ブログ個人トップ | 経営者会報 (社長ブログ)
企業を発展させるための経営のヒントについて、独自の切り口で紹介します。
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2008年12月12日(金)更新
女ゴコロをわしづかみ!? “デカ目”プリ機が大人気
毎年この時期になると「今年のヒット商品ランキング」みたいなものがさまざまなメディアで発表されますが、ビジネス界ではあまり騒がれてはいないものの、女子中高生のあいだでものすごーくヒットしたのがコレです。
今年(2008年)7月、「120%デカ目革命」をキャッチコピーに、バンダイナムコゲームスが発売した「ジュエラ・アイ」という、実物よりもキレイにかわいらしく写るプリントシール機なんです。
これまでも、照明の当て方などを工夫するプリ機はありましたが、なんと!同社は、顔認識技術を応用して、実物よりも目だけが約20%目が大きく写るような独自の技術を開発したのだそうです(@_@;)
そのほかアイ・エム・エスが開発した「美’s COLLECTION 」という機種も人気で、今やプリ機には、ニキビが目立たなくなったり、色白に見えたりする美肌機能は当たり前、プチ整形に近い機能までが求められているみたいです。
1995年に世に出て、一世を風靡した「プリント倶楽部(プリクラ)」は、ふつうの写真と違い、左右が逆に写るので、いつも鏡で見ている自分の顔に近い写真が撮れることから人気になったと言われているのですが、どうやら彼女たちのなかには、“かわいく”写った自分を友達にも見せたいという欲求が根強く存在しているようです。
あの頃は、分厚い「プリクラ帳」を常に持ち歩き、友達に見せたり、交換したりする女子中高生がたくさんいましたよね。今では技術の進歩につれて、赤外線通信で友達の携帯に飛ばしたり、携帯内に専用ホルダーを作って保存したり、ブログに画像をアップしたり…とカタチは変わったものの、「“かわいい”自分を見せたい」欲求は、彼女たちのなかにずっと変わらずに存在し続けているわけです。
じつは、その“欲求”を上手に刺激することこそ、マーケティングの真髄なんです(*^^)v 現に彼女たちは、メーカーに頼まれたわけでもないのに、毎日出会った友達に自分の画像を見せたり送ったりしながら、せっせと「販促活動」をしてくれているのですから…。
ユーザーを上手に巻き込みながら、売上を上げていくという意味では、われわれも多いに学ぶべき点の多い事例です。経営者たるもの、人間の心理にも精通する必要がありそうですね。
「お願い」して売上が上がる時代はもうとっくに終わっています。この事例を参考に、自社の営業・販促のスタイルをおちゃめに見直してみてはいかがでしょうか(@^^)/~~~
今年(2008年)7月、「120%デカ目革命」をキャッチコピーに、バンダイナムコゲームスが発売した「ジュエラ・アイ」という、実物よりもキレイにかわいらしく写るプリントシール機なんです。
これまでも、照明の当て方などを工夫するプリ機はありましたが、なんと!同社は、顔認識技術を応用して、実物よりも目だけが約20%目が大きく写るような独自の技術を開発したのだそうです(@_@;)
そのほかアイ・エム・エスが開発した「美’s COLLECTION 」という機種も人気で、今やプリ機には、ニキビが目立たなくなったり、色白に見えたりする美肌機能は当たり前、プチ整形に近い機能までが求められているみたいです。
1995年に世に出て、一世を風靡した「プリント倶楽部(プリクラ)」は、ふつうの写真と違い、左右が逆に写るので、いつも鏡で見ている自分の顔に近い写真が撮れることから人気になったと言われているのですが、どうやら彼女たちのなかには、“かわいく”写った自分を友達にも見せたいという欲求が根強く存在しているようです。
あの頃は、分厚い「プリクラ帳」を常に持ち歩き、友達に見せたり、交換したりする女子中高生がたくさんいましたよね。今では技術の進歩につれて、赤外線通信で友達の携帯に飛ばしたり、携帯内に専用ホルダーを作って保存したり、ブログに画像をアップしたり…とカタチは変わったものの、「“かわいい”自分を見せたい」欲求は、彼女たちのなかにずっと変わらずに存在し続けているわけです。
