大きくする 標準 小さくする
前ページ 次ページ

2010年11月05日(金)更新

新しいことをやってみる時の準備と検証

あっという間に今年もあと2ヶ月になりました。年頭に掲げた目標に対しての進捗はどうでしょうか? また、そろそろ来年を視野に入れた動きに変えていく時期でもあります。

というわけで、今回は「新しいこと」への取り組み方についての質問を取り上げ、来年の準備の参考にしていただければと思います。

== 質 問 ==

部下を教育して、組織を運営させたり、新しいことをやってみる時の準備で、石原先生が何をされているのか(考えているのか)聞かせてほしいです。また、実際動きだしたことに対する検証をどういう視点でみているのかも教えてください。

== 回 答 ==

準備としてとにかく大切なのは、プランを磨くことだと思います。ついで、メンバーを選ぶこと、そしてそのメンバーのチームワークを図ることを考えます。

検証に関しては定期的なミーティングを欠かさないこと、その場で進捗に合わせて自由度をコントロールしていきます。

== 解 説 ==

今回の質問はとってもおもしろい質問で、この回答はみなさんにとってもかなり興味ある内容だと思います(*^_^*)

まず、部下に組織を運営させたり、新しいことをさせてみる時の準備についてですが、とにかくプランをしっかり作るということに、まずは注力させます。考えと、その考えに基づいて実際に実行した場合のギャップは本来かなりありますので、多くの方がまずは不完全でも行動に移してしまった方が早く成果に繋がると考えていますよね。

私も、基本的にはこの考え方が正しいと思いますし、行動なくして結果はいつまで経っても得られないと思いますが、その反面、計画をしっかり作っておけば、無駄な行動は取らなくてもいいので行動の効率がかなり高くなり、結果としては早く成果に結びつくということも、とっても正しいと考えています。

一番良いのはその人なりの考えのまとめ(プランのつくり)方と、それを実行した場合に一番効率が良いという実行のバランスをそれぞれの方が経験的に知ることだと思いますが、自分以外の人にこういうことをさせようとする時には、まずはしっかりとしたプランを作らせる方がいいと思っています。

理由は、それが一番良い教育になるということと、(プランを基にすることで)仕事が進んでいく中でのコミュニケーションが上司と部下の関係で一番よく図られると考えるからです。

こういった話は、ビジネスモデルを作っていく時に経営者の方にも良く解説するのですが、プランの質が高ければ、人材の採用にしても、資金調達にしても、まったく問題なくスムーズに進みます。

それどころか、ビジネスモデルが本当に素晴らしければ、求人しなくても優秀な人が勝手に入れてくれと言ってくるし、資金調達しなくても投資したいといろんな会社や人が寄ってくると思います。

また、ビジネスモデルが強ければ、社員さんも、ここにいればいいことがあると分かるので、教育しなくても積極的に動いてくれると思います。

こういうふうに考えると、組織化によらず、新規の仕事によらず、モノゴトをスタートさせる時には、絶対にしっかりプランを練ることだと思います。ということで、まずはリーダーとなる人間に、しっかりしたプランを作らせること・・・これが一番と思っています。

プランがしっかりしたら、次に何をするかですが、私の場合はその仕事を誰に任せるかということで、メンバーの人選にかなり注力します。

また、リーダー(プランを作った人ですね)を中心に選ばれたメンバーがしっかりコミュニケーションが取れるようにすることが大切なので、リーダーに組織を動かす上でのコミュニケーションの取り方を教えていきます。

・・・・ちなみに、蛇足ですが、プランが強ければ、メンバーは集まった時点でやる気になっているので、コミュケーションもしっかり取れると思いますよね(ーー;)・・・だからプランが大切なんですね。

続いて、仕事の進捗ですが、私の場合は継続的なミーティングを持つことで、クリアーしていくことを習慣化しています。ミーティングの周期についても、最初はだいたい週一回程度で行うようにして、全体の進捗を測るようにしています。

週一回ミーティングを行うと、実際にその仕事の現場にいなくても、何回目かで全体像がかなりはっきりしてくるので、参加者の様子を観察して励ますことも指示を出すこともかなり自由に出来るようになってきます。

そして、こういうふうに新規の取り組みをすることで、その仕事に関わった人間がこういう仕事の仕方を覚えてくれて、結果として組織全体に広がっていくと考えています。
こんな感じが、私の部下に組織を運営させたり、新しいことをさせてみる時の方法です。ぜひ、参考にしてみてください。  


