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2008年10月17日(金)更新

一室3万円の映画館!? 「セレブルーム」が経営にもたらすもの

今週は、東京株式市場で日経平均株価が歴史的下落率を記録したなどという、経営者としては先行き不安なニュースばかりが続きますが、こんな時こそわれわれは“視点”を変える必要があるのではないでしょうか。

そんな意味も込めて、今週もちょっと「セレブ」な話題を取り上げます。今年(2008年)の7月に、松竹が東京・新宿にオープンした国内最大級のシネマコンプレックスである「新宿ピカデリー」に、なんと(@_@;)「1室3万円」のペアシートがあるのをご存知でしょうか?


プラチナルーム


このペアシートは「プラチナルーム」といい、利用者のための専用エレベーターが設けられているうえ、上映開始1時間前から「専用ラウンジ」でくつろぎながら、無料で提供されるウェルカムシャンパンやお菓子を楽しみつつ、上映時間までの贅沢な時間を過ごせるのだそうです。
そして上映時、室内では、イタリアの高級家具カッシーナのソファーにゆったりと座り、最大級のスクリーンかつ、高性能の音響機器で、しかも2人っきりで映画を楽しめるというわけです(*^^)v

このタイプのバルコニー席は、2室設けられているそうですが、VIPのお忍びばかりでなく、両親へのプレゼントや、記念日の利用などで、土日は満室になることもあるそうです。

同館には、このほかにも1席5千円の「プラチナシート」を設ける一方で、平日当日券に限り、1千円で鑑賞できる「最前列席」も設けています。

同社では、「歌舞伎や芝居小屋に近い発想。それぞれのニーズに合わせて利用を促したい」としていますが、「なるほどなぁ~」という感じですよね。

ひと昔前のバブル期なら、「全館セレブ対象」という発想しかなかったと思うのですが、いろいろなグレードのサービスをひとつの建物に集めるというのが、なんとも今っぽい発想だと思います。

世の中が不景気ムード一色になると、みんながみんな「格安なサービス」に向かおうとしますが、そんななかでも、富裕層をターゲットにしたサービスを持つことは、自社の将来的な財産になる可能性が高いのです。

まず、時代と逆に舵を切った商品やサービスは「話題」になりやすい、ということがひとつ。さらに、高級なサービスに集まるお客さんを自社の「顧客リスト」にプールすることで、将来的にその人たちを対象にした商品やサービスを開発することも可能です。

そうなれば、景気回復と同時に、自社の経営が一気に変わる可能性もあるわけです。暗いニュースに沈むばかりでなく、経営者は常に発想を大きく広げておきたいものですね(@^^)/~~~