じつは、その“欲求”を上手に刺激することこそ、マーケティングの真髄なんです(*^^)v 現に彼女たちは、メーカーに頼まれたわけでもないのに、毎日出会った友達に自分の画像を見せたり送ったりしながら、せっせと「販促活動」をしてくれているのですから…。
ユーザーを上手に巻き込みながら、売上を上げていくという意味では、われわれも多いに学ぶべき点の多い事例です。経営者たるもの、人間の心理にも精通する必要がありそうですね。
「お願い」して売上が上がる時代はもうとっくに終わっています。この事例を参考に、自社の営業・販促のスタイルをおちゃめに見直してみてはいかがでしょうか(@^^)/~~~
2008年10月10日(金)更新
不景気もどこ吹く風!? 高級化粧品あいかわらずの人気
最近、テレビをつけると、株の暴落や物価の値上がりなど、消費者の財布の紐がますます固くなるようなニュースばかりが流れていますが、そんななか、不景気もどこ吹く風とばかり、あいかわらず好調な売れ行きをみせている商品があります。
その商品とは、高級化粧品、なかでも「高級クリーム」の売れ行きが伸びていて、化粧品各社は、次々と新製品を投入しているようです。
「ホントかな?」と思い、化粧品のクチコミサイト「@(アット)コスメ」を覗いて見ると、クリーム部門の人気ランキング1位に輝いていたのは、『クレーム ドゥ・ラ・メール(モイスチャライジングクリーム)』という、30mlで16,800円、60mlが31,500円、500mlではなんと189,000円もする商品でした(@_@;)
なんでも、このクリームは、
「NASAの宇宙物理学者が創り出したモイスチャライジングクリーム。低温・低圧処理技術により、主要成分であるシーケルプ(海藻)に含まれるビタミンやアミノ酸などの天然成分を総合的に保っています。配合された海藻とビタミンは肌を活性化させ、肌の自然な回復力を強化。なめらかでハリのある、若々しい肌へ導きます。」(@コスメより引用)
・・・というものだそうです(*^_^*)
また、その他メーカーでも続々と新商品が発売されています。コーセーは、高級化粧品シリーズである「コスメデコルテAQ」をリニューアルし、30gで20,000円の「ニュートリティブクリーム」と、45gで50,000円の「クリームアブソリュートG」を投入。
資生堂も、先月(2008年9月)、同社最高価格となる『126,000円のクリーム』を発売しました。「クレ・ド・ポー ボーテ 新シネルジックライン」として発売された商品ですが、このシリーズで基礎化粧品をそろえると、ざっと20万円はかかるようです。
今や、2万円以上の「超高価格帯」化粧品市場は約300億円と言われていて、前年比で約24%伸びたという統計もあります。
ガソリンや食料品の値上がりで節約志向が高まる一方、「『これは!』と思った商品には思い切って投資する」のが賢い現代女性の姿……、ということでしょうか。
われわれ男性経営者だと、業界関係者でないかぎり「化粧品」の動向を気にすることはないと思いますが、経営者である以上、いろいろなところにアンテナを張っておく必要があります。そうしないと、「不景気=値下げ」という単純な発想で、舵を切ってしまうことにもなりかねません。
不景気であろうとなかろうと、売れる商品はしっかり売れている…この事例を参考に、今一度冷静に、自社の商品戦略を見つめ直してみてはいかがでしょうか(@^^)/~~~
その商品とは、高級化粧品、なかでも「高級クリーム」の売れ行きが伸びていて、化粧品各社は、次々と新製品を投入しているようです。
「ホントかな?」と思い、化粧品のクチコミサイト「@(アット)コスメ」を覗いて見ると、クリーム部門の人気ランキング1位に輝いていたのは、『クレーム ドゥ・ラ・メール(モイスチャライジングクリーム)』という、30mlで16,800円、60mlが31,500円、500mlではなんと189,000円もする商品でした(@_@;)
なんでも、このクリームは、
「NASAの宇宙物理学者が創り出したモイスチャライジングクリーム。低温・低圧処理技術により、主要成分であるシーケルプ(海藻)に含まれるビタミンやアミノ酸などの天然成分を総合的に保っています。配合された海藻とビタミンは肌を活性化させ、肌の自然な回復力を強化。なめらかでハリのある、若々しい肌へ導きます。」(@コスメより引用)
