石原明の「知的経営の切り口」 | 経営者会報 (社長ブログ)
企業を発展させるための経営のヒントについて、独自の切り口で紹介します。
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2013年03月08日(金)更新
自社販売はもう古い!? 社長を心配するある社員からの相談
あなたなら、この質問に対してどんな答えを出すでしょうか? ぜひ一緒に考えてみてください(*^^)v
== 質 問 ==
うちの社長には、「自社商品を売るための力を自社につけたい」という思いがあります。「商社に売ってもらうより高い利益がとれる」「加工屋にはなりたくない」からです。
石原先生は以前の勉強会で、『売ってくれる専門家に売ってもらえば良い』というようなことを言われたと思いますが、うちの社長の言うことは古いのでしょうか? はたまた間違っているのか教えてください。
== 回 答 ==
売る力を付けたいという社長の考えももっともだし、自社で売らないで、代理店等に販売させた方が良いというのも正解です。経営が難しいのは、正解がいっぱいある中からの選択だからですね。
== 解 説 ==
今回の質問はとってもおもしろい内容だったので回答することにしましたが、みなさんはこの質問に対し、どんな答えを考えたでしょうか?
「社長の言っていることが正解、すばらしい社長だ!」・・・と思った方も多かったと思いますし、「製造に特化して、販売は別の会社に任せた方がやっぱり良いんじゃないか? なんたって沢山売れるし、その方が研究開発に力が注げるよ!」・・・と思った方も多かったのではないでしょうか。
・・・じゃあ私の答えはどうかというと、これどっちも正解です(@_@;)
「え~!そんな回答ずる~い」と思った方もいると思いますが(笑)、本当にそうなのです。というのも、経営がなかなか難しいのは、考え方や見方によって、それぞれ、正解がたくさんある中で、経営の判断をしなければならないからなのです。
右からみるとこれが正しいけれど、反対に左からみたらこっちの方が正しいということが毎日あり、その正しい中から判断を迫られる・・・これ絶対にダメとか変だよねという判断だったら誰も間違えないですが、たくさんの正解の中から自分の選ぶ道を決めるというのが、経営者に迫られる判断ということです。
ちなみに、なぜ「経営理念」が大切だと言われているか、経営者がそれぞれに「哲学」を持たなければならないかというと、理由はここにあります。この正しい解答の中から自身の信念に基づいて、日々起きる事柄に対して、何らかの決裁や判断を下さなければならず、その拠り所、一貫性の機軸がないと、判断がどんどんブレていってしまうからなんです。
今回の回答も、正解は両方です。販売する力を自社で持つ方が正しいという考え方もとっても重要ですし、もっと発展するためには自社で売るより、代理店などに依頼して大量に売ってもらった方が良いということになります。
その両方正解の中から、あなた自身が御社の企業理念や経営者の思考に沿って、また経営を取り巻く変化なども掴みながら、答えを考えてみる・・・というのもいいかもしれませんね。こうした訓練を繰り返すことで、経営の力が本当につくと思います。参考にしてみてください。
いかがでしょうか? あなたはどうお考えになりますか(^^♪ 私の発行する週刊メールマガジン『社長、「小さい会社」のままじゃダメなんです!』(購読無料)では、毎週メルマガ読者のみなさんからの質問にこんな感じでお答えしています。
これまでのQ&Aもバックナンバーにたくさんあるので、興味があれば覗いてみてください。もちろん、質問も随時受付中です(*^^)/~~~
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2013年01月25日(金)更新
日本でブランドを確立した「ダイソン」の“説明力”に注目
今や、「主婦が欲しいものランキング」に必ずや名を連ねるダイソンの掃除機。すっかり「ブランド」としてのその地位を確立した同社は、近年、羽のないスタイリッシュなデザインのファンヒーターや扇風機の分野でも売上げを伸ばしています。
当時2~3万円台が主流だった掃除機業界に、7~8万円台の主力商品を持って参入し、その後値崩れも起こさずに売れ続けている同社の実力は、さすがと言わざるを得ません。
もちろん、その勝因は、掃除機を透明にしてしまったインパクトを含めた高いデザイン力や「サイクロン方式」という当時他社になかった機能の持つ独自性もあるでしょう。しかし、視点をかえて同社の戦略を眺めてみると、そこからは自社商品をブランドとして市場に根付かせるための大いなるヒントが見えてくるのです。