いかがでしょうか? あなたはどうお考えになりますか(^^♪ 私の発行する週刊メールマガジン、『社長、「小さい会社」のままじゃダメなんです!』(購読無料)では、毎週メルマガ読者のみなさんからの質問にこんな感じでお答えしています。

これまでのQ&Aもバックナンバーにたくさんあるので、興味があればぜひ覗いてみてください。もちろん、質問も随時受付中です(*^^)/~~~

2010年10月15日(金)更新

創業100年以上の会社は日本に何社? 長寿企業の秘訣

少し前の話題になりますが、今年(2010年)9月20日の敬老の日にちなみ、帝国データバンクがおもしろい調査を実施したようです。

約130万社が登録されているという、8月時点の同社の企業概要データベースから、「創業100年以上の企業」を集計し、創業時期別、都道府県別、業種別に分析を行ったのです(詳しい資料はこちらから入手できます)。


shitennouji.jpg


ちなみに、日本で一番古い会社をご存じでしょうか? 大阪府にある「金剛組」という会社ですが、創業は飛鳥時代(@_@;) 西暦で言うと578年だそうですから、なんと! 創業から1432年も続いているということになります。

この会社は「神社仏閣の建築」を専門に行う会社ですが、聖徳太子が四天王寺建立のために百済の国から招いた工巧(くぎょう)が始祖とされています。

続く2位は京都府の池坊華道会、3位は山梨県の西山温泉慶雲館。いずれも1300年以上続く企業ですが、創業500年を超す企業が、日本には39社ほどあるそうですよ。

そころで、創業100年を超す企業が、日本には何社くらいあったと思いますか?

・・・正解は「2万2219社」だそうです。

そのうちの9割は江戸時代末期から明治にかけて創業した会社で、都道府県別では東京都が1位、愛知県が2位、大阪府が3位。業種別では小売業が1位で、酒、呉服などの業者が目立ちます。続く2位は製造業、3位が卸売業という結果になったようです。

経営者として、この結果をどうお感じでしょうか? もしかしたら、100年続く企業をつくることは、すでにみなさんの目標に入っているかもしれませんが、「1000年」となるとどうでしょう。「1000年先」に視野を置く経営者は、ごく少数だと思います。

この調査結果を受け、マスコミ各社でも「長寿企業の秘訣」といった内容で、「変化への対応力に優れている」とか、「結局本業に特化した企業が強い」などといった分析をしていましたが、私が思うに「やめない」と決めることが一番重要なんじゃないでしょうか(*^_^*)

どんなビジネスでも、本当に儲かるのは「新規事業」と呼ばれる時期だけです。マーケットが成熟していくにつれ、しだいに儲けが薄くなるので、競合他社は次々にその事業から撤退していきますよね。

そんななか、業界で最後の1社か2社に残ることができたら、その先は長寿企業に向けてまっしぐら! というわけです。私の友人に書道用の「筆」をつくる会社の社長がいますが、同業がどんどん廃業するなかで、彼の会社だけは、今でもきちんとした商いを続けています。

みなさんには、その覚悟がありますか? 秋の夜長・・・たまには100年先、1000年先に思いを馳せて、自社の将来をイメージしてみてはいかがでしょうか(@^^)/~~~

2010年10月01日(金)更新

経営者はどうしたらいつも笑顔でいられるか

早いもので、今年も10月に入りました。念頭に掲げた目標に対して、順調に推移しているでしょうか? 経営には「自分の思い通りにならない」要素も多分にあるものですが、今回はこんな質問を取り上げてみました。私の笑顔の秘密(?)を明かします(*^_^*)

== 質 問 ==

石原先生はどうしていつも笑顔なんですか? 私はいち経営者ですが、恥ずかしいことに感情のコントロールが苦手で困っています。つい部下を怒鳴ったりしてしまうのですが、どうすればいつも笑顔でいられるのでしょうか?

== 回 答 ==

この手の質問はよく聞かれるので、参考になるかと思いお答えしますが、一番の理由は「周りの人に対して依頼心をまったく持っていないから」だと思います。


== 解 説 ==

「なぜ、依頼心を持たないと感情的にならないで、ニコニコしていられるのか」ということですが、これ、わかりづらいのでちょっと解説すると、社長として部下や周りの人に対して感情的になるという背景には、少なからず部下や周りの人に対して依存心や依頼心があり、「こうやってくれるはず」・・・という気持ちがあるからだと思います。

