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2011年09月16日(金)更新

社長の飛び込み営業は「OK!」か「NG!」か

9月になっても厳しい残暑が続いています。その昔から「暑さ寒さも彼岸まで」といいますから、そろそろ本格的な秋が訪れるかもしれませんね(*^_^*)
 
さて、今回はちょっとおもしろい質問が届きました。私はいつも「社長がいつまでも現場の仕事から抜けられないような会社はダメですよ」と教えているのですが、「社長が飛び込み営業するのはどうですか?」という質問です。よかったら参考にしてください。
 
== 質 問 ==

私を含めて4人の小さな会社ですが、今年になってようやく現場の作業をかなり離れる事が出来るようになりました。これからはマーケティングによる集客の仕組みを構築したいのですが、時間が出来た分、飛び込み営業とかに行きたい衝動にもかられます。
 
石原先生は「社長は1日も早く現場を離れなさい」とおっしゃいますが、時間があるからと言って営業に行くのはやはりダメでしょうか?

== 回 答 ==

マーケティングロジックを構築する上で、リアルな顧客情報は欠かすことが出来ません。なので、時間があるから飛び込み営業するのではなく、必須事項として営業活動するべきだと思います。

== 解 説 ==

4人の会社で、経営者が現場を離れるようになったということは、とても素晴らしいことだと思います。
 
ビジネスを成功させるコツは、今日の努力が今日の売り上げに繋がると同時に、未来の売り上げも構築できることです。ただ、一度で両方の利益はなかなか生まれないので、現場のスタッフの努力で今日の売り上げを構築し、経営者は将来の利益を創造できるように組織化することなのですが、それが出来るバランスになったということですね。
 
こういう組織化はかなり意識して取り組まないとなかなか出来ないことなので、とても素晴らしいと思います(*^^)v
 
さて、そうなった後に経営者は何をすればいいか? ですが、未来の利益を構築するためにまずは仕組みとして収益が見込めるようにすることです。ですから、あなたが進めようとしている方向はとても良いことなのですが、ここで営業活動をするのはどうかという質問ですよね。
 
先にも書いたように「するのが良いか?」ということではなく、必須の項目としてしなければならないというのが回答です。
 
理由は、マーケティングロジックは想像で作っていくと必ず失敗するか、成果が上がるまでにすごく時間がかかってしまうからです。
 
仮説を立て、それを実行し、成果を確認して行くことのトータル速度が、マーケティングロジック完成の速度になるわけですから、仮説が適切であるかないかはとても重要だということです。
 
ということは、しっかり営業活動をして、なるべくリアルな仮説を立てること、これが早くロジックをつくりあげていく秘訣です。営業が好きな自分に感謝して、マーケティングロジックを完成させるための飛び込み営業をぜひしっかりやってください。期待しています。


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2011年09月02日(金)更新

公共事業への新規参入を考える

早いもので、今年も9月に入りました。台風の影響で大雨に見舞われている地域もあるかと思いますが、みんなで「実りの秋」を迎えられるよう、やるべきことに集中していきましょう。
 
そんな中、公共事業への新規参入にトライする社長さんからの質問が届きました。考え方のヒントにしていただけると嬉しいです(*^_^*)
 
== 質 問 ==

公共事業へのアプローチを試みているのですが、公共事業の新規営業について質問させてください。公務員はどうしてもいままでのやり方を踏襲してしまい、新規参入しようとする我々のような業者の提案に聞く耳を持とうとしません。ですので、どうしても既存の業者に偏る傾向があります。
 
また、既存業者は商品の囲い込みをして、新規参入業者への見積金額を吹っかけてくるような部分もあります。なかなか新規参入できないのですが、どうしたら既存業者の壁を打ち破ることができますか? ぜひ、ご指導お願いします。

== 回 答 ==

質問の文面から察するに、基本的に相手(関わる組織や企業)に対して敵対的な感情を持っているようですね。なので、このままではマーケティングは難しいと思います。
 
良くいうところの「相手の立場に立って・・・」ですが、まずはその気持ちになってフラットな感情から現状を分析すると、何らかの糸口が見えてくるのではないでしょうか?

