石原明の「知的経営の切り口」 | 経営者会報 (社長ブログ)
企業を発展させるための経営のヒントについて、独自の切り口で紹介します。
2013年05月17日(金)更新
「いつ買うか? 今でしょ!」・・・神出鬼没の「ハッピークレープ」が好調
その名も『ハッピークレープ』。100円(税別)という買いやすい値段で、JR東日本や私鉄の駅構内に、1~2週間ごとに売り場を変えながら展開しているのですが、運営会社は、福岡で化粧品販売業を営む「Boo cosmetics Japan(ブー コスメティックス ジャパン)」という会社。本業の業績が伸び悩む中、「副業として思いついた」のだそうです(*^_^*)
地元福岡以外には常設店を持たず、「エキナカ」の催事スペースへ出店しているわけですが、常に3~5店舗がどこかでオープンしているみたいです。その場所はホームページやブログ、twitterなどで告知されるので、お客さんとしても「出会ったら、今買わなきゃ!」と思うわけですね。
また、接客にも独自の工夫をしているようで、劇団員や芝居経験のある人を多く採用しているんです。通常2人配置する販売員のうち、どちらか一人が劇団経験者になるようローテーションを組んでいて、劇団仕込みのよく通る声でお客さんを呼び込んだり、積極的に話しかけたりするみたいです(*^_^*)
とくに「クレープを買おう」と思っていない人でも、通りがかりに話しかけられて、ついつい買ってしまった…なんてことも多いんじゃないでしょうか? 今や「何を買うか」より「誰から買うか」が重要な時代になっているとも言えます。お客さんはみな、買い物を通して“楽しい体験”がしたいのです。
この事業スタイルは、福岡時代の経験に基づくもので、常設店と催事からスタートした同社が、移動販売スタイル」を始めたのが2012年6月。1日あたりの売上高は、催事や移動販売が常設店の4倍近くになることもあり、その中でも劇団員の活躍が目覚ましかったのだそうです。
こうした「事実」に裏打ちされたビジネスは強いですよね。「いつもある」より「今しかない」に弱い・・・経営者に人間心理を読み解く力さえあれば、売るものを変えても成功するという、よい事例ではないでしょうか(@^^)/~~~
2013年05月10日(金)更新
今の時代に「自分の信念」を貫くには…
リフレッシュした分、さらにパワフルに動いていきたいところですが、今回はちょっとおもしろい質問が届いたので、それにお答えしてみました。よかったら、参考にしてください。
== 質 問 ==
現代の社会では、人の幸せを考える余裕を与えず、奪い合いや競争を促進するような様々な仕組みや雰囲気がありますが、そうしたなかで自分の信念を貫くにはどうしたらいいでしょうか?
== 回 答 ==
経済社会ならお金に対する執着を無くすと言うように、一般的に人が執着するモノから離れるか捨てると、信念を貫くことができるようになると思います。
== 解 説 ==
今回の質問はちょっと難しい質問ですが、先日ある方にお会いしてとってもいい話をお聞きして、その内容が今回の回答にぴったりだったので、彼の話も紹介しながら回答することにしました。
お会いしたのは、最近TVや雑誌で大活躍され注目されている、心理カウンセラーの心屋仁之助さんなのですが、ご自身もまさに“執着を離れ信念を貫いた生き方”をされていました。
「どうしてそんな信念を持って仕事をされているのですか?」と質問すると、「いろんな執着をなくしたから」と笑いながら話されていました。
執着とは、自分だけ得したいとか、人からこう思われたいとか、有名になりたいとか、お金を儲けたい、損したくない・・・とかですが、現代社会の枠組みの中で、世の中や人から評価されることなどに伴う欲求みたいなモノを、感情的にどうしても得たいという状態になっていると「執着」になるようです。
これ、たとえばお金に執着しているとそのお金への執着から信念を持てなくなる、名誉に執着するとその執着から信念が持てなくなるという感じで、信念とぶつかるわけですね。
・・・それで、結果、信念が負けてしまったりするわけです(ーー;)
執着をとるとは、わかりやすく言うと、世の中の評価の枠組みから外れてみること、人が欲しいと思うモノを手放してみることなのですが、「言うは易し」でなかなかできないことでもありますね(ーー;)
心屋さんはこの辺の心のロジックを“どうせ損するに決まってる”と思うのではなく“どうせ上手くいくのだから今は損しても良い・・・・”と考えましょうと、とっても面白く絶妙な解説で、執着をとる仕組みを教えてくれていますので、興味のある方はぜひ彼の本やサイトを参考にしてみてください。
(※思い方を二転三転させながら、気づかせてしまう手法は“まさに神業”なので興味のある方はぜひ、勉強してみてください)
また、執着を無くせば無くすほど、モノゴトは本当に上手くいくということをご自身の人生を通しても強く体験されているそうです。
実は私も、かなり前になりますが、一般的な世間の評価や金銭的・物質的な執着から自分を解放して自由になる感覚を掴んでいます。以来、とっても楽で、したいことができて、信念というほど強いものではありませんが、自分の主義は曲げなくても良い感じの人生を送っています。
世間や一般的な評価の基準から離れてみる・・・興味があったらぜひ試してみてください(*^_^*)
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2013年04月26日(金)更新
メイドインジャパンのスウェットに海外から熱い視線が!?
