石原明の「知的経営の切り口」 | 経営者会報 (社長ブログ)
企業を発展させるための経営のヒントについて、独自の切り口で紹介します。
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2010年12月21日(火)更新
「ゴパン」に見る“世の中にない商品”を売り出す法
三洋電機が今年(2010年)11月に発売した、世界初! お米からパンがつくれるホームベーカリー(実勢価格49,800円)ですが、当初10月8日(毎月8日はお米の日だそうです)の発売を予定していたものの、発売前に予約が殺到したため、急遽、発売を一ヶ月延期したという商品です(*^_^*)
いざ発売を開始してみると、初日に予約分だけで完売。その後の予約注文も、来年3月までの販売計画を上回るほどで、予約受付の一時中止を決断せねばならなかったほどの人気ぶりなんです(>_<)
もちろん、昨今の経済環境から、メーカー各社はなるべく在庫を持たない体制を取っているといった事情もありますし、「お客は並ばせろ」方式で、「売り切れ!」のニュースを販促に活かすという戦略を採る会社もありますが、この『ゴパン』に関しては、事前の地道なプロモーション活動が実った、と見るべきだと思います。
近年、小麦アレルギーを持つ方はもちろん、カロリーを気にする消費者が増え、小麦よりヘルシーな「米粉」を使ったパンやケーキもめずらしくなくなりましたが、まだ「米粉」そのものが手に入りにくい状況もあることから、同社は炊飯器のごとく「米粒」を入れておけば「パン」が焼きあがる…という画期的なパン焼き器を開発したのです。
なんでも開発には5年の歳月を要したそうですが、米粒から直接パンをつくるには、まず米を水で柔らかくし、さらに削ってペースト状にする必要があります。その上で生地をこねていくわけですが、その複雑な作業を、一つのモーター回転軸と異なる回転数で行う正逆回転機構を採用することで、この一台でお米からパンを作ることを実現したんだそうです。
しかし、米粒からパンができるなんて、初めて聞くと、ちょっと信じられない感じがしますよね。世の中にない商品は、それだけ売りにくいということです(-_-;)
そこで同社は、マーケティング本部を絡めて大々的にデビューさせる戦略を採りました。月に1~2度のリーダー会議を持ち、8つのワーキンググループでは、生産や販促計画を綿密に詰めていったようです。
都内に期間限定で『ゴパン』で焼いたパンを試食できるカフェを開いたり、新潟県魚沼市をはじめ、各地のJAと協力し、その土地のお米の味を生かした“ご当地パン”をつくるイベントを行ったり、都内の製菓・製パン材料店でデモンストレーションを行ったり…と、創意工夫を凝らしたプロモーションを展開していったのです。
また、通常の新商品プロモーションは、3~4ヶ月前から始めるようですが、こと『ゴパン』に関しては、10ヶ月も前からプロモーションに着手したそうです。その甲斐あって、発売前から多くのメディア露出に成功し、プログやツイッターでも随分と話題になっていたようです(*^^)v
常々私が教えているのは、「いきなり売るから難しい」ということです。もともとマーケティング思考の弱いわが国では、「いいものをつくれば売れる」という概念が根強く残っている面があり、商品が出来上がってから、初めてその売り方を考える会社も少なくありません。
そういった意味では、同社が「マーケットを先につくろう」と発想したことこそが勝因であり、とりわけ世の中にない商品を売り出すためには、この発想がキーになります。
来たる年も、われわれ経営者にとっては、厳しい経済環境が続くと思いますが、そんな時代だからこそ、新しいアイディアを持つ商品やサービスが強く望まれるのです。この事例を参考に、ぜひ勇気を持ってチャレンジを続けていきましょう(@^^)/~~~
2010年11月29日(月)更新
「福袋」進化系!? 2011福袋事情
まずびっくりしたのが、「ネット予約可能な福袋」。高島屋オンラインでは、12月下旬までネットで予約を受け付け、新春1月2日より順次配送するという「並ばない」福袋の販売を始めました。
さらには、「年内販売型」の福袋も登場!同じく高島屋では、コートや手袋などの雑貨を詰め合わせた「年内販売型福袋」(1万~3万円)を販売しています。こちらは、中身の種類やサイズを選ぶこともでき、実際に試着できる売り場もあるといいますから驚きです(@_@;)
ここまでくると、「セール」や「バーゲン」といったいどこが違うのか・・・と思ったりしますが(笑)、「福袋」という言葉の響きに引き寄せられる消費者心理も、なんとなくわかるような気がします。
一方、老舗の三越でも、日本橋店は今年話題の坂本龍馬をかたどった純金製の像(約200グラム、280万円、1点限定)を用意したり、銀座店では「ターゲット別福袋」を用意したりしているそうです。