== 解 説 ==

確かに、こういう公共事業などへのアプローチの場合は、ある種特殊な関係や事情みたいなことがあり、なかなか新規参入者への扉が開かれないと思いますが、質問の文章を見ていて最初に気が付いたのが、関係者や現状に対して、何か怒っているような感情です。
 
感情はエネルギーになりますので、通常は、怒りだとしても、たいていは“見返してやる!”みたいな感じでプラスになりますが、ビジネスでの交渉や営業の相手に対してそうした種類の感情を持ってしまうと、モノゴトの成果や解決にはマイナスになると思います。
 
特に、この質問のように、アプローチをかけて行こうとする相手に対してマイナスの感情を持ってしまうと、何かに付けて“やっぱり”とか、“どうせ・・・”みたいな感じで予測なども前向きに出来なくなってしまいます。
 
なので、一度感情をリセットして、相手の立場に立ち、相手がなぜそういう考えをしているのかとか、そういう仕組みが出来てしまった経緯とかを考えたり出来るように、情報を取ってみるといいと思います。
 
この場合で言うと、なぜ今までのやり方を踏襲してしまうのか? とか、新規参入者に聞く耳を持たないか・・・などですね(ーー;)
 
予測ですが、これまでにもあなたと同じようにいろいろアプローチをしてきた企業がいっぱいあったけど、ぜんぜんコチラ(公務員サイド)のことが分かっていない頓珍漢で、言いたいことを言われたとか・・・苦労したとか、いろいろあると思いますよ。
 
特に公務員の方は権限の中で生きているので、その批判を自分にされても・・・なんてことがいっぱいあったと思います。
 
また、既存業者がなぜ商品の囲い込みをしているのかとか、どうやって今の仕事を獲得して行ったのか・・・・などもしっかり聞いてみると良いと思います。
 
おそらく、そういう聞き方をしていくと相手の立場になって現状を考えていけるようになると思います。敵対的な気持ちのままで進んでも、良い営業の切り口やアイディアは生まれないと思います。ぜひ参考にしてみてください。 



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2011年06月03日(金)更新

顧客化の肝! 優良な顧客は「人を使って」フォローする

6月に入り早くもお中元商戦が始まったようですが、今年、某デパートでは近隣の中小企業や個人宅1万軒に管理部門のスタッフなどが直接カタログを配る作戦に出たようです。震災後、ますます人と人とのつながりが求められている・・・と時流を読んでの戦略のようですが、ちょうど私のところにもこんな質問が届いたので、タイムリーに取上げたいと思います。
 
私の主宰する『高収益トップ3%倶楽部』の勉強会で、私がお話したことに対する参加者の方からの質問です。
 
== 質 問 ==

最も優良な顧客に対し、人を使ってフォローする方法とはなんでしょう? もう少し具体的にお聞かせ願えれば幸いです。

== 回 答 ==

マーケティングの手法を選ぶ時に基本となる考えは「費用対効果」です。効果が確実に望めるのであれば、コストの高い人間をいろいろな方法で顧客フォローに充ててもかまわないということです。
ということで、手法よりも効果で、人を活かしたマーケティング手法を考えていただく方がいいと思います。

== 解 説 ==

回答を具体的にイメージするために、たとえば、はがきを送るのを止めて、そのはがきをスタッフに届けさせる・・・とか、と考えていただくと分かりやすいと思いますが、それでもその行動に顧客が感動して結果大きな収益が出るとしたら(するかどうかは別として)やった方が良いということです。
 
・・・というように、優良顧客に対して人を使ってフォローするという方法は、簡単に言うとマーケティングでやっている全てのこと(さらに+αなこと)に人を充てることができるか、ということです。
 
例えば、これは実際にやっている会社があるのですが、VIP顧客が海外に行く時にスタッフ2名を同行させてお世話させているという事例すらあります(これ、いくらかかるんでしょうかねぇ~(ーー;))。
 
