石原明の「知的経営の切り口」 | 経営者会報 (社長ブログ)
企業を発展させるための経営のヒントについて、独自の切り口で紹介します。
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2009年04月24日(金)更新
ブックカバーを広告メディアに!? 東芝キャリアの着眼点
東芝の子会社で、エアコンを手がける「東芝キャリア」では、下の画像のようなブックカバーを、全従業員とその家族に配布し、エアコンが最も売れる7月までの間、『移動広告』作戦を決行中なんです!(^^)!
ブックカバーでは、経済産業省の「省エネ大賞」を受賞したことをアピール大きくアピールし、デザインも3パターンあるようですが、それぞれホームページからもダウンロードできるようになっています。
なんでもこれを厚紙にカラー印刷したものを、国内社員、約2,500名に配ったそうですよ。折り目の付け方で、文庫にも新書にも使用できるみたいです。
印刷代などの経費は、約20万円ほどだったそうですが、電車のつり広告だと、都内では2日間で数千万円ほどかかることを考えれば、社員の通勤時間を「広告宣伝」に使うことで、少しでも広告費の削減に貢献できるかもしれません。
折りしも、省エネ性の高いエアコンは、5月15日から始まる「エコポイント」の対象になるようですから、同社でも「省エネのアピール効果も高まる」と期待を寄せているそうです。
あとは、配った社員がどれだけ積極的に使ってくれるかにかかっているわけですが、結構これで、愛社精神が計れたりするかもしれませんね(笑)。
それはともかく、ブックカバーを「広告メディア」として積極的に活用しようとした、同社の着眼点は、すばらしいと思います。実際の宣伝効果はともかく、現にこうして話題になっているわけですから、それなりの成果はあるはずです。
こんなふうに、「ちょっとした」発想が、差別化戦略になっていったりしますから、経営は本当におもしろいですよね(*^^)v
あなたのまわりにも、誰も気づかなかった「広告メディア」があるかもしれませんよ。ぜひ、このゴールデンウィークを使って、積極的に“キョロキョロ”してみてはいかがでしょうか(@^^)/~~~
2009年02月27日(金)更新
三河のサムライ結集!? 地域ブランドを世界に発信
この「サムライ日本プロジェクト」とは、2年前に愛知県東部の三河地域の商品を集めて、世界に売り込むために発足したプロジェクトなのですが、現在4地域24社が“結集”し、『サムロック』ブランドの商品を作っているのです。
上の写真は、創業明治三十五年の太田油脂株(岡崎市)の商品ですが、ご当地三河で栽培された菜種の圧搾油を使った「「和灯(わあかり)」です。こんなふうに参加企業の商品は、中身はそのままに、みな『サムロック』という統一のロゴを付けて“武装”しているのです。
地元の「五万石サイダー」は「三河国サムロックサイダー」に、特産品の味噌やきしめんも『サムロック』ブランドに、さらにはキャラクターグッズなども含め、いよいよ今春(2009年)から本格的に世界進出を始めるようです。
『サムロック』ブランドの情報発信は、インターネット上の仮想国「三河国」を通じて行うようですが、技術力はあってもうまく情報発信できない老舗企業を巻き込む方法としてはかなり秀逸ですよね(*^^)v
三河国では「老舗一店舗ではできないことも、数十社集まればブランドができる」とし、「地域を元気にする!地域を世界に発信する!」とかなりの意気込みを見せています。
三河国のサイトを作るにあたっては、「消費者が企業や商品を記憶するメッセージを明文化せよ」というお達しのもと、参加した各企業には、会社説明100文字、商品説明は短い3つのポイントを75文字以内にまとめるようにと指導したそうです。
制作サイドの都合って気もしますが(笑)、「明文化するポイントは、この文章を読んだ人が、家族や友人にそっくりそのまま伝えられること」という指導は、じつに的を得ています。
