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2009年07月17日(金)更新

「人を育てる」をどう考えるか

今回は「Q&A」バージョンでお届けしますが、経営者なら誰もが一度は悩む、「人」に対する問題を取り上げてみました。


== 質 問 ==

人(社員)に対する接し方、教育、育て方について話をして欲しいです。


== 回 答 ==

経営者や経営幹部、上司として部下の教育をするという場合は、テクニックよりも「どれだけ深く思えるか」ということになると思います。また、その姿勢がまずは相手に伝わらないことには、教育はできないと思っています。

== 解 説 ==

部下の育成法としていろいろな手段や方法がありますが、まず基本になるのはどれだけ相手を成長させたいと思っているか、また相手に対する愛情があるかということだと思います。

理由はそういう愛情なり思いが相手に伝わらないと、アドバイスを受けたいとか、教育を受けたいというスタンスに相手が立ってくれないからです。

また、もちろん部下が上司であるあなたに対して、仕事の成果などを通して尊敬や信頼を持っていなければ、そもそも教育を受けたいとか、この人の話を聞きたいと思わないので、仕事で圧倒的に部下を引き離した上で、こういう教育は可能になるのだと思っていてくださいね。

テクニックよりもまずは愛情という理由ですが、例えばコンサルティング手法やカウンセリングテクニック、また最近流行っているコーチングの手法などは、相手がこちらに対して、「コンサルをしてください」「カウンセリングをお願いします」あるいは「コーチをお願いします」というように、依頼してくれるので実現するものです。

つまり、これらは「依頼」の上に成り立つというそもそもの関係性の上に成り立っているから、やりやすく効果も出やすいという面があるのですが、部下は必ずしもそういった気持ちをあなたに抱いているわけではありません。

さらに、こういう依頼をして来る人は、自分に何らかの問題があると考えていたり、あるいはもっと成長したいと思っているからこそ、お金を払ってまで依頼をしてくるのに対し、部下は自分に対してそういう問題意識を持っていないことの方が多いものです。

・・・・だから、教育や育成が必要になるわけですよね(ーー;)

ですから、教育は相手の問題をこちらからが教える、提示してあげる、指摘してあげるということからスタートする場合が多いのですが、信頼のない人、また愛情を感じていない人からこういうマイナスを聞いたらほとんどの部下は反発しますので、まずは部下に対する愛情や思いがない人は、教育のスタートラインにつけないということです。

また私は、教育ということは、相手の触れられたくない感情に踏み込むということでもありますし、指摘したら絶対にその問題を克服するまで相手に付き合ってあげないと完成しないと思っているので、覚悟のない人には絶対にできないと考えています。

最近は、こういう教育のできる経営者や上司が本当に少ないと思っていますが、本当の組織化はこういうしっかりとした教育からしか生まれないと思っています。参考にしてください。

いかがですか? 私の発行する週刊メールマガジン、『社長、「小さい会社」のままじゃダメなんです! 』(購読無料)では、毎週メルマガ読者のみなさんからの質問にこんな感じでお答えしています。

これまでのQ&Aも「バックナンバーにたくさんあるので、興味があればぜひ覗いてみてください。もちろん、質問も随時受付中です(*^^)/~~~

2009年06月05日(金)更新

「部下に任せる仕事」と「自ら率先して行う仕事」のバランスを考える

今回は「Q&A」バージョンでお届けしますが、「明大生との毎週一問百答」の過去の質問から選んでみました。組織化を考えるうえでも、とても重要な視点です。

== 質 問 ==

「部下を信頼して仕事を任せること」と「自ら率先して仕事をこなすこと」経営者にとっては、どちらも必要なことだと思います。どちらか一方に偏らずにバランスをとってゆくには、どうすればよいのでしょうか?

== 回 答 ==

仕事を任せる、自ら率先して仕事をこなす・・・これをバランスよくこなすには、一度仕事の中身を整理して考え、任せる(部下がする)べき仕事と自分(経営者)自らがしなければならない仕事を区別するといいと思います。それで混乱が無くなりますね(*^_^*)
== 解 説 ==

おそらく質問の趣旨は、ある仕事をしなければならない時に、その仕事を自分がするか? 部下に任せるか? 自分がやっちゃった方が早くて簡単にしかも完璧に出来てしまう、でも部下にやらせないと部下が成長しない、だから我慢してでも部下にやらせた方がいいということもあるし・・・どちらがいいのでしょうか? 

