石原明の「知的経営の切り口」 | 経営者会報 (社長ブログ)
企業を発展させるための経営のヒントについて、独自の切り口で紹介します。
2012年04月27日(金)更新
QBハウスで頭皮エステ!? パナソニックとのコラボで販促展開
これはパナソニックとのコラボ企画で、同社の美容機器を実際に使って試せるキャンペーンなのですが、6席あるうちの1席を専用コーナーとして使い、パナソニックから派遣されてきた専門のスタッフが頭皮エステをしてくれるというもの。期間中は店舗外観にも同商品のラッピング広告を施し、大々的に展開しました。
QBハウスはこの3月に500店舗に達し、12年6月期の連結売上高は前年比6%増の115億円を見込んでいると言います。しかしながら、格安を売りにする競合店も増えており、いつまでも安穏とはしていられないことから、他社との差別化を模索してきたのでしょう。
これまでも、座席前の画面に広告を流してカラーリング剤を配布するなど「他社の販促支援」にも積極的に取り組んできました。現在は年間10件程度の取り組みのようですが、今後は年間30件程度まで増やしたいと考えているようです。もしかしたら、店舗ネットワークをインフラとした販促支援の事業化を狙っているのかもしれません。
QBハウスの場合は、カット前にスタイリストが性別や年齢などの顧客情報を入力しているそうですから、販促でコラボする企業側としても、量販店や路上などでサンプルを配るより、精度の高いテストマーケティングができるわけですね(*^^)v
また、QBハウス側としても、自社のお客さんに「あそこに行けば何かプラスアルファのサービスがある」と認知してもらうことで、他社との差別化が図れます。ただ安いだけでは顧客満足が得られない時代、経営者が知恵を絞った戦略ではないでしょうか。
同社の今後の展開に注目するとともに、この事例を参考に、自社の販促戦略に新たな知恵を取り入れるべく、アイデアを出してみてはいかがでしょうか? 知恵さえあればお金をかけずに成果を残せる時代。今こそ経営手腕の見せどころです(@^^)/~~~
2012年04月20日(金)更新
あらためて歴史から学ぶ「決断」の大切さ
== 質 問 ==
石原先生はポッドキャストでも歴史を勉強した方がよいとお話されていましたが、何かおすすめの本があれば教えてください。
== 回 答 ==
歴史の本を読む(歴史を勉強する)方がよいというのは、臨場感をもって読んでいけば、人の生き方や思考、そして心理が学べるからです。そして、それが実際の経営判断などにすごく活かせるようになると思うからですが、その中でも最大に学んでいただきたいのは“決断”することの意味や大切さだと思います。
== 解 説 ==
私は、読書はとっても大切だと思っています。自分ではなかなか知ることができない情報や知識そしてノウハウが学べますし、もう会うことができない“先人の教え”や“生き方”に触れることができるからです。
また、ビジネス書だけではなく小説や伝記、専門書などもぜひ読むべきだと思っていますが、その理由は、ビジネス書で使われている語彙の少なさが、ビジネス(や人生)を進めて行く上で結構障害になると思っているからです。
知識の少なさは=お付き合いできる人のレベルを決めてしまうので、年齢を重ねる前になるべく多くの本に触れるべきだと思っています。
さらに、経営者を目指す方などには人間の心理や生き方、そして思考を学ぶ上でも伝記や小説、歴史小説などは多く読むことをすすめています。
おすすめの分かりやすい本だと、司馬遼太郎さんの『坂の上の雲』や『竜馬がゆく』などから読まれると良いと思います(やっぱり定番なので読んだ方がいいと思います)。
そして、こういう本を読む時にぜひお勧めしたいと思っていることは、なるべく臨場感をもって読むということと、決断の仕方を学んで欲しいということです。
臨場感というのは、まさに字の如しで、刀を向けられた時には恐怖を感じ、この決断で一国の運命が決まるという時には、その切迫感や重圧そのものを生身の身体に感じることです。
映画をスクリーン越しに観たり、PCの対戦ゲームみたいに殴られてもすぐに起き上がってゲームを続けるキャラを操作する感じではなく、物語の中心人物そのものに自分がなった気持ちで同化し感情移入して読んで欲しいと思います。