最近、お弁当を作る男性が増えていることから、「弁当男子福袋」として、曲げわっぱ弁当箱作りの体験や土鍋などを合わせた福袋(2万1000円、6点限定)などを販売する予定だとか。
いずれにしても、「福袋」というマーケットに対し、「並ぶのがイヤ」「中身が見えない」「趣味に合わないモノが入っている」という“不満要素”に対処していった結果、こんなふうに進化した福袋が生まれたのでしょう。
しかし、同時に「袋を開くときのワクワク感」を失っているのも事実。正月早々、お屠蘇気分で列に並ぶのも楽しみのひとつ、と考えることもできます。
もちろん、この事例のように、「自分の好きなものが選べる」という「現実的」なメリットを重視して福袋を進化させる道もありますが、並んでもらう時間に何らかの楽しい体験をしてもらうとか、福袋に「おみくじ」の要素を持たせて、今年の運勢を占ってもらうとか・・・「エンターテイメント性」を加味した進化も考えてみたらいいんじゃないでしょうか(*^^)v
あなたなら、来年に向けてどんな「福袋」をつくりますか? こうした思考のトレーニングは“経営脳”を鍛えるので、ぜひ忙しい仕事の合間に、楽しみながら発想してみてください(@^^)/~~~
2010年11月01日(月)更新
お風呂用スピーカーが販売台数50万個超のスマッシュヒット!?
この「お風呂で使える防沫スピーカーPomme(ポム)」が、50万個を超すヒット商品になっていると聞いて、ちょっとビックリしてしまいました(@_@。
失礼ながら、とりわけデザインがいいというわけでもなく、ごくシンプルな商品ですよね。もちろん、同様の商品も多数出ています。そんななかで、なぜ、この商品がこんなに売れたのか…。
その要因としては、まず標準小売価格を1000円(税抜)という買いやすい値段に設定したこと。音量調節などは、中に入れたiPodなどの携帯音楽プレーヤーで行うタイプのようですが、「防沫」という単一の機能に絞り込んだことで、この価格を実現したのだと思います。
他社がラジオなどの付いたデザイン性の高いスピーカーで行くのなら、真逆に舵を切るのも賢い経営判断です。今やほとんどの人が携帯音楽プレーヤーを持つ時代。「お風呂でも聞きたい」人は増える一方でしょうから、マーケットの将来性も十分ありますよね。
こんなスピーカーを持っていれば、音楽のみならず、語学などの勉強やポッドキャストをお風呂で聞くなんてことも可能です。
私が毎週配信しているポッドキャスト番組『石原明の経営のヒント+(プラス)』も、お風呂で聞くとまた格別かもしれません(笑)。
それはともかく、こうした何気ない商品でも、的を絞った商品開発と売り方しだいでは、確実にスマッシュヒットを飛ばすことができるのです。
相変わらず「モノの売れない時代」と嘆く経営者も多いですが、この事例を参考に、明るい気持ちで自社の戦略を見直してみてはいかがでしょうか(@^^)/~~~
2010年09月24日(金)更新
twitterのビジネスユースをガチャピンに学ぼう
先ほどあらためて確認したら、今現在のフォロワーは、なんと!796,786名。いよいよ80万人に届こうという勢いです。
聞くところによると、「ガチャピン」のフォロワーの多くは歴とした社会人だそうですが、自分のタイムラインにずらっと並ぶビジネスチックなつぶやきのなかに、ガチャピンからの「今日はおうちでゴローン。」とか「博多なぅばい。」といったつぶやきを見ることで、癒されているオトナたちが相当いるみたいです(*^_^*)
もちろん、twitterとブログ「ガチャピン日記」との連動も秀逸で、こういった短いつぶやきのなかに、「てへへ。http://gachapin.fujitvkidsclub.jp/2010/07/2010730.html」という感じで巧みにブログに誘導するつぶやきが含まれています。
この日のブログの内容は「てへへへ。ムックとケンカしちゃった。」という内容だったのですが、つぶやきの3分後から「仲直りしてね!」というような応援コメントが続々200以上も集まるのです。またある日は、奈良にひとり修学旅行に行ったり、スノボをやったり、農園で種まきをしたり…と、アクティブに「ロケ」を決行している様子からは、ブログへの本気度が伺えます。
つまり、ガチャピンの「twitter×ブログ大作戦」は、片手間という域を超えた本気の取り組みなわけですが、その結果何が起こったかというと、自分で自分のキャラクターとしての価値を限りなく上げることに成功しました。
ご存じのように、ガチャピンはフジテレビ系の子供番組『ひらけ!ポンキッキ』に登場するキャラクターで、株式会社フジテレビKIDSの登録商標です。番組放送開始は1973年。そう考えるとガチャピンももう37歳になるわけですが(笑)、昨年から始めたtwitterの効果で、キャラクターグッズの売上げもかなり伸びているはずです。