もちろんこれは、扱っているモノがスッゴク利益を生む商品で、尚且つその顧客が自社だけでなく他社にとっても非常に優良顧客なので、囲い込みも意識しての行動ですが、このようにすることに際限があるわけではありません。
 
なので、優良顧客に対して人を使ってフォローする何かとっておきの方法があるわけではなく、顧客とのやり取りで、費用対効果を考えて、またライバルとなる他社と比べて、どこまで人を使えるかと考えて戦略を練っていただくと良いと思います。
 
ちなみに、なぜ人を使うことが最高のフォローかと言うと、この世の中で一番尊いのが人間だからです。その人間が1人の顧客に対して1対1(あるいはもっと多人数)の対応をすることで満足度が飛躍的に向上するからです。
 
でも、そこまで行うには担当するスタッフが相当しっかりしていないと難しいですから、それも考慮してやってくださいね。海外に行くのに2日間使えない人間が自分の周りにいたら、相当うっと
うしいですもんね(ーー;) ぜひ、参考にしてください。


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2011年05月20日(金)更新

シェアが固定化してしまっている業界での逆転方法を考える

新緑のまばゆい季節。夏の暑さが本格化する前の過ごしやすいこの季節は、ものごとを深く考えたり、発想を思い切り拡げたりするのに、最適な時期だと思っています。
 
普段なら「仕方ない」とあきらめてしまうような問題でも、経営者の考え方ひとつで活路が見出せたりするものです。というわけで、今回は「上位1位2位の企業が圧倒的なシェアをもつ業界」での逆転方法を考えてみました。参考にしていただけるとうれしいです(*^_^*)
 
== 質 問 ==

上位1位2位の企業が圧倒的なシェアをもつ業界におります。シェアが固定化してしまっている業界での逆転方法を教えてください。

== 回 答 ==

答えは、業界の常識を変えるような試みで“競争の土俵を変える”ことです。これをヒントに考えてください。

== 解 説 ==

現状でマーケットのシェアが明確に決まってしまっていて、後発の会社が勝てそうにない場合に取る戦略ですが、単純な価格競争や、技術的な競争戦略ではまったく歯が立ちません。
 
理由は、価格戦略を取っても、経済的な体力差があるので、こちらが価格を下げた場合、大手もそれに合わせて価格を下げられてしまったら、まったく勝ち目がなくなってしまうからです。
 
もちろん、圧倒的にこちらの価格を下げられる要素があり、大手がそれに追随できなければ可能ですが、現実的にはなかなか難しいと思います。
 
もし、価格戦略を取るなら、ある分野だけ特化した商品やサービスを作って、大手より高く売るという方法が良いと思います(でも、これでは逆転はできませんが・・・)。
 
価格戦略は、大手が他社をマーケットから追い出すためには有効ですが、反対は難しいということですね(ーー;)
 
それから、同様に技術競争でも、逆転となると、なかなか難しいということです。
 
では、どうすれば、大手を逆転できるかですが、ヒントとなるのは業界の常識を覆すような「競争の土俵を変えるアイデア」を出すことだと思います。
 
最近の例で解説すると、一番分かりやすいのが、携帯電話で圧倒的なシェアを持っていたNTTドコモに対して、ソフトバンクが仕掛けた戦略ですね。ソフトバンクはどうして勝ったかですが、それは、携帯電話の通話料を廃止して、会員制度のように変えてしまったことです。
 
電話は、通話の時間で課金するというそれまでの常識を、世間もビックリするほどドラステッィクに変えてしまいましたよね。これが“競争の土俵を変える”ということですが、だからこそあっという間にシェアは逆転してしまいました。
 
この方法は、既存企業が利益を上げている正にそのポイントを突いた戦略なので、先行企業は立ち往生してしまうような感じになってしまうと思います。
 
・・・というように、上位1位2位の企業の圧倒的なシェアが固定化してしまっている業界での逆転方法は、“競争の土俵を変える”ことしかないと思います。ぜひ、がんばってください(@^^)/~~~