私も司馬さんの本を読みながら何度電車を乗り越したか分かりません(ーー;) また、あと数ページで最終巻(それぞれ数巻あります)が終わってしまう寂しさで先がなかなか読めなかったりということが何度もありました。
読みながらぜひ心がけて欲しいことや学んで欲しいことは“決断”するということの意味を知ることや、大切さ、切なさ、そしてやるせなさ、などを理解するということです。
まず“判断”と“決断”は大きく違います。判断はどれが良いかを決めることで、何をすればどうなるかの違いなどが明らかに分かるときにとる行為です。基準があるあるいは、分かりやすい場合が多いですよね。
それに対して、“決断”はどうすれば良いかがはっきりと分からない場合にとらないといけない行為です。また、そのことで、多くの批判や抗議などが自分に降りかかる可能性があります。
関わる人全てによい形でその結果が出せる場合でないことも多いので、恨みを買ったりすることも多くあると思います。
そういう時に、登場人物がどういう考えに基づいて“決断”したかなどは、現代のリーダーが押しなべて学ぶべき事項だと思います。
果たしてその状況下で、自分がその“決断”を下すことが出来ただろうか・・・などと考えると、本当に身が引きしまる思いがしますよね。
こういう体験は、歴史上の偉人と会話するような感じになったりします。ちょっと長くなりましたが、ぜひ歴史は学んだ方が良いと思いますので、正面から向き合ってみてください。
いかがでしょうか? あなたはどうお考えになりますか(^^♪ 私の発行する週刊メールマガジン、『社長、「小さい会社」のままじゃダメなんです!』(購読無料)では、毎週メルマガ読者のみなさんからの質問にこんな感じでお答えしています。
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2012年04月13日(金)更新
花見会場にピザ!? GPSが宅配を変える
そんな今年のお花見で変化を見せたのが「デリバリーサービス」です。その昔「お花見」と言えば手作りのお重を持ったり、デパ地下で惣菜を調達したりして出かけたものでしたが、今やスマホのGPS機能を利用して、花見会場までピザをはじめとした様々なメニューが届くようになったのだとか(@_@)
「楽天デリバリー」では、お花見特集を組み、オードブル寿司、ビールやワインなどを「花見会場」まで宅配できるお店を紹介しています。
こんなサービスが可能になったのも、ひとえにスマホに搭載されたGPS機能の成せる技ですが、ドミノピザではサービス開始後約2年で、スマホ経由の注文が10億円を超えたと発表しました。今が勝機と見たのか、スマホサイト限定クーポンで15%割引を実施したり、クレジットカード決済やドコモの機種なら携帯の料金と一緒に支払いができるサービスも取り入れました。
もちろん、GPSによるデリバリーは、まだまだ主流のサービスとは言ませんが、楽天リサーチの調査では「今後、お花見会場でデリバリーサービスを利用してみたい」と答えた人が59.7%に達したそうですから、潜在マーケットはかなり大きそうです。
かつて民間の家にも1個から荷物が届けられるようになった「宅配便」は大きな物流革命だったわけですが、GPSという技術を取り入れることで、「場所」ではなく「人」に荷物が届けられるようになったことには、それを超える衝撃を感じます。飲食のデリバリーのみならず、たとえば重いものを持てなくなった高齢者層へのサービスなど、新しい切り口のビジネスも続々と生まれてくるのではないでしょうか。
いつの世も、「技術」は開発者の意図とは別に、それを使う人たちによって思わぬかたちで進化していくものです。この事例を参考に、経営者として自社のビジネスに活かせる技術はないか・・・あれこれ発想を拡げてみてください(@^^)/~~~
2012年04月06日(金)更新
パートナービジネスをどう考えるか
== 質 問 ==
現在、ソフトウェア製造・販売会社で、社内情報システムの担当をしておりますが、弊社もその形態をとっている、パートナービジネスについてお聞きしたいと思います。
日本の法人営業では、お客様に直接販売するのではなく、パートナーさんを経由して販売する形態が多いと思いますが、パートナーさんを経由すると、先生のマーケティング手法である、「お客様を選ぶ」ということがなかなかできないような気がします。
