石原明の「知的経営の切り口」 | 経営者会報 (社長ブログ)
企業を発展させるための経営のヒントについて、独自の切り口で紹介します。
2013年10月11日(金)更新
機能と情緒を両立した“世界一カッコイイ”医療プロダクト!?
じつは、今年のグッドデザイン賞を受賞した世界最軽量の松葉杖、「ドライカーボン松葉杖」という商品なんです!
こんなカッコイイ松葉杖の産みの親は、株式会社メディカルチャープラスという会社。同社は「デザインやアイデアの力で医療・福祉プロダクトに情緒的な物語を+(プラス)する。」をコンセプトにした企業です。
思えば私も今年初め、雪の日にホームで転倒という思わぬアクシデントに見舞われたことから、松葉杖を使って生活した期間が少しだけあったのですが、軽量でこれだけかっこいい松葉杖があったら、すぐにでも使っていただろうなぁ~と、ちょっぴり残念に思います(*^_^*)
それにしても、同社のコンセプトは素晴らしいですよね。その昔から「病は気から」という言葉もあるとおり、病気やケガは、患者さんの気持ちを変えることで、回復に向かう場合も多いと思います。
機能だけでなく、「デザイン」を追求しているところがステキです。そもそも「デザイン」には、人の心を動かすパワーがあるのです。こういう会社、つい応援したくなっちゃいますよね(*^_^*)
私は常々、日本人には、もともと「人の心を揺さぶるデザイン力」が備わっているのだ…と話してきましたが、四季折々の自然を愛で、旬の食べ物を感謝していただきながら暮らしてきた日本人には、稀有な美意識が備わっているはずです。
その感覚を、積極的に世界に発信していくべきだと思っているのですが、そう考えると、「デザイン」で注目される日本企業がもっと増えてもいいはずなんです。
みなさんのまわりには、「もっとデザインが良ければ使いたいのに…」という商品はありませんか? チャンスはどこにでもころがっているものです。この事例を参考に、ぜひ身の回りに“アンテナ”を立ててみてください(@^^)/~~~
2013年10月04日(金)更新
社長は「365日24時間 年中無休」!!?
秋は思考を深め「哲学する」のにもってこいの季節ということで、今回も、かつての「学生・社会人との一問百答」の中からこんな質問を選び、あらためて考えてみました。みなさんは、どんなふうにお考えでしょうか?
== 質 問 ==
社長は「365日24時間年中無休」という考え方がありますが、 率直に言って、どのようにお考えになられますか?
== 回 答 ==
これまで出会ってきた社長さんたちをイメージしてお答えすると、“365日24時間年中無休”で活動して上手く行っている社長さん(会社)はほとんどないと思います。
== 解 説 ==
休息も仕事である・・・なんて解釈の仕方もあるので結構この質問に対する回答は難しいのですが“365日24時間年中無休”という、この言葉からイメージするような・・・それも現場で働き詰めの社長さんが成功することはほぼ無いと思います。
理由は、そんな会社で働きたいと思う社員がいるのか? 実際にやろうとすると赤字になる、また、こういう生き方は周りの人を巻き込んで不幸にする・・・など、いろいろあるのですが、マーケットや社会全体がサービスや効率性を追いかける時代から、多様性を考えないといけない時代へと変化しているからです。
・・・さらにこの時代に効率を追いかけると大手との競争になってしまうので、中小企業では絶対に太刀打ちできないわけですから、マーケットを「多様性=富裕層」に向けてシフトさせないといけないわけです。
ということで、最近、富裕層向けの仕事をしたいと話す社長さんは多いのですが、富裕層向けの仕事をしようと思っている社長さんが実際には“365日24時間年中無休”で働いているなんていうのであれば、絶対に富裕層の方の気持ちや、どこに満足を感じるかなんて分かるわけがありませんよね(ーー;)
社長自らが同じ様なライフスタイルを過ごすことで、その雰囲気がサービス全体に伝わって初めて富裕層が安心するサービスができ上がるということです。