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2010年09月17日(金)更新

続く消費不況。マーケットの閉塞感にどう立ち向かうか<>

今週は、前回のQ&Aの回答でふれた「バックヤードの省力化」という部分にスポットを当て、続けて解説してみたいと思います。ぜひ、参考にしてください。

== 質 問 ==

ここ数年、消費不況が続いています。こんな時代に、お客様の財布の紐をゆるめるには、どうすべきでしょうか? 日々の営業に閉塞感を感じて困っています。

== 回 答 ==

バックヤードの省力化についてもう少し詳しく解説しますが、経営とは常に革新と考えて、コレまでの習慣を見直すクセを組織全体につけること、経営者は常に新しい情報に触れ、システム化などを含めた最新の手法を取り入れることです。

== 解 説 ==

消費が低迷して企業間の競争になった時に、どうやってその状況を打開するかですが、前回お話したように、顧客が本当に自社の商品なりサービスを気に入ってくれているかを見直すことが重要です。

特に売り上げの数字が大きくなると、一人一人のお客様との距離感が離れてしまう傾向にあるので、その辺の見直しは重要なのです・・・と、先週も回答しましたが、企業として同時に考えておかないといけないことは、仮に他社と同じ商品やサービスレベル(商品やサービスで優位性が出せないという状況)になってしまった場合でも競争優位に立てるようにするにはどうするかということです。

その解決策は、ズバリ、値段的な競争になっても勝てる体質を企業内に作っておくことです!

それには、バックヤードや間接部門の作業効率を上げて、他社ではスタッフが数人でやることを、当社では1人で出来るというように、工夫しておくということです。効率化をする時に一番大切なことは、これまでの常識を疑うことですね(*^_^*)

特に御社が歴史を積み重ねて、社員数もかなりいる会社だとすると、仕事のための仕事みたいな感じで業務が拡大・肥大(?)している可能性があるので、気をつけて見直さないといけないと思います。

今の世の中の風潮は、歴史のある古い会社が、新しく出来た会社にどんどん負けているという状況です(-_-;)

コレは、伝統のある会社が創立当時の最新の仕組みでいまだに仕事の仕組みを作っているのに対して、最近設立された会社は最新の仕組みをどんどん取り入れているので、コスト的に圧倒的に勝っている結果、起きていることなのです。

・・・今の中国が国を挙げてそんな感じなので、日本の企業は根こそぎ危ない感じですよね(ーー;)

コレを打開するためには、経営者が常に新しい情報に触れ、今やっている仕事をもっと簡単に出来る方法がないか常に研究する必要があります。新しいということは、これまでやっている仕事を、安く・簡単に・人手をかけずにやれる・・・ということなのです。

他の分野でもいいので、最近伸びている会社を見てみてください。システムはじめ御社で行っている業務をゾッとするくらい、恐ろしく少人数でやっているはずですよ。

一昔前の経営者は、社内に目を配り外に出る時には常に顧客回りをしろと言われましたが、そんなことを今も守っている経営者は、省力化を進めている他社に圧倒的に価格で負けることになると思います。

顧客の消費行動における価格差はネットの普及によってさらにハッキリとして来ています。「高くてもうちの商品はこんなに良いんです・・・」と、言っていても、リアルに顧客と接することが出来ればまだ売れる可能性はありますが、ネットではまず無理ですよね。

ということで、「同じ値段でも他社と比べて利益が取れる=いざとなったら、値段で勝負できる」という体制を社内に作っておく努力は怠らないでください。


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2010年09月10日(金)更新

続く消費不況。マーケットの閉塞感にどう立ち向かうか

このところ、ようやく秋の気配を感じるようになりました。少し陽気もよくなってきたところで、自社の抱える根本的な課題と向き合ってみてはいかがでしょうか。

というわけで、今回はこんな質問を取り上げてみました(*^_^*)