ダイソンの掃除機が、一時のブームに終わらず、ブランドとしてしっかりマーケットを確立できた勝因とは、じつは地道な“説明力”にこそあると私はみています(*^^)v 企業のビジネスモデルを分析する際、とかくデザイン分野のような華やかさに目を奪われがちですが、派手な戦略だけでブランドを築けることはまずありません。
同社もそれを重々わかっているじつに賢い会社で、ダイソン社では、販売員(契約社員)を独自に養成しているのだそうです。販売員には、自社商品だけでなく他社の製品知識までをも徹底して教え込み、場合によっては売り場で他社製品をすすめることもあると言います。そうした姿勢が評価され、少しずつ消費者の信頼を得ていったのでしょう。
また、正社員約50人が対応するコールセンターでは、「なぜ紙パックを使わずに済むのか?」といった質問にも丁寧に答え、その情報を全社で共有しているそうです。つまり同社の成功は、地道な“説明力”により勝ち取ったものなのです。
私も仕事柄、たくさんの企業のホームページやブログ、メールマガジンなどを読みますが、得てして「自分たちが言いたいこと」ばかりを伝えている企業が多いものです。ただでさえ情報過多になっている今の時代に、そうした情報を喜んで読んでくれるお客さんはいません。
お客さんが知りたいのは「他社商品とどう違うのか」とか、「この商品を使うとどんなイイコトが待っているのか」という具体的かつ客観的な見解であり、ともすると溺れそうな情報の海から、真の情報を見つけ出すための「指南役」が求められる時代になっているのです。
自社の販売戦略や情報発信に、そうした姿勢はあるでしょうか? この事例を参考に、自社の姿勢を、今一度見つめ直してみてはいかがでしょうか(@^^)/~~~
2012年11月02日(金)更新
50年続くビジネスモデルをいかに変えるべきか
「50年やっているビジネスをどう変えるべきか?」という質問ですが、私なりの視点でお答えしましたので、よかったら参考にしてください。
== 質 問 ==
50年やっているビジネスモデルが、流石に世の中と合わなくなってきています。今のビジネスを変更するにあたって、いかに変えるか? また新しいビジネスモデルを作り出すかについてヒントがありましたら教えてください。よろしくお願いします。
== 回 答 ==
一番大事なことは、今のビジネスと比べないことです。これだけ長く続くビジネスをされているということは今のモデルが相当優れたモデルだということですから、新規ビジネスの候補として思いついたビジネスを今のモデルと比べてしまうと、絶対に見劣りするはずです。
== 解 説 ==
人間というのはなかなか難しい思考を持っていて、今自分がやっていることはほとんど「普通のこと」と考えてしまいます。
例えば、今回の質問でもそうですが、50年続いているビジネスモデルを変えるには・・・と簡単(すいません、説明上そんな感じで話します)に言っていますが、今のビジネスモデルがどれくらいのレベルにあるかに関してはあまり関心がなく、たぶん正当な評価がされていないと思います。
こういった状況で変更や新たなビジネスモデルを考える時に陥ってしまうのは、今のビジネスモデルと比べてもっと良いモノ、例えばもっと簡単で収益性が高いとか発展性があるモノは無いか・・・と考えてしまうことです。
50年続けている、現在のビジネスモデルがどれくらい一般の会社のモデルと比べてすごいのかが分かっていないと、新たに考える基準値が高すぎてしまい、どんなアイディアも負けてしまう(=いつまで経っても新しいアイディアや新規ビジネスが始められない)ということになってしまう危険性が高いということです。
もちろん、目標としては今のビジネスモデルを超えるモノを考えることですが、例えば、ビジネスの入れ替えに緊急性がある場合には、あえてそのレベルのモデルを作り出すことに集中するよりも、5年や8年はイケるであろう簡単な変更やビジネスモデルを考えてみるとか、収益性は低いけれども、失敗の少ないモデルということに思考を集中させて考えてみる、などという思考の変換が必要だと思います。
いずれにしても、今のビジネスモデルを理想として、これに新たなモデルをぶつけるという考え方はやめた方がいいと思います。ご健闘を祈ります(@^^)/~~~
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2012年07月09日(月)更新
企業向けのサービスで収益を確保するために
== 質 問 ==