いつのまにか、新緑が美しい季節になりました。陽気がよくなると、無性にからだを動かしたくなるものですが、このところ、メイドインジャパンの高級スウェット「ループウィラー」が、海外からの熱い視線を集めているのをご存じでしょうか?
仕掛人は、もともと大手アパレルの下請け業だった「ミスズ」の鈴木諭社長。取引のあった和歌山県の工場に「つり編み機」が世界で唯一現存することに着目し、「いいチームを組めば世界No.1の製品ができる」と1999年より同じく下請け3社に声をかけて“世界一のスウェット”の生産に乗り出したのです。
ご存じのように、アパレル業界を取り巻く環境には厳しいものがあり、中国などへの生産シフトが進むなか、転廃業する協力会社も少なくありません。そんな悲しい状況を見るにつけ、「国内繊維産業の火を消してはならない」と勇気をもって立ち上がったわけです(^o^)/
もともと日本のメーカーには技術がありますから、高い志のもとにその技術力を結集すれば、従来の製品とは一線を画したものができ上がるはず。そんな努力の甲斐あって、2008年にはナイキとのコラボ商品も誕生しています。なんでも、ナイキ米本社のデザイナーが、ものづくりの姿勢に共感してのことだそうですよ。
ところで、先の「つり編み機」1台が1時間に生産できるのはわずか1m。高速のシンカー編み機だと1時間に24m以上生産できるそうですから、生産効率だけみれば“非効率極まりない”わけですが、円錐の糸のかたまりから負荷をかけずに給糸し、ゆっくりと空気を取り込んで編み上げたスウェット生地は、何度洗ってもふんわりした肌触りを保てるんだそうです。
今年(2013年)ブランド設立80周年を迎えるラコステは、そのスウェット素材を使ったドレスの記念発売を決めました。仏ラコステ本社が定めるコラボのハードルをクリアした日本のメーカーは、過去にコムデギャルソンしかないと聞くと、ちょっと感動的ですよね(*^_^*)
東京・千駄ヶ谷にある「ループウィラー直営店」で、外国人旅行客の姿を見かけることは珍しくないようですし、そればかりかこの製品に魅了され、同社で働き始めた外国人もいると聞きます。
低価格商品が増えるなか、ジッパー付パーカが15,750円~という価格帯ですから、製品の良さを「どう伝えるか」がキーになってくるはずですが、海外での評価が高まれば、それに刺激されて国内消費も増える可能性があります。
いずれにしても、日本の技術力を守るモデルとして、同社の姿勢は高く評価すべきだと思います。よかったら参考にしてください(@^^)/~~~
2013年04月19日(金)更新
メディアに踊らされない経営者の判断力
== 質 問 ==
世の中を賑わせている消費税の増税について、先生はどう思われていますか?