だからこそ、現実的に社長が“365日24時間年中無休”では、かなりまずいということになります。
また、これは時代を通して言えることで、会社を発展させる一番の方法は、経営者が自分よりもランクの高い方と触れ合って、今の自分のレベルでは知ることができない情報に触れることだと思いますが、“365日24時間年中無休”なんてやっていたら、そんな貴重な情報に触れることなく、一生ビジネスが過ぎていくということなので、会社の発展は絶対に望めないと思います。
中小企業の経営者が一番好きなことは、今と同じ事を一生懸命やる(=変化を怖がってさらに成長する可能性があることを拒否する、知らないことを素直にやってみようとしない)ことなので、きっと“365日24時間年中無休”という言葉はバッチリハマってしまうのだと思いますが、ある意味とっても危険な言葉だと思います。
ちなみに付け加えますが、これまで出会ってきた社長さん達は成功している度合いが強ければ強いほど、事実として、休みをたくさん取ったり、仕事以外のことに時間をたくさん使っている方たちばかりでした。ぜひ参考にしてください(*^_^*)
いかがでしょうか? あなたはどうお考えになりますか(^^♪ 私の発行する週刊メールマガジン『社長、「小さい会社」のままじゃダメなんです!』(購読無料)では、毎週メルマガ読者のみなさんからの質問にこんな感じでお答えしています。
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2013年09月30日(月)更新
ローソンが「ほろにがショコラブラン」を売り続けるワケ
コンビニ各社が「POSデータ」をもとに、その商品構成を決めていることはあまりにも有名ですが、ローソンの「ほろにがショコラブラン」は、菓子パンの売上げ順位では30位前後で、決して「売れ筋」と呼べる商品ではありません。普通なら発注を止めてしまうところですが、なぜ同社がこの商品を売り続けるのか・・・。
それは、同社が“一歩進んだデータ分析”を試みているからなのです(*^^)v その秘密兵器(?)が、2010年に導入した共通ポイントサービス「Ponta(ポンタ)」。これにより「約1割のヘビーユーザーが約6割の売上げを占めている」といったことがわかるようになってきたのだそうです。
同社が最も重視している指標の1つが「リピート率」。決して「売れ筋」とは呼べない商品でも、購入者の大半がリピート購入者ということがわかれば、取扱いを続けるという判断をくだすようです。
たとえば、この「ほろにがショコラブラン」は、一部の女性から頻繁にリピートされていることがわかりました。このパンはローソンにしかない商品です。ですから、品切れとなれば、大事な顧客を逃すことになってしまうわけで、単なる順位だけでは、本当の支持率はわからないのです。
つまり、データ分析の精度を上げることで、同店のディープな顧客たちの期待を裏切らない店づくりができるということです。「何を目当てに」来店しているかという視点で品揃えをすることによって、ヘビーユーザーたちが頻繁に通ってくれる店になるわけです。
最近は、どの会社もデータの分析に力を入れていますが、「Ponta(ポンタ)」のようないろいろなアイテムが増えてデータ分析がより精密になったことに加え、その判断スピードにも磨きがかかりました。
ローソンでは、全店の売り上げ記録を精査すると、わずか1日のデータだけでも、その後の商品動向がわかるといいます。つまり「翌日」には、経営判断をくだせるということです。
これからは、社内外でうまくデータを利用・活用できる能力が、ビジネスを発展させられる重要な要素になってくるでしょう。ぜひ参考にしてください(@^^)/~~~
2013年09月20日(金)更新
「失敗」が「成長の糧」となるための条件
秋は思考を深め、「哲学する」のにもってこいの季節です。そこで今回は、「学生・社会人との一問百答」の中からこんな質問を選び、あらためて考えてみました。
== 質 問 ==
失敗を成長の糧にするような組織をつくるために、経営者のみなさんはどのような工夫をなさっていますか?