== 質 問 ==

ここ数年、消費不況が続いています。こんな時代に、お客様の財布の紐をゆるめるには、どうすべきでしょうか? 日々の営業に閉塞感を感じて困っています。

== 回 答 ==

経営的に考えると、取るべき手段は二つあります。一つはもっと個々の顧客の思考を参考にしてビジネスを再考すること。そして二つ目は、少ない人数で同じ仕事をこなせる方法を考えることです。

== 解 説 ==

ビジネスモデルを考える時に大切なのは、イメージしているビジネスが、最終的に本当に顧客対象となるターゲット(会社や人ですね)から支持されるか、ということです。

そんなこと当たり前だと思うかも知れませんが、意外に多くの会社が予測のままにビジネスを立ち上げ、こういった「本当に顧客から喜ばれるか?」という確認をしないで、大きな投資をしてしまうことが多いのです(ーー;)

ちなみに、支持されるとか、喜ばれるというのはどういうことかというと、喜んで対価(定価で、ですよ!)を払ってくれるか、ということです。

ビジネス立ち上げ時にアンケートを取って、「こういう商品やサービスがあったらうれしいですか?」とか、「これを買いますか?」って調査をする会社がありますが、実はこういうアンケートはマーケットをまったく捉えていないケースが多いのです(ーー;)

では、何がいけないかですが、それは、この商品はサービスが実際に売れたわけでは無いからです。

うれしいと思う・・・というのと、実際に買うということとは、まったく別次元だということを知らないといけないですね。

ちょっと解説が長くなりましたが、市場に閉塞感を感じ、これまである程度売れていたモノの売り上げが落ちているということは、企業として、このあたりのズレを一回しっかり確認してみるといい状況にあるということです。

マーケットは常に動いています。顧客の思考もスッゴク変化しているので、これまでの会社側の予測ではなく、個別に現状を聞いて戦略を立て直すのが良いと思います。

「今まで言わなかったんだけど、本当は御社の商品にこんなサービスが付いていればいいなと思ってたんです」とか、「前は良かったけど最近はココが不満」とか、「こんなライバル会社に負けてるよ」・・・などという声が聞こえてくるかも知れませんよ。

コンサルするときに常に言うことがあります。それは、『売上げは最小単位の積み重ねで作られる』ということです。

コレは売上げが、1億でも10億でも100億でも、その構成要素はあくまでも、『ビジネスの最小単位=目の前のお客様が喜んでくれているか』にある、ということです。このあたりの確認を、ぜひしてみてください。

あとは、同じ売り上げでも利益の出せる会社にしないと競争に勝てないので、バックヤードをなるべく省力化することも大切です。できるだけ少ない人数でこれまでと同じ仕事をこなせる工夫や努力も同時に取り組んでください。こちらについては、来週、改めて解説してみますね。


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2010年05月14日(金)更新

自社における「顧客化のゴールは何か?」を考える

今週はQ&Aの回なので、「お客様から紹介をもらうには」という質問を取り上げてみました。

これからの時代、企業にとって「顧客化」はますます重要になりますが、“自社にとっての顧客化”はどうあるべきかを経営者がはっきり示していないと、現場はカラ回りを繰り返し、とてももったいない状況に陥ってしまいます(――;)

今回の回答を参考に、ぜひ「自社の顧客化のゴール」について、より深く考えてみてください。

== 質 問 ==

輸入の高級海産物を扱っている会社ですが、石原先生のマーケティングの仕組みの中に『顧客化』というのがあります。お客様にファンになってもらい、紹介してもらうというものです。

幸いに弊社と続けて取引してくださるお客様はたくさんいます。しかし「おまえのとこのためにお客を連れてきたぞ」ということがあったのは一度しかありません。

一体どんなことに気をつけ、何を準備し、継続すると、紹介は起こせるの でしょうか? 教えてください。

== 回答 ==

顧客化に対する質問は多くありますが、顧客化について考える時に大切なのは、自社のビジネスにおいて「顧客化のゴールは何か?」ということです。ビジネスによっては、そもそも紹介が出にくいという仕事もあります。どちらかというと、この仕事はそんな感じがします(ーー;)

ということで、その辺(ゴール)を一回見直す・考えてみるといいのではないでしょうか?

