大きくする 標準 小さくする
前ページ 次ページ

2013年03月01日(金)更新

『のぼうの城』に見る新感覚のリーダーシップとは

早いもので、今日から3月のスタートです♪ しだいに芽吹いてくる草木のごとく、私たちも気持ちや思考を“春モード”に切り替えていきたいところですね。


そこで今回は、思考のシフトチェンジに最適な本をご紹介したいと思います。昨年(2012年)映画も公開されて話題になったのですでに読まれた方も多いと思いますが、この本をぜひ、「経営書」として読み直してみてください(*^^)v

 


 


 

「のぼう」とは、主人公である成田長親のこと。忍城(おしじょう・埼玉県行田市にあった城)城主・成田氏長の従弟でありながら、馬にも上手に乗れず武将に求められる資質ゼロの男で、かといって農作業をしてもその不器用さからかえって足手まといになる始末。まさに「でくのぼう」を絵に描いたような人物なんですが、なぜかみんなから「のぼう様、のぼう様」と親しみを込めて呼ばれ、愛されているのです。

 

この忍城に天下統一を控えた豊臣秀吉の命で、石田三成率いる2万の兵が攻めてきたからさぁたいへん! 城主は「一戦も交えず速やかに開城せよ」と言い残し小田原城へ。しかし、あとを任された「のぼう様」は、うっかり敵軍にけんかを売ってしまったのです(ー_ー)!! そこから500人対20,000人というありえない戦が始まるわけなのですが・・・。

 

リーダーシップにはいろいろなカタチがありますが、この長親は「人心を掌握する」タイプのリーダーで、彼を取り巻く個性派たち(武勇に優れた正木丹波、荒くれ者の柴崎和泉、兵法書を読破し実戦経験がないにも関わらず「軍略の天才」と豪語する坂巻靭負ら)や農民たちまでもが「のぼう様がやるって言うんじゃ仕方あるまい!」と、それぞれの持てる力を惜しみなく発揮し、一致団結してしまうのです。

 

それどころか、戦の終盤にはある奇策を講じ、敵軍の心まで掌握してしまう・・・これぞ「のぼうスタイル」なわけですが、じつは今、こういう新感覚のマネジメントが“キテる”んですね(*^^)v 命令で部下を動かす時代はとっくの昔に終わっているのですが、残念ながらそのことに気づいている経営者の少なさにはびっくりしてしまいます。

 

なぜなら、リーダーシップや組織運営に関する書籍やセミナーでは、未だに「率先垂範」「背中で教える」「結果責任を取る」…などと教えられていることが多いからです。情報には“タイムラグ”がありますから、気をつけて選択しないと、うっかり日本が右肩上がりの時代の理論を学んでしまう可能すらあるということです(―_―)!!

 

時代は変わったのです! トップはこのことに早めに気づく必要があると思い、私の主宰する『高収益トップ3%の倶楽部』の今月の勉強会では、「危険!! 今の世の中、勉強すると馬鹿になる?」というちょっとショッキングなタイトルで(笑)、たっぷり解説するつもりです。会員以外の方にも、ビジターとしてご参加いただけますので、よかったら“生”でお聴きください(@^^)/~~~


 

2013年02月22日(金)更新

二代目の悩み…家業は必ず継ぐべきか

今月は短いので、あっという間に月末が来てしまいそうです(―_―)!! そんな中、悩める二代目からちょっとおもしろい質問が届いたので、私なりの視点でお答えしてみました。よかったら参考にしてください(*^^)v
 
== 質 問 ==
 
私の父は中小零細の不動産業を営んでいますが、私は不動産に興味がなく、業界としても今後の動向に期待が持てません。家業を継ぐことについて、経営者のみなさんはどう思われるか、教えてください。
 
== 回 答 ==
 
社員が数人でもいるのなら、経営の勉強になるのでできたら事業を継ぐべきだと思います。
いない場合でも、誰かを雇うことができたら良いですね。
 
== 解 説 ==
 
最近、事業承継に関連する質問をされることが多いのですが、こういう場合は経営の勉強や実体験になるので、なるべく継いでみることをお勧めしています。
 
もちろんこれから社会に出る新卒者であれば、一度はある程度大きさのある会社に就職してから…ということになりますが、せっかく経営の勉強になる場所があるのなら、絶対に「社長」という体験をされた方がいいと思います。
 