だから、思いどおりにならないと「何でこうやってくれないのか!」とか「信じられない!」とかというように感情的になってしまうのだと私は思っています。

ですから、この周りの人に対する依頼心をなくして、基本、全てのことは自分の責任においてやると最初から決めてしまえば、そんなに感情的にならないで済むということです。

そうすると「先生は周りの人を信用していないのですか?」と質問されますが、言い方はちょっと難しいのですが、期待はいっぱいしているけれど、最終的に何かあったらそれは全て自分の準備や確認がおろそかになっていたからと思うようにしているという感じです。

こういうふうに考えることを、今の会社を設立する時にハッキリと決めました(*^^)v
なので、上手くいったらそれはすごいことで、スタッフのおかげ、上手く行かなかったときは残念ながら自分の確認や詰めが甘かったと考えるようにしています。ですから、ぜんぜん怒ったりすることはないのです(*^_^*)

もちろん、こういう思考が持てる背景には、しっかりした(今の仕事をずっと続けられるなど、長期的に成果の上がる)ビジネスモデルとマーケティングのしくみがあり、いろいろな出来事はあったとしても体制には影響ないという形を作っていることも大切なので、経営者であれば、絶対にそういうしくみの上で経営できるスタンスを早く作るようにして欲しいと思います。

私が主催する「高収益トップ3%倶楽部」は、そういうしくみを自ら作るために勉強する会ということですね。

また、私はずっと営業の仕事をしていたので、いざとなれば、何でも売って来られるという自信があるというのも、いつも笑顔でいられる秘訣の一つだと思います。経営者が販売にそもそも強くないと、結構大変だと思うのでその辺も足りないなと感じたら、トップ営業が出来るように自分を磨いてみてください。

・・・と、こんな感じで仕事をしているので、いつもかなり平和に仕事をしているということです。よかったら参考にしてください。


いかがでしょうか? あなたはどうお考えになりますか(^^♪ 私の発行する週刊メールマガジン、『社長、「小さい会社」のままじゃダメなんです!』(購読無料)では、毎週メルマガ読者のみなさんからの質問にこんな感じでお答えしています。

これまでのQ&Aもバックナンバーにたくさんあるので、興味があればぜひ覗いてみてください。もちろん、質問も随時受付中です(*^^)/~~~

2010年08月27日(金)更新

今どきの日本男児に「龍馬」はいない!? エネルギーは情報量に比例する

今年は厳しい残暑が続いていますが、みなさんお元気でお過ごしでしょうか? さて、今回はちょっとおもしろい質問が寄せられたので、取り上げてみました。

幕末の志士たちの中でも、坂本龍馬は絶大な人気を得ていますが、毎週、NHKの大河ドラマ「龍馬伝」を見るにつけ、自社の若手社員(特に男性)の元気のなさが気になるという、とある経営者からの質問です。

== 質 問 ==

毎週「龍馬伝」を楽しみに見ていますが、幕末の日本男児のエネルギーには感動します。それと比べるのもどうかと思いますが、自社の若い男性社員の元気がないように感じてしまうのですが、こんなことを感じてしまう私はただのオヤジでしょうか……。

== 回 答 ==

活性化は情報の量に比例すると思うので、自社の若手社員さんに元気がないのであれば、与えている情報が少ないと考えて、質・量ともに充実させる工夫をされることをお勧めします。

== 解 説 ==

与える情報には量と質という問題もあるので、「定期的にいろいろな情報を社内に流す仕組みを考える」「社員を関係する分野の専門家と会わせて、その分野の専門に特化した情報に触れさせる」などの工夫が必要だと思います。

また、今話題の「龍馬伝」について、幕末の日本男児のエネルギーと情報の質と量の話で言うと、明治維新の際に、伊藤博文が時の為政者を大量に数年間に渡って世界中に派遣して情報を収集させたことにより、実現化が加速していったという経緯があります。

それに対して、人物的にはすばらしい方だったが世界に触れることが出来なかった西郷隆盛は(情報に触れることが出来なかったために)明治維新という流れに結果として逆らう形になってしまいましたよね(ーー;)

そう考えると、人が何かに向けてエネルギーを持つためには、質量ともにある一定の情報という刺激が必要で、社員の活性化のためには具体的にそういった刺激をする方法を設定したり、考えたりする方が良いと思います。

私の顧問先でこういう方法を上手に工夫している会社もあるので、例を挙げておくと、この会社は貿易関係ということもあり、社員さんが入社後数年すると、海外の仕入れ先に1人で出張に行かせます。

観光旅行ではなく先方との交渉も含まれるビジネスですから、1人で何でもやらないといけない状況から、ものすごい緊迫感とともに情報の刺激を受けて帰ってくるそうで、行く前とはまったく別人のようになるそうです(*^_^*)