== 解 説 ==

マーケティングにおいて、非常に大事なステップが、今回の質問のあった顧客化です。

なぜ大切かというと、商品やサービスを販売したときに、そのお客様から気に入っていただいてリピートや紹介が得られれば、マーケティングロジックが安定し、売るために必要なトータルの費用が大幅に下がるからです。

ということで、顧客化のゴールはお客様が商品やサービスを気に入ってくれてリピートしてくれる、新商品や新サービスを提案した時に買ってくれる、それだけではなく、新規にお客様を紹介してくれるということになります。

・・・これ、確かにそうですよね(^_^;)

皆様にもそう言っているし、もちろん、これが理論的には正解でありゴールなんですが、実はビジネスによっては顧客化というのがリピートまでは可能であるが、新規にお客様を紹介してもらうとなると、かなり難しいという種類のものもあります。

なので、自社にとってのマーケティングを考えた時には、顧客化のゴールは少しそういった要素も入れながら、考えると良いと思います。

・・・そうすると無理が無いですよね(*^_^*)

紹介が難しい仕事ですが、過去に私がコンサルした仕事でいうと、身近なところでは優秀な塾の生徒の紹介はほとんど取るのが難しかったです(ーー;)

理由は簡単で、親が自分の子供にだけいい教育をさせたいと思っているので、他の親には教えたくないと思ってしまうからでした。

また、手作りのとっても素敵なバックを作っているお店がありましたが、ここのお客様も基本的には同じモノを他のお客さんが使っていると優越感がなくなってしまうので、なかなか紹介は出ませんでした。

今回の質問の会社が扱っている商品を考えた時に、高級な海産物となると、どうも同じような状況が生まれやすいのではないかと思いますがいかがでしょうか?

だって、自分のお店がすごく美味しいめずらしい食材を出して繁盛しているのに、たとえ地域は違っていたとしても、他でも同じものを出して欲しくないのは常ですよね(^_^;)

ましてや、近場ならなおさらですよね(ーー;)

それに今はネットの時代なんで、そんな美味しい何かがあるなんてことがネットで取り上げられたらあっという間に広がってしまいますよね。

ということで、今回の質問は、業種そのものや扱っているものが、そもそも紹介には向いていない、顧客化のゴールはリピートや新商品の購入に留めて努力するというのがいいのではないでしょうか?

そうすれば、紹介が出ないのはまだ努力が足りないからだ・・・というような間違った努力はしないですみそうです。参考にしてください。


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2010年04月16日(金)更新

石原流「ビジネスモデル」の思考法

このところ肌寒い陽気が続いていますが、みなさんの元気でお過ごしでしょうか? 今回は、保険代理店の方からの質問を取り上げ、私流の思考法をご伝授したいと思います。思考はトレーニングです。ぜひ、参考にしてください。


== 質 問 ==

現在、保険代理業(生保、損保)を行っているので、この業界でのビジネスモデルとしてはどのようなアイディアがあるのか、例があれば教えて頂きたいです。


== 回答 ==

ビジネスの特性や置かれている環境そして構造などを考えて、一回保険のビジネスが、そもそもどんなビジネスなのかを考えてみるといいですね。
どんな仕事もそうですが、そうすれば結構、客観的な視点で解決策が見えてきます。

== 解 説 ==

今回は、ビジネスそのものの相談ですが、保険の方はかなり苦労しているようですね(*^_^*)大手保険会社さんからも結構相談や講演・コンサルの依頼が私のところには来ています。

こういう相談に直接お答えしている関係で、この質問には直接的な回答(実はこうすれば絶対にいけるという答えはあり、実際に実行していただいてかなりの成果に繋がっています)はできませんが、いい機会なので、こういうビジネスを見直すときの考え方を回答したいと思います。