== 回 答 ==
失敗が成長の糧になる唯一の要因は、経営が上手く行っていて、その失敗が原因で会社に大きな痛手を及ぼさないか、倒産しない場合のみです。
== 解 説 ==
失敗を成長の糧にすべき・・・という話を良く聞きますが、経営という場面において、失敗ができるという状況・状態は、そのことが原因で会社に大きな痛手を及ぼさない場合のみだということを知っておいてください。
小さな失敗は、小さな成長の機会に、そして大きな失敗は、大きな成長の機会になりますので、若いうちになるべくいろいろな失敗をさせた方が良いのですが、会社によっては小さな失敗でも大事=それが原因で顧客を逃してしまうので絶対に失敗するな・・・という会社もありますし、顧客を一件無くすことはそんなに大事ではない・・・それよりそれをきっかけにスタッフが大反省して成長してもらう方が将来的に大きな利益を及ぼす、という感覚を持てる場合もあったりします。
ただ、それを可能にするのはあくまでも経営状況が良好なときのみだ、ということを知っていなければならないと思います。そして、どれだけ社員に大きな失敗をさせられるかも、その会社の経営状況によるわけです。
ですので、経営者としてスタッフを成長させるために失敗を成長の糧にしたいと思ったならば、失敗を将来のプラスにできるように売上げや利益をしっかり上げる=儲かる体質にすることが絶対条件といえますね。
逆に、せっかく儲かっているのに利益を極限まで上げるべく、できる社員にだけ仕事をさせ続け・・・新しい社員に初めての仕事をさせて失敗をさせ、成長の機会を作ろうとしなかったりしている会社がありますが、それはとってももったいないことだと知ってほしいところです(ーー;)
もっと言うと、せっかく儲かっているのにいつまでも社長が陣頭指揮を取り続けている会社が結構ありますが、これでは永遠に組織化のサイクルに入ることはできないと思います。よかったら、参考にしてください。
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2013年09月13日(金)更新
勉学の秋に「勉強カフェ」!? サードプレイスのススメ
とは言うものの、日本の住宅事情では、勉強する場所を確保するのがなかなか難しい・・・。「書斎」を持つのが夢という方も多いと思います。そんな中、ブックマークの運営する「勉強カフェ」が、首都圏を中心に積極的な展開をみせています。
近年、自宅と会社以外に「第三の場所(サードプレイス)」を持つことをススメる向きもありますが、近所のファミレスやカフェより「勉強に適した場所」を提供するビジネスは、結構ねらい目かもしれません。
現に、猛暑が続いた今年の夏休みには、「1日280円」のキャッチフレーズで、月額8,400円の高校生向けプランを新たにつくり、好評を得たようです。確実に静かで、かつ自宅より勉強がはかどるスペースが常に確保されているとなれば、月8千円の価値は十分あるかもしれませんね。
加えて、ドリンクバーや、教科書などを置いておけるロッカー、コピー機なども整備され、使い勝手への配慮にも余念がありません。さらに、勉強に疲れたら、共用スペースで他の利用者たちとコミュニケーションを取ることも可能なのです。これって、ちょっとした「リアルSNS」ですよね(*^^)v
“快適な場”を提供することで会員を囲い込むという戦略には、ビジネスプランとしての将来性を感じます。今後の日本は少子高齢化に向けて一直線をたどるわけですから、どの業界でも新規の集客が困難になるわけで、会員から定期収入を得るしくみは、かなりありがたいはずです。不動産の空き物件をかかえる会社などはとくに、新規ビジネスとして検討の余地があるかもしれません。
また、将来有望な高校生はもちろん、資格試験を目指す社会人は、顧客層としてもかなり優良です。そこに次なるサービスの提案をしていくと考えれば、期待が持てそうな感じがしますよね。これからの日本は、一社一業種では済まない時代が来ると思います。ぜひ、他社の事例を参考にしながら、自社の新規ビジネスについても、楽しく発想を拡げてみてください(@^^)/~~~
2013年09月06日(金)更新
個人商店から企業へと移行するために
あなたなら、この質問にどうお答えになるでしょうか? ご自身の経験なども照らし合わせがら、ぜひ一緒に考えてみてください(*^_^*)
== 質 問 ==
個人商店から企業へと移行中です。 いままでは家族の意見を尊重してきましたが、 企業にするにあたっては家族の意見をどこまで尊重すべきでしょうか?