この場合の取り組み方ですが、ビジネス寄りに考えるのではなく、「人や組織をどう動かすか」という観点から経営にあたると良いと思います。
 
こういう考え方で経営するのであれば、不動産が好きとか嫌いとか、興味があるとかないとかいうことも、そんなに関係なくなりますよね(*^^)v
 
大手の企業に入って一生会社勤めをされると考えていないのであれば、いつかは独立して事業や会社を経営するわけですから、なるべく早くその体験や経験を積んだ方がいいわけですし、お父さんのされている不動産業で、新たなビジネスを立ち上げる資金を作れる可能性もあるわけです。
 
経営という観点から考えると、業種はそんなに関係ないと考えて、経営の勉強のために会社を継ぐ、そこからいろいろな業種をさらに立ち上げるというふうに考えたら良いと思います。
 
今回は、結論だけの回答になってしまいましたが、見方や考え方を変えて、経営という視点にシフトすれば、そんなに悩まなくてもいい感じの質問でもあるということです。なるべく早い機会に、経営者の仲間入りをしてください。楽しみに待っています(@^^)/~~~
  
 
いかがでしょうか? あなたはどうお考えになりますか(^^♪ 私の発行する週刊メールマガジン『社長、「小さい会社」のままじゃダメなんです!』(購読無料)では、毎週メルマガ読者のみなさんからの質問にこんな感じでお答えしています。 
 
これまでのQ&Aもバックナンバーにたくさんあるので、興味があれば覗いてみてください。もちろん、質問も随時受付中です(*^^)/~~~
 
また、オフィシャルマガジン『石原明の不定期情報通信』をご希望の方はコチラから読者登録ができますので、ぜひこの機会にご登録ください。様々な切り口から“経営脳”に刺激を与える内容を配信しています(*^^)v
 

2013年02月15日(金)更新

「スーツ仕立ての白衣」がオシャレな医師に大人気!?

最近わけあって(笑)、お医者さんとご縁が深くなったのですが、医師のトレードマークである「白衣」も、着々と進化を遂げているようです。
 
「カッコいい白衣がない」というオシャレな医師たちの声に応え、東京・渋谷にあるクラシコ株式会社は、白衣の受注生産を始めたのですが、昨年(2012年)11月に発売した「タブレットショートコート」は、約2万円という高額にもかかわらず、準備した100着はたった1週間程で売り切れたんだそうです(@_@。
 



 
上の画像は同社の定番商品である「クラシコテーラー」ですが、スーツのようなテーラーメード仕立てで、立体感のある細身のシルエット。その上、機能性もバッチリで、形状安定でシワになりにくく、抗菌加工も施されているのです。価値ある一着ですよね。
 
気になる価格は19,800円。これは、よくある普及品の白衣の6倍以上に当たる金額だそうですが、それでも最近は医局単位で購入する事例も増えているようです。「患者が医師を選ぶ時代」においては、スタイリッシュで清潔感あふれる白衣が、病院のイメージアップに役立のでしょう(*^^)v
 
それにいち早く気づいた同社の経営センスはかなりのものだと思いますが、最近は患者さんへの説明用に、米アップルの「iPad」など、自前のタブレットを持ち歩く若手医師が増えていることに着目して開発したのが、先の「タブレットショートコート」なんです。
 
初回ロットを1週間で完売したこのコートの左脇には、「iPad」ジャストサイズの専用ポケットがあり、さらにその内側には「iPad mini」を収納できるポケットが付いているのですが、タブレットを入れてもシルエットが崩れないのが大きな特徴だそうです。
 
白衣を単なる作業着と考えている限り、こういう発想はできませんよね。ユーザーのニーズに誠実に応えようとする同社の姿勢に、信頼を寄せる医師も増えてきていると聞きます。中には「自腹を切ってでもカッコイイ白衣が着たい!」というお医者さんもいるんじゃないでしょうか。
 
