それにしても、「社員食堂」という本業とは違った部分でクローズアップされ、それが新規事業に結びついていくというのは、とってもユニークなパターンだと思いませんか? これまで出版業は、「文化事業」でしたから、本が宣伝に使われたり、実業に結びついていくことを歓迎しなかった部分もあるように感じます。
しかしこの事例が成功すれば、優れた出版企画が新しいビジネスを生む・・・という時代になっていくかもしれませんね。「丸の内タニタ食堂」の今後に、注目していきたいと思います(@^^)/~~~
2011年12月02日(金)更新
リストラのタイミングを見極める
リストラが、単なる人員削減に終わるか、それとも“発展への一手”となるかは、経営者の決断ひとつにかかっています。よかったら参考にしてください。
== 質 問 ==
売上げが落ちてきていますが、リストラのタイミングがわかりません。経営者として知らないといけない、基本的な考え方を教えてください。また、社員に対して、どのようなことを話したら良いのでしょうか?
== 回 答 ==
ほとんどの場合にリストラの基準となるのは、単月で赤字になってしまってそれが、すぐに改善できないという状況になった時です。優秀な経営者は、赤字になる前にそれを察知して、経営の改善を図ると思います。
== 解 説 ==
リストラに対する基本的な考え方は、単月で赤字になると想定された時に行うのが基本です。これまでの蓄えが充分ある場合などは稀ですが、経済社会におけるお金の意味は「精神や性格を支える要素」ということが多いので、赤字では健全な判断が出来なくなり、顧客満足や経営理念を全うすることができなくなります。
その結果もっと経営状態が悪くなり、最悪倒産や廃業という結果になってしまいます。なので、どこかでこのマイナスのサイクルをプラスのサイクルに変えないと、経営がもっと悪い方向に進んでしまうので、単月の収支が赤字化したタイミングで行うのが良いと思います。
借り入れなどをしている場合には、返済が健全に出来なくなるといった状況が起こるということは、単月で赤字化しているということなので、借り入れで返済している(生き延びている)ということではダメだということです。
経営者がリストラをするタイミングを逸すると、経営はいっきにマイナスに傾きます。そうすると、もっと多くの社員に影響が及ぶわけですから、大変ですが、決断は早くしたほうが良いということです。
また、この状況であれば、リストラも退職の勧告をするということではなく、全体の給与を減らすという提案などもできるので、とにかく早く単月黒字を目指したリストラの動きを始めた方が良いと思います。
この方法を薦めるのは、通常だとこういう提案をすると会社に対して愛着をそんなに持っていない方や、もともと不満のある方、経営者と合わないと感じている方が辞めるということも多いからです。
いずれにせよ、社員さんが会社を辞めるというのは苦しいことですが、会社そのものが無くなれば、今いる社員さんにも影響が及びます。決断は早めにすること、それが一番の経営判断です。
いかがでしょうか? あなたはどうお考えになりますか(^^♪ 私の発行する週刊メールマガジン、『社長、「小さい会社」のままじゃダメなんです!』(購読無料)では、毎週メルマガ読者のみなさんからの質問にこんな感じでお答えしています。
これまでのQ&Aもバックナンバーにたくさんあるので、興味があれば覗いてみてください。もちろん、質問も随時受付中です(*^^)/~~~
また、オフィシャルマガジン『石原明の不定期情報通信』をご希望の方は、コチラから読者登録ができますので、ぜひこの機会にご登録ください。様々な切り口から“経営脳”に刺激を与える内容を配信しています(*^^)v
«前へ | 次へ» |
ボードメンバープロフィール
石原 明(いしはら あきら)氏
僖績経営理舎株式会社代表取締役
AZ Collabo株式会社
ヤマハ発動機株式会社を経て、外資系教育会社代理店に入社。約6万人のセールスパーソンの中で、トップクラスの実績を収める。「セールス・マネージャー世界大賞」を受賞後、日本経営教育研究所を設立し、経営コンサルタントとして独立。中小企業から大企業まで、業種や企業の規模を問わず幅広いコンサルティング活動を行っている。毎年の講演回数は100回以上。ビジネスの発想力やマーケティング力を開発・育成する「新経営戦略塾」には1000人が登録し学び、全国延べ4500社が参加。
2万人の読者を抱えるメールマガジン『石原明の「新経営戦略塾」』や、独自の視点で経営を綴るブログ『石原明の経営のヒント』も執筆中。大人気Podcast番組『石原明の経営のヒント+(プラス)』は累計ダウンロード数6000万回を超えている。著書に、累計30万部を超え『営業マンは断ることを覚えなさい』(三笠書房)、『「成功曲線」を描こう。』(大和書房)、『トップ3%の会社だけが知っている儲かるしくみ』(KADOKAWA)などがある。
- 2021年2月(2)
- 2021年1月(1)
- 2020年12月(1)
- 2020年11月(1)
- 2020年10月(1)
- 2020年9月(1)
- 2020年7月(2)
- 2020年6月(2)
- 2020年5月(1)
- 2020年4月(2)
- 2020年3月(3)
- 2020年2月(4)
- 2020年1月(3)
- 2019年12月(5)
- 2019年11月(2)
- 2019年10月(3)
- 2019年9月(2)
- 2019年8月(2)
- 2019年7月(2)
- 2019年6月(4)
- 2019年5月(4)
- 2019年4月(4)