== 回 答 ==
家族の意見が良いか悪いか? ではなく、意見そのものが良いか悪いか? なので、その辺は混同しない方が良いと思います。
== 解 説 ==
この場合に気をつけないといけないことは、家族の意見を聞くか聞かないかではなく、良い意見はどんな人の意見でも聞いた方が良いし、悪い意見だったら誰の意見としても聞いてはいけないという“基本的な考え方=認識”があなたの中にできているかということです。
というのも、同族経営には悪~いイメージが強いので、同族経営している会社はみんな悪くなっていくみたいな風潮がありますが、同族だからこそ上手くいっている会社を私は何社も知っています。
もっと言うと、同族経営だからこそ、そのビジネスモデルが完成しているので、ずっと同族のままで経営していった方が良いという世界的な企業だってたくさんあると思います。
では、現実的にどうして行ったら良いかですが、家族も含めいろいろな方の意見を聞く前に、あるいは経営にどんどん取り入れる前に、意見を出してもらうにあたっての基準となる考えを固めてそれをステークホルダー(利害関係者)全員によく理解してもらうというのが良いと思います。
たとえば、経営理念がすでにできている場合は、その理念に則っていろいろな意見を出して欲しいとかもできますし、理念等が無い場合でも、意見を言う場合は、自分にとっても、一緒に働くメンバーにとっても、そして顧客にとっても一番良いのはどれかという姿勢で発言してくださいね・・・・etc、としておけば、ズレないですみますよね(*^_^*)
同様に、経営に加わってくれる新たなスタッフに対しても、ルールを決めておいて、こんな風に発言してくださいと、一定の取り組み方のルールや基準などもあると遠慮が無くなると思います。
以前私がコンサルした会社の例ですが、その会社はその社長さんの代で初めて同族以外の役員を選出したのですが、その選出の際に「〇〇家の人間の意見でも、そぐわないものであれば、しっかり否定できることが取締役の条件」という同意書にサインをしてもらっていました(*^^)v
これで、悪い意見だったら、たとえ創業一族の人間の意見にでも役員として反論しないと、評価が落ちるわけですが・・・・これ、すばらしいですよね。この辺りを参考に、良い会社を作っていってくださいね。
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2013年08月30日(金)更新
「第三の選択肢」となったブラザーの家庭用プリンタ
ご存じのように、家庭用プリンタの市場では、これまで「セイコーエプソン」と「キャノン」が“2強”と言われていました。そんな中で、ブラザーのインクジェットプリンタ『PRIVIO(プリビオ)』が、ことのほか好調な動きをみせているのです。
ブラザーが取った戦略は、「第三の選択肢」であることを徹底的に訴求すること! 自ら「三番手」であることをうたって、勝利を勝ち取った戦術はかなりユニークです(*^^)v
これまでは同社は、主にスモールオフィス向けの「ファックス付き複合機」に力を入れていたようですが、昨年(2012年)から、家庭向けの機種をすべて同一ブランドに統一しました。つまり、家庭用プリンタ市場に本気で参入しようと腹をくくったわけですね。
とは言うものの、 “2強”を相手に真正面から戦うのは、至難の業です。品質を訴えるのか、価格を訴えるのか、使い勝手の良さ、デザイン性、ランニングコストの安さ・・・どこをどう訴えれば、消費者の心に届くのか、試案のしどころです。
しかし、同社が取った戦略は、他ならぬ「第三の選択肢」があることを徹底的に訴求することだったのです(@_@。年末商戦では、「プリンタに、第三の選択肢」をキャッチコピーに、主に量販店で存在感を高めていきました。
選択肢が増えるのは、消費者にとってもうれしいことです。考えてみれば、安さや品質をアピールするより、自ら「三番手」を名乗り、「選択肢に入れてほしい」と訴えかける作戦は、消費者の心に届きやすかったと思いますが・・・この発想って、なかなか出てきにくいんじゃないでしょうか?