== 回 答 ==
消費税の件もそうですが、世の中やメディアの情報はかなり偏っているので、物事を考えたり判断する場合は、必ずその背景を知ってから・・・という習慣を持った方がいいと思います。
== 解 説 ==
消費税増税については、今かなりホットな話題ですよね。不動産や住宅関連など、業界によっては駆け込み需要の動きが相当あるので、関心は今後もっと高まると思います。
こういう話題やメディアで気になった情報について考えるときには、まず何をすべきかというと、その話題を取り巻く背景等も含めてしっかり情報を集めてから考えることだと思っています。
たとえば、消費税ってそもそもどんな税制か? 狙いは何か? いつどこで出来たのか? 成功例は?・・・などを一人の偏った意見ではなく、できれば専門家も含めて複数意見をニュートラルに聞いてみる、探してみる、あたってみる、という姿勢が重要だと思います。
これが、あなたが経営者であればなおさらで、経営判断を伴う項目で「○○について考える」時に、簡単に知人の考えを聞いて決めるというのでは、かなり問題だということです(ーー;)
また、ネットやメディアの情報をそのまま受け取るのも結構危険です。メディアはある項目について取り上げるときに「この案件をどう取り上げたら視聴率が上がるか? 雑誌の購買が伸びるか? そうなるように大衆を煽れるか?」・・・などを意識的・無意識的に考えてしまうという性質を常に持っています。
・・・大物タレントなどが離婚するときに、しょうがない状況と擁護するか? これはひどい、人間じゃないと中傷するかは、大衆がどっちを望んでいるかなどで微妙に変わってしまうということです(ーー;)
理由は、メディアは公的なものであると同時に、広告宣伝をたくさん取って収益を上げないと成り立たないという立場でもあるからです。
消費税の話に戻ると、消費税の発祥はフランスで、フランスといえば、凱旋門、ルーブル美術館・・・などというように、世界一の観光大国で、フランスの人口6,544万人に対して年間7,680万人(2010年時データより)とすごい数の観光客が訪れるのです。
国民から税金を取るよりも、この世界中から集まる観光客に税金を払わせようと考えたのが最初のようです。(・・・・頭いいですよね~フランス人、恐るべしです(*^_^*))
なので、大衆向けのスーパーなどでは、食品に消費税がかからないなど調整しているようです。
日本も今後は観光に向かっていかざるを得ない状況なので、もし国が政策としてこういう方向に向かうのであればとってもいいと思いますが、消費税ひとつとっても、そもそもこういう情報がメディアにぜんぜん載っていない、TVでも話さないで、「消費税、消費税」って叫んでいる現状をよく見るべきですよね。
「何かについて考える時には、背景をよく理解する」ぜひ、こうした習慣を持つようにしてみてください(@^^)/~~~
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2013年04月12日(金)更新
商品は「大きく」すると人が集まり、「小さく」すると話題が集まる
正解は! スマホやタブレット画面の“お掃除ロボット”。先月(2013年3月27日)タカラトミーから発売された商品で、電源を入れるとタブレットなどの液晶画面上を自動で動きながら、内蔵された不織布(取り替え可能)が指紋などの汚れを拭き取ってくれるという、直径7cmの小型ロボットなんです。
気になる価格は1,575円。単三電池1本を入れると連続で約3時間使用でき、スマホなら約4分、タブレット端末なら約8分かけて自動でお掃除してくれるんです。説明では「スマホなどから落下しないよう、画面の端まで移動すると自動的に方向転換できる機能付き」となっていますが、うちのスタッフが使ってみたら、たまにコテンと落下したりもするそうで、そこがまたカワイイなんて言ってました(笑)。
多くの方がもうお気づきでしょうが、これって人気の「ルンバ」など、自動床掃除用ロボットの小型版ですよね(*^_^*) じつは「サイズを変える」は、人気商品をつくる上でのテッパン手法なのですが、大きくするか、小さくするか・・・それを思い切ったスケールで実現するのがポイントです。
大きくした例でわかりやすいのが、お台場のガンダム。まぁ実際には「原寸大」なわけですが、日頃「ガンプラ」を見慣れていると、18メートルは衝撃の大きさで、ガンダムファンならずとも、そばに行くとそのカッコよさにすっかり魅了されてしまいます。こんなふうに「大きくする」と、人を集める効果はバツグンなわけですね(*^^)v
反対にこのお掃除ロボットのように、「小さく」すると、とたんにカワイイ!商品になります。今や「カワイイ」は世界中で通じる日本語ですが、とくに若い女性の場合「カワイイ」ものを見つけたら友達に教えずにはいられませんから、「小さくする⇒かわいくなる⇒みんなが話題にする⇒ヒットする!」という好循環が生まれやすくなるのです。
ものづくりにおいて、「小型化」は日本がもっとも得意とする分野ですが、ここにデフォルメの手法なども駆使してかわいさが加われば、もはや海外マーケットにおいても“向かうところ敵なし”ではないでしょうか?