それどころか、パートナーさんには頭が上がらず、ビジネスを有利に進められない局面も多いと思います。パートナービジネスについて、先生のお考えをお聞かせいただければと思います。よろしくお願い致します。
== 回 答 ==
モノゴト全てに長所と短所があるので、パートナー制という環境をどう活かすかということになりますが、注意して進めればマイナスは消していけると思いますので、パートナーとの関係やその先の顧客との関係を最終的にどうするかと考えて契約を結ぶ、投げかけの方法を考える、現状を変革していく・・・などしていけばいいと思います。
== 解 説 ==
パートナー制や代理店制度の短所は、かなり大きな利益を代理店に与えるので、値段競争などになった場合に弱いことや、質問の内容のように顧客の情報が掴み難いことや、顧客に対して主導権が取り難いということなどです。
長所としては、自社は卸をする事になりますので、いっきに広範囲に営業展開できる、販促費を代理店が負担してくれるので自社負担が減る、そして営業マンを採用したり、教育・管理することをしなくて済むので、組織を大きくしなくて済む等の利点がありますね。
・・・と言うように、モノゴトには必ず長所と短所がありますので、直販すべきか? 代理店制度を選択するか? などは、経営方針や経営判断としてどういう方法を選択するかということになりますが、選択に際しては、長所を最大化することはもちろんですが、どうすれば短所を最小化することができるのかということも戦略として一緒に考えると良いと思います。
今回の場合はパートナー制度をすでに進めているということなので、販促費はパートナーに持ってもらっている、営業マンも雇わなくていいという利点はすでに取っているということになりますが、反面短所となっているところを会社として予め想定して押さえ、対策を立てられているかがちょっと心配ですね(*^_^*)
こういう場合には、例えば顧客との関係がどうすれば代理店と共有できるか? パートナーが無理な販売を仕掛けて、適切でない顧客に売り込みをかけないようにできるか? 顧客に引きずられてダンピングしたりしないか?
などを商品の構成とフォローの仕組みで考える、契約の仕方で担保する・・・などを考えた方が良いと思います。これから、新規で何かを販売する場合には、このあたりをしっかり取り決めるといいですね(*^_^*)
また、実際に仕事が進んでいる、なおかつ代理店との関係が何年も前から決まってしまっていて動きが取れないなどの場合には、かなり時間をかけてでも変えていく方が良いと思いますので、じっくり考えてプランするなどしてください。
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2012年04月02日(月)更新
ナチュラルローソンに新業態!? 進む異業種コラボ
その店名は「ナチュラルローソン&food kurkku(フード クルック)」。クルックは、音楽プロデューサーの小林武史氏が代表取締役を務める外食企業ですが、「土の中に未来がある」など、メッセージ性の高いコンセプトを持ち、生産者の顔が見える食材を使ったレストランやカフェを展開しています。
そのクルックとワンランク上のコンビニを目指す「ナチュラルローソン」が手を組んだわけですが、通常店舗で扱う商品のほか、クルックのレストランで使っている新鮮な野菜を始めとした食材や女性に人気の中国料理店「美虎」のオーナーシェフ、五十嵐美幸さんプロデュースの「デリ」なども揃えています。
さらにヘルスケアと美容の観点から開発したナチュラルローソンこだわりの商品やベーカリなども扱い、イートインコーナーも設けました。コンビニの強みは「24時間営業」ですから、ランチはもちろん、場所柄もあって「夜食」のために利用する人も増えるんじゃないかと思います。
そういえば、先日おもしろい話を聞いたのですが、オフィス街で、居酒屋チェーンが集まったビルの隣にコンビニができると、居酒屋さんの売上げが何割か落ちるのだそうです(~_~;)
考えてみれば、コンビニの唐揚げやおでんなどは、競争の激化から年々おいしくなっていますし、店舗によってはビールなどのお酒も扱っていますから、軽く飲みたいときなどは、逆に居酒屋より便利なのかもしれません。
