石原明の「知的経営の切り口」 | 経営者会報 (社長ブログ)
企業を発展させるための経営のヒントについて、独自の切り口で紹介します。
2012年09月28日(金)更新
白洋舎に学ぶ新規事業展開の視点
古き良き時代には、ひとつの商売で3代が食べていけたのかもしれませんが、今やどんな業種でも、1社で複数の事業展開を持つことが必須となっています。そんな中、クリーニング最大手である「白洋舎」の新規事業展開に着目してみました(*^^)v
同社の今年(2012年)上半期の連結最終損益は、2億6800万円の黒字だったようですが、売上げの増加ペースが鈍っていることに多少の危機感を感じているのか、「法人向けユニフォームレンタル事業」に注力する方針を打ち出したのです。
中でも食品関連メーカーへの営業を強化していく戦略で、そのため昨年(2011年)、大規模クリーニング工場では初めて食品安全管理の「ISO22000」を取得。衛生管理基準の高い企業をターゲットに、ユニフォーム事業で年間2億円の増収を見込んでいるのだとか。
レンタル用の白衣には、バーコードラベルとICチップを取り付け、部署や氏名はもとより、洗浄や仕分けの方法、入出庫履歴、クリーニング回数まで自動的に記録できるシステムをつくったようですから、相当本気で勝ちに行ってますよね(^_-)-☆
近年、食品業界ではとくに衛生に対する意識が高まっていることに加え、レンタルであれば社内でユニフォームを管理する手間もなく、常に全員が清潔な白衣を着用できるわけですから、かなり的を得た戦略のように思えます。
さらに同社は、高齢化社会の到来でニーズの高まっているクリーニングの集配事業や提案型営業、マットやモップのレンタル事業、さらにはふとんやカーテンなどを含めたハウスクリーニング&リフォーム事業なども手掛けています。本業が元気なうちに、周辺ビジネスを広げていこうという同社の意気込みが見えますよね。
長きに渡って右肩上がりの時代を経験してきた多くの日本企業は、新規事業の立ち上げを不得意とする会社が多いようで、最近私のところにも、その手の相談が多く舞い込むのですが、「白洋舎」の新規事業モデルは、新規事業が本業の支援にもなっているという点で、秀逸だと思います!(^^)!
売上げの増加ペースが落ちてきているクリーニング業が、レンタル事業に後押しされる可能性は高いでしょう。この事例を参考に、本業の周辺にビジネスチャンスはないか…あれこれ発想を拡げてみてください(@^^)/~~~
2012年09月21日(金)更新
女性社員を採用する本当の理由
== 質 問 ==
女性社員を採用する本当の理由を教えてください。結婚をして辞めてしまうかもしれない女性を戦力として雇う会社はどのくらいあるのでしょうか? 男性と同じ研修は何か違う気がするのですが・・・。
== 回 答 ==
女性の雇用が上手な会社が業績を伸ばしている現状を考えると、今の考えはかなり問題があると思います。
== 解 説 ==
一昔二昔前の経営者の思考は確かにそういう感じだった感もありますが、今は女性の能力を上手に引き出した企業が業績を伸ばしています。また仕事をしっかりこなしてくれる女性がいることで組織全体が明るくなったり、前向きになったり、全体のスキルが上がったりしますので、会社経営に欠かせない存在だと思います。
特に新卒の採用時に優秀な女性を採用することは重要です。これは、若い年齢の男女の優秀さの問題ですが、新卒時に比較すると圧倒的に女性の方が優秀なので、最初に優秀な女性を採用して徐々に男性社員の採用を増やしていった方が、先輩を見ながら育つという意味で、幼さのなかなか消えない男性社員の成長が早くなるという利点があります。
質問の中に、女性の問題として結婚ということがありますが、これも考えようで、給与がどんどん上がる前に優秀な女性に短期間でも働いてもらって業績を伸ばしてもらえると考えると、非常に効率の良いスタッフの雇用といえると思います。
現場のスタッフを女性も含めて多めに採用して、その年代の人間が役職者になる時期に結婚と共に何割かの社員が辞めていってくれて、自然に人数調整ができるという利点もあると思います。
また、本当に優秀な方には、子育てが終わった後に職場に復帰してもらえるなどの利点もあります。そう考えると、これからの経営者は女性をいかに有効に活かせる組織を作れるかが経営の鍵かもしれないと思うくらいです。よかったら参考にしてください(@^^)/~~~