コレなら、保険の仕事以外の方も参考になると思います(*^^)v

それは、今、見(考え)ているよりももっと広い範囲に視野を広げて、その仕事の特性や置かれている環境、構造などを一回整理して考えてみることです。

例えば、「保険ってそもそもどんな成り立ちをして業そのものができたのか?」とか、「生きてる人全員にとりあえず必要ってことは、会う人はみんな見込客なんだなぁ~」とか、「コンプライアンスが一番キツイ業界、特に最近では商品が横並びで尚且つ複雑、普通の人にはまったく違いや特徴が分からない」・・・とかですね(*^_^*)

それから、「環境的にはネットの関係で、非常に危うい状況になっているなぁ~」などですが、考えると、結構いろいろ出てきますよね。

こういう事項を今度は、くっつけたり、並び替えたり、どっか別の仕事でこんな感じの仕事はないかなぁ~とか思考して、もっと視野を広げて行ったりするのもいいですが、こんな項目を客観的に見ていきながら、答えを導いていく感じですね。

そうすると、突然! 「あ!コレ、行けるかも!!」って答えが出てきたりします。

もちろん、一回でこの答えが見つかるほど簡単なビジネスはどこにもありませんから、わたしの場合は、このリストを毎日見て思考・毎日見て思考・・・を繰り返して行きます。
保険の答えを出す時は、確か一週間くらい考えていたと思います(ってことは「最低コレくらいは考えてね」ってことです)。

そうすると、潜在意識などもフル動員した面白いアイディアが出てきたりします。秘訣は、答えや、答えのヒントが見つかり、気分が楽しくなる状態を早く作ることですね。
ということで、一生役立つ思考のトレーニング方法にもなります。ぜひ、トライしてみてください。

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2010年03月05日(金)更新

既存顧客の「値下げ要求」にはどの位応じるべきか

今年も、あっという間に3月になりました(*^_^*) 年度末を迎えて、お忙しい毎日をお過ごしの方も多いと思いますが、こうした節目の時期は、ものごとを見直すいいチャンスです。

社内のしくみはもちろん、顧客との取引条件なども、定期的に見直してみることをおすすめします。というわけで、今回は「既存顧客の値下げ要求にはどの位応じるべきか」という質問を取上げてみました。「発想」という点において、ぜひ参考にしてください。


== 質 問 ==

大阪で製造業を営んでいます。既存顧客の値下げ要求にはどの位応じるべきでしょうか? 価格競争には陥りたくないし、今のご時勢を考えると少しは協力しないといけないかな? とも思いますし・・・悩むところです。


== 回 答 ==

今回は、価格競争に関する質問ですが、当社が主に製造業など必ず価格交渉に陥る業界や企業体質の会社のお世話をする時には、予め準備して価格競争でどんどん有利になる様なビジネスモデルを作るように指導します。発想を変えて、そういった準備を始めてみてはどうでしょうか?

== 解 説 ==

経営の秘訣はいろいろありますが、その中でも重要な項目に出口を理解して経営に当たるというのがあると思います。これはどういうことかと言うと、最後はどの方向に向かっていくかを理解してそこに早く向かった方が経営は楽になり他社に勝てるというものです。

例えば、数年後に法律が変わり今の仕事のやり方が出来なくなるとなった時に、まだ出来るということでそのままの仕事を続けるか、いち早く方向転換して新しい方法を考えようとするかの違いですが、結果は必ず、早く対処したところに軍配が上がります。

そういう意味で今回は、単に相手が値段交渉を言ってきたというより、仕事をしていれば必ず起こるということに対してどうすればいいかということでの回答にした方が良いと思って、この回答を書いていますが、経営のやり方を思い切ってドラスティックに変えて、顧客に言われなくても自社努力で毎年々々商品原価を何%か下げていく努力をする方が良いと思います。