以前私のブログでも「分ける」という発想について触れたことがありますが、これから1週間、「大きくする」「小さくする」をテーマに、できるだけたくさんのアイデアを出してみてはいかがでしょうか? 楽しく訓練を続けることで、“アイデアを出す力”が、どんどん磨かれていくはずです(@^^)/~~~
2013年04月05日(金)更新
ある社員の悩み…「社長が一担当となって動き回っていることに不安を感じます」
あなたなら、この質問にどうお答えになるでしょうか? ・・・ぜひ一緒に考えてみてください(*^^)v
== 質 問 ==
以前石原先生がお話されていた「事業責任者と経営者を分ける」ということに関連するのですが、弊社はまだまだ社長の経験と人脈に依るところが大きいため、社長が一担当となって動き回り、引き継ぐ者がほとんど育っていないことが先の不安となっています。
一人一人が抱える仕事量から、厳しいと思いますが、将来に向けた取り組みも必要かと・・・何か案はございますか?
== 回 答 ==
これ以上の新規の顧客をとらないで・・・あるいは減らして、教育や採用に注力し、引き継ぎの方法を考えるべきです。それが不可能だと判断したら最小単位で経営する形に会社をシフトするか、別の仕事を選択するのが良いと思います。
== 解 説 ==
経営者としては、現状売り上げが上がっているのでなかなか将来の経営状況に思考が回らないのだと思いますが、経営的に考えて今の状況はかなり危険な状態だと早く理解することが必要です。
理由は、目先の顧客に目を奪われてしまって、将来に対してまったく対処出来ていないからです。こんな状況にも関わらず「そこそこ売上げが上がっているので我が社は結構安泰だ!」などと、もし経営者の方が考えているとしたら、非常に危険だと思います。
この状況で何をしないといけないかというと、新規の仕事をとらないで、人を採用、教育し、今の仕事を組織化していくことが可能なのかということを早く検証することです。状況によっては、売り上げを落としてでも、教育等に時間を割かないといけない場合もあると思います。
中小企業の場合、経営者が仕事が出来てもその仕事を部下に引き継ごうと思った時にスキルや人材レベルの問題で難しいということはよく起こります。引き継ぎ可能な人材レベルを考えると給与とのバランスで難しいなどという問題がでてきてしまうからです。
また、仕事そのものがとても属人的な場合には、そもそも組織化は不可能という場合もあるのです。で、あるなら社長の仕事レベルを求めないで、普通の人でも出来るレベルに仕事の質を落として値段を下げた場合に顧客が納得するかなども、考えないといけないわけです。
もっというと、引き継ぎが不可能と分かった時には、会社を大きくしないで経営するか、組織化が可能な別の仕事を創造するということも必要になってくるからです。
企業経営で大切なのは、現状よりも将来のあるべき姿です。目先の利益に動かされないで、早く将来のための一歩を踏み出すようにしてください。
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2013年03月29日(金)更新
「富士フィルム」が法人向け写真のデジタル化事業へ
経営者としては新年度の展望が気になるところですが、時代のスピードがますます加速しているこの時代、どんな業界でも、できるだけ本業が元気なうちに、次なる事業展開を考えておく必要があるでしょう。
そんな中、大手の「富士フィルム」がついに、写真のデジタル化事業に乗り出しました。近年、写真のDPE市場が縮小に向かっていることは、みなさんもお感じになっているとおりです。
考えてみれば、最近写真を現像に出した記憶があるでしょうか? デジカメどころか、携帯やスマホがカメラに取って代わった世の中では、「写真を紙焼きして見る」という行為自体が消滅しつつあると言っても過言ではありません。
現に2000年には約6,000億円規模だったDPE市場は、12年には約1,200億円まで縮小しているようですが、プロカメラマンや写真を趣味とする人は別として、今後この流れに歯止めがかかることはないでしょう。あなたがもしこの業界にいたら、次の収益の柱として、どんな手を打つでしょうか?