現在『高収益トップ3%倶楽部』で勉強中です。質問させていただきます。B to Bで比較的大きな企業にサービスを提供していますが、お客様は1社に発注し続けることはせず、相見積りを取ったりコンペを行ったりします。
設定した最低価格を下回らない金額内で一番安いベンダーが受注するなど価格競争となってしまいます。企業向けサービスで収益を確保するためのアイデアをお聞かせ下さい。よろしくお願いします。
== 回 答 ==
時代に逆行するような提案ですが、こういう場合はリアルな営業を強化するのが良いのではないでしょうか? 営業を強化して、値段に唯一対抗できる情報をいち早く掴む、これがポイントだと思います。
== 解 説 ==
情報化社会の実現で価格に対する問題は、どういう業態かは別として避けて通れない問題です。同じ商品やサービスを誰かがもっと安く提供すれば、当然他社も価格を下げなければ顧客からは指名されなくなります。
特に、大企業などにBtoBサービスを行う場合に、同じ商品やサービスを他社よりも高く売ることは現実には不可能です。自社を選んでもらい売上げを確保するためには、何か別の付加価値を付ける以外に方法は無いと思います。
・・・質問の収益を上げる方法ですが、付加価値を付けて沢山の受注を確保、数をこなすことで効率を上げ尚且つ数をまとめることで自社の仕入れコストを下げて収益性を確保するというのが、一番の得策だと思います。これなら、他社と同じ値段でも競争に勝って行くことができるようになります。
では、何を付加価値とするかですが、付加価値で一番価値が高いモノは何かというと、それは各種の“情報”です。各種というのは、何かというと、例えば、顧客の顧客がどういった動向をしているのか?とか、顧客の業界で起きている変化、ライバルの動向、マーケットからの認知や評判、新規事業でやってみたい事に関にする情報…etcですが、こういった顧客の関心のある情報をいち早く顧客側に提供することができれば、付加価値が高い分、他社に受注をもって行かれることは無いと思います。
これを分かり易く表現すると、顧客の知りたい情報をいち早く掴んで、顧客に提供する体制を作れば、競争に勝てるということですが、これを行うために一番良いのがリアル営業の強化だと思います。
とっても時代に逆行している感じの提案ですし、そんなことをすればコストが上がってしまうという恐れもあるので、なかなか大変ですが、今、どこの業界でもリアル営業の強化はしていないので、返って逆張りで強みを発揮するのではないかと思います。
理由は顧客の知りたい情報は、リアルに顧客に聞くしか無いからです。他社がやらない今なら、かなり効果があると思いますので、私の提案の意味が分かったら検討してみてください。ある程度の無理をしないと、この競争には勝てないと思います。
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2012年06月22日(金)更新
少ない人数で上手に商材をPRする法
さて、今回は私が毎週金曜日に配信している無料版ポッドキャスト『石原明の経営のヒント+(プラス)』のリスナーさんから寄せられた質問を取り上げてみました。よかったら、参考にしてください。
ちなみに、只今ポッドキャストでは、今月26日に出版される私の新刊についての解説音声も配信中です。ぜひ一緒にダウンロードしてくださ~い(*^^)v
== 質 問 ==
石原先生の語尾と早川さんの抑揚に親しみを感じ、デスクワークのときはいつも聞いています。私は中学・高校向けの副教材を制作、販売する会社で制作と営業を兼務しています。
扱っている製品はきちんと売れるのですが、営業マンの数も多くなく、代理店さんにお願いしても全国の学校をカバーできていない状態です。少ない人数で学校へ上手にPRしていくにはどのような方法があるでしょうか。ご教授いただければ幸いです。どうぞよろしくお願いいたします。
== 回 答 ==
B to Bビジネスで効率的に成果を出すのに一番良い方法は、セミナーを使っての集客から4ステップマーケティングを展開することだと思っています。これは学校などにも当てはまることだと思うので、ぜひ考えてみてください。
== 解 説 ==
B to Bビジネス、特に今回の質問のように企業や学校などの組織にノウハウやサービスを提供するようなビジネスの場合に一番適している仕事の進め方は、セミナーを使っての集客から4ステップマーケティングを展開することだと思っています。
特に少ない人員で代理店も活用しながら販売していこうと言うのであれば、なおさら効果が出せるので、ぜひ、セミナー開催を考えてみてください。
