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2010年05月21日(金)更新

ゲームで釣り上げた「カンパチ」が自宅に届く!? マルハニチロの新戦略

このところ、携帯ゲーム、とくに「イチゲー」と呼ばれるGPSを使った「ケータイ国盗り合戦」などの位置ゲームを集客に使う企業が増えていることは、以前このブログでも取り上げましたが、マルハニチロ水産が、これまたおもしろいしかけを始めました。

なんでも、携帯の釣りゲームで「カンパチ」を釣り上げて、サイトに住所・氏名などを記入すると、3枚におろした本物の「カンパチ」が無料で届くのだそうです(@_@;)


kanpachi


このゲームは『鹿児島カンパチ釣り天国』というものですが、同社と鹿児島県漁業協同組合連合会の販売会社が共同で取り組んでいる、鹿児島養殖カンパチのブランド構築に向けての企画のひとつです。
マルハニチロは昨年末に、養殖魚を「よかとと」ブランドに統一し、鹿児島の養殖場で育てたカンパチは「薩摩カンパチどん」と名付けて販促活動に懸命のようですね。

ネーミングセンスはともかく(笑)、ネットとリアルをみごとに繋いだこの戦略はかなりのセンスです(*^^)v ゲームの他にもサイトでは、カンパチの栄養価や料理レシピなども公開し、情報発信を積極的に行なっていくようです。

それにしても、今どきの人たちをリアルに“動かす”には、やっぱり「ゲーム」なんだ……ってことですよね。

特に最近の若い世代は、長い文章を読まない傾向がどんどん強くなっていて、寂しい限りですが、本はもとより、サイト上の長い文章なんかも、読まれなくなっているみたいです(――;)

すでに文章による説得の時代は終わり、“おしゃれ”か“おもしろい”でしか、リアルに人を動かせなくなっているのかもしれません。こうなるともう「感性」の勝負です!

経営者も、理論理屈にとらわれることなく、もっと感覚的に経営していくべきなのかもしれませんが、なかでも「ネットとリアルをつなぐとおもしろい」という感覚だけは、とことん磨いておきたいものです。

経営者が、「どうしたら人が動くか、集まるか」をわかっていないことには、会社の未来はありません。この事例を参考に、自社のマーケティングを“新感覚”で見直してみてください(@^^)/~~~

2010年05月14日(金)更新

自社における「顧客化のゴールは何か?」を考える

今週はQ&Aの回なので、「お客様から紹介をもらうには」という質問を取り上げてみました。

これからの時代、企業にとって「顧客化」はますます重要になりますが、“自社にとっての顧客化”はどうあるべきかを経営者がはっきり示していないと、現場はカラ回りを繰り返し、とてももったいない状況に陥ってしまいます(――;)

今回の回答を参考に、ぜひ「自社の顧客化のゴール」について、より深く考えてみてください。

== 質 問 ==

輸入の高級海産物を扱っている会社ですが、石原先生のマーケティングの仕組みの中に『顧客化』というのがあります。お客様にファンになってもらい、紹介してもらうというものです。

幸いに弊社と続けて取引してくださるお客様はたくさんいます。しかし「おまえのとこのためにお客を連れてきたぞ」ということがあったのは一度しかありません。

一体どんなことに気をつけ、何を準備し、継続すると、紹介は起こせるの でしょうか? 教えてください。

== 回答 ==

顧客化に対する質問は多くありますが、顧客化について考える時に大切なのは、自社のビジネスにおいて「顧客化のゴールは何か?」ということです。ビジネスによっては、そもそも紹介が出にくいという仕事もあります。どちらかというと、この仕事はそんな感じがします(ーー;)

ということで、その辺(ゴール)を一回見直す・考えてみるといいのではないでしょうか?

== 解 説 ==

マーケティングにおいて、非常に大事なステップが、今回の質問のあった顧客化です。

なぜ大切かというと、商品やサービスを販売したときに、そのお客様から気に入っていただいてリピートや紹介が得られれば、マーケティングロジックが安定し、売るために必要なトータルの費用が大幅に下がるからです。

ということで、顧客化のゴールはお客様が商品やサービスを気に入ってくれてリピートしてくれる、新商品や新サービスを提案した時に買ってくれる、それだけではなく、新規にお客様を紹介してくれるということになります。

・・・これ、確かにそうですよね(^_^;)

皆様にもそう言っているし、もちろん、これが理論的には正解でありゴールなんですが、実はビジネスによっては顧客化というのがリピートまでは可能であるが、新規にお客様を紹介してもらうとなると、かなり難しいという種類のものもあります。

なので、自社にとってのマーケティングを考えた時には、顧客化のゴールは少しそういった要素も入れながら、考えると良いと思います。

・・・そうすると無理が無いですよね(*^_^*)

紹介が難しい仕事ですが、過去に私がコンサルした仕事でいうと、身近なところでは優秀な塾の生徒の紹介はほとんど取るのが難しかったです(ーー;)

理由は簡単で、親が自分の子供にだけいい教育をさせたいと思っているので、他の親には教えたくないと思ってしまうからでした。

また、手作りのとっても素敵なバックを作っているお店がありましたが、ここのお客様も基本的には同じモノを他のお客さんが使っていると優越感がなくなってしまうので、なかなか紹介は出ませんでした。

今回の質問の会社が扱っている商品を考えた時に、高級な海産物となると、どうも同じような状況が生まれやすいのではないかと思いますがいかがでしょうか?