また(偏らないで出来るようになるために)どのようにこういった問題を解決していますか? すべきなんでしょうか?・・・ということだと思います。

この答えは、その仕事が本来だれがすべき仕事かによって変わるので、仕事の整理をすると良いということですが、この意味についてちょっと解説します。

本来、会社(組織でもいいです)の仕事は、その仕事をするべき人が実行するべきです。例えば、仕事上の分担や職務だったり、営業だったら担当している顧客についての仕事などは、その担当者がするべき仕事です。

もし、その仕事を社長や上司がしてしまったら、永遠にその担当者は成長しませんし、その担当ということ自体が成り立っていないということになってしまいます。ですから、仕事を整理して、誰がするべきかを考えて、その人にやってもらう方が良いわけです。

本来は、自分がやっちゃえば早く終わるからやってしまうとか、ココは部下の成長のために任せるか、と考えるとすると、返って混乱をきたすということになるわけですね(ーー;)

もちろん、仕事を移行していくときには、こういった状況も確かに起こったりしますが、それはあくまでも、教育の過程で一過性的に起きることと考えるべきです。

指導をするならいいのですが、任せた仕事に手を出してしまったら、絶対に組織運営は出来ません。なので、仕事を分担して任せていかなければならないわけですね(*^_^*)

組織化はこうやって進めて行くものなんだなぁ~と 考えて、今のうちから試してみてください。将来社会人になったときにこの考えはすごく役に立つと思いますよ。

また、当社の組織化に対する考え方をホームページでバッチリ解説していますので、よかったらこちらも参考にしてください。

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2009年05月08日(金)更新

デザイナーがすぐに辞めちゃう!? クリエイター職の教育を考える

ゴールデンウィークも終わり、ようやく平穏な日常をお迎えの方も多いのではないかと思います。経営者にとっては、会社が一番ほっとしたりして・・・(笑)。さて、今回は、「Q&A」バージョンでお届けしますが、デザイナーなどクリエイター職の「教育」について考えてみました。

== 質 問 ==
企画デザイン会社を経営しておりますが、営業ではなく、デザイナー(女性)の教育に苦戦しております。続いても2年で退職してしまいます。一言では言えないと思いますが、どういうステップで進めていけばよいでしょうか?


== 回 答 ==
仕事の種類や内容によって、なかなか社員化するのが難しい職種がありますが、デザイナーをふくめ、クリエイターなどは、その典型的なパターンだと思います。ですので、無理に社員化しなくてもいいのではないでしょうか?(こんなこと言うと怒られそうですが、本当にそう思っています!)

== 解 説 ==
ちょっとセンセーショナルな発言をしてしまいましたが・・・この回答の大前提として、確認すべきことがあります。「教育」と言う内容ですが、これってどんなことなのでしょうか?

これがもし、デザインの能力やセンスの「教育」だったら、仕事的にかなり才能が関係してしまうので難しいと思います。・・・・・ということは、教育は不可能だということです。なので、求める仕事のレベルに合った人を採用することを考えた方が良いと思います(こういう意味の「教育」の場合は、以下の答えには当てはまらないのでご容赦ください)。

ということで、今回の回答は、「教育」の内容が、会社の理念や社長の考えに沿って行動すること、という意味でお答えします。それで、回答は何かというと、『社員化には向かないので、あまりそういう教育を強要しない方がいいのではないか』というコトです(ーー;)

これは、その社員も会社側も、どちらも大変になるのでしない方がいいって感じですが、そもそもクリエイター職というのは、職種的に経営理念や社長の考え方に即しないほうが能力を引き出せる種類の仕事・・・と考えて、理念などは押し付けない方がいいと思っているということです。

もっと言うと、そもそも、社員という扱いでこういった仕事をする人を採用しない方がいいのではないかということです。

その理由は、デザインやクリエイターという仕事は、芸術系なので、自由度やわがままさが非常に重要で、変に人の意見を押し付けたり、ひとつところに閉じ込めて置くと、才能が活かされなかったり、逆に枯れていってしまうからです。

ましてや、企業理念に沿って行動させたりしたら、創るモノから独創性が無くなってしまうと思います。ディレクターという仕事がなぜ重要かというと、そういう人間をコントロールするためですね(*^_^*)

もちろん、ということは、特殊な分野なので一般の社員さんとは分けて組織化に加えたりする経営上の考慮が必要ですから、それを社内には良く分かるように説明して混乱の無いようにしないといけないですが、扱いはあくまでもそういうふうにした方がいいと思います。

また、そう考えると、2年はどうかと思いますが、入れ替わるということ自体は、そう悪いことではありません。経営はいろいろな要因が集まって行われる行為ですが、業種・職種によってはこういう経営の形態も必要になるんだなと考えてみてください。

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2009年04月03日(金)更新

日本人には不向き!? 「完全歩合」セールスの採用を考える

4月がスタートしました。新しいことを始めるにもいい季節ですね。今回は、私の発行する週刊メールマガジンの読者さんから寄せられた質問に対する「Q&A」を取り上げてみたいと思います。

== 質 問 ==

住宅販売で、完全歩合制のセールスマンを訪問させています。5名を常時待機させていましたが、1人が体の具合が悪く動けなくなってしまったのです。

もっとセールスマンを増やしたいと考えていますが、なかなか完全歩合のセールスマンが増えていきません。募集の方法や、セールスマンの見つけ方で良い方法は無いでしょうか?