今や、ライバルは「異業種」からやってくるのです。ローソンのライバルはセブンイレブンではなく居酒屋チェーンかもしれませんし、ナチュラルローソンのライバルは、近隣のおしゃれなカフェやコスメショップかもしれません。
だからこそ、ユニークな異業種コラボが増えているのです。業界内だけの発想では、ライバルに勝つことが難しくなってきているのでしょう。もちろん、業務提携にはそれなりの難しさも伴いますが、中小企業経営者の方には、ぜひ持ってもらいたい発想があります。
それは「世の中は自分のためにお金を出して実験してくれている」というもの。私の主宰する『高収益トップ3%倶楽部』の合言葉にしているフレーズですが、業務提携などせずとも、異業種で成功したアイデアを、自社の経営のヒントにすればいいのです(*^^)v
この発想が身につくと、急に経営が楽しくなりますよ♪ 今回の事例も、よかったら参考にしてください(@^^)/~~~
2012年03月26日(月)更新
今、すべての企業がアジア進出を考えるべきか
ポッドキャストの「Facebookページ」をつくり、リスナーさん同士の交流も活発になってきているのですが、今「アジア進出」については、みなさんの関心事のひとつのようです。よかったら、参考にしてください。
== 質 問 ==
こんにちは。いつも楽しく拝聴させていただいております。知人からの紹介で石原先生を知って以来、すっかり先生のファンになっており、今では『高収益トップ3%倶楽部』の会員となり、名古屋での勉強会にも参加させていただいております。
さて、企業がアジアに進出することが当たり前の時代になってきていると思います。医療界でも、アジアをマーケットとした医療観光などを始めている病院も多くなっていると思います。
そこでいつも感じることは、私が勤務するような地方都市の歯科医院でもこれからはアジアをマーケットと考えるべきなのでしょうか? また、ターゲットとする場合、どのような戦略を考えればよいのでしょうか? 先生のお考えをお聞かせください。
== 回 答 ==
考え方には大きく2つ、既存の国内マーケットに留まる選択と、アジアをはじめとした海外も視野に入れた経営を目指す、の2つがありますね。
それもそれぞれの選択を日本で進めるのか? 海外に出て行くのか? という選択がありますが、これこそ、経営者の性格や年齢、組織の強みなども加味した上での経営的な選択になると思います。
== 解 説 ==
今、業種を問わず日本中のビジネスマンや経営者の方が、みなさん関心を持っている内容だと思いますが、まず、考え方として整理しないといけないことは、マーケットの拡大や縮小、そして景気の好・不調と自社の関係は、あくまでも企業の規模に関係するということです。
日本のマーケットは確かに少子化に伴って凄い勢いで縮小していますが、いくら縮小したからといって、あなたの医院に来院する患者さんが直接減ってしまうかというと、決してそんなことはありません。
日本のマーケットは世界でも有数の規模と豊かさを持っていますので、経営努力さえしっかり行っていれば、まったく大丈夫です。マーケットの中に強力なライバル等が突然現れない限り、そんなに影響は無いと思います。
マーケットの縮小や景気の後退を本気で心配しなければいけない企業規模というのは、日本全体に大規模に商品やサービスを提供している文字通り大企業やゼネコン等の場合だけです。
こういった企業はマーケットの縮小や景気の後退の影響をモロに受けますので、存続をかけて本気で海外進出を検討しないといけないわけで、それに引きずられて関連する企業も海外に出て行くという状況が加速しているのが、今の日本の状況です。
ということは、あなたの医院が海外に目を向ける場合には、今の延長線上で国内ビジネスを進めるよりも、海外に出て行く、あるいは海外を対象にビジネスをしたほうがメリットがかなりあると考える場合には、そう選択するほうが良いということです。
ということで、生き残りをかけてというより、もっと発展する、発展するチャンスがあると思う場合には取り組むことはおもしろいという感じで、経営判断をするほうが良いでしょう。また、経営者の方が若くて思考が海外に向いている場合なども、発展の戦略としてはおもしろいかもしれませんね(^_-)-☆