・・・というものだそうです(*^_^*)
また、その他メーカーでも続々と新商品が発売されています。コーセーは、高級化粧品シリーズである「コスメデコルテAQ」をリニューアルし、30gで20,000円の「ニュートリティブクリーム」と、45gで50,000円の「クリームアブソリュートG」を投入。
資生堂も、先月(2008年9月)、同社最高価格となる『126,000円のクリーム』を発売しました。「クレ・ド・ポー ボーテ 新シネルジックライン」として発売された商品ですが、このシリーズで基礎化粧品をそろえると、ざっと20万円はかかるようです。
今や、2万円以上の「超高価格帯」化粧品市場は約300億円と言われていて、前年比で約24%伸びたという統計もあります。
ガソリンや食料品の値上がりで節約志向が高まる一方、「『これは!』と思った商品には思い切って投資する」のが賢い現代女性の姿……、ということでしょうか。
われわれ男性経営者だと、業界関係者でないかぎり「化粧品」の動向を気にすることはないと思いますが、経営者である以上、いろいろなところにアンテナを張っておく必要があります。そうしないと、「不景気=値下げ」という単純な発想で、舵を切ってしまうことにもなりかねません。
不景気であろうとなかろうと、売れる商品はしっかり売れている…この事例を参考に、今一度冷静に、自社の商品戦略を見つめ直してみてはいかがでしょうか(@^^)/~~~
2008年04月04日(金)更新
なとりの珍味を「お菓子」の棚に並べる戦略とは
まもなくお子さんが入学式を迎えるご家庭も多いかもしれませんが、「受験」の荒波を乗り越えようやく迎えた「春」を祝福したいと思います(~o~) しかしながら、近年、この「受験」をキーワードに、お菓子業界が“激戦”を繰り広げているのをご存じでしょうか?
少子高齢化のなか、ただ売り場にお菓子を並べているだけでは売り上げの限界もあろうというものです。そんな危機感が『脱・定番売り場』という発想に向かわせたのかもしれません。
「きっと勝つ」のゴロ合わせから、受験生応援バージョンの「キットカット」は、かなり有名な存在でもありますが、その他にも「TOPPO(トッポ)」の文字を「TOPPA(突破)」に変えたバージョンや、「カール」で「ウカール(受かる)」なんて、まるでおやじギャグを思わせるような展開をしている商品もあります。
量販店などでは、年が明けると、売り場の目立つ場所に「がんばれ受験生」コーナーを設け、この手のお菓子を大々的に集めて販売する傾向が目立ちます。菓子業界では、バレンタインと並んだ大きな「シーズン需要」になりつつあるんですね。
そんななか、珍味メーカーの「なとり」が、この「がんばれ受験生」マーケットに参入しました。期間限定商品として『負けるな!!受験生 当たりめ』と書いたボトル入りのスルメを発売したのです(@_@;)
確かに縁起を担いで「スルメ」を「アタリメ」と呼ぶことはありますが、『当たりめ』が「受験生」の応援になるのかどうか…若干微妙です(笑)。しかし、この勇気ある決断によって、なとりの商品が「おつまみ」コーナーから「お菓子」コーナーへ進出できたことだけは間違いありません。
最近では、量販店の「陳列棚」を確保することは、各メーカーにとって至難の業だと聞きます。営業マンが足繁く売り場に通って、「棚」が取れた時代は遠い昔なのかもしれません。今や、商品自体に「売れる」切り口がない限り、新たな「棚」は確保できないとも言えます。
そう考えると、このなとりの戦略はかなり秀逸です(*^^)v
近年、お酒を飲まない若者が増えた上、飲んでもつまみには「珍味」ではなく「スナック菓子」を選ぶ人が多いのだそうです。
「珍味・つまみ市場の縮小は止まらない」と考えた同社では、05年から『ボトルおつまみシリーズ』を発売。粒ガムで採用されたボトル容器を採用し、オフィスや自宅での息抜きや気分転換に「スルメ」を食べてもらおうと考えたのです。
この狙いはズバリ的中! 年間5億円売れれば大ヒットと言われる「つまみ」分野で、約8億円を売り上げるという成果を上げたのです!(^^)!