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2012年09月14日(金)更新
賃貸なのに好きな壁紙が選べる!? 技術の進歩と発想の転換
レオパレス21の『マイコレプラン』もそのひとつですが、契約時に全60種類の壁紙から自分の好みのものを貼ってもらえる上に、この壁に限っては、棚を取り付けたり、画鋲やテープはもとより、ステッカーや落書きも自由自在だというのです(@_@。
最近の若者たちは特に「自分だけの空間」に価値を感じることから、このプランはことのほか好調で、以前は空室が目立っていた中古物件が、今や40人待ちといった物件まで出てきているようですよ。
また、自分好みにカスタマイズした部屋には愛着が湧きますから、更新率の伸びも期待できるのだとか。その上、退去時に原状復帰の義務はなく、そのまま出られるというのも、ウケている理由のひとつです。
しかし、カスタマイズにかかる費用分、物件オーナーの利益が減るのでは…とちょっと心配になってしまいますが、それを助けてくれるのが、壁紙の進化なのです。近年、特殊な接着剤が開発されていて、貼ってある間はしっかりと粘着性が保たれているのに、剥がず時には跡を残さずキレイに剥がれる壁紙もあるんだそうです。
また、実状から言えば、ワンルームの壁紙のリフォーム代だったら、2年契約で家賃を1割程度アップすれば、十分回収できるのだとか。「壁紙カスタマイズ」の物件だったら、少し割高にしても入居希望者は集まりそうですよね(*^^)v
しかも、よくよく考えれば、前の契約者が出ていったら、どっちみち壁紙は取り替えるのでしょうから、そのタイミングを少しずらしただけとも言えます。
どのみちやらなくてはいけないことに対して、「カスタマイズ」という付加価値を持たせたことで、契約者が喜び、物件の価値も上がり、結果、物件オーナーも喜ぶことになるわけです。このプランなら、中古物件が新築に負けずとも劣らぬ価値を持つ可能性もあります。
これはほんの一例ですが、世の中にはこれに似た現象がたくさんあるように思います。様々な分野での技術進歩は目覚ましいですから、以前は高かったものが、今や意外なほど安い値段になっている場合もありますよね。
経営者の情報感度さえ高ければ、いち早くそんな技術や商品を探し出し、自社のお客さんに「付加価値サービス」として提供できるかもしれません。競争が激化する昨今、他社との差別化を図るためには、経営者にこうした視点こそが必要なのです。
さらに、「退去時の原状復帰は当たり前」といった業界の常識や慣習を捨て去ることで、新たなマーケットを開拓できる可能性もあるわけです。この事例を参考に、自社にももっと打つべき手はないか、楽しみながら発想を拡げてみてください(@^^)/~~~
2012年09月07日(金)更新
成長する人間の原理とは
== 質 問 ==
私は関西の学生です。以前、石原先生のセミナーにお邪魔させていだいた際に、「コミュニケーションを深くする為に、心理学の本を読んだらいいですよ」と言っていただき、現在何冊かの本で勉強中です。
最近、相手と真剣に話をする時、個人と全体を分けて聴くことが少しずつできるようになりました。まだまだこれからだと思いますので、これからも続けていきたいと思っています。
さて、質問です。 「ポッドキャスト年間100万回ダウンロード記念」第一回で安田先生とお話されている際に、安田先生から「成長する人は成長するべくしてする」というお話がありました。確かに、私が親しくさせていただいている力のある方は、経歴も面白い方が非常に多いです。
そこで、「成長する人間の原理」を教えていただきたいのです。もし、自分がそれに当てはまらなくても成長し続けようとするのは変わらないとは思いますが…。その時は、もし自分が何かプロジェクトを行うような時に参考にしたいと思います。学生の興味本位の質問かもしれませんが、ご回答いただければ幸いです。
== 回 答 ==
人間の成長速度は、何かに夢中になって集中することで加速します。なので、若いうちに夢中で何かすることを覚えれば、成長のパターンに入りやすいと思います。そうなる自分を早めに作る、体験するといいのではないでしょうか?