相手に言われて対応しようとすると絶対に後手になり主導権を取れませんが、絶対に起きることなら先手を取って対応、それが勝てる経営の肝になると思います。

年間行事として、原価の見直しや在庫管理、作業の棚卸し工程チェックを戦略として繰り返してください。

他社はこういった感覚ではなかなか経営しないと思うので、御社の一人勝ちになると思います。がんばってくださいね。


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2010年02月26日(金)更新

昔懐かしのリンゴ「国光」をネットで

みなさん「国光」というリンゴをご存じでしょうか? 最近ではほとんど目にしなくなりましたが、1960年代には、日本一のリンゴ生産県である青森で、品種別収穫量の6割を超えていた“メジャーなリンゴ”だったのです。

その「国光」に、年配者からラブコールが贈られ、今年(2010年)の年頭から、同県の産業技術センター「りんご研究所」が、「まごころふるさと便」としてネット販売を始めました。


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今では、同研究所に残る「国光」の樹も、樹齢109年の7本を残すのみになってしまったようですが、毎年11月下旬頃には、この7本から約1トンものリンゴが収穫できるのだそうです。
この「国光」は収穫時期が遅く、実が雪をかぶることから別名「雪の下」と呼ばれ、青森の風土に適して貯蔵性も高く、長い間地元で愛されてきました。

また、しゃきっとした歯切れのよさとその酸味が特徴的で、この「国光」とデリシャスの配合で「ふじ」が誕生し、その「ふじ」と別の品種の掛け合わせで「星の金貨」などの優秀な新品種が生まれたのです。

こうした新品種に押され、「国光」自身は、近年、ジュースなどの原材料として引き取られることが多かったそうです。しかし、一方では、その味を懐かしむ年配者から「どこで買えるんですか?」といった問い合わせも、度々受けていたのだとか…。

そこで、いよいよ残り7本になったこの老木たちに「もう一度生きがいを与えたい」と、ネットでの販売を決めたのです。老木にあやかり「長寿林檎」と名付け、1箱3千円で販売しています。

国光、ふじ、星の金貨の“3世代”詰め合わせもあって、なかなかの人気ぶりみたいですよ(*^^)v

こうした事例を見るにつけ、「大量生産・大量消費」の時代は、確実に終わったのだと実感します。たとえ全国規模では供給できないものでも、その希少価値をわかってくれるお客さんにだけ、「限定品」として確実に届ける・・・ネットというインフラを使えば、それが誰にでも可能な時代なのです。

加えて「老木に生きがいを」といったストーリーは、人の心を打ちますよね(*^_^*) このストーリーに共鳴するかのように、「国光」を食べてみたくなる人も多いと思います。

意外とあなたの会社にも、“復刻”すべき貴重な財産が眠っているかもしれませんよ。ぜひ、そんな視点で、社内をじっくり眺めてみてください(@^^)/~~~
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ボードメンバープロフィール

board_member

石原 明(いしはら あきら)氏

僖績経営理舎株式会社代表取締役
AZ Collabo株式会社

ヤマハ発動機株式会社を経て、外資系教育会社代理店に入社。約6万人のセールスパーソンの中で、トップクラスの実績を収める。「セールス・マネージャー世界大賞」を受賞後、日本経営教育研究所を設立し、経営コンサルタントとして独立。中小企業から大企業まで、業種や企業の規模を問わず幅広いコンサルティング活動を行っている。毎年の講演回数は100回以上。ビジネスの発想力やマーケティング力を開発・育成する「新経営戦略塾」には1000人が登録し学び、全国延べ4500社が参加。
2万人の読者を抱えるメールマガジン『石原明の「新経営戦略塾」』や、独自の視点で経営を綴るブログ『石原明の経営のヒント』も執筆中。大人気Podcast番組『石原明の経営のヒント+(プラス)』は累計ダウンロード数6000万回を超えている。著書に、累計30万部を超え『営業マンは断ることを覚えなさい』(三笠書房)、『「成功曲線」を描こう。』(大和書房)、『トップ3%の会社だけが知っている儲かるしくみ』(KADOKAWA)などがある。

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