セミナーが良いのは、売り込みという感じにならずに顧客を沢山集めることができるということです。また、セミナーのタイトルや内容を工夫することで顧客の関心をリサーチすることができたり、アンケートなどから直接接触し、より深い情報を取ることもできるようになるということです。
セミナー展開の仕方ですが、御社の場合だと対象は子供たちに指導を行う学校の先生たちということになりますので、先生たちが現状でどういったことに悩みや関心を持っているかを考えた上で、セミナーの内容を考えてみてください。
御社の商品をいきなりPRするというより、結果として、御社の副教材を活用すると良いのだなと思えるような内容に、セミナーの方向を向けていくという感じですね。で、興味のある方には当日あるいは後日個別に相談が出来るというかたちで、プレゼンへと持っていきます。
参加者には情報提供を定期的にして、見込客フォローをしていきます(この辺りの内容に関しては私の著書を読んで4ステップマーケティングを理解してくださいね)。
こういう流れで、まずは自社で開催、そこで成果を出した内容を全国の代理店で代理店支援として開催すれば、結果、代理店も活発に動いてくれるようになると思います。この方法なら少人数で必ず成果が出せると思います。試してみてください。
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2012年03月26日(月)更新
今、すべての企業がアジア進出を考えるべきか
ポッドキャストの「Facebookページ」をつくり、リスナーさん同士の交流も活発になってきているのですが、今「アジア進出」については、みなさんの関心事のひとつのようです。よかったら、参考にしてください。
== 質 問 ==
こんにちは。いつも楽しく拝聴させていただいております。知人からの紹介で石原先生を知って以来、すっかり先生のファンになっており、今では『高収益トップ3%倶楽部』の会員となり、名古屋での勉強会にも参加させていただいております。
さて、企業がアジアに進出することが当たり前の時代になってきていると思います。医療界でも、アジアをマーケットとした医療観光などを始めている病院も多くなっていると思います。
そこでいつも感じることは、私が勤務するような地方都市の歯科医院でもこれからはアジアをマーケットと考えるべきなのでしょうか? また、ターゲットとする場合、どのような戦略を考えればよいのでしょうか? 先生のお考えをお聞かせください。
== 回 答 ==
考え方には大きく2つ、既存の国内マーケットに留まる選択と、アジアをはじめとした海外も視野に入れた経営を目指す、の2つがありますね。
それもそれぞれの選択を日本で進めるのか? 海外に出て行くのか? という選択がありますが、これこそ、経営者の性格や年齢、組織の強みなども加味した上での経営的な選択になると思います。
== 解 説 ==
今、業種を問わず日本中のビジネスマンや経営者の方が、みなさん関心を持っている内容だと思いますが、まず、考え方として整理しないといけないことは、マーケットの拡大や縮小、そして景気の好・不調と自社の関係は、あくまでも企業の規模に関係するということです。
日本のマーケットは確かに少子化に伴って凄い勢いで縮小していますが、いくら縮小したからといって、あなたの医院に来院する患者さんが直接減ってしまうかというと、決してそんなことはありません。
日本のマーケットは世界でも有数の規模と豊かさを持っていますので、経営努力さえしっかり行っていれば、まったく大丈夫です。マーケットの中に強力なライバル等が突然現れない限り、そんなに影響は無いと思います。
マーケットの縮小や景気の後退を本気で心配しなければいけない企業規模というのは、日本全体に大規模に商品やサービスを提供している文字通り大企業やゼネコン等の場合だけです。
こういった企業はマーケットの縮小や景気の後退の影響をモロに受けますので、存続をかけて本気で海外進出を検討しないといけないわけで、それに引きずられて関連する企業も海外に出て行くという状況が加速しているのが、今の日本の状況です。
ということは、あなたの医院が海外に目を向ける場合には、今の延長線上で国内ビジネスを進めるよりも、海外に出て行く、あるいは海外を対象にビジネスをしたほうがメリットがかなりあると考える場合には、そう選択するほうが良いということです。
ということで、生き残りをかけてというより、もっと発展する、発展するチャンスがあると思う場合には取り組むことはおもしろいという感じで、経営判断をするほうが良いでしょう。また、経営者の方が若くて思考が海外に向いている場合なども、発展の戦略としてはおもしろいかもしれませんね(^_-)-☆