また、最近ではガチャピンとコラボしたがる企業も増えていて、この夏には「ニコニコ動画」のライブライブイベントで、ガチャピンの音声をパソコンで合成して楽曲を歌わせることができるソフト「ガチャポイド」が発表されました。
このニュースは「ガチャピン“歌手”転向!?」などと、かなり大きくメディアにも取上げられていました。さらには、『笑っていいとも!』の「テレフォンショッキング」に登場するなど、タレントとしての価値までも上げつつあります。
昨今、好みの多様化で、キャラクタービジネスも難しくなってきているようですが、このガチャピンの戦略には、学ぶところが多そうです。とりわけ、オトナのファンを増やし、自らマーケットを拡げたセンスはさすがです。経営者として、ガチャピンの今後に、しばし注目してみてはいかがでしょうか(@^^)/~~~
2010年09月03日(金)更新
困難は“発想”で乗り切る!? 「就職祝い金」モデルが求人サイトを救う
急成長の秘密は、そのビジネスモデルにあります。同社の運営する「ジョブセンス」は、2006年4月のサービス開始以来、求人広告の掲載は『無料』。実際に採用できた時点で初めて課金されるシステムになっているのです。
同社いわく「そもそも、ネットでは“情報はタダ”といった感覚が強いのに、求人情報を掲載しただけで料金が発生する課金方式には無理があるように思う」とのこと。言われてみれば当たり前ですが、ネットの「広告モデル」を敵に回すも同然ですから、なかなか勇気のいる決断だったと思います。
案の定、立ち上げ当初は求人広告集めに苦労したそうですが、しだいにこのシステムが理解され始め、クチコミなどで評判を呼ぶにつれ、求人の掲載件数は常時1万件、月間利用者数は300万人に達するまでになったのです。
しかし、規模が大きくなると、このビジネスモデルの思わぬ欠点が浮き彫りになってきました。課金するためには、その企業が「採用したかどうか」の後日調査が必要で、そこに膨大な手間や人件費がかかるわけです(-_-;)
悪気はないにしろ、日ごろの忙しさにかまけ、企業側から進んで採用の事実を報告してくれる例は極めて少なかったのでしょう。そこで同社が編み出したのは、「採用された人にお祝い金を払おう!」というモデルです。
この「就職祝い金制度」を設けたことで、採用された本人から、確実に自己申告が受けられるようになったのです。金額は1000円から2万円までのようですが、採用の実態を調査するためにかけていた手間と費用にプラスして、このモデルそのものが生み出す「競争力」を考え合わせれば、とても賢い選択だったのではないでしょうか。
こんなふうに、目の前の課題を乗り越えるには、経営者が常識にとらわれない自由な発想と知恵を持てるかどうかにかかっています。この事例を参考に、あらためて自社の課題と向き合ってみてはいかがでしょうか(@^^)/~~~
2010年07月02日(金)更新
食べるより「写メ」が先!? 行列のできるアイスクリーム店
渋谷といっても、NHKや代々木公園にほど近い場所にあるのですが、週末ともなれば店の外まで行列ができることもしばしば。さらに、ほとんどのお客さんが食べる前に、まず携帯やデジカメで「撮影」するといいますから、おもしろいですよね。
この写真を見ていただくとおわかりのように、コーンの上にぐるぐると巻かれた部分と同じくらいの直線がすーっと伸びています。受け取ったお客さんも、あまりの長さに思わず撮りたくなってしまうのでしょう。
店側も、アイスのカタチには相当ごだわっているようで、これは試行錯誤の上にたどり着いたカタチなのだとか。また、上部の直線には特にこだわりがあり、どんなにお客さんが行列していようとも、納得できなければやり直すのが「白一」流のようです。
もちろん、味にもごだわっています。牛乳本来の味で勝負するため、卵、バター、生クリームなどは一切使わず、高い鮮度と風味を保つため、毎朝その日に販売する分だけを仕込むのだそうです。
一見ふつうのソフトクリームでも、食べるとまるでシャーベットのようなシャリッとした食感でさっぱりした味わい。見た目との「ギャップ」も大きなポイントです。
また、店員さんも、「すぐに食べないでください。巻き上がり10秒~15秒後が、表面がキュッとしまって中はしっとり状態になるので、ちょうど食べごろですよ」なんて、とっておきの情報まで教えてくれることもあるみたいです。
つまり、カシャッと1枚撮った頃が、ちょうどアイスも食べ頃になるのかもしれません。まぁ、そこまで計算しているわけではないでしょうが、味とカタチに関しては、ネットで話題になることを十分意識していると思います!(^^)!