- 2019年3月(1)
- 2019年2月(3)
- 2019年1月(2)
- 2018年12月(3)
- 2018年11月(3)
- 2018年10月(4)
- 2018年9月(2)
- 2018年8月(2)
- 2018年7月(3)
- 2018年6月(4)
- 2018年5月(4)
- 2018年4月(3)
- 2018年3月(1)
- 2018年2月(4)
- 2018年1月(3)
- 2017年12月(1)
- 2017年10月(3)
- 2017年9月(2)
- 2017年8月(3)
- 2017年7月(2)
- 2017年6月(2)
- 2017年5月(3)
- 2017年4月(2)
- 2017年3月(2)
- 2017年2月(1)
- 2017年1月(1)
- 2016年12月(1)
- 2016年11月(2)
- 2016年10月(3)
- 2016年9月(3)
- 2016年8月(3)
- 2016年7月(3)
- 2016年6月(2)
- 2016年5月(4)
- 2016年4月(3)
- 2016年3月(2)
- 2016年2月(3)
- 2016年1月(2)
- 2015年12月(4)
- 2015年11月(3)
- 2015年10月(5)
- 2015年9月(3)
- 2015年8月(4)
- 2015年7月(3)
- 2015年6月(4)
- 2015年5月(3)
- 2015年4月(4)
- 2015年3月(4)
- 2015年2月(4)
- 2015年1月(3)
- 2014年12月(3)
- 2014年11月(3)
- 2014年10月(5)
- 2014年9月(5)
- 2014年8月(3)
- 2014年7月(4)
- 2014年6月(4)
- 2014年5月(5)
- 2014年4月(4)
- 2014年3月(5)
- 2014年2月(3)
- 2014年1月(4)
- 2013年12月(4)
- 2013年11月(5)
- 2013年10月(4)
- 2013年9月(4)
- 2013年8月(4)
- 2013年7月(4)
- 2013年6月(4)
- 2013年5月(4)
- 2013年4月(4)
- 2013年3月(5)
- 2013年2月(3)
- 2013年1月(3)
- 2012年12月(4)
- 2012年11月(5)
- 2012年10月(4)
- 2012年9月(4)
- 2012年8月(4)
- 2012年7月(4)
- 2012年6月(5)
- 2012年5月(3)
- 2012年4月(5)
- 2012年3月(4)
- 2012年2月(3)
- 2012年1月(4)
- 2011年12月(4)
- 2011年11月(4)
- 2011年10月(4)
- 2011年9月(4)
- 2011年8月(3)
- 2011年7月(5)
- 2011年6月(4)
- 2011年5月(4)
- 2011年4月(4)
- 2011年3月(2)
- 2011年2月(4)
- 2011年1月(3)
- 2010年12月(4)
- 2010年11月(5)
- 2010年10月(3)
- 2010年9月(4)
- 2010年8月(3)
- 2010年7月(5)
- 2010年6月(4)
- 2010年5月(4)
- 2010年4月(5)
- 2010年3月(4)
- 2010年2月(4)
- 2010年1月(4)
- 2009年12月(4)
- 2009年11月(4)
- 2009年10月(5)
- 2009年9月(4)
- 2009年8月(3)
- 2009年7月(5)
- 2009年6月(4)
- 2009年5月(4)
- 2009年4月(4)
- 2009年3月(4)
- 2009年2月(4)
- 2009年1月(4)
- 2008年12月(4)
- 2008年11月(4)
- 2008年10月(5)
- 2008年9月(4)
- 2008年8月(4)
- 2008年7月(4)
- 2008年6月(4)
- 2008年5月(5)
- 2008年4月(4)
- 2008年3月(4)
- 2008年2月(5)
- 2008年1月(3)
- 2007年12月(4)
- 2007年11月(4)
- 2007年10月(4)
- 2007年9月(4)
- 2007年8月(5)
- 2007年7月(4)
- 2007年6月(4)
- 2007年5月(3)
- 2007年4月(4)
- 2007年3月(5)
- 2007年2月(3)
- 2007年1月(3)
- 2006年12月(3)
- 2006年11月(4)
- 2006年10月(3)
- 2006年9月(5)
- 2006年8月(3)
- 2006年7月(4)
- 2006年6月(5)
- 2006年5月(4)
- 2006年4月(1)
- 重要なおしらせ [02/09]
- 社員1名から、13年で30社の企業オーナーになるまでの戦略を完全公開! [02/03]
- 99%失敗しない新規事業の立ち上げ方 [01/20]
- 大転換を乗り切れ!【2021年版最先端SNSネットマーケティング】に迫る [12/18]
- 限界突破の秘密はこれだ!! X-mobile社長【木野式、鬼速行動3つの基本!】 [11/16]
- 超V字回復コロナ対策メソッドを盗め!! 飲食店閉店ラッシュ“逆手”戦略 [10/16]
- 急激な時代の変化をキャッチアップ!【石原明の新経営戦略塾】立ち上げました [09/11]
- 空き家問題を解決する発想 [07/17]
- 中小企業が未来を読み解くために [07/03]
- 会社丸ごと<人称>を上げる方法 [06/22]