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2011年05月20日(金)更新

シェアが固定化してしまっている業界での逆転方法を考える

新緑のまばゆい季節。夏の暑さが本格化する前の過ごしやすいこの季節は、ものごとを深く考えたり、発想を思い切り拡げたりするのに、最適な時期だと思っています。
 
普段なら「仕方ない」とあきらめてしまうような問題でも、経営者の考え方ひとつで活路が見出せたりするものです。というわけで、今回は「上位1位2位の企業が圧倒的なシェアをもつ業界」での逆転方法を考えてみました。参考にしていただけるとうれしいです(*^_^*)
 
== 質 問 ==

上位1位2位の企業が圧倒的なシェアをもつ業界におります。シェアが固定化してしまっている業界での逆転方法を教えてください。

== 回 答 ==

答えは、業界の常識を変えるような試みで“競争の土俵を変える”ことです。これをヒントに考えてください。

== 解 説 ==

現状でマーケットのシェアが明確に決まってしまっていて、後発の会社が勝てそうにない場合に取る戦略ですが、単純な価格競争や、技術的な競争戦略ではまったく歯が立ちません。
 
理由は、価格戦略を取っても、経済的な体力差があるので、こちらが価格を下げた場合、大手もそれに合わせて価格を下げられてしまったら、まったく勝ち目がなくなってしまうからです。
 
もちろん、圧倒的にこちらの価格を下げられる要素があり、大手がそれに追随できなければ可能ですが、現実的にはなかなか難しいと思います。
 
もし、価格戦略を取るなら、ある分野だけ特化した商品やサービスを作って、大手より高く売るという方法が良いと思います(でも、これでは逆転はできませんが・・・)。
 
価格戦略は、大手が他社をマーケットから追い出すためには有効ですが、反対は難しいということですね(ーー;)
 
それから、同様に技術競争でも、逆転となると、なかなか難しいということです。
 
では、どうすれば、大手を逆転できるかですが、ヒントとなるのは業界の常識を覆すような「競争の土俵を変えるアイデア」を出すことだと思います。
 
最近の例で解説すると、一番分かりやすいのが、携帯電話で圧倒的なシェアを持っていたNTTドコモに対して、ソフトバンクが仕掛けた戦略ですね。ソフトバンクはどうして勝ったかですが、それは、携帯電話の通話料を廃止して、会員制度のように変えてしまったことです。
 
電話は、通話の時間で課金するというそれまでの常識を、世間もビックリするほどドラステッィクに変えてしまいましたよね。これが“競争の土俵を変える”ということですが、だからこそあっという間にシェアは逆転してしまいました。
 
この方法は、既存企業が利益を上げている正にそのポイントを突いた戦略なので、先行企業は立ち往生してしまうような感じになってしまうと思います。
 
・・・というように、上位1位2位の企業の圧倒的なシェアが固定化してしまっている業界での逆転方法は、“競争の土俵を変える”ことしかないと思います。ぜひ、がんばってください(@^^)/~~~


いかがでしょうか? あなたはどうお考えになりますか(^^♪ 私の発行する週刊メールマガジン、『社長、「小さい会社」のままじゃダメなんです!』(購読無料)では、毎週メルマガ読者のみなさんからの質問にこんな感じでお答えしています。 

これまでのQ&Aもバックナンバーにたくさんあるので、興味があればぜひ覗いてみてください。もちろん、質問も随時受付中です(*^^)/~~~


2011年05月13日(金)更新

サムライ魂を世界へ発信!? 「サムライファクトリー」の企業文化

唐突ですが、下の画像、どこの写真だと思います?
 



 
 
 
 



温泉地にある老舗旅館のロビー? それともどこかの和食料理やさん?? ・・・いえいえ、れっきとした会社の「会議室」なのです。
 
この会議室には「砦(とりで)」という名前が付いているそうですが、会議室につながる通路にも、白い玉砂利が敷き詰められています。
 
こんな会議室を持つ会社は、「サムライファクトリー」。「ニンジャ・ツールズ」というホームページ運営支援サイトで、個人ユーザー向けにブログのテンプレートやアクセスカウンターなどのツールを提供し、230万人を超すユーザーを持つ最先端のIT企業です。
 
ちなみに下の画像は、ビジュアル系バンドのメンバー紹介ではありません(笑)。メイクとコスチュームをバッチリきめて、スタッフ紹介ページをつくる懲りようです。
 



 
 
 
 
 



さらに会社案内は「巻物」風につくられていて、「モノづくりの力で世界中に幸せと感動を届ける」という熱い思いが込められています。
 
同社の社員60名のうち、約1割が外国人だそうですが、日本の「サムライ」に興味を持つ外国人は多いですから、入社を希望するかはともかく、海外メディアからの取材なども結構来るんじゃないでしょうか?
 