ブランドを訴求させるには、自社のウリをきちんと文章にまとめるというプロセスが、とても大切なんです。・・・これ、意外ときちんと出来ている会社って少ないんですよ(――;)
もちろん、みなさん口では上手にしゃべれるんですが、発信が世界規模となると、いちいち説明して歩くわけにはいきませんから、これからはますます、社内の情報はすべて文章化するという企業風土のある会社が勝ち残ることになると思います。
「高収益トップ3%倶楽部」では、「話して人に伝わることは、それを文章にして届けても、相手が読んでくれさえすれば、同じ効果を発揮する」と教えているんですが、ぜひ自社のサイトもそんな目でチェックし直してみてください(@^^)/~~~
・・・それにしても、企業が集まって「統一ブランドで世界に発信する」っていいアイディアですよね。この経営者会報ブログからもそんなムーブメントが生まれたら、かなり楽しいと思います♪
2009年02月13日(金)更新
造園業界の救世主!? 「モザイカルチャー」に注目
上の写真は、昨年(2008年)9月に、はままつフラワーパークに登場した赤塚不二夫さんのキャラクター「ウナギイヌ」のモザイカルチャーです。「うなぎに驚くウナギイヌ」という題名まで付いていて、ウナギイヌがツボから顔を出すうなぎにびっくりしている様を表現したものですが、なかなかよく出来てますよね(*^_^*)
このモザイクアート、どんなふうに作るのかと思えば、まずは金属で骨組みを作り、それに網をかけ、土を詰め込んで土台を作るのだそうです。そこに花や緑を植え込んで、立体作品に仕上げていくようですが、今、浜松市では、20社近い造園会社が集まり実践講習会なども開いているみたいです。
以前、私のブログにも、「田んぼアート」を取り上げたことがあるのですが、日本人の元来の器用さを持ってすれば、この「モザイカルチャー」も、日本でさらに発展する可能性があります。
近年、環境問題や都市の緑化に関心も高まっていますから、もしかしたら、「モザイカルチャー」は造園業界の救世主になるかもしれません。
なにより「生きた」植物を使っているところがいいですよね。銅像と違い、置いただけってわけにはいきませんから、必ずメンテナンスが必要になります。そう考えると、これを立派な「ストック型ビジネス」に育てることも可能です(*^^)v
さらにいいのが、公園などに置くとかなり目立ちますから、それがランドマーク的な存在になってしまったら、やめるにやめられない…状態にもなるわけです。そういえば、名古屋駅のJRセントラルタワーズのクリスマスイルミネーションは、あまりに有名になってしまって、もうやめられないみたいですよ(――;)
名古屋だけでなくクリスマスイルミネーションも年々大掛かりになっていますが、かなり費用がかかるのもこれまた事実。しかし、たとえ赤字になったとしても、お客さんのニーズが高ければ、簡単に打ち切るわけにもいかなくなるのです。
企業も自治体も「消費者」の声には弱いですからね。造園業界もそんな心理を上手に利用して、この世界博をきっかけに、商業施設や公共空間に「モザイカルチャーを造りませんか?」と、どんどん提案してみたらいいと思います。
翌年からは、そのメンテナンス料であなたの会社が潤う…ことになるかもしれません。ぜひ参考にしてください(@^^)/~~~
2009年02月06日(金)更新
農家を継がなかった「セガレ」に出来ること
たとえば、都心で「産地直売会」を開いたり、イベントに参加して「いも煮」をしたり、「倅新聞」を発行して情報発信をしたり…とにかく農家を継がずに東京で働くセガレ(息子)やセガール(娘)たちが、楽しみながら農家の広報活動をしているのです。
この会の発起人たちはみんな、農業を継げとは言わずに黙って東京に送り出してくれた父や、仕事に行き詰ってふらっと帰ったときには、何も聞かずに受け入れてくれる母のやさしさに対して、「いつか恩返ししたい」と思い続けていたんだそうです。