あなたの医院が海外に目を向ける場合は、こうしないと経営が難しくなってしまう・・・という後ろ向きの判断ではなく、もっと発展できるだろうという前向きな判断をしてほしいということです。
自由度はかなり高いので、またまわりの医院はそんな判断はなかなかしないと思うので、何か方法やチャンスがあったらおもしろいとも言えますね。ちょっと心を落ち着けて、考えてみてください。
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2012年01月20日(金)更新
これからの時代の新規事業
そこで今回は、新規事業に関する質問を取り上げてみました。よかったら参考にしてください。
== 質 問 ==
新規事業のマーケティングについて質問です。参入しやすい、参入しにくい、もしくは利益が出る、出ない等の見分け方があれば教えていただきたいです。よろしくお願いいたします。
== 回 答 ==
今、新規事業を考える場合、まず景気の良い時の新規事業とは、状況やイメージがかなり違っているということを知ることが大切です。
後はしっかりしたライバル調査やリサーチが必要で、そのリサーチの時に、利益のことを精査するのが良いと思います。
== 解 説 ==
最近特に景気が悪くなっているせいか、新規事業について多く質問されますが、新規事業を考える場合にまず、景気の良い時と悪い時では新規事業に対するスタンスが根本的に違うということを知る必要があると思います。
どういうことかと言うと、景気の良い時や経済が発展している時に考える新規事業は文字通り“新規=誰もやっていないことをする”という意味合いが強く、成功すると事業も大きく発展するようなイメージが強いのですが、それと同じ感覚で、景気後退時に新規事業を考えてしまうと失敗する可能性が高くなるということです。
では、景気後退時に考える新規事業とはどんな意味合いと考えたら良いかと言うと、自社がこれまでやったことがないことは、自社にとっては全て新規事業と考えて、マーケットでのライバル企業の状況などを考えて事業を選別した方が良いということです。
景気後退時の新規事業=すでにある既存事業で自社が進出したら勝てそうなビジネスをマーケットから探して進出すること、これはとっても重要なので、ぜひ覚えておいてくださいね(*^_^*)
景気が悪い時は顧客も保守的になっているので、誰もやったことがないビジネスはなかなか成功しにくいということです。
さて、質問の答えですが、そう考えると、参入しやすいかどうかは、マーケットに有力なライバルがいるか・いないかということになります。有力なライバルがいる場合は難しく、いない場合は簡単ということになりますね(*^_^*)
また、利益が出る・出ないも、ライバルとの状況を比較して考えると良く分かってきます。
ライバルの固定費が高かったり資金体質が悪い場合は、競争という観点なども考えると、相手は商品やサービスの価格を下げようとしても下がりませんから、同じ値段でもうちが固定費を抑えた分だけ利益が取れる可能性があるなど分かってきます。そういう視点で考えると、既存の事業で勝てる仕事が見えてくると思います。
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2011年11月18日(金)更新
マーケット縮小時代の顧客化戦略
何かと忙しい暮れが近づくにつれ、なかなか思考を深められなくなってくると思いますが、今、経営者は、たとえどの業界にいても“次の一手”を投じておく必要があるのです。よかったら、今回の回答を、参考にしてください(*^^)v
== 質 問 ==
今後の日本のように、マーケット縮小傾向の時代では、新規開業客、自社使用の顧客、他社使用の顧客のどこを攻めればいいでしょうか? 現在、業界での自社シェアは10%程度ですが、よろしくご指導ください。
== 回 答 ==
自社の顧客を囲い込むのが一番先で、それが完成したらその次はマーケットシェアが低い会社の顧客を攻める、それを繰り返していくのが良いと思います。
== 解 説 ==
最近こういう内容の質問をよくされるので、答えもやや定番化していますが、一番大切なのは「現在の顧客の囲い込み」です。
理由はいろいろありますが、経営者や営業スタッフの意識が新規客の獲得に向いてしまうと、せっかく苦労して作った現在の顧客が置き去りになり、結果新規客は数件獲得しても、顧客が離れてしまい利益を大幅に無くすなどという事態になることが多いからです。
原因は、せっかくの顧客をしっかりフォローしていなかったために、顧客が離れてしまったり、他社に奪われてしまうからですが、これでは永遠に安定した経営は出来ません。