進化し続ける情報化社会の中で、自分たちの思いを経営理念という「言葉」にしたり、会社案内やホームページから「文章」で発信することが“当たり前”になりつつある今、同社のように会社の『ビジュアル』を丸ごとつかって、自社の企業文化を発信していく姿勢はすばらしいと思います。
 
イメージ広告に多額の費用を投じるより、社屋の外装やオフィスの内装に凝るという選択肢もあるわけです。そこまでの費用を捻出できなくても、サイトの会社紹介ページや会社案内のパンフレットを作り替えるくらいなら、すぐにでも着手できるはず。
 
われわれ中小企業こそ、もっともっと“個性”を発信すべき時代です。この事例をよい刺激に、経営者の思いやユニークな発想を「ビジュアル(=視覚)」に落とし込んでみてはいかがでしょうか(@^^)/~~~
 

2011年05月06日(金)更新

全く違う業界から採用するときに気をつけること

GWも終盤ですが、みなさんどんな過ごし方をされているでしょうか? ぜひ上手に時間をつくって、日頃はなかなか向き合えない問題について、思い切り思考を深めてみていただきたいと思います。
 
採用に関しても、多くの経営者が悩みを抱えていると思います。今回は、ある税理士さんからの質問をもとに、違う業界から採用する場合に気をつけるべきことを考えてみました。よかったら、参考にしてください(*^^)v
 
 
== 質 問 ==

税理士事務所でシステム開発とWEBマーケティングができる人の採用を検討しています。全く違う業界の人を採用するときに気をつけることは何でしょうか? 教えてください。


== 回 答 ==

専門家と仲良くなって、入社時のスキルチェックをしてもらうこと、また業務に入ってからは、家庭教師になってもらうことが重要です。経営者はそういう専門家との人間関係を普段から構築しておくことが大切です。意識して人脈を広げておきましょう。


== 解 説 ==

経営者が分かっていない分野で専門分野のスタッフを採用する際に問題になるのが、まずスキルチェックの問題です。面接等の際に話していることが実際に出来るのかなど、確認しないで採用すると後でとっても大変なことになりますよね。
 
それに、そもそもしっかりした技術があるなら、一般的には全く違う分野に仕事を求めようとしないわけですから、この採用の人選にはかなり気を付けたほうがいいと思います(こういう採用は危険がいっぱいです)。
 
また、採用してから大変なのが、教育と支配(?)と言うか上下関係の構築の問題です。トップが出来ないことを部下がやれるとか、知っていることで起きる組織内の秩序の乱れは、経営上大事な仕事を任せている人間であればあるほど難しくなっていきますので、変な関係が出来上がってしまったら、なかなか直せないと考えておくことが必要です。
 
さらに、その人間がやっていることが、他社と比べて勝っているのか劣っているのかなども経営の競争や効率に大きく影響しますので、常にチェックできる状況を作っておく必要があるということです。
 
こういう場合にどうすれば良いかですが、私は事前に専門家の知り合いを作っておいて、入社時のスキルチェックをお願いしたり、定期的に面談等をしてもらって成長を確認してもらう、必要ならば教育してもらえると良いと思います。
 
専門スタッフにしても、社長の関係者に自分の分野の専門家がいると分かると、良い意味で緊張するし、組織内で変な特権を持つなどという関係を作れないことになりますので、リスク管理にもなると思います(*^_^*)
 
もちろん、現状でそんな関係が出来ていないのであれば、専門家にお金を払って入社時のチェックや教育を任せるということになりますが、長期的には経営者は意識して人間関係を広げていって、いろいろな専門家とのネットワークを構築しておくことが重要だと思います。
 
今回質問されている方ですが、税理士事務所の方なので、あなたの仕事がそもそも専門分野ですから、この方法はとってもやりやすいと思います。
 
経営者が経理に明るくなかった場合、その会社の経理スタッフのスキルチェックや教育は、お手のものですよね(*^_^*)
 
お互い協力し合っていきましょうと、システム開発&WEBマーケティングの専門家の方に言ってみてください。良い関係が作れると思います。



いかがでしょうか? あなたはどうお考えになりますか(^^♪ 私の発行する週刊メールマガジン、『社長、「小さい会社」のままじゃダメなんです!』(購読無料)では、毎週メルマガ読者のみなさんからの質問にこんな感じでお答えしています。 

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2011年04月25日(月)更新

「プロボノ」という新しい社会貢献のかたち

突然ですが「プロボノ」ってご存じですか? 自分がこれまで仕事上で経験してきたことやその知識・技能を活かして行うボランティア活動のことで、ラテン語の「Pro Bono Publico(公益善のために)」を語源とした造語です。

もともとは、アメリカやイギリスの弁護士たちが始めた無料相談からはじまった活動のようですが、資金や人材不足に悩むNPOや社会起業家たちを、「自分の持っている能力で」支援しようという活動なのです。
 


 
 
 
 
 
 





こうして2000年代以降、欧米から広がったこの「プロボノ」は、金儲け主義への反発もあって世界的に拡大し、日本でも特定非営利活動法人である「サービスグラント」が、プロボノ希望者を募っているのですが、昨年(2010年)の登録者数は約650人と、前年の2.5倍に急増したそうです。
 