そのきっかけを作ろうと、農業をテーマにしたビジネススクールを受講したところ、そこで農家を継がなかった同世代の3人が知り合いになり、飲みながら実家の話をするうちに「今、できることがあるんじゃないか」と、立ち上げたのがこの「セガレ(倅)」。2007年9月のことでした。
こんな話を聞くと、つい「応援したい」って気持ちになりませんか? 私がおもしろいなぁ~と感じるのは、情報化社会が進んだことで、誰しもの心のなかにあるそんな“良心”をカタチにすることが、とても簡単になったということです。
ネット社会が生まれた頃は、「誹謗中傷」のような、どちらかといえばダークな情報が独り歩きしていたものですが、社会が成熟すると、今度はそれに勝るスピードで「良い話」が走り抜けていくようになる…ということでしょうか。
今年の初め、私のブログにも『世界が注目!? 間寛平のアースマラソン』という話題を取り上げ、「進化した情報社会とは、世界が個人の夢や純粋さを応援しやすい時代」だと書いたのですが、この「セガレ」も純粋に活動していけば、応援してくれる人がどんどん増えるのではないでしょうか。
私は企業もまったく同じだと思っています。多くの人の心のなかに眠っている「そうそう、こういうことしたかったんだよね」とか「ずっと気になってたんだけど…」みたいな部分を引き出し、それを解決してあげる商品やサービスを提供することができたなら、たいした宣伝などしなくても、世の中にあっと言う間に拡がっていくものなのです。
こう考えていくと、どうやらこの時代、経営者の発想や考え方がますます重要であることは間違いなさそうですから、私の主宰する「高収益トップ3%倶楽部」では、『世の中は自分のためにお金を出して実験してくれている』を合言葉に、ビジネスの発想力や時代の読み方のトレーニングをしてもらっています。
このブログにも、そんな視点から質の高い情報をどんどん提供していきますので、ぜひ参考にしてください(@^^)/~~~
2009年01月30日(金)更新
女将直伝「接待講座」 懐石料理店の新ビジネス!?
その昔、接待のノウハウなどは、上司に連れられて「実地訓練」で学んだものですが、今や接待そのものの回数が減っているわけですから、若手のビジネスマンには実地で学ぶ「場」がないというわけです(-_-;)
接待そのものの賛否は別として、たとえ回数は減っても、この世界はゼロにはなりません。それどころか、接待は本当に大事なお客さまだけに絞って行うようになる企業も増えるはずですから、ますます「失敗」のできないものになるわけです。
さらに、大事な方を「もてなす」という心を学ぶことは、若手ビジネスマンたちにとっても、意味のあることだと思います。これも、社員教育の一環と言えるかもしれませんね。
そんなところに目をつけたこの「接待講座」は、まさにアッパレ!です。手間はかかるにしても、部屋を空けておくよりよっぽどいいですし、将来の「顧客」を育てるという意味でも、価値ある取り組みだと思います(*^^)v
2時間の講座では、予約や準備の仕方、当日の流れ、接待をする側として知っておくべき基本的なマナーをはじめ、実際に懐石料理をいただきながら、和室での作法や箸のお椀の蓋の扱い方まで、女将が親切に教えてくれるんだそうです。
女将いわく、「とくに懐石料理は若い世代には経験がなく、緊張してぎこちなくなってしまう人が多い。講座は接待する側にももっと楽しんでほしいとの狙いもある」のだそうです。
さらに、「接待を成功させる秘訣は、店の人を味方につけること。こちら(店)も皆さんのお役に立ちたいと思っていることを知ってほしい」と話しています。
考えてみれば、仕事の基本はすべて「コミュニケーション」です。取引先はもちろん、お店の人とも円滑なコミュニケーションを築けるようでなければ、一流のビジネスマンとは言えませんよね。
次回の講座は3月に予定されていて、受講料は料理、飲み物込みで1万円だそうです。あなたの会社の若手社員も、“修行”に出してみるのも結構いいかもしれませんよ(@^^)/~~~
2008年10月03日(金)更新
「地サイダー」地域の活性化に貢献!?
