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2010年01月29日(金)更新

「100円レンタカー」というビジネスの切り口

モノが売れない時代、自動車産業もまた消費不況に悩む業界のひとつです。そんななか、自動車販売のカーベルが、おもしろい切り口のビジネスを始めました。その名も「100円レンタカー」。中古車を10分100円からの基本料金で貸し出すサービスをフランチャイズ化したのです。


100円レンタカー


同社では、昨年(2009年)8月に埼玉県ふじみ野市で、11月には東京都中央区で試験的にサービスを始めたところ好調な結果を得たため、年末には加盟店を募ってのチェーン展開に踏み切ったようです。
このところ、下取りした中古車を販売できない店舗も多いようですが、その「在庫」をレンタカーとして活用できれば、中古車販売店にとってもありがたい話です。利用者がその車を気に入れば、販売にも応じるといいます。

また、自動車販売店だけでなく、ガソリンスタンドやビジネスホテルなどの異業種からも加盟店を募り、今春には50店舗、3年後には500店舗にまで拡大する計画だそうです。

以前、ブランド品の「レンタル」が伸びているという話題をブログでも取上げたことがありますが、きっかけは不況であるにしろ、一度消費者から「所有する」という意識が薄れたら、たとえ景気が戻ってもその意識はなかなか変わらないと思います。

「借りたほうが得!」と気づいた賢い消費者たちは、今後も「買うもの」と「借りるもの」を上手に分けていくでしょう。経営者としては、その消費者意識の変化を十分理解しておく必要があります。

また、「時間を細切れにする」という感覚も大切です。時代のスピードがますます速くなっている今、「半日」「1日」といった単位はまったく長すぎますし、もはや「時間」単位でさえも長すぎる感があります。その点、「10分」という単位を採用した同社のセンスはかなりのものです。

さらに「100円レンタカー」というネーミングも秀逸ですよね(*^^)v 波及していく商品やサービスには、これくらいインパクトのある「名前」が必要なのです。

こんなふうにこの事例を見ていくと、大いに参考になると思います。私は『世の中は自分のお金を出して実験してくれている』という感覚で世の中を見ることを教えていますが、この事例もまさにそうです。

「100円レンタカー」というビジネスのなかには、100円均一ショップが登場したときのインパクトや、近頃好調な「カーシェアリング」の要素が上手に組み込まれています。そういえば、最近では「社用車」を持たずに、カーシェアリングを利用して商品を配達する会社もあるみたいですよ。

それはともかく、経営者の“ビジネス脳”がますます問われる時代になっています。楽しくアイディアを出しながら、常に新しい切り口を持って、ビジネスを展開していきましょう(@^^)/~~~