だって、自分のお店がすごく美味しいめずらしい食材を出して繁盛しているのに、たとえ地域は違っていたとしても、他でも同じものを出して欲しくないのは常ですよね(^_^;)

ましてや、近場ならなおさらですよね(ーー;)

それに今はネットの時代なんで、そんな美味しい何かがあるなんてことがネットで取り上げられたらあっという間に広がってしまいますよね。

ということで、今回の質問は、業種そのものや扱っているものが、そもそも紹介には向いていない、顧客化のゴールはリピートや新商品の購入に留めて努力するというのがいいのではないでしょうか?

そうすれば、紹介が出ないのはまだ努力が足りないからだ・・・というような間違った努力はしないですみそうです。参考にしてください。


いかがでしょうか? あなたはどうお考えになりますか(^^♪ 私の発行する週刊メールマガジン、『社長、「小さい会社」のままじゃダメなんです!』(購読無料)では、毎週メルマガ読者のみなさんからの質問にこんな感じでお答えしています。

これまでのQ&Aもバックナンバーにたくさんあるので、興味があればぜひ覗いてみてください。もちろん、質問も随時受付中です(*^^)/~~~

2010年05月07日(金)更新

旅行の新スタイル!? 「タク旅」を開発した長野中央タクシー

このゴールデンウィークには旅行を楽しんだ方も多いと思いますが、旅の新しいスタイルとして「自宅玄関発着」のタクシーによる旅行を開発したのが、長野市にある中央タクシーです。

実施は昨年の夏からだそうですが、バスツアーなどと違い「1名から催行」されるので、予約はしたものの、開催されるのかどうかを心配する必要もなく、こちらの要望にも臨機応変に対応してくれるのでかなり好評みたいです(*^^)v


taxi


今のところ、発着エリアはある程度限定されているようですが、ジャンボタクシーを3名から14名で利用するツアーだと、お一人様2,800円からという手軽さも受けているようですし、もちろん、家族や仲間同士で貸し切ることもできます。

地元客からは「家族に気兼ねなく友達同士で楽しめるタク旅のお陰で生きる楽しみが増えた」とか、「足の悪い私が旅に出るなんて考えられなかった。幸せをありがとう」とか、「移動中も仲間とゆったり楽しめるのは貸切ならでは」などという声が、続々と集まってきているそうです。

ご存じのように、規制緩和による供給過剰に不景気が追い討ちをかけ、タクシー利用客は、減少の一途をたどっています。会社としても、経験豊富なドライバーを遊ばせておくより、旅行ガイドとしてのスキルを身につけてもらって、「タク旅」で生き生きと活躍してもらったほうが何倍もいいですよね(*^^)v

これも経営者のアイディアと決断だと思います。このモデルがうまくいけば、全国的に広がる可能性もありますし、他のタクシー会社に、ツアープランの立て方やドライバー育成のノウハウを有償で提供する・・・なんて新規ビジネスに発展する可能性もあります。

そういえば、ゴールデンウィーク中の渋滞にも楽しみ方があって、みんな意外とイヤがってないというアンケート結果を発表していたテレビ番組がありました。

なんでも、家族が狭い空間に長時間いることと、運転中は相手の目を見ないで会話できることから、ふだんは話せないようなことを話せたり、連帯感が高まったりするんだそうです(*^_^*)

自宅に迎えに来てもらえるという利便性はもちろんですが、タクシーを使った旅行には、飛行機や新幹線、はたまたゴージャスなバスで行くツアーとは、また違った魅力があるのかもしれませんね。自社の持てる資産と強みを活かしたビジネスモデルだと思います。

この事例を参考に、自社のモテル力を違った角度で発展させる方法を、あれこれ楽しみながら発想してみてはいかがでしょうか? “休みボケ”のいいリハビリになるかもしれませんよ(@^^)/~~~

2010年04月30日(金)更新

経営者の休暇の取り方

今年もゴールデンウィークに入りました。みなさんは、どんなふうにお過ごしになる予定ですか? 今回は、「明大生との毎週一問百答」から、過去の質問を取り上げ、「経営者の休暇の取り方」について考えてみたいと思います。みなさんにとって、この連休が有意義なものとなりますように(*^^)v

== 質 問 ==

長い社会人生活を過ごすに当たり、オンオフの使い分けは非常に大切になってくると思いますが、みなさまは経営者という立場上、それもなかなか難しいと思います。
そこで、1・2日の短期休暇と長期休暇のそれぞれケースについて、みなさまのリフレッシュ方法を教えてください。

== 回答 ==

短期の休暇は体調管理、長期の休暇は視野を広げたり思考を切り替えたりといった精神的なゆとりを持つために使うというのがいいのでは無いでしょうか?
特に経営者レベルになると、後者の長期休暇は大切なので事前にしっかりスケジュールを決めて“しっかり休む”を取り入れて欲しいと思います。
== 解 説 ==