メーカーとして「商品の良さ」を訴えるのはカンタンですが、自社商品がお客さんから「どんな風に見えるのか」は、マーケット全体を俯瞰するような視点を持ち合せない限り、気づくことはできません。
たぶん、プリンタを買いに来たお客さんは「へぇ、ブラザーも家庭用プリンタ出してるんだ」というのが、正直なリアクションだったと思いますが(笑)、それを素直に戦略に活かせる同社のセンスは、評価に値するんじゃないでしょうか。
その証拠に、今では同社もすっかり“3強”の仲間入りを果たした感さえあります。最近は、「三番手」というポジションをきちんと確立した上で初めて、家族や運動会の写真など、身近な日常の光景を印刷したサンプル冊子を店頭で配布し、品質や使用感を訴え始めているようです。モノゴトには“順番”があるわけです。
競合に食い込むための秀逸な戦略のひとつとして、よかったら参考にしてください(@^^)/~~~
2013年08月23日(金)更新
「値上げすべきかどうか…」ある経営者の悩み
そんな中、私の主宰する『高収益3%倶楽部』の6月の定例勉強会「即時・即刻、値上げの勧め!-ビジネス成功の秘訣は値上げにある-」にご参加いただいた方から、こんな質問が届きました。あなたならどんな回答をするか・・・よかったら、一緒に考えてみてください。
== 質 問 ==
ペット関連事業をしております。今のところ、大手の値段が1番高く、中小の値段が安い状況なのですが、その場合も値上げをした方がいいのでしょうか?
== 回 答 ==
この場合は、今の商品の値段を上げていくより(今の商品ラインはそのままにして)他に大手より高額なラインを作って告知・販売するのがよいと思います。
その場合の値段は、顧客から見てはっきり高いと感じる(差別化される=何かあるに違いないと感じる)レベルにしてください。
== 解 説 ==
大手が一番高くて尚且つたくさん商品が売れているというのは、顧客のイメージの中にブランドが構築されてしまったからです。
趣味的なマーケットの場合は特にですが、トップブランドは仮に他社と比べて内容がそんなに良く無くても、一番というだけで信用がついてしまうので、高くても売れてしまうという要素を持っています。
昔の話で言うと、携帯電話でDoCoMoとauだと圧倒的にauの方がサービスが良くて安かった時期もあったのに、高くてサービスの劣るDoCoMoの方がダントツで売れていたりしてましたよね(@_@;)
こういうふうに大手がトップシェアを持ってしまうと、そのイメージから値段をどんどん上げても、いえ、値段を上げるからこそ売り上げが上がるという構図が現れます。
言い方を変えると・・・トップシェアになったら、いくらで値段をつけてもOKという状況(こういう権利を価格決定権って言います)を、トップ企業に持たれてしまったということですね。
学習のために書いておきますが、トップ企業はまず商品やサービスを他社より安くして、マーケットを占領、完全に他社を占め出した後に、少しずつ商品やサービスの値段を上げていって、独占的に利益をどんどん手に入れていくという戦略を持って経営を進めていきますが、先に書いたように趣味的なマーケットのペット関連だと以外と簡単にできてしまうのかもしれませんね。
こう、考えると、ユニクロがカジュアルマーケットを占領したら、そのうち値段を上げていって、本当は原価ベースで考えるとかなり高いのに国民全員がユニクロで買うしかないっていう、映画みたいな世の中が来たりするかもですねぇ~(ーー;)
いえ、もしかしたら、すでに商品単位ではこの状況が起こっているかもしれませんねぇ~(ーー;)(ーー;)
通常はたくさん売ってるところは、安いんですけど、それが逆転してしまっているというのは、あなたの戦っているマーケットでは、すでにこの状況(トップが勝って値段をコントロールしている)が起きているということなので、あなたの戦略としては、ズバリ意識してこの流れに逆らった方が良いということになります。
・・・でないと、いつかは消えてなくなってしまいます(ーー;)
大手がマーケットを独占してその後値段をコントロールしてどんどん利益を上げる、という話はインパクトがあったみたいで、いろんな人からビジネスって結構怖いんですね・・・(ーー;) とか、計画的にビジネスを進めている会社ってかなり先を見て仕事しているんですねぇ~みたいな感想をよく聞きました。