宮崎の「マンゴーサイダー」、兵庫県の有馬温泉で人気の「ありまサイダー」、佐賀県の「103(てんざん)サイダー」など、いずれも地名や地元の特産品を生かした商品づくりをしています。昭和を感じさせる、ちょっとレトロな感じも人気の秘密のようです。
「地サイダー」は、もともと、地酒、地ビール、地ウィスキーなどと同じように、「分野調整法」という中小企業を守る立場から大企業者の事業活動を調整する法律に守られて細々と作られてきたもので、大量生産され全国規模で流通する商品とは区別するための呼称です。
それが今ではネットのおかげで全国に流通するようになり、楽天などでは、各地の地サイダーを2本ずつ組み合わせたアソートセットなども販売されているのですから、ちょっとおもしろいですよね。
今年(2008年)の夏、「日本橋高島屋」の食品売り場に16種類の地サイダーを並べたところ、1本200円前後と決して安くない値段にもかかわらず、1日平均150本が売れ、入荷が追いつかない状況だったようです。
また、北京五輪開幕中には、愛知県の「バンザイサイダー」や「日の丸サイダー」が人気を集めていたそうです。お子さんと一緒にシャンパンがわりにサイダーで祝杯をあげる家庭もあったみたいですよ。
全国清涼飲料工業会が把握するサイダー類のメーカーは約60社にのぼり、町おこしの話題づくりや、地域活性化対策として新たに企画される例も相次いでいるといいます。
愛知県の「サムライサイダー」などユニークな名前の商品や、兵庫県の「須磨水ぷくぷくサイダー」など、地元の天然水や特産品を配合したものもよく売れているそうです
秋田県美郷町の清らかな湧水を使用した「仁手古(にてこ)サイダー」は、年間40万本を売り上げ、地元の観光振興に一役買っているみたいです。
その他、特産のリンゴやレモン、オリーブ、柿酢などを配合して、個性豊かに仕上げている商品も多く、アイディアしだいで新商品がいくらでも作れそうな感じがします。
ちょっとおやじギャグのようですが、仕事に煮詰まった時に飲むとスカッとする「天才だー!(テンサイダー)」なんて商品を作ったら、ネットなどで結構話題になるのではないでしょうか……(笑)。
それはともかく、情報化社会が進化したおかげで、中小零細企業でも、おもしろい商品を作れば、全国区で売れる時代になったのは、とてもありがたいことだと思いませんか?
地サイダーのメーカーでも、ネット通販を始めるところも増え、全国清涼飲料工業会では、全国の66銘柄を紹介するガイドブックを作成したそうです。
昭和のレトロブームも追い風になっているようですが、われわれにとっては懐かしい飲み物でも、今の若者たちにとっては、ちょっと新しい感じがするのかもしれませんね。こんなところから、世代間の会話が生まれるのも、とてもいいことだと思います。
この事例を参考に、自社独自のアイディアを持って、地元に貢献する道がないかを真剣に考えてみるのも楽しいかもしれません。秋の夜長、あれこれとアイディアを絞ってみてはいかがでしょうか(@^^)/~~~
2008年09月19日(金)更新
「高尾山」が三ツ星!? 女ゴコロをくすぐる集客の妙技