今や「かわいい制服」が、学校選びの重要なポイントになっているように、ユニフォームの質やセンスは、「選ばれる」ための絶対条件になりつつあります。
 
「ガンダムシリーズ」のプラモデル(ガンプラ)の国内唯一の製造拠点である、静岡のバンダイホビーセンタ―で働く従業員は、全員「地球連邦軍」を模した制服を着て、袖には社内の役職に応じて階級章が付けられていることは有名な話ですが、この制服のもたらした効果は絶大なものでした。
 
「ここで働きたい!」という優秀な人材から選ばれる企業になったのはもちろん、工場見学の人気ぶりからもわかるように、ユーザーから選ばれる企業としての地位を盤石なものにしています。たかが制服、されど制服なのです。
 
自社で制服や作業着を支給しているなら、この事例を参考に発想を切り替えてみてはいかがでしょうか? もしかしたら、制服や作業着のグレードアップが、将来のための有効な投資になるかもしれませんよ(@^^)/~~~


2013年02月01日(金)更新

日常業務と将来に備える時間のバランス

早いもので、今日から2月のスタートですね♪ 今年に入って、時代のスピードがますます速まっているのを感じます。そこで今回はこんな質問を取り上げ、あらためて時間の使い方について考えてみたいと思います。
 
3日は節分、そして4日の月曜日は立春です。日本人として、先達が道しるべとしてきたこうした節目に敬意を表しながら、毎日を大切に過ごしていきたいですね(*^_^*)
 
== 質 問 ==
 
日常の業務に追われてしまうと、自分にこれから必要となる能力、経験などを考える時間、余裕がなくなってしまいます。そういう時間をとるには、どうしたらいいでしょうか? 
また、どのくらいの時間が必要でしょうか?
 
== 回 答 ==
 
一日に一回、朝、始業の前とか夕方仕事が終わるときに、今の自分の仕事を振り返る時間をとることを習慣化するといいと思います。それを週の初めか終わりに一週間の振り返りを、月の初めか終わりに一ヶ月の振り返りをという感じで、単位ごとに作るとよいでしょう。
 
== 解 説 ==
 
時間を有効に使う場合のポイントは、止まって考える時間を定期的に取ることです。何もしない時間をあえて作ることで、かえって時間を有効に使えるということですね。
 
忙しいとその忙しさに追われて、ずっと仕事をしていた方が早く仕事をこなせると思ってしまいがちですが、その状態だからこそ、あえて止まって考えて・・・たとえば今の仕事をいっぺんに終わらせてしまう方法は無いか? とか、これってやるのは自分じゃなくても良いのでは? とか、そもそも必要なことなのか?・・・といったことを考えると効率的な時間の使い方ができるようになり、結果いろいろなことを考える余裕が生まれます。
 
ですから、一日の時間の使い方をもっと有効にしたい、そうすれば時間的にもっと余裕をもてるようになると考えたのなら、区切りとなる時に一度止まって今の時間の使い方を考えるようにするといいということです。
 
これは、週、月、年、でも同じで、毎週の時間を有効に使いたいと思ったら、週の初めか終わりに考える時間をとる、毎月の時間を有効に使いたかったら、月の始まりか終わりに考える時間をとる、毎年の時間を有効に使いたかったら、年の・・・・という感じで応用してみてください。
 
こういう解説をすると、みなさんのなかには月からいきなり年に行かないで、3ヶ月や6ヶ月単位で振り返る・・・なんて工夫する方も出てくると思いますが、そういった止まる時間を持つことで、結果としてすごく時間の使い方が上手になっていくと思います。
 
一日の終わりや週末、月末、年末などはそのためにあると考えてみてください。きっといろいろなことを考える時間を生み出せるようになると思います。今回の回答はちょっと短めですが、とっても有効な方法なので、すぐにでもとり入れてみてくださいね (*^^)v
 
 
いかがでしょうか? あなたはどうお考えになりますか(^^♪ 私の発行する週刊メールマガジン『社長、「小さい会社」のままじゃダメなんです!』(購読無料)では、毎週メルマガ読者のみなさんからの質問にこんな感じでお答えしています。 
 