== 解 説 ==
「成長する人間の原理」ということですが、成長に関してはいろいろな観点から話せると思います。私は、人間が成長するというのは“脳が活性化すること”だと思っているのでその観点から回答させていただきます。
何事においてもそうですが、それを“大変だとか苦痛だと思う人”と“楽しいとかおもしろいと思う人”がいますが、私は成長しにくい状態としやすい状態というのがまったくこの状態とイコールだと思っています。
そして、この状態を脳的に考えると“大変だとか苦痛だと思う状態”が脳が活性化されにくい状態にある時、そして“楽しいとかおもしろいと思う時”が脳がどんどん活性化していってしまう状況だと考えています。
●おもしろい、楽しい = 脳が活性化しやすい状態
●大変、苦痛を感じる = 脳が活性化しにくい状態
・・・ということですね(^_-)-☆
なので、自分が成長したければ、脳が活性化するような状況を自分で作れるようになったら良いと思っていて、それには夢中になって何かに取り組むことを覚えるのが、一番の近道だと思っています。
・・・ということで、お勧めは、若いうちに何かに夢中になって取り組むことを覚えること、そして何かし始めたら、自分を夢中にさせるパターンにもっていけるようにトレーニングしてしまうことだと思います。
例を挙げると、あなたが何か初めての仕事でそんなに興味の湧かない内容のものを依頼されたとした時に、その仕事を終えるまでずーっと大変だな~と考えて取り組むのと、最初はおもしろくなかったけれど、仕事を進めながら興味を湧かせ最後はおもしろいと感じるようになって終えるとすると、楽しく終えた人の方がずっと成長が早い(=大きい)ということになるので、そういう自分のパターンを作ってしまうことに慣れると良いということです。
何かで夢中になることができていると、他の何かも同じように好奇心をもって取り組めるようになると思いますが、その状態が一番「脳が活性化=成長スピードが速い」状態だと思います。
そんな状態を早く作れるようになると、どんどん成長できる自分を作れると思います。今後のますますの成長に期待しています(^_-)-☆
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2012年08月31日(金)更新
渋谷ヒカリエ 3色のブレスレットで理想の接客を実現!?
最近、都内に話題の商業施設が次々と誕生しています。今年(2012年)4月に開業した「渋谷ヒカリエ」ものひとつですが、特に30~40代の大人の女性を中心に、人気スポットとしてかなりの高評価を得ているようです(*^_^*)
中でも、化粧品売り場のスタイルが注目を集めているのですが、ヒカリエの化粧品売り場では『3色のブレスレット』を用意し、お客さん側が意思表示するのです。
どういうことかというと、「白=急いでいます」「ピンク=自由に見ています(声をかけないで)」「緑=カウンセリング希望」という意思をブレスレットの色で表現するわけですが、これが「接客」と言えるのかはいささか疑問ですよね(笑)。
しかしながら、やたらと声をかけてくる店員がウザイと思っているお客さんも少なくないようで、この手法が女性たちの支持を得ているのは確かな事実なのです。
先にもこのブログで紹介しましたが、今年新宿ルミネの中にできた伊勢丹の化粧品売り場でも、ブランドごとの枠組みを外し、メーカーごとの美容部員を立たせずに、新しいタイプの売り場をつくりました。そんな時代なんですね…。
そもそもお客さんのそぶりから、そのニーズを汲み取るのがプロの接客業ではないだろうか、と思わず首をかしげる社長さんもいらっしゃるはずですが、これも最近よく耳にする「コミュニケーション力低下現象」の一例ではないかと思えてしまいます。
しかし、これを経営側の視点で見ると、プロの販売員の育成にお金をかけるかわりに、こうした「しくみ」で売り場の問題を解決した苦肉の策のように思えませんか? 善し悪しはともかく、起こった問題を「違うレベルの視点」で解決した事例として、頭の中にストックしておいてもいいかもしれませんね(@^^)/~~~
2012年08月24日(金)更新
新規ビジネス優先すべきは「箱モノ」?それとも「人材」!?