ちなみに、こういった戦略によって世界中の市場を独占、巨大化したのが、石油大手メジャーという石油関連の世界的企業です。
発展の遅れている国に対して、自国でいろいろとインフラを揃えるより、うちが協力して安く石油の供給をしてあげるからということで、その国の市場を独占、産業が起きてきてたくさん石油を使わないといけなくなってきたら、「値段を上げる=利益を吸い上げる」という構図で、産業を支配していくわけですね。
こういう話を書くと面白いので、ついつい回答が長くなってしまいますが、こういう大手に対して中小企業がどう戦っていくかというと、趣味的なマーケットであれば、はっきりと値段を上げて、大手よりも良いというイメージで商品をぶつけていくというのが戦略として良いと思います。
その場合は、既存商品の値段を上げるより、別ブランドを立てる=商品のラインナップを増やして差別化する方が良いと思います。その方が経営的にもリスクが回避され、既存の商品を買う人以外のマーケットに商品を売ることができるからです。
さて、“値段をどれくらい高くするか?”ですが、イメージとしてお客さんが見た瞬間に“はっきりと高いと感じる値段で、尚且つリピート購買が可能な値段”にするべきです。
この辺の感覚は、実際に商品を開発・販売している方ならなんとなく分かりますよね(*^_^*)
値段を上げることによって、商品に使う原材料を工夫出来る幅も大きくなるので、有益な栄養素なども盛り込んだ説得力のある商品の開発も可能だと思います。この商品を時間をかけても良いという姿勢で、じっくりマーケットに浸透せていくと、マーケットでの御社の位置付けも変わってくると思います。ぜひ、参考にしてみてください。
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2013年08月12日(月)更新
ファンを身内に! 「LEGO」快進撃の裏側
同社は、1949年からプラスチック製のブロック玩具を作り始めたそうですが、60年以上も同じブランドの玩具が人気を持ち続けるのは、結構すごいことだと思いませんか?
もちろん、その経営戦略もすばらしく、これまで「男児玩具」のくくりに入っていたレゴが、女児向けの新商品「レゴフレンズ」に力を入れ、マーケットを拡大した戦略については、私の主宰する『高収益トップ3%倶楽部』の会員向け月刊誌「経営情報レポート」でも取り上げたことがあるのですが、どうやらその戦略が功を奏し、昨年(2012年)の売上高は、前年比約25%増だそうです(@_@。
さらに、その戦略を見ていて感心するのは、顧客の巻き込み方です。世界中にいるレゴの熱心なファンやアクティブな消費者たちとの連携プレイが、同社の成長を支えているわけですが、そのプラットフォームになっているのが、『LEGO CUUSOO(レゴクウソウ)』というサイトです。
一般の消費者が、「こんな商品があったらいいな」を投稿できるサイトで、商品化を支持するサポーターを1万人集めれば、レゴ本社が商品化を検討してくれるしくみになっているのです。
同社が一年間に発売する商品は約300種類に達するそうですが、これらを生み出すデンマーク本社の開発部員はわずか150名ほどで、この『LEGO CUUSOO(レゴクウソウ)』から企画のヒントを得ることも少なくないと言います。
それはともかく、これからのビジネスは、「みなさんの声を積極的に聞きますよ!」という窓口を上手に設けられるかどうかで、明暗が分かれてくると思います。世の中が日増しに“SNS的”になっていますから、消費者は「お客様」ではなく「身内」として扱う距離感や感覚が好まれるわけですね(*^^)v
日本のように、成熟した消費社会には、「好きなメーカーやお店のために一肌脱ぎたい」と思っている人が、じつは大勢いるのです。こういう人たちの手を上手に借りない手はありません。
この事例を参考に、自社でもそういうしくみを持てる方法はないか・・・この夏の暑さに負けず、ビジネス脳をフル回転させてみてください(@^^)/~~~
2013年08月02日(金)更新
経営者にとって仕事より大切なもの
さて今週は、先日「学生・社会人との毎週一問百答」の過去のページを見ていたら、ふと目に留まる質問があったので、お答えしてみました。あなたならどうお答えになるでしょうか? ぜひ一緒に考えてみてください(*^_^*)
== 質 問 ==
経営者の皆さんにとって、仕事より大切なものは何ですか?