今回の受験生向けボトルも、この延長線上にあるようです。
いずれにしても、少し角度を変えることで、既存の商品にも全く新しいマーケットが広がる可能性があるということです。この事例を参考に、自社の商品戦略を“遊び心”を持って見直してみてはいかがでしょうか(@^^)/~~~
少子高齢化のなか、ただ売り場にお菓子を並べているだけでは売り上げの限界もあろうというものです。そんな危機感が『脱・定番売り場』という発想に向かわせたのかもしれません。
「きっと勝つ」のゴロ合わせから、受験生応援バージョンの「キットカット」は、かなり有名な存在でもありますが、その他にも「TOPPO(トッポ)」の文字を「TOPPA(突破)」に変えたバージョンや、「カール」で「ウカール(受かる)」なんて、まるでおやじギャグを思わせるような展開をしている商品もあります。
量販店などでは、年が明けると、売り場の目立つ場所に「がんばれ受験生」コーナーを設け、この手のお菓子を大々的に集めて販売する傾向が目立ちます。菓子業界では、バレンタインと並んだ大きな「シーズン需要」になりつつあるんですね。
そんななか、珍味メーカーの「なとり」が、この「がんばれ受験生」マーケットに参入しました。期間限定商品として『負けるな!!受験生 当たりめ』と書いたボトル入りのスルメを発売したのです(@_@;)
確かに縁起を担いで「スルメ」を「アタリメ」と呼ぶことはありますが、『当たりめ』が「受験生」の応援になるのかどうか…若干微妙です(笑)。しかし、この勇気ある決断によって、なとりの商品が「おつまみ」コーナーから「お菓子」コーナーへ進出できたことだけは間違いありません。
最近では、量販店の「陳列棚」を確保することは、各メーカーにとって至難の業だと聞きます。営業マンが足繁く売り場に通って、「棚」が取れた時代は遠い昔なのかもしれません。今や、商品自体に「売れる」切り口がない限り、新たな「棚」は確保できないとも言えます。
そう考えると、このなとりの戦略はかなり秀逸です(*^^)v
近年、お酒を飲まない若者が増えた上、飲んでもつまみには「珍味」ではなく「スナック菓子」を選ぶ人が多いのだそうです。
「珍味・つまみ市場の縮小は止まらない」と考えた同社では、05年から『ボトルおつまみシリーズ』を発売。粒ガムで採用されたボトル容器を採用し、オフィスや自宅での息抜きや気分転換に「スルメ」を食べてもらおうと考えたのです。
この狙いはズバリ的中! 年間5億円売れれば大ヒットと言われる「つまみ」分野で、約8億円を売り上げるという成果を上げたのです!(^^)!
今回の受験生向けボトルも、この延長線上にあるようです。
いずれにしても、少し角度を変えることで、既存の商品にも全く新しいマーケットが広がる可能性があるということです。この事例を参考に、自社の商品戦略を“遊び心”を持って見直してみてはいかがでしょうか(@^^)/~~~
2008年02月22日(金)更新
「美肌一族」のマーケティング手法に学べ
男性のみなさんにはあまりなじみのない商品でしょうが、この「美肌一族」というコスメグッズをご存じでしょうか?