お盆を過ぎてもまだまだ暑い日が続いていますが、この暑さの中で集中力を維持するのは、かなりの鍛錬がいりますよね(笑)。そんな中、今回はちょっとおもしろい質問が届いたので、取り上げてみることにしました。
質問を読んで、みなさんならどう回答するか・・・私の答えを読む前にご自分の回答をつくってみてはいかがでしょうか(^_-)-☆
== 質 問 ==
質問します。例えばコンサルティングのように人に帰属する新規ビジネスを始めるにあたって、コンサルタントがいない状態で箱モノだけつくり開業することについてどう考えますか? 上司からはとりあえず仕組みだけ作り、人材は後から探せば十分と言われており、困っています。もし開業して依頼が来た場合、何もできずに悪い評判が広がるだけのような気がしています。
人材を探すなり、育成するなりするほうが先だと思うのですが…。上司の考え方は経営者として一般的で、私の考え方が慎重すぎるのでしょうか。石原先生のお考えをお聞かせください。よろしくお願いします。
== 回 答 ==
経営的に考えて、上司の方の言うことは一概に間違ってはいません。また、あなたの考えも正しいのですが、どちらの言い分を重視したら良いかというと、この場合は上司の考え方に軍配が上がると思います。理由は、顧客と雇用ではどちらが動かしやすいか、変化させやすいかということですね。
== 解 説 ==
今回私が書いた「三人称」本のまさに見本となるような質問ですが、上司とあなたの問題解決にあたっての人称の高さ(=見ている広さ×時間軸)が違うということですね。
回答に書いたように、意見としてはどちらも正しい(あなたの考えも正しい)のですが、経営のリスクを考えた時に、人を雇用してしまうとその時点から費用が発生してしまうというリスクがあります。・・・これは、売れそうだからと営業を雇ったら、契約そのものがキャンセルになってしまう・・・などということも含みます。
また、進めているプロジェクトそのものを止めるということも、可能性としては無くは無いので、焦って人の手配をするということにはかなりリスクがあると思います。
なので、上司は売上げが確定してから人の手配をした方が良いと思っていると思いますが、その背景には、もちろん、人の手配も大事とは思っているが、顧客の方は最悪雇用が間に合わなかったら待ってもらえるとか、顧客を探すよりも、人を採用する方が楽だろうという算段があって判断しているということです。
これは、現状で、どちらが簡単に動くか、あるいは決めてしまったら動かせないかで考えて判断していると思います。そういう意味では、あなたの上司の判断は、良く分かる判断と言えると思います。
そんなことを言って「人の育成はどうするのか?」とか「信用の問題は?」と、いろいろ疑問を持つと思いますが、その辺の対応も「今回は半額で対応します」とか「タダでやります」というように、結構“動かせる”と考えていると思います。
もちろん、これは今のように雇用が簡単に決まりやすい時代背景の元での判断ですから、動かしやすいのが雇用ということで、こんな判断をしていると思います。
時代が雇用がほとんど激戦となってる状況であれば、この上司の方はきっと雇用を重視して良い人がいたら即採用となると思いますので、それも参考にしておいてくださいね。
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2012年08月10日(金)更新
『すべてが見えてくる飛躍の法則 ビジネスは、〈三人称〉で考える。』
先日、読者の方から、こんなメールをいただきました(*^_^*)
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“ワクワクよりも、ゾクゾクが勝って背筋が寒くなるビジネス書”
お世話になっています。昨日は、久しぶりに『高収益トップ3%倶楽部』に参加させていただき、朝になっても興奮冷めやらぬで、イキイキと仕事に臨めそうです。講演、ありがとうございました。
『すべてが見えてくる飛躍の法則 ビジネスは、〈三人称〉で考える。』の読後の感想を述べさせていただきます。表現下手で、上から目線的表記になるかもしれないので、ご容赦ください。
率直にこの内容はヤバいです。ライバルには絶対知られたくない。そこそこの資本力があって、この本に書いてある通り実践されてしまうと、突き抜ける会社が続出すること間違いなし・・・・・。
衰退産業の中で生き残った者勝ちを狙っているウチの会社としてはあんまり突き抜ける会社が出て欲しくない(ものすごーく一人称的>考え方なのですが・・・)。英訳本なんか出た日には、発狂しそうです。世界にとっては良いことなんでしょうが・・・。ワクワクよりも、ゾクゾクが勝って背筋が寒くなるビジネス書というのは初めてで、ショッキングな内容満載でした。
ただ、暗くなっているわけではなくて、「人称」は、是非、社内に広げたい(昨日のセミナーの後で、早速、「それ人称低いねー」とか会話しちゃいました(笑))。その辺は、少し、工夫が必要ですが、まずは、何回か本を読みながら自分自身で実験と実践を繰り返して身につけていこうと思います。
また、具体的に成功事例が出来たら、報告させていただきます。石原先生、素敵な本を執筆・出版いただき、誠にありがとうございました!