あなたの医院が海外に目を向ける場合は、こうしないと経営が難しくなってしまう・・・という後ろ向きの判断ではなく、もっと発展できるだろうという前向きな判断をしてほしいということです。
自由度はかなり高いので、またまわりの医院はそんな判断はなかなかしないと思うので、何か方法やチャンスがあったらおもしろいとも言えますね。ちょっと心を落ち着けて、考えてみてください。
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2012年03月16日(金)更新
店は小型化に向かう!? 「Echika fit」と「三越伊勢丹」の新規出店戦略
今年(2012年)2月、東京メトロ・丸ノ内線東京駅構内にオープンした「Echika fit 東京」には、アパレルのユナイテッドアローズ、ステーショナリーの伊東屋、雑貨のフランフランなどの “ミニサイズショップ”が集結しています。
ここは「TOKYO TRAVEL」をコンセプトとし、“大人のトラベル秘密基地”を目指しているようですが、都心の玄関口である東京駅の駅ナカという利点をぶんだんに活かし、従来の顧客とは違った層に、各店のブランドイメージを訴求していくためのアンテナショップとしても機能することになるでしょう。
店を小さくしたことで、既存店とは全く違う品揃えになるわけですが、それがまた“新しい楽しさ”を生み出すのではないでしょうか? ふらっと立ち寄った小さな秘密基地で、お気に入りの1点を見つけるのは、なんとも楽しい体験だと思います。
一方、三越伊勢丹ホールディングスも、新たに「新規小型店舗事業」を始動しています。なんと!新宿ルミネの中に「小さな伊勢丹」をつくったのです(@_@;)
そこは「ラグジュアリーコスメ編集ショップ」として、「ランコム」などの海外ブランドを始め、「SHISEIDO」「shu uemura(シュウ ウエムラ)」「RMK(アールエムケー)」など、国内外の高級化粧品ブランドを集結させたショップです。
そもそも百貨店の化粧品売り場というものは、各ブランドの販売員さんがバッチリ張り付いていますから、一度どこかのブランドで買い物すると、あちこち「はしご」しづらい雰囲気でした(――;)
しかし、このルミネ内のショップでは、ブランドの壁を一切取り払い、ファンデーションは「shu uemura」で、口紅は「RMK」で・・・などという買い方が気兼ねなくできるようになったわけです。ここにも“新しい価値”が生まれていますよね。
しかも、新宿駅と直結しているルミネは交通の便も良く、これまで伊勢丹には足が向かなかった若い女性にも来店してもらえます。駅ビル内に百貨店が出店・・・、時代も変わったものですね。
同社は今後も「新規小型店舗事業」を積極的に進めていく方針で、この4月には羽田空港国内線第1旅客ターミナルに初の紳士雑貨を主体とした店舗をオープンする予定だそうですが、出店場所ごとに商品構成をガラッと変えて、常に消費者を飽きさせない戦略に出るのでしょう。
こうした流れを見ていると、百貨店という名が表すとおり「何でも買える」店から、真逆に舵を切ったことがよくわかります。これからの時代、“販売アイテムを編集する”といった感覚が、店舗運営に強く求められるのではないでしょうか。
同時に、そこに「どんな店が集まっているか」がその商業施設の価値をシビアに決めていくことになるでしょう。これまでなかったような「異色のコラボ」にも期待したいところです。
経営者として、こうした時代感覚を掴んでおくことはとても大切です。1社で大きな商売をするより、小さくてもそれぞれユニークな価値を持つ会社がコラボすることで、生まれる価値は何倍にもなるはずです。
時に、春はもうすぐそこまで来ています。この事例を参考に、思い切り発想を拡げてみてください(@^^)/~~~
2012年03月09日(金)更新
人の感情を理解するための訓練法
== 質 問 ==
「人の感情を理解する」ということが、ビジネス上の大事なスキルであることはよくわかるのですが、日々の日常でそれをつかむためのポイントはありますか? 具体的な訓練法などがあれば、ぜひお聴きしたいです。
== 回 答 ==
まずは自分の感情によく注意を払うこと、それから相手の立場に立って相手(=人)の感情を理解するようにする、この方法が良いと思います。
== 解 説 ==