これまでのQ&Aもバックナンバーにたくさんあるので、興味があれば覗いてみてください。もちろん、質問も随時受付中です(*^^)/~~~
 
また、オフィシャルマガジン『石原明の不定期情報通信』をご希望の方はコチラから読者登録ができますので、ぜひこの機会にご登録ください。様々な切り口から“経営脳”に刺激を与える内容を配信しています(*^^)v
 

2013年01月25日(金)更新

日本でブランドを確立した「ダイソン」の“説明力”に注目

家電業界の消費不況が叫ばれて長いですが、英ダイソン社のサイクロン掃除機は、1999年の日本進出以来、苦戦する日本のメーカーを尻目に、相変わらずの好調ぶりを続けているようです。
 
今や、「主婦が欲しいものランキング」に必ずや名を連ねるダイソンの掃除機。すっかり「ブランド」としてのその地位を確立した同社は、近年、羽のないスタイリッシュなデザインのファンヒーターや扇風機の分野でも売上げを伸ばしています。
 
 


 
当時2~3万円台が主流だった掃除機業界に、7~8万円台の主力商品を持って参入し、その後値崩れも起こさずに売れ続けている同社の実力は、さすがと言わざるを得ません。
 
もちろん、その勝因は、掃除機を透明にしてしまったインパクトを含めた高いデザイン力や「サイクロン方式」という当時他社になかった機能の持つ独自性もあるでしょう。しかし、視点をかえて同社の戦略を眺めてみると、そこからは自社商品をブランドとして市場に根付かせるための大いなるヒントが見えてくるのです。
 
ダイソンの掃除機が、一時のブームに終わらず、ブランドとしてしっかりマーケットを確立できた勝因とは、じつは地道な“説明力”にこそあると私はみています(*^^)v 企業のビジネスモデルを分析する際、とかくデザイン分野のような華やかさに目を奪われがちですが、派手な戦略だけでブランドを築けることはまずありません。
 
同社もそれを重々わかっているじつに賢い会社で、ダイソン社では、販売員(契約社員)を独自に養成しているのだそうです。販売員には、自社商品だけでなく他社の製品知識までをも徹底して教え込み、場合によっては売り場で他社製品をすすめることもあると言います。そうした姿勢が評価され、少しずつ消費者の信頼を得ていったのでしょう。
 
また、正社員約50人が対応するコールセンターでは、「なぜ紙パックを使わずに済むのか?」といった質問にも丁寧に答え、その情報を全社で共有しているそうです。つまり同社の成功は、地道な“説明力”により勝ち取ったものなのです。
 
私も仕事柄、たくさんの企業のホームページやブログ、メールマガジンなどを読みますが、得てして「自分たちが言いたいこと」ばかりを伝えている企業が多いものです。ただでさえ情報過多になっている今の時代に、そうした情報を喜んで読んでくれるお客さんはいません。
 
お客さんが知りたいのは「他社商品とどう違うのか」とか、「この商品を使うとどんなイイコトが待っているのか」という具体的かつ客観的な見解であり、ともすると溺れそうな情報の海から、真の情報を見つけ出すための「指南役」が求められる時代になっているのです。
 
自社の販売戦略や情報発信に、そうした姿勢はあるでしょうか? この事例を参考に、自社の姿勢を、今一度見つめ直してみてはいかがでしょうか(@^^)/~~~


2013年01月18日(金)更新

事業規模縮小・再出発への準備の仕方を考える

早いもので、1月も半ばを過ぎました。今週は雪の影響を受けた方も多かったのではないでしょうか(*^_^*) そんな中、かなりシビアな質問が届きましたので、今回は「事業規模縮小・再出発への準備」について、私なりの視点でお答えしています。よかったら、参考にしてください。
 
== 質 問 ==
 
今までやってきたビジネスモデルが、マーケットの縮小で将来的に期待できないため、事業規模を一旦縮小し、最終的には整理して再出発しようとする場合に、その準備の仕方や注意事項があったら教えてください。
 
== 回 答 ==
 
こういう場合に取る戦略は、いくつかありますが、整理して再出発すると決めたなら取るべき戦略は“積極的な消極策”・・・ですね。ただ、もう一回マーケットについて考えてみるのも良いかもしれませんよ。
 