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ちなみに、この方のメールにある『高収益トップ3%倶楽部』の勉強会の様子は、ダイジェスト版でサイトからご覧いただけるので、合わせて参考にしていただければと思います。
私はよくコンサルの場面で「社長、もっと引いてかんがえてみてください!」とか「その決断は、5年後、10年後も正しいと言えますか?」と言った投げかけをしますが、言葉とは意外に抽象的なものなので、人によってその解釈が違っていたのも事実でした。
それを何とかわかりやすく伝える方法はないかと、コンサルの現場で試行錯誤を繰り返していたのですが、ある時、認知心理学の用語である<人称>という言葉に出会い、直観的に「これだ!」と閃いたのです。
案の定、この<人称>という言葉を使って教え始めたところ、その成果には目を見張るものがあり、とりわけマネジメント層へは、まるで“特効薬”のように作用し始めたのです(@_@。
今回、この<人称>という言葉を使って、未来を見据えた判断、思考、対応をいかにして身につけたらよいのかなどを、もっともわかりやすく解説したのが本書です。そういう意味では、この本はズバリ!私、石原明の頭の中身そのものとも言えますね(*^^)v
まずは経営者にお読みいただき、経営陣⇒管理職⇒一般社員と、その思考を広げていただくと、やがては<人称>が社内での共通語になっていきます。そうなれた組織は最強なのです!
現に、そのことに気づいた社長さんからは「社員全員分、欲しいので70冊送ってください」とか、「年末に、講演会をお願いします」などという依頼が飛び込んできたりしています。
オリンピックが終わってからでもいいので、ぜひ真夏の寝苦しい夜には、この本を読んで“ゾクゾク”していただければと思います。あっ、もっと眠れなくなるかもしれませんが…(笑)。そして、もしよかったら、読後の感想も教えてくださ~い@^^)/~~~
2012年08月03日(金)更新
組織化しにくい業種をどう組織化するか
こんな季節は特に、しばらく避暑に出かけられるような優雅な社長がうらやましいですよね~。それが叶うどうかは、すべて「組織化」にかかっているのです。というわけで、今回はこんな質問を取り上げてみました。参考にしていただけると、嬉しいです(*^_^*)
== 質 問 ==
働く人の独立思考が強い職種、例えば、理美容関係や歯科、コンサルタントのような職種ですが、このような組織化しにくい業種を組織化するにはどうしたらいいのでしょうか?
== 回 答 ==
経営者が自分目線でなく、働いてくれるスタッフ目線になって組織化のしくみや給与体系、社内規定などを考えることです。一般的企業の組織化についてのノウハウはほぼ当てはまらないので、通常の企業経営における組織化は参考にしない方が良いと思います。
== 解 説 ==
こういう場合に大切なのは、働く人から見て納得する賃金体系や社内規定、そして組織運営の仕方を考えることだと思います。経営者が自分都合でしくみや給与体系を作っていたのでは、組織化は難しいと思います。
また、一般的な企業の組織化のノウハウはほぼ当てはまらないと思うので“一般の企業はこうだ”とか“普通はこうなっている”などと、経営者にとって都合の良い一般企業の例などを使って、スタッフを教育しようとかは絶対にしない方が良いと思います。
ちなみに(質問の書き方からこの方は違うと思いますが)、私の過去の経験で言うと、こういう質問をされる会社の社長さんに限って、自分(会社)に有利な給与体系や規定はそのままで組織化をしたいけどどうしたら良いかという質問をされる方が多いです。これ・・・・本当に多いんですよ~(ーー;)
こういう時に私は「あなたが現役バリバリで若かったとしたら、この給与や規定の組織にずっと居たいと思いますか?」とか「今のあなたの会社に魅力を感じて入れてくれって言うと思いますか?」と聞くようにしているのですが、自分はイヤだけれども、社員にはそうさせたいというような答えが返ってくる場合が多いですね(ーー;)
これだと、その仕事や業種が組織化に向いていないというよりも前に、そもそもその社長さんが組織化に向いていないということですが、これが分かっていないのです。
この回答文にドキッとした方は、そういう考えを改めないと、永遠に優秀な人が育っては辞めるという繰り返しになると思いますので、一回考えてみると良いと思います。