また、企業が積極的に「プロボノ」活動をするという動きも出てきているようで、NECでは昨年の夏よりプロボノチームを若手社員15人で編成し、採血による健康診断事業を展開する「ケアプロ」と、農業の収益性向上を目指す「オリザ」を支援しています。
 
ケアプロもオリザも、それぞれの業界内の構造改革を目指す社会起業家がつくったベンチャー企業ですが、NECチームは、ケアプロの顧客情報のデータベース化や、診断結果をグラフ化し、健康状態に応じて医療機関を紹介する携帯電話向けのプログラム開発などを行いました。
 
一方、オリザに対しては、休日に栽培現場を訪れて農業専門家たちにも取材を行い、ホームページを刷新するなどの支援を行いました。NECの社員さんたちも、自分の仕事が目の前でかたちになることに手ごたえを感じているようです。
 
同社の他にも、ゴールドマン・サックス証券が女性社員中心のチームをつくって、教育・子育て関連のNPOの財務面の見直しを支援したり、日本IBMが教育関連のNPOを支援したりという動きが広がっています。
 
大企業で働く人たちは、どうしてもエンドユーザーと接する機会が少ないですから、「自分のしたことで、目の前のお客さんが喜ぶ」という、仕事の喜びの本質に触れにくい部分もあるでしょう。そう考えると、この「プロボノ」の活動が、社員教育的な意味合いをも兼ね備えるかもしれません。
 
これまで「支援」というと、「資金援助」というかたちが一般的だったと思いますが、それぞれの専門家たちが自分の能力を出し合って社会に貢献できたら、すばらしいことだと思います。
 
今回の震災に対してもそうですが、何も「義援金」を募るばかりが社会貢献ではない、と私は考えています。究極の社会貢献は、企業が最大限の利益を上げて税金を払うことかもしれません。
 
それはともかく、「プロボノ」的な働き方は、今後の企業経営にも多いに参考になると思います。日本が大変な局面に立たされている今こそ、経営者は自社の存在意義を真摯に見つめ直すべきではないでしょうか(@^^)/~~~


2011年04月15日(金)更新

古い体質とビジネスモデルから抜け出す法

4月に入り、新入社員を迎えた会社もあると思いますが、春は「変化」の季節です。今回は設備関係の製造業を営む経営者さんからの質問を取り上げ、古い体質やビジネスモデルからの脱皮について考えてみたいと思います。


== 質 問 ==

設備関係の製造業を営んでいます。古い体質と古いビジネスモデルであることは重々承知しているのですが、そこから抜け出す方法がわかりません。何かいいアドバイスをいただけると幸いです。


== 回 答 ==

新しいビジネスは、現在の仕事の周辺か、あなたの人間関係の延長線上で発生することが多いものです。そういう視点で、周りのビジネスや人間関係を見直してみてください。必ずなんらかのヒントが見つかるはずです。

== 解 説 ==


設備関係の仕事は、今の日本の状況を考えると、やはり今後どんどん発展するという仕事では無いと思います。なので、ご質問のように何らかの業態変化なり、別の業種に転換するなどの変化をすることで、将来に備えた方がいいと思います。

そこで、出口を見つけるための方法ですが、仕事の発生は今のビジネスの周辺にあるか、もしくは人間関係の中から発生する場合が多いので、まずはそこを起点に出口を探してみてはいかがでしょうか?

ビジネスの周りとは、単に関連する仕事というだけではなく、もう少しイメージを広げると、今の業種で困っていることを解決するという方法などもあります。

これは、今実際にあなたが仕事を進める中で、こんなことで困っている・・・という事などを真剣に考えて改善する方法を作るとかですが、業種的に考えてこういう方法はたくさんあるのではないかと思います。

また、あなたが業種転換などを考えるということは、他の方たちも考えているということなので、M&Aや、異業種に転回するためのアドバイスなんてことも、ビジネスの要素としてはありますよね。そういう感じで、発想を広げて切り口を考えてみてください。

また、新しいビジネスは、通常人間関係の延長線上に発生する場合も多いので、まずは知り合いに「今の仕事にとらわれないで、新しいビジネスを探しているんだよね」とインフォメーションすることをはじめてください。案外簡単に「こんなのどう?」などという話が来ると思います。こういう感じで、常に情報が入って来るようになれば、新しい切り口が見つかっていくと思います。

この時に問題になるのが、今のあなたの人間関係ですが、業界の人しか付き合いが無いというのであれば、まずはいろいろな会合などに参加して人脈を広げる所からスタートすると良いかもしれませんね(ーー;) こういう場合は、焦らなくても良いのでそこからスタートしてください。

経営者ならば、経営上のリスクを考えて日常からいろいろなところで人脈を増やしておくといいですね。以上、参考にしてみてください。 


いかがでしょうか? あなたはどうお考えになりますか(^^♪ 私の発行する週刊メールマガジン、『社長、「小さい会社」のままじゃダメなんです!』(購読無料)では、毎週メルマガ読者のみなさんからの質問にこんな感じでお答えしています。 

これまでのQ&Aもバックナンバーにたくさんあるので、興味があればぜひ覗いてみてください。もちろん、質問も随時受付中です(*^^)/~~~


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