== 解 説 ==
 
今のビジネスモデルが将来的に期待できない(=発展しない)と感じたときに取る戦略は、いくつかに分かれると思います。
 
一つは、今回の質問者のように、状況に合わせて縮小、整理、再出発していく戦略です。
こういう選択をした場合に取るべき戦略は“積極的な消極策”だと思います。
 
縮小するという計画を積極的にするのって意外に難しいので、こういう場合には、かなり意識しないとできないと思います。理由は、お金を使わないようにするというとホントにへこんでしまいますが、積極的にお金を使わないようにする・・・と言い直すと、ちゃんとした目標になり楽しくなりますよね。なので、こういう感じで意識してみてください。
 
そして、もう一つはそのまったく逆で、縮小していく業界の中で、最後のマーケットを取りに行くという戦略です。
 
縮小するマーケットには、例えば新規参入する会社は皆無、業界全部が縮小に向かっている、新規の投資は極端に少ない、跡継ぎはほぼいない、いるとしてもかなり能力が問題、経営の進め方が前近代的、インフラが余っている(タダでもらえる可能性もある)、人材の確保が超簡単……などの特有の特徴があります。
 
その中で、最大のおもしろさは、なんと言ってもライバルがいないということなので、実は、かなり“おいしいマーケット”と見ることもできます。
 
それに、今後マーケットに伸びがなくても、撤退する会社が多くなれば残っている御社にとっては、マーケットが拡大していることになりますよね。ということで、こんな戦略を取るのもまた一つの方法です。 
 
 
いかがでしょうか? あなたはどうお考えになりますか(^^♪ 私の発行する週刊メールマガジン『社長、「小さい会社」のままじゃダメなんです!』(購読無料)では、毎週メルマガ読者のみなさんからの質問にこんな感じでお答えしています。 
 
これまでのQ&Aもバックナンバーにたくさんあるので、興味があれば覗いてみてください。もちろん、質問も随時受付中です(*^^)/~~~
 
また、オフィシャルマガジン『石原明の不定期情報通信』をご希望の方はコチラから読者登録ができますので、ぜひこの機会にご登録ください。様々な切り口から“経営脳”に刺激を与える内容を配信しています(*^^)v
 

2013年01月11日(金)更新

1粒で何度もおいしい仕掛け!? マクドナルドの『ENJOY!60秒サービス』

みなさん、2013年の滑り出しは快調でしょうか? 今年も“経営脳”を刺激する良質な情報を発信していきたいと考えておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 
さて、新春早々目についたのが、1月4日から(31日まで)、マクドナルドが始めた『ENJOY!60秒サービス』です。
 
なんと、全メニューを60秒以内に提供するキャンペーンだそうで、カウンターのレジ横に60秒の砂時計を置き、支払いを終えてから商品受け渡しまでの時間が1分を超えると、ビッグマックなどのバーガー無料券がもらえるのだとか(@_@。
 



  
キャンペーンは、午前11時から午後2時までのランチタイムに実施するそうですが、さすがに良くできた施策ですよね(*^^)v
 
同じ無料券を配るにしても、ゲーム性を持たせたことで、お客さんには「自ら勝ち取った感」が残りますから、何倍もうれしいはずです。もしかしたら、その場でtwitterでつぶやいたり、Facebookなどに書き込んでくれるかもしれません。
 
さらにこれが、絶好のスタッフ教育にもなっている点は見逃せません。完璧に「チーム力の向上」を狙っているのです。同社の原田会長兼社長も「スタッフ1人が対応できる客数が1割増えるだけで、驚くほど利益率が上がり、機会損失も減る」と、キッパリと言い切っています。
 
その上、このキャンペーンが終了しても、顧客には「マックなら1分で買える」という印象が残るでしょう。もしかしたら、これまでも1分以内に商品を受け取れていたのかもしれませんが、砂時計を使ってきちんと「見える化」したことで、顧客の頭の中に数値としてインプットされるのです。
 
年が明け、時代のスピードがますます速くなっているのを肌で感じますが、そんな中で「ランチの時間を短縮できる」と顧客の脳みそにすり込む意味は大きいと思います。「急ぐならマックで!」って感じになりますよね(^_-)-☆
 
これからの時代、ただ一つのことを愚直にやっているだけでは、なかなか厳しいと思います。同じやるなら“1粒で何度もおいしい”発想が必要なのです。
 
その上、ゲーム感覚で“楽しくやる”ことも重要です。スタッフを指示や命令で動かす時代はとうに終わっています。
 
この事例を参考に、春に向かって自社を活性化させる企画を、あれこれ楽しみながら考えてみてはいかがでしょうか(@^^)/~~~


2012年12月28日(金)更新

リクナビやマイナビを使わなくても、新卒は採用できる!?