最後に参考として書きますが、経営数字や給与体系のディスクローズは絶対に必要なので、ココから変えていくことをお勧めします。
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2012年07月27日(金)更新
企業の「舞台裏ツアー」でアジアから観光客を呼ぶという発想
少し前になりましたが、神奈川県鎌倉市でも、新たな観光資源創造を目指した「みんなの鎌倉遠足」事業の一環として、「大人だってのぞいてみたい!鎌倉の人気会社訪問」と題したツアーが開催され、なかなかの人気ぶりだったとか(*^_^*)
※画像はイメージです。
このツアーは、委託を受けたJTBが企画したようですが、鎌倉市内にある人気企業、米アウトドア用品のパタゴニア日本支社、インターネット企業のカヤック、シャツ専門店のメーカーズシャツ鎌倉の3社を巡り、同社の役員や社員が案内役を務めたといいます。
ちなみに、自らを“面白法人”と名乗る株式会社カヤックの柳澤大輔社長は、私のポッドキャスト『石原明の経営のヒント+(プラス)』のゲストにお招きし、特別番組をリリースしたばかりです。とてもユニークな社長でしたので、ぜひお聴きになってみてください♪
ちょっと話は逸れましたが、こうした「社内見学ツアー」、自社のPRになることはもちろんですが、”顧客フォロー”にこそ向いているように感じます。特別なお客様に会社や社員を深く知ってもらう、という目的で開催するのです。顧客と楽しい関係性を構築するのに、最適だと思いませんか?
もうひとつが、こうしたツアーそのものを、日本の「観光資源」にするという発想です。私の主宰する『高収益トップ3%倶楽部』の6月の東京勉強会に、「地球の歩き方」のダイヤモンド・ビッグ社、代表取締役社長 藤岡比左志氏をお招きして講演していただいたのですが、彼の発想はかなり刺激になりました(*^^)v
藤岡社長は、少子高齢化に向かうこれからの日本が生き残る道は「インバウンド戦略」、つまり海外から日本に人を呼ぶしかない、と明言していらっしゃいました。現在、海外から日本への観光客は約600万人だそうですが、それを2000万人規模にまで拡大できたなら、それだけで日本経済は潤うというわけです。
しかし、そこには大切な視点があります。これまで海外からの観光客といえば欧米人をイメージしてきましたが、これからは「アジアからの観光客が主流になる」という視点です。アジア人の興味は得てして「歴史」にはありません。つまり、奈良・京都ではニーズを満たせないのです(―_―)!!
アジアの人たちが興味を持っているのは、「最先端の日本」。だとしたら、工場見学や企業見学は、絶好の観光資源となるのではないでしょうか。こんなふうに発想を変えれば、景気回復の近道が見つかりそうな気がします。寝苦しい真夏の夜ではありますが、夜な夜な発想を拡げてみてくださ~い(@^^)/~~~
2012年07月20日(金)更新
「社長の性格が二枚舌の政治家のようで困っています」…とある社員の悩み
今週は、ちょっとユニークな相談が舞い込みましたので、私なりの視点で回答してみました。わが身を振り返りつつ(?)、参考にしていただけるとうれしいです(*^_^*)
== 質 問 ==
現在私が勤めている会社の社長は、性格が政治家のような人で困っています。例えばある政治家のように、ドヤ顔で他の政治家さんの批判などしていますが、実は自分も同じく批判されるようなことをしていて、実際の発言と、している行動が逆なんです。
もちろん政治家のように利害を生む関係者だけには外面がいいので、実情を知っている社員からは、裏で「ダブルスタンダード社長」と言われてます。
私の今の性格から言うとこういった言動に対して「許せない!」と思うのですが、ここは発想を変えて、石原先生がセミナーで言われていた『性格を変える!』ということに着目して、そんな人もいるよね、と寛大な気持ちで受け流す方が良いのか迷っています。
経営者は絶対に興奮したら駄目といつも石原先生は言われているので、心の中で興奮してしまっている私は経営者に向いていないのかな? と馬鹿正直な性格の私は、少し落ち込んで悩んでいます。
社長というのは、こういったダブルスタンダードの方が多いのでしょうか? 数多くの様々な社長さんと出会ってきた石原先生、回答よろしくお願い致します。