実は、この話題、私の主宰する「高収益トップ3%倶楽部」の会員向けに発行している月刊誌『経営情報レポート』の今月号でも取り上げた話題なのですが、かなり反響があったので、この経営者会報ブログでも解説してみたいと思います。
このピンクのド派手なパッケージに包まれた商品は、株式会社ラブラボという会社が開発・販売している「シートマスク」(お肌用のパックのこと)で、すでにシリーズ商品の累計で、500万個以上を売り上げた大ヒット商品なんです。
パッケージに書かれた「そんなお肌で私に勝てるとでもお思い?」との挑発的なセリフには、その昔の少女マンガを思い出しつつ、思わず反応してしまう女性も多いと思います。
パッケージもさることながら、着目すべきはそのマーケティング手法です。なんと、この会社では、商品の発売に先立つ05年9月、大手携帯サイトで美少女を主人公にした携帯小説「美肌一族」の連載をスタートしたのです(@_@;)
この小説には、商品のことは一切登場せず、美人姉妹の沙羅(さら)と咲(さき)が、肌の美しさを競う世界大会で優勝をかけて苦闘するという、「美をめぐる闘い」の物語に仕立てられています。なんともおもしろいですよねぇ~。
1~2ヶ月経つと、この携帯小説は、若い女性たちの間で相当話題になったようです。そして、十分マーケットがあたたまったころに、同サイト上で実際の商品を「先行発売」してみたら、初回生産の6万4千個が1日で完売したというのです!! 一時は商品が入手困難な状態にまで陥り、「幻のシートマスク」なんてうわさされたみたいですよ(*^^)v
当然のごとく、いち早く商品をゲットできた女性たちは、ブログにその使用感を書き込んだことでしょう。また、女性誌のモデルが誌上で紹介したりしたこともあって、その評判はますます広がっていきました。
06年5月の全国販売時には、女性たちが「待ってました」とばかり飛びつき、以来、シリーズ商品500万個以上を売り上げる大ヒット商品に育っていったというわけです。携帯小説のあまりの好評ぶりを受け、現在は同じ価格で、薄いコミック本付きの商品まであるようです。
いや~、どうです? かなりセンスある戦略ですよね。つまり、同社は全国販売の10か月前から「携帯小説」という今時の“飛び道具”を使って、マーケットにアプローチしていたわけです。
私は日ごろから『経営とは思ったとおりに儲けること』だと定義していますが、この事例は、まさにそれを実証してくれるかのような戦略で、「たまたま当たった」ヒット商品とはわけが違います。
その仕掛け人は、芝本裕子さんという30歳の女性経営者ですが、女性誌の読者モデルやライターなどをしていた人で、ガールズウォーカー・ドットコムの立ち上げなどにも参加していたほどの、感度の高い人物のようです。
確かにこのようなマーケティングを成功させるには、それなりの「センス」が問われる世界ではありますが、はじめは小さく試して、その反応をみながら展開していけますから、われわれ中小企業でも、十分トライできるやり方です。
しかも、広告代理店にプロモーションを依頼することを思えば、投資額も少なくてすむでしょう。この記事にうなった方は多くいると思いますが、ぜひ自社のマーケティングを見直し、「話題を呼ぶ仕掛け」を取り入れることを考えてみてはいかがでしょうか(@^^)/~~~
実は、この話題、私の主宰する「高収益トップ3%倶楽部」の会員向けに発行している月刊誌『経営情報レポート』の今月号でも取り上げた話題なのですが、かなり反響があったので、この経営者会報ブログでも解説してみたいと思います。
このピンクのド派手なパッケージに包まれた商品は、株式会社ラブラボという会社が開発・販売している「シートマスク」(お肌用のパックのこと)で、すでにシリーズ商品の累計で、500万個以上を売り上げた大ヒット商品なんです。
パッケージに書かれた「そんなお肌で私に勝てるとでもお思い?」との挑発的なセリフには、その昔の少女マンガを思い出しつつ、思わず反応してしまう女性も多いと思います。
パッケージもさることながら、着目すべきはそのマーケティング手法です。なんと、この会社では、商品の発売に先立つ05年9月、大手携帯サイトで美少女を主人公にした携帯小説「美肌一族」の連載をスタートしたのです(@_@;)
この小説には、商品のことは一切登場せず、美人姉妹の沙羅(さら)と咲(さき)が、肌の美しさを競う世界大会で優勝をかけて苦闘するという、「美をめぐる闘い」の物語に仕立てられています。なんともおもしろいですよねぇ~。
1~2ヶ月経つと、この携帯小説は、若い女性たちの間で相当話題になったようです。そして、十分マーケットがあたたまったころに、同サイト上で実際の商品を「先行発売」してみたら、初回生産の6万4千個が1日で完売したというのです!! 一時は商品が入手困難な状態にまで陥り、「幻のシートマスク」なんてうわさされたみたいですよ(*^^)v