早いもので、今年最後のブログとなりました(*^_^*) みなさんにとって、今年はどんな一年だったでしょうか? どんな年も、経営者の頭を悩ませるのは「人」の問題です。そこで今回は、新卒採用に関する質問を取り上げ、私なりの視点でお答えしてみました。よかったら、参考にしてください。
 
== 質 問 ==
 
新卒採用をするには(できれば優秀な人材)、リクナビ、マイナビなどを利用しなくては採用できないのでしょうか? リクナビ、マイナビなどのなかった時代は、どうやって新卒採用していたのでしょうね。よきアドバイスをお願いします。
 
== 回 答 ==
 
リクナビやマイナビを利用しなくても、優秀な人材を採用することはできると思います。ただその場合は、リクナビやマイナビにお金をかける以外の、何か別の投資が必要になってきます。どちらが良いかは、御社の状況によりますね。 
 
== 解 説 ==
 
企業経営において全ての判断の基準は、「費用対効果」ということになります。新卒や中途など人材の採用も、基準はこれと同じで投資と効果のバランスで、どちらが効果があるかと考えて、手段の選択をすべきです。
 
ご質問のように、リクナビやマイナビを利用しなくても、何らかの他の方法で優秀な人材は採用できると思いますし、実はそうやっている会社さんも結構あるのではないかと思いますが、そういった会社は、別の何かに時間やお金、行動という投資をした結果、採用を成功させていると思います。
 
その別の何かへの投資と、リクナビやマイナビへの投資・・・どちらが費用対効果が良いかという比較をした結果、こちらの方が良いと判断し、独自の方法を選んでいるのだと思います。
 
例えば、何か学生向けにコンテストを主催してその応募者の中から優秀な人材にアプローチする。ある程度長期に渡って学生イベントのスポンサーになり、関係する学生とのパイプを太くしていって、そこから採用へつなげていく。
 
あるいはもっとコアに、自分の出身大学のクラブやサークルのOB会の会長やスポンサーになり、学生を支援したり、アルバイトに雇って自社に興味を持ってもらう(実際にこれを進めてかなりの学生を集めている会社を私は知っています)。
 
社長自身が本を書いたり、講演やセミナー等を行ってブランド化すれば、ほおっておいても御社に興味を持った学生から問い合わせが、採用サイトに寄せられると思います。
 
・・・etc・・・と、いろいろなアイディアは出てくると思いますが、先ほども書いたように、こういう活動にも結構な労力や費用が要りますよね。ですので、ある程度長期に採用を考えている会社であれば、費用等を考えて、こういった別の方法を考えてみるのも良いと思います(^_-)-☆
  
 
いかがでしょうか? あなたはどうお考えになりますか(^^♪ 私の発行する週刊メールマガジン『社長、「小さい会社」のままじゃダメなんです!』(購読無料)では、毎週メルマガ読者のみなさんからの質問にこんな感じでお答えしています。 
 
これまでのQ&Aもバックナンバーにたくさんあるので、興味があれば覗いてみてください。もちろん、質問も随時受付中です(*^^)/~~~
 
また、オフィシャルマガジン『石原明の不定期情報通信』をご希望の方はコチラから読者登録ができますので、ぜひこの機会にご登録ください。様々な切り口から“経営脳”に刺激を与える内容を配信しています(*^^)v
 

2012年12月21日(金)更新

叱る指導はもう限界!?  賢い会社は「褒めて育てる」社風をつくる

その昔から「人は褒めて育てよ」と言われていますが、厳しいビジネスの現場ではなかなかそうもいかず、わかっちゃいても、ついつい叱りたくなる場面も少なくないですよね(笑)。
 