私は、高尾山と言えば、子どもたちの遠足か中高年のハイキングスポットくらいにしか認識していなかったので、ちょっとびっくりしてしまったのですが、気になって調べてみると、そこには私たちにも参考になる、さまざまな“しかけ”がありました。
まず、高尾山の「客層」を広げることに大いに貢献しているのが、大胆にも「1000万ドルの夜景」を売り物にした「高尾山ビアマウント」の存在です。
7月から9月の期間限定で開かれるこのビアガーデンは、食べ放題・飲み放題で男性3300円、女性3000円という値ごろ感のある価格に設定されているうえ、東京都心から横浜に広がる夜景を一望しつつ、山の清々しい空気のなかでビールが飲めるとあって、週末はケーブルカーが2時間半待ちになるのもめずらしくない光景なのだとか。
実はここ、1954年に開業した歴史のあるビアガーデンなのですが、3~4年前にあることに気づき、PRの仕方をがらっと変えたことから、人気が高まっていったみたいです。
そのあることとは、徹底的に「女性」を意識した戦略です。最近では、家族のお出かけや、仕事仲間などの飲み会でも、決定権を女性が握っているのが多いことに目をつけ、ビアガーデンでありながら、「チョコレートフォンデュ」、約10種類の「フルーツ系カクテル」、手作り「シフォンケーキ」など、女性ウケするメニューを意識的に増やしたのです。
また、ケーブルカーを使えば、都心からハイヒールを履いたままでも、ベビーカーを押したままでも来られるという“利点”をアピールしたことで、6年前は約3割だった女性客を、今年(2008年)8月には46%にまで増やすことに成功したそうです。
さらに、今年の5月からは首都圏1700万世帯を対象に、広末涼子さんを起用したテレビCMを流しはじめています。コンセプトは「遠足に行こう。」で、20~30代の女性に向けて、「子どもの頃に行った遠足の楽しさを思い出してもらいながら、都心から日帰りで行ける気軽な観光地」であることをアピールする作戦です。
この10月には、都心で働く女性を招待してイベントを開催する予定があり、高尾山の薬王寺でのヨガ・座禅体験に加え、代官山で人気のオーガニック弁当を用意したり、人気歌手熊木杏里さんのライブも計画しているみたいです。
少し前に、私のブログでも「高野山カフェ」の話題を取り上げましたが、「寺=老人」「遠足=子ども」「ハイキング=中高年」というありきたりな既成概念を捨てれば、意外と新しいマーケットが見えてくるものなのです。
たとえ同じ商品やサービスでも、ターゲットやPR方法を見直すことで、マーケットが大きく広がる可能性もあります。ぜひ、参考にしてください(@^^)/~~~
2008年08月22日(金)更新
屋形船で焼肉!? 既成概念を外したアイディア戦略
ひと昔前のイメージでいえば、「屋形船=お座敷で刺身や天ぷら」でしたよね。確かに風情はあるのですが、正直なところ、口の肥えている最近のお客さんたちの多くは、「屋形船=おいしい料理」とは感じていなかったのではないでしょうか。
しかし、屋形船も時代のニーズに合わせて、着実に進化を遂げました。屋形船の「大御所」では、昨年、設計の難しさを乗り越えて、「焼肉屋形船」を就航し、なかなかの人気ぶりのだというのです!(^^)!