昨年(2012年)11月には、プラザクリエイトが「おもいで玉手箱」というネーミングで、アルバムのデジタル化事業に本格参入しました。宅配便でアルバムやネガフィルムを送ると写真をそっくりデータ化してくれる、というサービスです。
この分野では先行しているカメラのキタムラは、アナログ写真のデータ化だけで月に1万件の受注があるそうですが、同社が運営する画像をクラウド上で保管できる「マイフォトボックス」の利用者は、約11万人もいるようです(@_@。
たしかに、先の東日本大震災のときも、家族のアルバムは命に次ぐ財産であるといったエピソードがたくさん報道されましたから、危機管理の上からも、「アナログ資産のデジタル化」は、今後ますます大事な事業になっていくと思います。
そうした背景があって、富士フィルムもついにデジタル化事業に乗り出したわけですが、個人向けサービスとは別に、法人をターゲットにして、「専用BOXに写真やフィルムを詰められるだけ詰めて宅配便で送る」という方式で、1箱あたり、94,500円という均一料金制を採用したところは、ちょっとおもしろいですよね(*^^)v
どこの会社にも、過去の写真はたくさんたまっていて、それなりにスペースを取っていると思いますが、写真のデータ整理といった緊急性のない仕事は、ついつい後回しになってしまうものです。そこに「手間いらずの法人向けデジタルデータ変換サービス」が紹介されれば、年末や年度末などには、それなりの需要を見込めるかもしれません。
この事業の行く末はともかく、この話は決して他人事ではありません。DPE市場の事例を参考に、自社の新規事業展開についても、明るく知恵を絞ってみてください(@^^)/~~~
2013年03月22日(金)更新
どうすれば「柔らかい性格」になれるのか
== 質 問 ==
先生はよくPodcastで「柔らかい性格」ということを言われますが、どうすればそのような性格になれるでしょうか?
== 回 答 ==
地位が上がったり、会社が大きくなったり、仕事で成果が出れば出るほど丁寧に人に接したり、言葉遣いに気をつけたり、まわりにやさしくなることを自分に義務づけると「柔らかい性格」なりますよ(*^_^*)
== 解 説 ==
おもしろい質問だったので思わずお答えしたのですが、私がいろいろな方とお会いして、ほとんどの方に言われるというか、一番に言われることが「もっと怖そうな人をイメージしていましたが、全然違いますね~」とか「親しみやすくてビックリしました・・・」という感想です。
この感想の裏には、有名な人や社長さんあるいは偉いと言われる人は、“みんなどこか横柄で偉そうにしていて取っ付き難い”あるいは“怖いとか威張っているとか怒鳴るとか”というイメージがついているということだと思います。
ここで、注意して欲しいことは、大体の場合このイメージがあるために“社長=威張っていなければならない・・・”とか“威厳を持たなければならない・・・”というように、イメージ通りにならないとイケないと思って、気がつくとそういう態度をとってしまっている社長さんが多いことです。
また、このイメージは社長を取り巻く回りの人にも強く付いているのが厄介で、意識的・無意識的にも“社長~”“社長~”と、持ち上げ“良い気分?”にさせてしまうので、気持ちいい対応をされた時にハマってしまう方もけっこう多いということです。
結果、“俺は社長なんだぞ~!”“偉いんだぞ~!”“誰に向かって言ってるんだ!”みたいな社長イメージが思考的にも行動的にもついてしまうことが多いということです。
まあ、偉くなりたくて社長になったのだから、それはそれである程度はいいとは思いますが(笑)、しばらくしたら、そういう感じで威張っていると孤立するとか、情報がまったく入ってこなくなるということに気づいて、方向を変えることですね。
戒めとしては、冒頭に書いたように、地位が上がったり、会社が大きくなったり、仕事で成果が出れば出るほど丁寧に人に接したり、言葉遣いを気をつけたり、まわりにやさしくなることを自分に義務づける・・・ということです。
そうすると結果的にすごく成功する、仕事の成果が上がる「柔らかい性格」になると思います。よかったら試してみてください。
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2013年03月15日(金)更新
店舗は公器!? 1秒でも長居したくなる建物
じつはコレ、今年(2013年)リニューアルしたばかりの巣鴨信用金庫・江古田支店の写真なんです(@_@。
「まるで虹のシャワーを浴びているようだ」などと、早くも話題を集めているようですよ。
老朽化した既存店の立て替えを手掛けたのは、日本在住のフランス人建築家であるエマニュエル・ムホー氏。同信金の建築設計を担当するのは3店舗目だそうですが、「1秒でも長く居たくなる信金を目指した」のだそうです(*^^)v
江古田支店のデザインには、高さ9メートルもあるカラフルなスティックを多用し、このスティックで建物を覆うことで、無彩色の街に彩りを添えています。こんな建物があると、街全体がオシャレで明るい印象になりますよね。