そんな中、社内に「褒め合うしくみ」を、とても上手につくっている企業が目立ち始めてきました。飲食店等のお試し予約サイトを運営する株式会社シンクスマイルには、『CIMOS(シーモス)』の存在を知って、入社してくる若者もいるみたいですよ。
 


 
『CIMOS(シーモス)』とは、同社が開発した“褒め合いゲーム”のようなもの。一般社員は月に20枚、経営陣は40枚のバッジを持っていて、感謝の気持ちを伝える「サンクスバッジ」、笑顔が素敵な人に贈る「スマイルバッジ」、動きがいい人に贈る「ナイスアクションバッジ」などを、毎日互いに贈り合うのです。
 
さらに、Facebookとも連動しているので、取引先からバッジが贈られることもあり、社員約70名は、顔出しでサイトに登場し、どのバッチを何枚送られたかが、レーダーチャートで表示されています。
 
つまり、この“褒め合いゲーム”が、社内外を含めた公平な評価制度の役割も果たしているわけですが、ここまでオープンになっているのは、なんとも今っぽいですよね(*^^)v
しかし、一見ただのゲームにも見えるこの制度、じつはとてもよく考えられていて、同社独自の『10の行動指針(バリュー)』をバッジで表現したものなのです。
 
10の行動指針とは「1.顧客に驚きと衝撃を」「2.先に与える 常に与える」といったものですが、とかく絵に描いた餅になりがちな経営理念や行動指針などにも、ほんのちょっと遊び心を加えてやれば、ゲーム感覚で社内外に普及させていけることがよくわかります。
 
さらに、社員自身も自分のレーダーチャートを冷静に見ることで、自分の強みを実感したり、逆に足りない部分に気づくこともできるでしょう。
 
また、福利厚生代行の株式会社ベネフィット・ワンでも『ホメテ委員会』を開設。相手の名前とメールアドレスを入力し、「段取りがいい」などの24項目の中から褒めたいポイントを選択して、褒め言葉とともに匿名で相手に送れるしくみをつくりました。
 
同社はこのしくみをオープンにし、会員登録すれば誰でも利用可能にしていますが、社員同士の褒め合いに特化すべく、同じドメインのアドレスにだけ送れるようになっていて、お互いに褒め合うと、初めて相手の名前がわかるしくみになっているみたいです。
 
こうした“褒め合いゲーム”を、社員だけでなくパートも含めた約14万人という大規模な組織で活用しているのが、あのヤマト運輸です。「仕事は見て覚えろと、叱って育てる指導法に限界を感じた」として、会社や同僚への愛情を育てるべく『満足ポイント制度』を立ち上げたのです。
 
社内のイントラネットを利用し、同僚を褒めるコメントを投稿すると、褒められた相手に10ポイント、褒めた自分に3ポイントが入るしくみになっていて、累計200ポイントで銅、500で銀、1,000で金、2,000でダイヤバッジが授与され、すでに9万人を超えるダイヤバッジホルダーが誕生しているのだとか。
 
どうやら、賢い会社はすでに、昇給や昇進に代わる『承認(相手の存在価値を認める)制度』を上手に機能させているようですね(^_-)-☆
 
こうした制度は、多少の手間こそかかりますが、導入に当たりたいしたお金もかからないので、一度試してみる価値があると思います。これらの事例を参考に、自社にも“褒め合う”社風があるか・・・今一度見直してみてはいかがでしょうか(@^^)/~~~


2012年12月14日(金)更新

メディアを活用したブランド化や集客のポイント

早いもので、今年もあと半月ちょっとで終わろうとしています(*^_^*)  経営者のみなさんは、来年への展望を固めているところだと思いますが、来年も飛躍の年とするべく、今回はこんな質問を取り上げてみました。よかったら、参考にしてください。
 
== 質 問 ==
 
テレビ・ラジオ・雑誌などメディア露出を活用して、ブランド化や集客につなげていくポイントとなることを教えてください。よろしくお願いします。 
 
== 回 答 ==
 
メディアの特性を利用して、地方の小さな媒体から仕掛け、だんだんメジャーな媒体へと展開していくのが良いと思います。また自社で発行する紙媒体やネット媒体があれば、それをフォローしていくとより効果的だと思います。
 