ご存じのように、ブログやツイッターの登場で、今や「国民総情報発信時代」といった様相です。巷では「ネタ消費」と呼ばれているそうですが、ブロガーたちは、常に「ブログネタ」のために、金を使っているようなところがあります。
ネットでは、特にユニークな画像はそれだけでインパクトがありますから、このアイスのカタチは、そういった意味からも「逸材」です。さらに、見かけと違う「味わい」も、コメントしやすいですよね。
今やただの「おいしいアイス」というだけでは、めずらしくも何ともありません。しかし、そこに「カタチ」という合わせ技を持っただけでも、話題性がグンと上がるのです。
つまり、話題になるかならないかの差は、意外と「ちょっとした」ことなんです(*^^)v
この事例を参考に、自社商品を話題にしてもらうためには、どんなスパイスをきかせればいいか・・・あれこれ楽しみながら考えてみてくださ~い(@^^)/~~~
2010年05月21日(金)更新
ゲームで釣り上げた「カンパチ」が自宅に届く!? マルハニチロの新戦略
なんでも、携帯の釣りゲームで「カンパチ」を釣り上げて、サイトに住所・氏名などを記入すると、3枚におろした本物の「カンパチ」が無料で届くのだそうです(@_@;)
このゲームは『鹿児島カンパチ釣り天国』というものですが、同社と鹿児島県漁業協同組合連合会の販売会社が共同で取り組んでいる、鹿児島養殖カンパチのブランド構築に向けての企画のひとつです。
マルハニチロは昨年末に、養殖魚を「よかとと」ブランドに統一し、鹿児島の養殖場で育てたカンパチは「薩摩カンパチどん」と名付けて販促活動に懸命のようですね。
ネーミングセンスはともかく(笑)、ネットとリアルをみごとに繋いだこの戦略はかなりのセンスです(*^^)v ゲームの他にもサイトでは、カンパチの栄養価や料理レシピなども公開し、情報発信を積極的に行なっていくようです。
それにしても、今どきの人たちをリアルに“動かす”には、やっぱり「ゲーム」なんだ……ってことですよね。
特に最近の若い世代は、長い文章を読まない傾向がどんどん強くなっていて、寂しい限りですが、本はもとより、サイト上の長い文章なんかも、読まれなくなっているみたいです(――;)
すでに文章による説得の時代は終わり、“おしゃれ”か“おもしろい”でしか、リアルに人を動かせなくなっているのかもしれません。こうなるともう「感性」の勝負です!