また、そもそも、完全歩合のセールスマンをと、考えるのがいけないのかもしれません。その辺も含めたアドバイス、どうぞよろしくお願いいたします。

== 回 答 ==

完全歩合のセールスマンで販売組織を作るというのは、おそらく日本では難しいと思います。もしするにしても、かなり工夫が必要ですので、考え直した方がいいのではと思います。それに、そもそも、経営そのものが大変になってしまいますよ。

== 解 説 ==

結論から言うと、完全歩合の営業が継続的に成り立つことは、日本では難しいと思います。これは、私自身が厳しい営業の世界にいたことがあるので、とてもよくわかります。フルコミッションでも平気で成果を上げていける人は、日本では何千人にひとりといった割合だと思いますよ。

誤解のないように聞いていただきたいのですが、アメリカ人などは、もともと外向き(不安を持ちにくい=なんとかなるさ…的明るさがある)ので可能ですが、日本人は、基本、根暗で心配性な部分を持っているので、フルコミッションのセールスなどはまったく向いていません。だから、営業組織を作って一時的に機能したとしてもすぐに壊れると思います。

もし、どうしても歩合制でやりたいというのであれば、歩合の支給の仕方を変える…例えば、1件当たりの金額にもよりますが、歩合の支払いを、成約時に半金、残りの半金を12ヶ月に分割して支払うと、生活が半金の方で維持できるようになるので、精神的プレッシャーからは解放されます。

また、この方法だと、そのセールスマンが何かすると、残りの半金がもらえなくなるので、リスク管理になりますね(ーー;)  多くの保険屋さんの歩合は、基本この方法で12ヶ月とか24ヶ月とかで割って支給されます。

また、住宅だとちょっと難しいですが、成果報酬の歩合にストックを付けるという方法があります。例えば、問屋業などルートで流れる商品の卸し先を開拓したら、その問屋に商品が流れている間は、ずっと何%かは、支払ってあげるという形を考えます。

これだと、こちら側はリスクが無く、営業側はストックのメリットが生まれ生活が安定しますので、もっと一生懸命がんばってくれます。・・・というように、販売してくれる側にもう少し何かしてあげないと、継続は無理ですね。

セールスというのは、それくらい大変な仕事だということです。参考にしてください。

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2008年08月29日(金)更新

あのミクシィが金曜日「自由時間」宣言!?

今や1500万人以上が利用しているといわれている「日本初のソーシャル・ネットワーキング サービス(SNS)」を提供するmixi(株式会社ミクシィ)では、毎週金曜日を自由時間と決め、その日ばかりは通常の仕事をしてはいけないという制度をつくり、それが徐々に成果を上げはじめているようです。


mixiトップ


同社では、Google社を参考にして、2006年6月から、週のうち1日を自分の好きな研究やサービス開発に使っていいという「ワンデイフリー(ODF)」制度を導入したそうですが、急成長する会社では当然みんな猛烈に働いているわけで、そんななか自分ひとりが「無理に遊べ」と言われても…かなり実践しづらい面があったみたいです。

そこで思い切って会社側から「金曜は自由時間」宣言をし、その日は読書をしたり、ミニゲームを開発したり、はたまた技術者同士が集まって討論したりと、一日を有意義に使えるようになったのだそうです。

そもそも、この制度を導入した背景には、「ソフト開発の生命線は独創性である」と考える同社の経営姿勢が存在するわけですが、世の多くの開発者たちが、日々の仕事に追われているうちに、すっかり「発想の泉」を枯らしてしまうことに危機感を感じているからなのです。

確かに一理あるのですが、一般の企業では、なかなか実行しづらいですよね。これはある意味、mixiのようなビジネスが、「積み上げ型のビジネス」だから、こんな制度の導入を可能にしているわけです。

どういうことかと言うと、SNSという「インフラ」を作ったら、あとはそこにいろいろなサービスを「プラスアルファ」していくだけで、飛躍的にビジネスが大きくなります。これを私は「積み上げ型」と表現したわけですが、日々の営業努力で日銭を稼がないといけない企業とは、ビジネスモデル自体が違うわけです。
インフラを整備していく段階はかなりヘビーでも、それを過ぎれば、あとは楽しいアイディアをどんどん出せば出すほど、それがすべてお金に換わるというわけです(*^^)v

現に、この制度を利用して、通常はデータベース業務を担当する社員が「遊び」で開発した、同じ高校の同窓生や似た趣味を持つ人を自動的に選んで表示する『おすすめマイミクシィ(友人)』機能は、あまりの出来の良さに、会社がすぐに採用したのだとか。

この機能は、毎週金曜日をその開発に充て、半年足らずで完成させたので、なんと!「開発日数およそ25日」という異例の速さで世に出たものです。

こんなふうに、同社はもう完全に「プラスアルファ」の段階に入っているわけですね。これを経営基盤が安定していない会社がそのまま真似したら、大変なことになりますが(――;)、経営者としては、こんなレベルの企業があることを知っておくべきでしょう。

結局は、「経営者がどこまで先のことを考えているか?」が、その企業の成長スピードを決めているのです。いきなりこのステージには立てないにしても、たとえば、月に1回だけ「フリーな日」を作ってみるなど、段階に応じた方法があるはず。

いずれにしても、常に新しい情報に敏感であり、かつ「感性」を磨き続けない限り、勝っていけない世の中です。経営者はもちろん、社員にも「そのための時間」を作ってあげるべきかもしれません。参考にしてください(@^^)/~~~
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