今回は休暇をどう取るか、どんな風に活かすかという質問ですが、家族とのコミュニケーションはとっても大切ですが、これは仕事以外(社会人生活でって書いてあるので・・・)と考えてお答えすると、大きく分けて2つの考え方ができると思います。

その一つが、日々仕事をするための気力や体力、思考力などを補充するため=“体調管理”のためにしっかりと休暇を取るという考え方です。

精神と体力は、実はかなりの部分で連動性があるのですが、本人的に認識し難いという問題があります。
なので、仕事でのパフォーマンスが落ちている時に、休むのではなくて返ってがんばってしまって成果を出そうとする場合が多いのですが、こういう努力は一時的には効果があっても、先々にはどんどんパフォーマンスが落ちるという結果を作ってしまいます(ーー;)

パフォーマンスが落ちる → 気合を入れる 短期は成果が回復 → 気が付くと疲れてパフォーマンスが落ちる → 気合を入れる 成果回復 → 倒れる!!
とかいうサイクルですね(@_@;)

こういう時は一回しっかり休息の時間を取って、休んでしまうことが重要なのですが、無理すりゃできる式で、粘る経営者の方は多いと思います。

疲れたら、自分の最高のパフォーマンスは出せないと肝に銘じて、予めスケジュールに休息の時間を割り振りましょう。

そして、休息に対するもう一つの考え方ですが、それは目線を日常から外し、遠くを見るために休むということだと思います。

経営は今の努力が今の成果と同時に将来の成果にも繋がると最大効率なのですが、そういう流れを創るためにも、経営者が定期的に今に視線を集中させることから離れなければならないわけですが、そのためにわざとちょっと長期の休暇をとるという考え方です。

目先の仕事に追われると、目先の成果は出ますが、長期的な視野に立った情報収集や戦略が立てられなくなりますからね(ーー;)

そして、結果的にはビジネスが小さくなってしまうので、目先の仕事を忘れてしまうくらい長い休暇をとって「思考のストレッチ」をしろということです。期間もそうですが、距離なんかも離れると観念して、思考を離すことができるようになりますよね。

こういう意味でわざと長期間休むということも非常に重要だと思います。以上が、私の思う経営者のための休暇の取り方ですが、参考になったら、ぜひそんな使い分けをしてみてください。

いかがでしょうか? あなたはどうお考えになりますか(^^♪ 私の発行する週刊メールマガジン、『社長、「小さい会社」のままじゃダメなんです!』(購読無料)では、毎週メルマガ読者のみなさんからの質問にこんな感じでお答えしています。

これまでのQ&Aもバックナンバーにたくさんあるので、興味があればぜひ覗いてみてください。もちろん、質問も随時受付中です(*^^)/~~~

2010年04月23日(金)更新

「カワセミブルー」の新車が好調!? 商品コンセプトを「色」で伝える

今年は、春といっても肌寒い日が続きますが、いよいよ行楽シーズン本番を迎え、人々の気持ちも内から外へ向く時期です。この季節には、「色味」のキレイな商品に、自然と目が留まります。

そんななか、今年(2010年)登場した新車には、これまでと一風変わったカラーが採用されているのをご存じでしょうか?


kuruma


三菱自動車では、新型「RVR」のテーマカラーを「カワセミブルー」にしました。カラーのモチーフは、清流に住むカワセミの青い羽の色。

「RVR」は、低燃費でエコカー減税の対象車であることから、「環境の時代らしいクリーンなイメージから名付けた」そうですよ。

トヨタ自動車でも、6年ぶりにモデルチェンジした「パッソ」で、「ウグイスメタリック」や「キナコメタリック」といった新色を採用しています。

これまで自動車業界では、「腐る」という理由から食べ物の名前を使った色はタブー視してきたそうですが、先に日産自動車が「マーチ」でパプリカなどの食材をモチーフにした色を出して成功した例もあり、「食べ物は最も身近な自然と受け止める向きが強まっている」として、採用を決めたようです。

いずれにしても、「日本語」を使った色の名前が採用されているのがおもしろいですよね(*^_^*)
四季折々をめでる感性を持った日本人は、山吹色、群青色など、日本ならではの色の名前を無数に生み出してきました。

そうした感性が、「エコ」の時代とマッチしたのかもしれません。もしかしたら、これまで「ワインレッド」「ロイヤルブルー」などと呼んでいたカラーを、「日本語」で表現することで、海外にも広く受け入れられる商品名が誕生するかもしれませんね(*^^)v
また、三菱自動車が「環境の時代」を意識したように、色の名前ひとつで、会社や商品のイメージやコンセプトを上手に伝えることができるのです。

「RVR」の「カワセミブルー」は、一番人気のチタングレーに続く第2位の人気だそうで、同社で上位に来ると予想していた「白」や「黒」をあっさり抜き、会社側もちょっと驚いているみたいです。

こうした流れは、自動車業界以外にも広がっていくことでしょう。ぜひ、この事例を参考に、自社の商品カラーの付け方を、見直してみてはいかがでしょうか?
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