船内には、無煙ロースター付きのテーブル席が並び、そこはさながらレストランのよう。料理を仕切るのはフランス料理のシェフを長く務めた方で、厳選された佐賀牛を取り入れた、独創的な焼肉会席料理がいただけるのだそうです。テーブル席にしたことで、年配者にも「これは楽だ」とウケがいいのだとか。
内装デザインには、女性インテリアデザイナーを起用し、洗練された和モダンな空間を実現。他のお客さんの目を気にせずグループごとに楽しめるようにすだれで仕切ったり、トイレなどもすごくキレイに作ったようです。
じつは、近年、屋形船を取り巻く経営環境はとても厳しいものがありました。会社の宴会などの団体客需要は減る一方で、そのうえ原油の急騰です。いくら「伝統を守る」といっても、発想を広げない限り、先行き不安なのは明らかな事実ですよね。
そうした背景もあり、この焼肉屋形船をはじめ、「もんじゃ焼き」が食べられる屋形船、内装を葛飾北斎一色でまとめた「北斎」船、少人数でも楽しめる小型船に沖縄の楽器「三線(さんしん)」奏者を乗せた「沖縄満喫屋形船」など、みなさん独自のアイディアをもって、なんとかこの苦境を乗り越えようとがんばっているわけです。
ちょっと話は変わりますが、最近「カラオケボックス」がまったく違った使われ方をし始めているのをご存じでしょうか? なんでも、「歌わない」利用客が急増中なのだとか(@_@;)
子ども連れの主婦たちのランチ会(たしかに、子どもたちが騒いでも他のお客さんに迷惑かけることもありませんよね)、はたまた、ビジネスマンが「会議室」として使ったり、漫画家がちょっとした仕事部屋代わりに使う例もあるといいます。
斬新なアイディア出しが要求されていて、社内の会議室だと、どうしても違った発想をすることが難しいといった場合など、この「カラオケボックス会議」が意外な成果を生むこともあるみたいです。
それはともかく、昼間は安い金額で利用できますし、なにより「時間単位」で区切られていますから、漫画家さんのように締め切りをかかえた仕事に利用するのも、結構いいのかもしれません。
それにしても、「カラオケボックスで歌わなくていい」とは、「主力商品を買わなくていいですよ」とお客様に宣言したのと同じようなことです。
こうした利用法は、どうやらお客さんたちが「勝手に開発」したみたいですが、これも、「商品やサービスは“川下”(=顧客側)から発想せよ」という「マーケットアウト」型のマーケティングの一例でしょうか。
屋形船やカラオケボックスに限らず、ますます経営者は「既成概念」を外し、柔軟な発想を持って事に当たる必要がありそうですね。参考にしてください(@^^)/~~~
2008年03月21日(金)更新
「Suica」と明治大学の「学生証」が合体?!
もちろん、通常の「Suica」と同じく電子マネー付きICカード乗車券として使える上、定期券として兼用することも可能で、その上、この「Suica」で授業の『出席確認』まで取るそうですから、もう安易な“代返”はできなくなるかもしれませんね(*^_^*)
同社は「Suica」一体型の学生証や社員証の普及を目指していて、2005年には「三菱電機」で社員証として採用された例がありますが、「学生証」としての発行は初めてで、しかも「定期機能付き」も初の試みだと言います。
この新しい学生証には、定期券兼用の場合、顔写真、学部学科、学生番号、生年月日などが表示された裏面に、定期の区間や有効期限などの情報が表示され、通常の「Suica」と同じく2万円を上限に入金できるみたいです。
学生と院生を合わせ、約3万枚の「Suica付き学生証」が発行されることになるようですが、つまりこの学生証で、電車やバスの乗り降りはもちろん、生協や学食での支払い、在学証明書の発行、図書館の入退室管理、そして各教室の入り口にも読み取り機が設置され、講義の出欠確認を行う予定だそうです。
これまで、同大学では、講義に出た学生が、「出席カード」に名前とクラス番号などを書き込み提出していたようですが、受講生が100人を超す授業もあり、回収時間やその後のチェックの手間を考えると、大きな省力化になると考えたようです。
もちろん「自動改札」のようなゲートが付くわけではないので、友人にカードを預ければ「代返」が可能なようにも思えますが、「電子マネーや定期券の機能が付けば大事な持ち物になるので、友人に預けるわけにもいかないはず」と、大学側も「代返防止」に期待を寄せています。