そもそも顧客にリピート購買していただいて売り上げを上げる方が、新規客を開拓し売上げを上げるよりも圧倒的にコストがかからないわけですから、絶対に現在の顧客を大切にして放してはいけないわけです。
また、新規を獲得する場合も、顧客からの紹介の場合はほぼコストゼロで新規客を開拓できるわけですから、絶対にこの路線は外してはいけないと思います。
顧客のフォローについてですが、人的コストをあまりこの作業に割いてしまうと、それはそれで大変なので、人を使わないソフトタッチのコミュニケーションの手法を工夫して使うことをお勧めします。
自社の顧客の囲い込みが完成したら、次に何をするかですが、マーケットの中で御社よりもシェアが低い会社・・・出来たら一番低い会社の分析をして勝てるプランを作成し、まずはその低いシェアの顧客を取りに行くといいと思います。
御社の体力が低いうちは、間違っても業界ナンバー1企業や御社よりもシェアの大きなところには行ってはダメですから、気を付けてくださいね。
一番小さいところを切り崩して、御社のシェアがその分拡大したら、また別の小さなところのシェアをという順番で徐々にマーケットシェアを拡大して行けば、最後はトップ企業と争う位にシェアは拡大していきます。ぜひ、がんばってください!
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2011年11月04日(金)更新
進化系「エリアマーケティング」を考える
さて今回は、「エリアマーケティング」に関する質問を取り上げてみました。これは私の顧問先でも、実際に起きている現象なので、参考にしていただければと思います(*^_^*)
== 質 問 ==
マーケティングも、時代に応じて変えていく必要があると思うのですが、これからの時代のエリアマーケティングの方法について解説してください。
== 回 答 ==
これからのエリアマーケティングは、既存シェアやインフラ勝負という様相が強くなってくると思います。すでにある程度のシェアや設備などを持っている会社であれば、それを強化して他社がマーケットに入って来ないようにするのがポイントです。
== 解 説 ==
右肩上がりの経済から、確実に右肩下がりの経済へと変化したことによって、エリアマーケティングのやり方や考え方は、確実に変化していると思います。
変化の要点は、マーケットが拡大している時は、常に他社が参入してくる危険性がありますから、経費はなるべく抑えて値段勝負となった時にも勝てるような経営を目指さないといけないなど、儲かっているマーケットはターゲットにされるという流れを持っていました。
それに比べて、マーケットが縮小している場合は、ある程度のシェアやインフラがあれば、そこにあえて参入してくる企業はほとんどなくなるというように変化します。
分かりやすく例えると、飲食店や歯科などで、マーケットが拡大している時には、儲かっている店舗があったらその近くに店舗を出せば、こぼれたお客さんが当初からある程度拾えて“そのうち逆転するぞ!”みたいなライバルが常に出てきたりする可能性があったのに対して、マーケットが縮小する右肩下がりの状況になると、ライバル会社は、マーケットを調べて、すでに勝っているところがある場合には、そこにあえて挑戦して戦争状態に持ち込むより、強い店舗がないところへ出店することを考えるようになるということです。
ですので、すでにある程度のブランドやシェアを持っている会社、そして特に強いのはインフラ(工場やプラント、大きな店舗など)を持っている会社は、その強さをより強化して、いち早くマーケットを制覇してしまい、他社が入り込んで来ないような演出も含めた戦略を取ることが重要になってきます。
また、あなたがこれからマーケットを探すなら、「強者のいない=あなたが強者になれる可能性の高いマーケット」に打って出て、早めにシェアやインフラを作ってしまうことをお勧めします。この場合は、日本中に残されたマーケットはそんなに多くないので、早めに探して出店することをお勧めします。ぜひ、がんばってください(@^^)/~~~
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2011年10月07日(金)更新
価格競争をせず、リピート性を高める道
さて、今回はある経営者の方から、切実な質問が届いたので取り上げてみました。問題を解決する際の私の「思考法」も一緒に読み取っていただけると嬉しいです。
== 質 問 ==
値引競争をしようとしている他社もある中で、非価格競争に持ち込ませ、かつリピート性を高めるにはどうすればいいのでしょうか?