相手(=人)の感情を理解するためには、よく相手の立場に立って考えましょうと言いますが、私は人の感情を理解できるようになるためには、まず最初に“自分の感情にもっと注意を払う”ことから始めた方が良いと思います。
自分も人間、相手も人間なので、基本的に自分の感情がどんな時に気持ちよくなったり不快になったりするのか? どんな投げ掛けをされた時に動くのか、動かないか?・・・etc、などをしっかり掘り下げてみると良いと思います。
顧問先のスタッフの方にもこういうふうに指導してから、かなり成果が上がっていますので、自分を通して人間についてもっと深く知った方が、結果として人の感情を読み取ることができるようになると思います。
訓練のための具体的な方法ですが、まずは何か自分の感情が動いた時に“あ! 感情が動いた!”と思うことです。
例えば、喫茶店とかに行っていい気分でいる時にオーダーを何度も聞き返されたらだんだん“ムッ!”としてきて感情を害したとか、居酒屋さんに行って、ちょっとだけおまけされた時にすごくその店を気に入ったとか・・・考えると結構沢山ありますよね。
その場で、感情を捉えられない時は、家に帰ってお風呂に入って「今日一日どんなところで感情が動いたかなぁ~」と振り返りをするなんていうのもとっても良いと思います。
こういう繰り返しをして行くと、自分がどんな時にうれしくて、何でも言うことを聞いてしまうのかとか、気分を害してやる気を無くしてしまうのか・・・などがだんだんわかるようになってくると思います。
これ、実際にやってみてもらうとその効果にビックリすると思いますが、こうやってだんだん自分の感情を通して人の感情が読み取れるようになっていきます。
今回の回答は、参考にするだけでなく、実行に移してもらえるといいと思います。ぜひトライしてみてください。
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2012年03月02日(金)更新
プロントだけに「プロン党」!? SNS連動の顧客化戦略
健闘の裏側には、緻密な顧客化戦略があるのですが、同社は2003年に、電子マネー「Edy」付の「プロントメンバーズカード」を導入し、昨年までに約4万枚を発行しているようです。
このカードを使って支払うと、カフェタイムとバータイムのドリンクが「10%OFF」になるそうですから、リピーターにはありがたいカードだったわけですが、このカードの機能や特典を残しつつ、同社は新しい会員カードへの移行を計画しているようです。
新しい会員組織は「プロン党」と名づけられ、メンバーズカードを提示するとドリンクが増量してもらえたり、会員限定メニューをオーダーできたりと、その都度異なるサービスを提供し、twitterやFacebookなどの交流サイトに「こんなサービスをしてもらえました!」と、投稿してもらおうというしかけです。
「プロン党」設立に際しては、マニュフェストもつくる意気込みだとか。「日本のノミニケーションの復活を目指します」などの政策(?)を、販促物に掲載して認知度の向上を図るそうです。プロントだけに「プロン党」・・・若干おやじギャグの香りも漂いますが(笑)、お店と顧客のつながり方として「あり方を共有する」という視点は、逆に今っぽいですよね(*^^)v
会員カードといえば、来店の度にポイントが付くとか、割引が受けられるとか、お店側の一方的なサービスが当たり前でしたが、これからの時代は、お客さんがその店の姿勢に共感した上で会員になる⇒会員になったからには“身内”としてその店を応援するという展開が望ましいでしょう。
そんな話を事務所でしていたら、うちのスタッフにもプロントファンがいることを発見。なんでも、パスタなども結構美味しいし、女性一人でも入りやすいうえ、夜はバータイムになるので軽く飲みたいときには、ついつい足が向いてしまうのだそうです。
ということは、プロントのライバルはカフェばかりでなく、居酒屋さんでもあるわけですが、両者のハザマにあるポジションを上手に活かし、「プロント女子会」プランを提案している点などはさすがです。
アフタヌーンパーティプランとして、パスタ1品が選べ、デザート盛り合わせと1ドリンクが付いて、2.5時間1,480円というプランです。主婦層などにこの情報が上手に伝われば、ランチタイムとバータイムの隙間時間の有効活用にもなりますよね。