同大での導入がうまくいけば、他の大学や企業にも広がる可能性があるでしょう。事務の効率化と導入コストとの費用対効果が見込めれば、「Suica」ユーザーが一気に増える可能性もあります。
果たして、この戦略は、競争が激化した電子ーマネーのマーケットでの「顧客囲い込み作戦」の切り札となり得るでしょうか。
それにしても、こうした新しい試みを、日本で最初に導入した明治大学は、「新技術」に対してかなり柔軟な発想を持っているのでしょうか。それとも、あまりの「代返」の多さに、学校側が困り果てていたのでしょうか(笑)……真意のほどを確かめたいところです(@^^)/~~~
2008年03月07日(金)更新
赤ちょうちんならぬ「緑提灯」の店出現
下の写真をよくご覧いただくと、右側に「星」が並んでいますよね。これは、その店の「国産食材使用率」を表していて、50%で星1つ、以降10%上がるごとに星がひとつずつ増え、90%以上の使用で、みごと5つ星というわけです(~o~) ちなみに、この星は店主の「自主申告制」だそうですが…(笑)。
この「緑提灯」の発案者は、茨城県つくば市にある中央農業総合研究センターの所長さんなのですが、この方が5年前札幌に赴任したとき、北海道の食材を満喫したいと楽しみにしていたにもかかわらず、スーパーや飲食店では「道産品」を扱う店が少なかったことに疑問を持ち、以後、国産食材を応援する活動を地道に始めたのだそうです。
05年の北海道を皮切りに沖縄まで広がり、今や「緑提灯」を掲げる店は全国で168店まで増えたみたいです。東京には、全国最多の41店があるのだとか。店舗情報は、ホームページでもきちんと紹介されています。
このところ、何かと輸入食材がらみの不穏なニュースが続きましたから、時流と相まって、この活動が一気にブレイクする可能性もありますよね。ミシュランを思わせる「星」を付けたのも正解です(*^^)v
また、サイトもなかなか良く出来ていて、
●星の数は店主の自己申告による
●著しく申告違反をした店主は、「反省」と書いた鉢巻きを巻いたり、丸坊主にするなどして深く反省すること
などの文章には、ちょっと笑ってしまいました。このサイトは、「緑提灯応援隊」が運営しているようです。
こうした活動は、どちらかというと「お堅い」イメージになりがちですが、この情報化社会で訴求効果を期待するなら、ユニークなセンスを持って『話題にのぼるしかけ』を考える必要があります。
そのためには、活動の象徴として「シンボル」となるものも必要で、その点でもこの「緑提灯」はかなりイケてると思います!(^^)!
いずれにしても、こうした活動をきっかけに、国産食材に注目が集まり、日本の食料自給率アップにつながれば、より望ましいですね。あなたも「緑提灯」を見かけたら、ぜひその場で「プチうんちく」を披露し、普及活動に貢献してみてはいかがでしょうか。
それはともかく、この「緑提灯普及活動」の事例を、ぜひ自社発の「情報発信のセンス」を見直すヒントにしていただければと思います(@^^)/~~~
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ボードメンバープロフィール
石原 明(いしはら あきら)氏
僖績経営理舎株式会社代表取締役
AZ Collabo株式会社
ヤマハ発動機株式会社を経て、外資系教育会社代理店に入社。約6万人のセールスパーソンの中で、トップクラスの実績を収める。「セールス・マネージャー世界大賞」を受賞後、日本経営教育研究所を設立し、経営コンサルタントとして独立。中小企業から大企業まで、業種や企業の規模を問わず幅広いコンサルティング活動を行っている。毎年の講演回数は100回以上。ビジネスの発想力やマーケティング力を開発・育成する「新経営戦略塾」には1000人が登録し学び、全国延べ4500社が参加。
2万人の読者を抱えるメールマガジン『石原明の「新経営戦略塾」』や、独自の視点で経営を綴るブログ『石原明の経営のヒント』も執筆中。大人気Podcast番組『石原明の経営のヒント+(プラス)』は累計ダウンロード数6000万回を超えている。著書に、累計30万部を超え『営業マンは断ることを覚えなさい』(三笠書房)、『「成功曲線」を描こう。』(大和書房)、『トップ3%の会社だけが知っている儲かるしくみ』(KADOKAWA)などがある。
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