ちなみに、2010年に改装した「常盤台支店」、翌11年に改装した「志村支店」ともに、カラフルでポップなデザインになっていて、知らずに見たらとても「信用金庫」とは思えません。
近年、信金に限らず金融各社はどこも、優良顧客の獲得に必死ですが、優遇金利などの具体的な特典とはまったく違う視点で、持てる資金を投じた同信金のセンスは、かなりのものだと思います。
店舗はある意味「公器」でもあるのです。その店や企業が、その街に存在することで何らかの価値を生む・・・こうした視点で考えていくと、私たちにもまだまだできることがありそうです。
もちろん、むやみにオシャレな社屋を建てようというススメではありません(笑)。この事例から刺激を受け、自社が地域に対して“与えられる価値”について、やわらかな春の陽射しを受けながら、発想を拡げてみてはいかがでしょうか(@^^)/~~~
2013年03月08日(金)更新
自社販売はもう古い!? 社長を心配するある社員からの相談
あなたなら、この質問に対してどんな答えを出すでしょうか? ぜひ一緒に考えてみてください(*^^)v
== 質 問 ==
うちの社長には、「自社商品を売るための力を自社につけたい」という思いがあります。「商社に売ってもらうより高い利益がとれる」「加工屋にはなりたくない」からです。
石原先生は以前の勉強会で、『売ってくれる専門家に売ってもらえば良い』というようなことを言われたと思いますが、うちの社長の言うことは古いのでしょうか? はたまた間違っているのか教えてください。
== 回 答 ==
売る力を付けたいという社長の考えももっともだし、自社で売らないで、代理店等に販売させた方が良いというのも正解です。経営が難しいのは、正解がいっぱいある中からの選択だからですね。
== 解 説 ==
今回の質問はとってもおもしろい内容だったので回答することにしましたが、みなさんはこの質問に対し、どんな答えを考えたでしょうか?
「社長の言っていることが正解、すばらしい社長だ!」・・・と思った方も多かったと思いますし、「製造に特化して、販売は別の会社に任せた方がやっぱり良いんじゃないか? なんたって沢山売れるし、その方が研究開発に力が注げるよ!」・・・と思った方も多かったのではないでしょうか。
・・・じゃあ私の答えはどうかというと、これどっちも正解です(@_@;)
「え~!そんな回答ずる~い」と思った方もいると思いますが(笑)、本当にそうなのです。というのも、経営がなかなか難しいのは、考え方や見方によって、それぞれ、正解がたくさんある中で、経営の判断をしなければならないからなのです。
右からみるとこれが正しいけれど、反対に左からみたらこっちの方が正しいということが毎日あり、その正しい中から判断を迫られる・・・これ絶対にダメとか変だよねという判断だったら誰も間違えないですが、たくさんの正解の中から自分の選ぶ道を決めるというのが、経営者に迫られる判断ということです。
ちなみに、なぜ「経営理念」が大切だと言われているか、経営者がそれぞれに「哲学」を持たなければならないかというと、理由はここにあります。この正しい解答の中から自身の信念に基づいて、日々起きる事柄に対して、何らかの決裁や判断を下さなければならず、その拠り所、一貫性の機軸がないと、判断がどんどんブレていってしまうからなんです。
今回の回答も、正解は両方です。販売する力を自社で持つ方が正しいという考え方もとっても重要ですし、もっと発展するためには自社で売るより、代理店などに依頼して大量に売ってもらった方が良いということになります。
その両方正解の中から、あなた自身が御社の企業理念や経営者の思考に沿って、また経営を取り巻く変化なども掴みながら、答えを考えてみる・・・というのもいいかもしれませんね。こうした訓練を繰り返すことで、経営の力が本当につくと思います。参考にしてみてください。
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ボードメンバープロフィール
石原 明(いしはら あきら)氏
僖績経営理舎株式会社代表取締役
AZ Collabo株式会社
ヤマハ発動機株式会社を経て、外資系教育会社代理店に入社。約6万人のセールスパーソンの中で、トップクラスの実績を収める。「セールス・マネージャー世界大賞」を受賞後、日本経営教育研究所を設立し、経営コンサルタントとして独立。中小企業から大企業まで、業種や企業の規模を問わず幅広いコンサルティング活動を行っている。毎年の講演回数は100回以上。ビジネスの発想力やマーケティング力を開発・育成する「新経営戦略塾」には1000人が登録し学び、全国延べ4500社が参加。
2万人の読者を抱えるメールマガジン『石原明の「新経営戦略塾」』や、独自の視点で経営を綴るブログ『石原明の経営のヒント』も執筆中。大人気Podcast番組『石原明の経営のヒント+(プラス)』は累計ダウンロード数6000万回を超えている。著書に、累計30万部を超え『営業マンは断ることを覚えなさい』(三笠書房)、『「成功曲線」を描こう。』(大和書房)、『トップ3%の会社だけが知っている儲かるしくみ』(KADOKAWA)などがある。
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