そもそも海外旅行に行ったことが無い人が1人で海外に行くということ自体がスッゴイ刺激ですもんね(ーー;) そりゃあ生まれ変わるくらいの危険や刺激があるわけです。

また、この会社は、仲の悪い社員を2人だけで海外出張に行かせたりもしますが、こういう場合は、2人の人選を、英語が話せるが業務が分からない人間と、業務は分かるが英語が話せない人間という感じで組み合わせるので、刺激も受けて尚且つ、結果としてスッゴク仲良くなって帰ってくるそうです。

下手な研修を何回もするよりも絶対に単独出張の方が効果がありますよと、その社長さんは言いますが、こういう感じで、刺激を受ける方法を業務の中で設定できると良いということです。こうした事例を参考にして、ぜひ、人が活性化する仕組みを考えてみてください。


いかがでしょうか? あなたはどうお考えになりますか(^^♪ 私の発行する週刊メールマガジン、『社長、「小さい会社」のままじゃダメなんです!』(購読無料)では、毎週メルマガ読者のみなさんからの質問にこんな感じでお答えしています。

これまでのQ&Aもバックナンバーにたくさんあるので、興味があればぜひ覗いてみてください。もちろん、質問も随時受付中です(*^^)/~~~

2010年06月25日(金)更新

社内の確執に経営者はどう向き合うべきか

6月も月末が近づいてきました。今回はQ&Aバージョンなので、社内のコミュニケーションに関する質問を取り上げてみました。

経営者として、こうした問題には折りに触れ、正面から向き合っていきたいものです。よかったら、参考にしてください。

== 質 問 ==

社内のコミュニケーションが悪くて困っています。特に、町工場時代からいた職人肌の古い社員と、会社がある程度大きくなってから入社したサラリーマン感覚の強い社員間の確執があるようです。 経営者として、こうした現状にどんな配慮をすべきでしょうか?

== 回 答 ==

どういう組織を作りたいかを考えて、状況を想定し、いろいろな場面でも一貫性のある答えができるようにシミュレーションしておきましょう。

== 解 説 ==

実はこの回答には、「現状に合わせて無理をしない」など、いろいろな答え方がありますが、できたらこれが一番良いと思う回答を、今回はあえてしたいと思います。

ということで、ちょっと真剣にお答えすると・・・こういう場合、一番良くないのは、どっちつかずの曖昧な態度と、場当たり的な対応です。

また、双方に良いところも変えて欲しいところもあると思いますので、一方に偏った判断も良くないというのが現状です。

なので、本当に難しい感じですが、一度冷静になって組織がどうなったら一番良い形なのかとか、本当は経営者としてどんな組織を作って行きたいかをよく考えてください。

この考え(組織の理想イメージ)を持ったら、次に行なうのはいろいろなシチュエーションを想定して、こういう状況が起きたらその理想へ向かうためにはなんと説明して分かってもらうか? 理解させるかを考えるということです。

このシミュレーションは、たくさんすればするほど良いと思います。ゴールはとっさの対応ができるまでする、という感じでしょうか(*^_^*)

これをよく考えてトレーニングしていくと、一方に偏った答えはだんだん無くなりますので、社長はどちらかの肩を持っているわけではないという感じになっていきます。

社員さんが分裂した時には、どちらかの考えに社長を引っ張ろうとしたりしますが、しっかりした考え方で、その場面場面で良いと思う判断ができるようになるということですね。

組織がある方向へ動くというのは、社員に経営者の真剣さが伝わった時というのがほとんどですが、そのためには、どんな場面でも、一貫した方向性へと導く指導性が必要になります。

この場合、すごく勘のいい人は別として、ほとんどは、過去にその問題を先回りしてしっかり考えておいたかどうか、ということによると思いますし、結果としてこれは信念を持つためのすごくいいトレーニングにもなるはずです(*^^)v

社員さんは、結構、思い付きで目先の話や他社のこととかを気にして右に行ったり左に行ったりしますが、経営者がこれにしっかり答えられないと、組織がバラバラになってしまうということです。

何をどう聞かれても、もっともな答えが返ってきたら、年を取った社員も、若い社員もだんだん経営者を信頼して言うことを聞くようになっていきます。がんばってくださいね。


いかがでしょうか? あなたはどうお考えになりますか(^^♪ 私の発行する週刊メールマガジン、『社長、「小さい会社」のままじゃダメなんです!』(購読無料)では、毎週メルマガ読者のみなさんからの質問にこんな感じでお答えしています。

これまでのQ&Aもバックナンバーにたくさんあるので、興味があればぜひ覗いてみてください。もちろん、質問も随時受付中です(*^^)/~~~
«前へ 次へ»