同社の竹村社長は「愚直」と「凡事徹底」をモットーとしていらっしゃるようで、「当たり前のことを人には真似できないくらい一生懸命やる」ことを、常にスタッフにも、フランチャイズ店にも語りかけていると聞きます。
また、今年は30店の新規出店を予定しているそうですが、その愚直さにユニークなアイデアが加わることでどんな化学反応を起こすのか・・・「プロン党」の設立とSNS戦略で、今年の業績がどう伸びるのか、しばし注目していきましょう(@^^)/~~~
2012年02月24日(金)更新
一歩踏み出す行動が出来ない社員へ
今回は、なかなか自分の殻を破らず、一歩踏み出す行動が出来ない社員への対応法について考えてみました。よかったら参考にしてください。
== 質 問 ==
一歩踏み出す行動が出来ない社員へ、どう対応したらいいでしょうか? 人はなかなか行動パターンを変えられないものですが、経営者はこういう社員に対して、どの様な切り口を発想として持つべきなのでしょうか? 教えてください。
== 回 答 ==
教育という観点から考えると、社会教育と社内教育が違うのは、「働くという環境」=「仕事が出来ないと社内に居られない」=「クビになる」ということが迫って来ることです。これは、責任を誰が持つかを教えるということです。仕事というものの原点に立って考えてみてください。
== 解 説 ==
この辺りのことをもう少し詳しく話すと、私は、資本主義社会の中での仕事という環境が良いのは、一生懸命に仕事をしたり、自己を成長させたり、あるいは何らかの期待される成果を出さないと、結果としてお金を貰えなくなるということだと考えています。
もちろん、働き方はいろいろありますが、その仕事が好きか嫌いかは別として、入社したからには、働かないと最後は絶対に許してもらえないということです。
どうしてこんなことを書いているかというと、スタッフが成長しないとか教育について悩んでいる会社の社長さんに共通しているのが、働くことの責任が相手(=その社員)にあるということをしっかり伝えていない場合が多いからです。
ですから、「がんばらないと生きていかれなくなるけど大丈夫なの?」ということをしっかり教えることが、経営者が持つべき発想の大事な切り口であると言えると思います。
政治や社会教育が難しいのは、自分の意見に反対の人のことまでも、生活の責任を政治家や国が持たないといけないからですね(ーー;) ちょっと冷静に考えるとわかりますが、会社は政治と違うので、この辺の整理をしてみてください。
経営者の方が結果責任を取るのは当たり前ですが、個人の生活においては、その人が責任を取るしかないということを原点として教えていくようにしてください。
いろいろな会社に行きますが、この原点がしっかり理解されている会社は、どこも自立した人をつくり、組織化に成功しています(*^^)v
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ボードメンバープロフィール
石原 明(いしはら あきら)氏
僖績経営理舎株式会社代表取締役
AZ Collabo株式会社
ヤマハ発動機株式会社を経て、外資系教育会社代理店に入社。約6万人のセールスパーソンの中で、トップクラスの実績を収める。「セールス・マネージャー世界大賞」を受賞後、日本経営教育研究所を設立し、経営コンサルタントとして独立。中小企業から大企業まで、業種や企業の規模を問わず幅広いコンサルティング活動を行っている。毎年の講演回数は100回以上。ビジネスの発想力やマーケティング力を開発・育成する「新経営戦略塾」には1000人が登録し学び、全国延べ4500社が参加。
2万人の読者を抱えるメールマガジン『石原明の「新経営戦略塾」』や、独自の視点で経営を綴るブログ『石原明の経営のヒント』も執筆中。大人気Podcast番組『石原明の経営のヒント+(プラス)』は累計ダウンロード数6000万回を超えている。著書に、累計30万部を超え『営業マンは断ることを覚えなさい』(三笠書房)、『「成功曲線」を描こう。』(大和書房)、『トップ3%の会社だけが知っている儲かるしくみ』(KADOKAWA)などがある。
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