経営者も、理論理屈にとらわれることなく、もっと感覚的に経営していくべきなのかもしれませんが、なかでも「ネットとリアルをつなぐとおもしろい」という感覚だけは、とことん磨いておきたいものです。
経営者が、「どうしたら人が動くか、集まるか」をわかっていないことには、会社の未来はありません。この事例を参考に、自社のマーケティングを“新感覚”で見直してみてください(@^^)/~~~
2010年05月07日(金)更新
旅行の新スタイル!? 「タク旅」を開発した長野中央タクシー
実施は昨年の夏からだそうですが、バスツアーなどと違い「1名から催行」されるので、予約はしたものの、開催されるのかどうかを心配する必要もなく、こちらの要望にも臨機応変に対応してくれるのでかなり好評みたいです(*^^)v
今のところ、発着エリアはある程度限定されているようですが、ジャンボタクシーを3名から14名で利用するツアーだと、お一人様2,800円からという手軽さも受けているようですし、もちろん、家族や仲間同士で貸し切ることもできます。
地元客からは「家族に気兼ねなく友達同士で楽しめるタク旅のお陰で生きる楽しみが増えた」とか、「足の悪い私が旅に出るなんて考えられなかった。幸せをありがとう」とか、「移動中も仲間とゆったり楽しめるのは貸切ならでは」などという声が、続々と集まってきているそうです。
ご存じのように、規制緩和による供給過剰に不景気が追い討ちをかけ、タクシー利用客は、減少の一途をたどっています。会社としても、経験豊富なドライバーを遊ばせておくより、旅行ガイドとしてのスキルを身につけてもらって、「タク旅」で生き生きと活躍してもらったほうが何倍もいいですよね(*^^)v
これも経営者のアイディアと決断だと思います。このモデルがうまくいけば、全国的に広がる可能性もありますし、他のタクシー会社に、ツアープランの立て方やドライバー育成のノウハウを有償で提供する・・・なんて新規ビジネスに発展する可能性もあります。
そういえば、ゴールデンウィーク中の渋滞にも楽しみ方があって、みんな意外とイヤがってないというアンケート結果を発表していたテレビ番組がありました。
なんでも、家族が狭い空間に長時間いることと、運転中は相手の目を見ないで会話できることから、ふだんは話せないようなことを話せたり、連帯感が高まったりするんだそうです(*^_^*)
自宅に迎えに来てもらえるという利便性はもちろんですが、タクシーを使った旅行には、飛行機や新幹線、はたまたゴージャスなバスで行くツアーとは、また違った魅力があるのかもしれませんね。自社の持てる資産と強みを活かしたビジネスモデルだと思います。
この事例を参考に、自社のモテル力を違った角度で発展させる方法を、あれこれ楽しみながら発想してみてはいかがでしょうか? “休みボケ”のいいリハビリになるかもしれませんよ(@^^)/~~~
2010年04月23日(金)更新
「カワセミブルー」の新車が好調!? 商品コンセプトを「色」で伝える
そんななか、今年(2010年)登場した新車には、これまでと一風変わったカラーが採用されているのをご存じでしょうか?
三菱自動車では、新型「RVR」のテーマカラーを「カワセミブルー」にしました。カラーのモチーフは、清流に住むカワセミの青い羽の色。
「RVR」は、低燃費でエコカー減税の対象車であることから、「環境の時代らしいクリーンなイメージから名付けた」そうですよ。
トヨタ自動車でも、6年ぶりにモデルチェンジした「パッソ」で、「ウグイスメタリック」や「キナコメタリック」といった新色を採用しています。
これまで自動車業界では、「腐る」という理由から食べ物の名前を使った色はタブー視してきたそうですが、先に日産自動車が「マーチ」でパプリカなどの食材をモチーフにした色を出して成功した例もあり、「食べ物は最も身近な自然と受け止める向きが強まっている」として、採用を決めたようです。
いずれにしても、「日本語」を使った色の名前が採用されているのがおもしろいですよね(*^_^*)
四季折々をめでる感性を持った日本人は、山吹色、群青色など、日本ならではの色の名前を無数に生み出してきました。
そうした感性が、「エコ」の時代とマッチしたのかもしれません。もしかしたら、これまで「ワインレッド」「ロイヤルブルー」などと呼んでいたカラーを、「日本語」で表現することで、海外にも広く受け入れられる商品名が誕生するかもしれませんね(*^^)v
また、三菱自動車が「環境の時代」を意識したように、色の名前ひとつで、会社や商品のイメージやコンセプトを上手に伝えることができるのです。
「RVR」の「カワセミブルー」は、一番人気のチタングレーに続く第2位の人気だそうで、同社で上位に来ると予想していた「白」や「黒」をあっさり抜き、会社側もちょっと驚いているみたいです。
こうした流れは、自動車業界以外にも広がっていくことでしょう。ぜひ、この事例を参考に、自社の商品カラーの付け方を、見直してみてはいかがでしょうか?