== 解 説 ==
 
メディアの特性を考えると、いきなり全国ネットのTV局など、メジャー媒体にアプローチするより、地元の新聞やラジオなど、マイナーな媒体でリリースして、少しずつ露出を拡大させた方が広がりは大きいと思います。
 
メディアの特性というのは、トーナメント制の試合みたいに、地方からのニュースが反響によって評価され、だんだんメジャーな媒体で取り上げられるようになり、最後は全国紙の紙面を飾ったり、全国ネットのTVで取り上げられるようになるという流れのことです。
 
この流れに沿ってメディア戦略を進めていった方が、全体としての露出時間が長くなるので、方法としてはおススメです(*^^)v
 
また、2つ目の特性は、メディアに取り上げられるのは宣伝ではなく、ニュース性のあるコンテンツだということです。
 
こちらはプレスリリースのような形で商品やサービスまたは企業の紹介をしたいと思うわけですが、メディア側からすると、それが一般大衆にとって有益であるか? 話題性があるか? 視聴率などが上がるか? などが問題になるということです。
 
3つ目の特性は、一度露出した内容はニ度三度と取り上げることは滅多に無い・・・というか、一度露出した内容は(メジャー媒体の場合は特にですが)二度と扱わないので、露出に失敗した場合にはチャンスは二度と訪れないということです。
 
以上を踏まえると、企業側ではどんな内容でメディアの関心を集めるかという戦略がとても大切になってくると思います。
 
なので、できればメディアに詳しい人も交えて、この内容で勝てるのか、どのタイミングで露出をすれば長い時間取り上げてもらえるのか・・・なども含めたプラン設計を真剣に立てることが必要だと思います。
 
また、露出後の反響も重要なので(一回の露出ではなかなか大きな波は起こせないと思いますので)、メディアに露出したことを、自社で発行する紙媒体や自社サイトなどでタイミングよく再告知することも重要です。
 
メディア戦略を練る場合は、その辺のことも考えて進めるといいと思います。ぜひ、計画的にチャレンジしてみてください(@^^)/~~~
 
 
いかがでしょうか? あなたはどうお考えになりますか(^^♪ 私の発行する週刊メールマガジン『社長、「小さい会社」のままじゃダメなんです!』(購読無料)では、毎週メルマガ読者のみなさんからの質問にこんな感じでお答えしています。 
 
これまでのQ&Aもバックナンバーにたくさんあるので、興味があれば覗いてみてください。もちろん、質問も随時受付中です(*^^)/~~~
 
また、オフィシャルマガジン『石原明の不定期情報通信』をご希望の方はコチラから読者登録ができますので、ぜひこの機会にご登録ください。様々な切り口から“経営脳”に刺激を与える内容を配信しています(*^^)v
 

«前へ 次へ»

ボードメンバープロフィール

board_member

石原 明(いしはら あきら)氏

僖績経営理舎株式会社代表取締役
AZ Collabo株式会社

ヤマハ発動機株式会社を経て、外資系教育会社代理店に入社。約6万人のセールスパーソンの中で、トップクラスの実績を収める。「セールス・マネージャー世界大賞」を受賞後、日本経営教育研究所を設立し、経営コンサルタントとして独立。中小企業から大企業まで、業種や企業の規模を問わず幅広いコンサルティング活動を行っている。毎年の講演回数は100回以上。ビジネスの発想力やマーケティング力を開発・育成する「新経営戦略塾」には1000人が登録し学び、全国延べ4500社が参加。
2万人の読者を抱えるメールマガジン『石原明の「新経営戦略塾」』や、独自の視点で経営を綴るブログ『石原明の経営のヒント』も執筆中。大人気Podcast番組『石原明の経営のヒント+(プラス)』は累計ダウンロード数6000万回を超えている。著書に、累計30万部を超え『営業マンは断ることを覚えなさい』(三笠書房)、『「成功曲線」を描こう。』(大和書房)、『トップ3%の会社だけが知っている儲かるしくみ』(KADOKAWA)などがある。

バックナンバー

<<  2024年11月  >>
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30