== 回 答 ==
経営者を判断する時には、性格とは別に能力も見ないといけないと思っています。理由は必ずしも“性格=能力”では無いからです。この方がもしすごく儲かっている会社を経営しているのであれば、その理由(=長所)がどこにあるかということも一緒に考えてみてください。きっとこの性格を上回る何か(交渉力とか◎◎力とか・・・)を持っていると思います。
そこを視点にして社長を見ることが出来れば、客観的になれるので、あなたの「人称」が上がって、ムカッとしないで見本や研究材料として活かすことができるようになると思います。
== 解 説 ==
人(人間)をどう見るかという問題にはいろいろな答えがあります。また特に経営者というカテゴリーにある人の見方や評価については、本当にいろいろな要素が必要で、それらを総合的に考えて判断しなければなりませんから一概に言えませんが、まずは経営者として「儲かっている企業経営しているか」という観点から、その人を判断しないといけないと思っています。
こういう考え方の基本には、完璧な人間はそもそもこの世に存在していない・・・という理解が必要で、自分もそうですが、家族も含めて、関わっている人にはどこかで欠点や性格的に欠落している部分を持っているくらいに考えておく必要があるということです。
それでもそれを打ち消してしまうような長所があったら、その人は組織にとって、またあなたの周りに居ていい人=有効な人と考えて評価しないといけないということですね・・・現実に、優秀な人はだいたいどこかに能力が偏っている場合が多いですよねぇ~(ーー;) でないと、社長や上司、そして部下や同僚、また家族に対して常に不満が出てしまいますからね。
こういった場合に経営者というのは結構不利な存在で、「経営者=性格のいい人」というイメージがあるので、純粋に能力を評価してもらい難いのです。
・・・これは、道徳的な本とか研修などの影響もあるのか、優秀な経営者がみなさん性格が良いと錯覚してしまう傾向もありますからねぇ~・・・(ーー;) (あ、最終的には性格や人格は良くならないとダメですよ、それは当たり前のことと考えておいてくださいね。経営者なんだから性格が悪くてもOKでは、けっしてありません)。
こういう(能力は高いけれど社長の性格がイケてない…笑)場合に、スタッフの方に「人柄や性格がとてもいいけどぜんぜん儲からない会社をやっている社長さんと、性格には難点があるがすごく儲かる会社を経営している社長さんとどっちがいいですか?」と、こんな質問をして、 “ハッ!”となってもらうことがあったりします。
この質問で、社長の嫌な性格ばかりを見ていた自分に気付いてもらって、もっと視野を広げてもらうのですが“なるほど~、まずは儲かっていないと会社はダメ、この社長はそれなりに役に立っている”ということを理解して落ち着いてもらうことはしばしばあります。それで、組織が上手くいってしまうことも結構多いです。
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ボードメンバープロフィール
石原 明(いしはら あきら)氏
僖績経営理舎株式会社代表取締役
AZ Collabo株式会社
ヤマハ発動機株式会社を経て、外資系教育会社代理店に入社。約6万人のセールスパーソンの中で、トップクラスの実績を収める。「セールス・マネージャー世界大賞」を受賞後、日本経営教育研究所を設立し、経営コンサルタントとして独立。中小企業から大企業まで、業種や企業の規模を問わず幅広いコンサルティング活動を行っている。毎年の講演回数は100回以上。ビジネスの発想力やマーケティング力を開発・育成する「新経営戦略塾」には1000人が登録し学び、全国延べ4500社が参加。
2万人の読者を抱えるメールマガジン『石原明の「新経営戦略塾」』や、独自の視点で経営を綴るブログ『石原明の経営のヒント』も執筆中。大人気Podcast番組『石原明の経営のヒント+(プラス)』は累計ダウンロード数6000万回を超えている。著書に、累計30万部を超え『営業マンは断ることを覚えなさい』(三笠書房)、『「成功曲線」を描こう。』(大和書房)、『トップ3%の会社だけが知っている儲かるしくみ』(KADOKAWA)などがある。
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