== 回 答 ==
この回答には、それぞれの経営者の方がそれぞれの考えを持っていると思いますが、私の場合は“哲学”なんじゃないかと思います。
== 解 説 ==
仕事よりも大切なものは何か?という質問ですが、この質問の回答にはそれぞれの経営者の方が“家庭”とか“奥様”とか“仲間”とか“人間関係”とか“趣味”とか“お金”とか“地位”とか“影響力”とか・・・いろいろな回答をされると思います。
実際、私の顧問先の社長さんに以前同様の質問をした時の答えは、なんと!“家系を絶やさないこと・・・”というものでしたから、それぞれの立場や環境で答えは違いますので、正しいという回答は無いと考えていただければ、それはそれで、とっても勉強になると思います。
勉強になるついでにもう少し言うと、聞いたら何らかの答えが即座に返って来たりしますから、経営者は、こういうことについても常に考えていて、自分なりの答えを持って経営や人生に取り組んでいるんだなぁ~と、知ってください。・・・勉強になりますよね(*^_^*)
ということで、私の場合ですが、私が大切にしているのは“哲学”ではないかと思います。
人間は、大切にしているものを中心にして常に思考していますので、お金が大切と考えてしまうと判断の基準がお金になってしまって、そんなにカッコいい生き方はできないと思っています。
経済社会の基準は、かなりの意味で「経済=お金」を基準に動いていますので、それはそれでいいのかもしれませんが、そこに基準を置くのはどうも性に合わなくていろいろ考えたんですが、経済社会であるからこそ、その基準値に強く動かされない自分を作ることが重要と考えるようになってきて、だんだん“経済”よりも“哲学”が中心になってきたようです。
“哲学”を“主義としていることを通すこと”と、思っていただけるともっと簡単に分かると思いますが、私の場合はそれが、結構強くなってきて“哲学”みたいになっているって感じでしょうか(笑)。
お金で動かされない自分を創ることは、すご~く大切だと思っています。よかったら、参考にしてください。
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ボードメンバープロフィール
石原 明(いしはら あきら)氏
僖績経営理舎株式会社代表取締役
AZ Collabo株式会社
ヤマハ発動機株式会社を経て、外資系教育会社代理店に入社。約6万人のセールスパーソンの中で、トップクラスの実績を収める。「セールス・マネージャー世界大賞」を受賞後、日本経営教育研究所を設立し、経営コンサルタントとして独立。中小企業から大企業まで、業種や企業の規模を問わず幅広いコンサルティング活動を行っている。毎年の講演回数は100回以上。ビジネスの発想力やマーケティング力を開発・育成する「新経営戦略塾」には1000人が登録し学び、全国延べ4500社が参加。
2万人の読者を抱えるメールマガジン『石原明の「新経営戦略塾」』や、独自の視点で経営を綴るブログ『石原明の経営のヒント』も執筆中。大人気Podcast番組『石原明の経営のヒント+(プラス)』は累計ダウンロード数6000万回を超えている。著書に、累計30万部を超え『営業マンは断ることを覚えなさい』(三笠書房)、『「成功曲線」を描こう。』(大和書房)、『トップ3%の会社だけが知っている儲かるしくみ』(KADOKAWA)などがある。
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