2010年04月09日(金)更新
携帯ゲームで集客!? GPSと情報をリンクする威力
今、電車に乗ると、半分以上の人が携帯電話をいじっているように思いますが、この「位置ゲー」が、みごとに「ネット」と「リアル」をつなぐ役目を果たしているようで、出張族の中には、この「ケータイ国盗り合戦」にハマッている人も多いと聞きます。
最近では、この「位置ゲー」が、集客ツールとして大活躍しているのです。同名の「位置ゲー」を運営する「コロプラ」では、ゲームと店舗との提携をすすめており、ユーザーたちの間では、買い物することで得られる通常では手に入らない「レアアイテム」を求めて、わざわざ地方まで買い物に出かける…なんてことがふつうに行われているみたいです。
ちなみに「コロプラ」とは、仮想通貨「プラ」でアイテムを買い集め、自分のコロニー(居住地)の人口が増えるのを楽しむというゲームです。さらに移動先でしか買えない仮想「お土産」を集めたり、別の参加者と交換したり、近くに滞在する参加者と交信できたりするというしかけがウケて、2008年10月の会社設立後、ユーザーは順調に伸び続け、今では約100万人に達する勢いなのだとか(@_@;)
このゲームに昨年(2009年)から新たに加わったのが、カードを使った実店舗との連携システムです。ユーザーが提携店で買い物をすると、購入金額に応じたカードを受け取ることができるのですが、そこに記載された番号を登録すると、通常では入手できない「レアアイテムのお土産」が買える、というしかけです。
このレアアイテムは、ゲーム内で仮想通貨を使って高値で売買されることもあるため、交通費をかけてまで、わざわざ買い物に出かける・・・なんて現象が起きているわけです。
それに対する賛否はともかく、GPSと情報を上手にリンクさせることで、ネット社会の住人を、リアル社会へ連れ出すことができるわけですね。
ちなみに、提携店舗は、買い物をした利用者に渡したカードの金額の20%を、集客の謝礼として運営会社に支払う仕組みになっているため、初期費用や固定費用はかからないみたいです。
これって、格安ツアーに組み込まれているお土産やさんと、旅行代理店の関係と同じ図式ですよね(――;) 土産店の集客が携帯ゲームで行われるようになったとは…今っぽいというかなんというか…。
マピオンやコロプラは、地方の活性化に留まらず、法人向けのサービスにも積極的な動きを見せています。マピオンは今月(2010年4月)1日から、ANAの携帯サイトにゲームを導入し始めました。
全国の空港や観光地で、携帯電話から位置情報を取得すると、スタンプが溜まっていくしくみです。つまり、携帯を使った「スタンプラリー」みたいなものですね。
一方、コロプラが東京メトロと組んで発売する「1日乗車券」(710円)は、新宿など首都圏の27の駅の定期券売場で買えるそうですが、駅の外に出て携帯電話から位置情報を取得すると、駅ごとに異なるバーチャル食材がもらえます。
「1日乗車券」の番号を入力すると、ゲーム内に料理人が現れ食材を調理してくれて、ゲームが進行するというしかけです。さらに今月17日から10月16日までは、東京メトロ全駅で、ゲーム内アイテムも配信するそうですよ。
こうした事例からもわかるとおり、情報化社会は限りなく進化を遂げています。「ネットもよくわからないのに、今度はGPSか…」などと言わず、経営者のアイディアしだいでどんどん集客が楽になっていく社会だと、歓迎の気持ちを持って、ぜひ前向きに捉えてみてください(@^^)/~~~
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ボードメンバープロフィール
石原 明(いしはら あきら)氏
僖績経営理舎株式会社代表取締役
AZ Collabo株式会社
ヤマハ発動機株式会社を経て、外資系教育会社代理店に入社。約6万人のセールスパーソンの中で、トップクラスの実績を収める。「セールス・マネージャー世界大賞」を受賞後、日本経営教育研究所を設立し、経営コンサルタントとして独立。中小企業から大企業まで、業種や企業の規模を問わず幅広いコンサルティング活動を行っている。毎年の講演回数は100回以上。ビジネスの発想力やマーケティング力を開発・育成する「新経営戦略塾」には1000人が登録し学び、全国延べ4500社が参加。
2万人の読者を抱えるメールマガジン『石原明の「新経営戦略塾」』や、独自の視点で経営を綴るブログ『石原明の経営のヒント』も執筆中。大人気Podcast番組『石原明の経営のヒント+(プラス)』は累計ダウンロード数6000万回を超えている。著書に、累計30万部を超え『営業マンは断ることを覚えなさい』(三笠書房)、『「成功曲線」を描こう。』(大和書房)、『トップ3%の会社だけが知っている儲かるしくみ』(KADOKAWA)などがある。
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