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2007年12月21日(金)更新

お風呂でエビフライ?! ユニーク入浴剤の発想に学ぶ

このところ、玩具会社が「入浴剤」の分野でスマッシュヒットを飛ばしているのをご存じでしょうか? 「たまごっち」の企画などで知られるウィズの子会社、ウィズランドが発売した入浴剤は「お料理気分♪ ふろずきんチャンのたのしーバスタイム」(全5種類・367円)というもので、入浴剤の中にフライやドーナツのフィギュアが入っていて、お湯の中から現れるしかけだそうです。

同社では、子どもたちに「危なくてできない『揚げ物遊び』をお風呂で楽しんでもらいたい」と話しています。


えびふらい


一方、バンダイが発売したのは「うまい棒入浴剤」(全8種・210円)。7月に発売した「ガリガリ君入浴剤Cool!」が100万個を売る大ヒット商品となったことで、それに続けとばかり、食べ物をテーマにした入浴剤第二弾として企画されたものです。
こうした商品は、当初小学生を対象に発売されたものですが、ふたを開けてみると20~30代男性の購入が目立ち、「幅広い需要が見込める」と判断したようです。

以前は、その“効能”が重視されてきた入浴剤市場ですが、最近では、自分へのご褒美や癒しという面から、コンビニエンスストアでの売上も好調だといいます。また、こんな遊び感覚にあふれた商品なら、ちょっとしたプレゼントとしての需要もあるかもしれません。

それにしても、入浴剤に『エンターテイメント性』を追及する発想は、おもちゃ会社ならではですよね(*^^)v 

以前も私のブログで、「いえそば」という商品を取り上げたことがありますが、たとえ既存の商品でも、違った角度の“発想力”をもってすれば、全く新しいマーケットが開けたりするものです。

近年、玩具業界では、少子化対策もあって「大人向け」の商品を企画しはじめていますが、グランドピアニストなどのヒットを飛ばすセガトイズは、商品企画のポイントをこんなふうに話しています。

同社には、取引のある企画製作会社はもちろん、管理部門の社員からも、また突然の来訪者からも、毎月300点に上る商品アイディアが持ち込まれるそうです。「多角的な視点を持つ」をいう意味では、これをありがたいことと考えていて、社内でトップを交えた論議を重ねたうえで、この中から数点の試作品を作るそうです。

ここで大事なのが、『想定する顧客の生の声を集める』ことだと言います。調査会社などに依頼して、集めたモニターを会社に呼んで話を聞くというスタイルでは、「モニターという行為が仕事になってしまい、ともすると専門家のような評価になってしまう」のだそうです。

そこで、このグランドピアニストの開発にあたっても、実際に試作品をバイオリニストの葉加瀬太郎氏のコンサート会場に持ち込み、来場者の反応を調べたりしたみたいです。

消費者の生の声を集めるのは、確かに手間はかかりますが、大資本でバンバン宣伝していく手法とは真逆のマーケティングですから、われわれ中小企業にも十分勝算のあるやり方だと言えます。

いずれにしても、大事なのは経営者の”発想”です。今回の事例を参考に、ぜひ柔軟な発想力をもって、自社の経営を見つめてみてください(@^^)/~~~