== 回 答 ==
答えは、マーケットを特定して、そのマーケットに対して競争他社と比べて比較にならないほどの圧倒的な技術やサービスレベルを達成することです。それ以外には人的な繋がりを持つ等ですが、なかなか難しいのでお勧めしません。
== 解 説 ==
こうした質問は、いろいろな形でされることの多い質問ですが、すぐに出来るか? 出来ないか?(笑)、は別にして、起こっている問題を整理して考えると答えは簡単で、競争する他社に対して何かで値段に負けない圧倒的な差をつける以外に道はありません。
説明を付け加えると、競争なので戦っている何かのフィールドがありますよね。まずこれを決めることが必要で、これがマーケットになります。
マーケットは、BtoBの場合はあの企業とこの企業・・・などと言うように分かりやすい形もあれば、BtoCのようにこの所得帯で顧客を想定する・・・などというようにかなり曖昧な場合もありますが、そうすることで、そのマーケットでの競争相手も特定できるようになりますね(*^_^*)
そこで、他社に対して同じ値段帯なら圧倒的に勝てる技術やサービスを作れば、価格競争になりません・・・というか、相手が値段を下げても勝てないくらいに、必要な技術やサービスを持った会社になってしまうと思います。
ここで、それでも他社が値段を下げたら、そっちで買うという会社も出てくるという意見もありますが、それはそもそも、そのお客様は当社とはマーケットが違っていて、安くしたら買うというお客様だったということなので、当初はあまり気にしなくても良いと思います。
あとは、人的繋がりを持つとか、便宜を図る、接待漬けにする・・・等の寝技的なことがありますが(笑)、現状ではかなり難しいので、業種にもよりますが、あまりお勧めしていません。
これ、答えていて思ったのですが、問題を解決する時に、現状を考え過ぎてしまって「あ、無理・・・!」などというように、自社に当てはめてイメージしてしまうと、解決策や解決の切り口という“答え”は見つけ難いと思います。
先に「出来るか? 出来ないか? は別にして、整理して考えると答えは簡単で・・・」と書きましたが、みなさんはこういう思考にあまり慣れていないのかもしれませんね。
こういう時は、問題の解決策を探すという次元(・ステップ)と、それを自社に当てはめて考えるという次元(・ステップ)を分けると良いのではないかと思います。
解決策と、それを自社でどうするかは別問題なので、これを区切って考えられるようになると良いですね(*^_^*)
そして、“そうか、やっぱりこれしかないのか”ってクリアーになると、踏ん切りも付つくし、退路を絶たれるので、案外画期的な技術やサービスの糸口が見つかるかもしれませんよ。
それから、どうしても当社では圧倒的な技術やサービスが作れないので経営方針を変更、徹底した値段競争という戦略に出る! なんていう経営判断も、ハッキリと打ち出せるようになったりするものです。
ということで、こんな問題解決の方法も一緒に参考にしてみてください。今後の展開に、期待しています(*^^)v
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ボードメンバープロフィール
石原 明(いしはら あきら)氏
僖績経営理舎株式会社代表取締役
AZ Collabo株式会社
ヤマハ発動機株式会社を経て、外資系教育会社代理店に入社。約6万人のセールスパーソンの中で、トップクラスの実績を収める。「セールス・マネージャー世界大賞」を受賞後、日本経営教育研究所を設立し、経営コンサルタントとして独立。中小企業から大企業まで、業種や企業の規模を問わず幅広いコンサルティング活動を行っている。毎年の講演回数は100回以上。ビジネスの発想力やマーケティング力を開発・育成する「新経営戦略塾」には1000人が登録し学び、全国延べ4500社が参加。
2万人の読者を抱えるメールマガジン『石原明の「新経営戦略塾」』や、独自の視点で経営を綴るブログ『石原明の経営のヒント』も執筆中。大人気Podcast番組『石原明の経営のヒント+(プラス)』は累計ダウンロード数6000万回を超えている。著書に、累計30万部を超え『営業マンは断ることを覚えなさい』(三笠書房)、『「成功曲線」を描こう。』(大和書房)、『トップ3%の会社だけが知っている儲かるしくみ』(KADOKAWA)などがある。
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