当然のごとく、いち早く商品をゲットできた女性たちは、ブログにその使用感を書き込んだことでしょう。また、女性誌のモデルが誌上で紹介したりしたこともあって、その評判はますます広がっていきました。
06年5月の全国販売時には、女性たちが「待ってました」とばかり飛びつき、以来、シリーズ商品500万個以上を売り上げる大ヒット商品に育っていったというわけです。携帯小説のあまりの好評ぶりを受け、現在は同じ価格で、薄いコミック本付きの商品まであるようです。
いや~、どうです? かなりセンスある戦略ですよね。つまり、同社は全国販売の10か月前から「携帯小説」という今時の“飛び道具”を使って、マーケットにアプローチしていたわけです。
私は日ごろから『経営とは思ったとおりに儲けること』だと定義していますが、この事例は、まさにそれを実証してくれるかのような戦略で、「たまたま当たった」ヒット商品とはわけが違います。
その仕掛け人は、芝本裕子さんという30歳の女性経営者ですが、女性誌の読者モデルやライターなどをしていた人で、ガールズウォーカー・ドットコムの立ち上げなどにも参加していたほどの、感度の高い人物のようです。
確かにこのようなマーケティングを成功させるには、それなりの「センス」が問われる世界ではありますが、はじめは小さく試して、その反応をみながら展開していけますから、われわれ中小企業でも、十分トライできるやり方です。
しかも、広告代理店にプロモーションを依頼することを思えば、投資額も少なくてすむでしょう。この記事にうなった方は多くいると思いますが、ぜひ自社のマーケティングを見直し、「話題を呼ぶ仕掛け」を取り入れることを考えてみてはいかがでしょうか(@^^)/~~~
2007年04月20日(金)更新
鮮魚販売のプロ派遣
スーパーの鮮魚売り場に、“プロ”を派遣するという面白いサービスを始めた会社があります。人材サービスの「ヒト・コミュニケーションズ」という会社ですが、この4月に鮮魚売り場を再現した研修施設まで開設し、小売店と共同開発した教育プログラムまで導入するそうですから、かなり力が入っていますよね。
その研修施設は、大阪市に開業するもので、飲食店だったビルの一室を改装し、床面積15平方メートルほどの部屋の中に、加工用の厨房や、冷蔵機能付きの陳列棚などを備え、蝋細工(ろうざいく)で作った刺身等を陳列。
店舗内に流れるアナウンスまで放送し、臨場感たっぷりの中で、鮮魚の加工から販売までの実践的ノウハウを学び、まさに“鮮魚のプロ”を育成するそうです。
同社では、家電量販店などに向けた人材派遣が中心でしたが、スーパー向けの研修は、その効果が現れやすいと判断し、今後はこの鮮魚のプロ派遣事業を、売上高の3割程度にまで増やしたい意向だそうです。
情報化社会になって、消費者の購買行動もすっかり変わり、何か買い物をする場合には、必ずネットで「下調べ」をするようになりました。
魚を買いに行くのに、主婦が下調べをしているかどうかはわかりませんが、今の時代、消費者がプロに負けない情報や知識を持っているという点に着目すれば、リアル店舗の売り場にこそ、“本物のプロ”が居る必要があるのです。そういう視点でこのニュースを見ると、大いに参考になると思います。
世の中の情報化が進めば進むほど、ネットとリアルを融合していくような感覚で、マーケティングを構築していくことが大事になってくると思います。経営者は、常にそういうセンスを磨く必要がありそうですね(@^^)/~~~
その研修施設は、大阪市に開業するもので、飲食店だったビルの一室を改装し、床面積15平方メートルほどの部屋の中に、加工用の厨房や、冷蔵機能付きの陳列棚などを備え、蝋細工(ろうざいく)で作った刺身等を陳列。
店舗内に流れるアナウンスまで放送し、臨場感たっぷりの中で、鮮魚の加工から販売までの実践的ノウハウを学び、まさに“鮮魚のプロ”を育成するそうです。
同社では、家電量販店などに向けた人材派遣が中心でしたが、スーパー向けの研修は、その効果が現れやすいと判断し、今後はこの鮮魚のプロ派遣事業を、売上高の3割程度にまで増やしたい意向だそうです。
情報化社会になって、消費者の購買行動もすっかり変わり、何か買い物をする場合には、必ずネットで「下調べ」をするようになりました。
魚を買いに行くのに、主婦が下調べをしているかどうかはわかりませんが、今の時代、消費者がプロに負けない情報や知識を持っているという点に着目すれば、リアル店舗の売り場にこそ、“本物のプロ”が居る必要があるのです。そういう視点でこのニュースを見ると、大いに参考になると思います。
世の中の情報化が進めば進むほど、ネットとリアルを融合していくような感覚で、マーケティングを構築していくことが大事になってくると思います。経営者は、常にそういうセンスを磨く必要がありそうですね(@^^)/~~~
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