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2008年02月15日(金)更新

様変わりする「社員旅行」

今、「社員旅行」が見直されているようです。とはいえ、「温泉で大宴会」というかつてのようなスタイルでは若手社員がついてきませんから、食や文化の体験、レジャースポーツなど、様々なオプション企画が生まれているのです。

都内の金属加工会社「フルヤ金属」では、各地の工場や営業所員約150人を集め、都内の高級ホテルで『ワインのテイスティング』を楽しむ、ちょっとハイソな社員旅行を実施したそうです。


テイスティング
(*写真はイメージです)

昼間はワインの基礎を学ぶセミナー、そして夜は「テイスティング大会」を開催。銘柄や産地を当てたり、「この味わいを表現すると?」などという設問に答えたり……豪華商品をかけて、テーブルごとの団体戦で行った大会は、大いに盛り上がったみたいです!(^^)!
この社員旅行を企画したのは、JTB首都圏の法人営業部だそうですが、ここ数年、各旅行代理店では社員旅行のオプション企画を増やす傾向にあり、JTBでも「陶芸」「ソバ打ち」「果物狩り」などの定番ラインに加え、「ラフティング(急流下り)」「パラグライダー」「地引き網体験」「着物の着付けもできる京都の町家体験」「お茶屋体験」「東京・横浜のヘリクルージング」など、なんと、100種類以上の体験プログラムを用意しているといいます。

また、「旅行の行き先を選べる社員旅行」を採用する会社も、年々増えてきているみたいです。旅行可能な期間を区切り、たとえば「沖縄・北海道・グアム・ハワイ」などの選択肢から好きな場所を選び、仲の良い同僚や家族と旅行するのだそうです。

もちろん、行き先により費用も異なりますが、あらかじめ会社の補助金額を決めておき、不足分は自己負担、というシステムが多いみたいですね。

マンネリ化した社員旅行では、「今更行きたくない」と参加率も下降気味なところ、 こうした様々なプランを採用することで、社員旅行のイメージも“おつきあい”から“楽しめる”ものへと変化しつつあるというわけです。

もちろん、社員全員が本当に「楽しめる」旅行を実現するのは至難の業でしょうから、旅行代理店としては、「遊び感覚に長けた幹事さん」みたいな社員を狙って、PRするんでしょうね(*^^)v

そうした旅行会社の作戦も見え隠れしますが、それはともかく、人付き合いが苦手な若手社員が増えるなか、社内のコミュニケーション不足を解消するのにも、社員旅行が一役買うかもしれません。

また、社員旅行を通して、一流のサービスを体験したり、文化的な知識を深めたりすることができれば、それが間接的に仕事に活きる可能性もあります。この事例を参考に、自社の社員旅行も見直してみてもいいかもしれません(@^^)/~~~

2008年01月25日(金)更新

上野松坂屋のマスコット「さくらパンダ」が人気!?

最近、老舗百貨店として有名な、「松坂屋上野店」のマスコットキャラクター『さくらパンダ』が人気を集めているそうです。私は近所にいながら、最近までその存在を知らなかったのですが、みなさんはご存じでしたか?

この「さくらパンダ」は、上野店が昨年3月、50年ぶりに行なったリニューアルオープンに合わせて企画されたキャラクターで、1階にある上野周辺の名店の商品を集めたコーナー「上野広小路倶楽部」の一角では、キャラクターグッズの販売もしています。


さくらパンダ


同社の販売促進本部によると、『売上高は想定の3倍』という好調ぶりだそうですが、中でもお湯を注ぐと普通のパンダがさくらパンダに変身するマグカップや、ぬいぐるみが人気なのだそうです。
近年は、上野駅がターミナル駅としての存在感を失いつつあることもあり、なんとか「上野にある百貨店」をイメージしてもらおうということで「さくらパンダ」が作られたとのこと。ひと目で上野をイメージできるもの…、と考えた結果が「さくら」と「パンダ」だったのでしょう。そのわかりやすさが人気の秘訣なのかもしれません。

当然、Web戦略もしっかり考えられています。「さくらパンダブログ」では、さくらパンダの着ぐるみが店内を紹介しているのですが、その紹介の内容がけっこう面白く、話題を呼んでいるみたいです。

私は、以前から、キャラクターやまんがを経営に活かすべきだと考えていて、以前にもブログで取り上げましたが、そこにネット戦略を上手に絡めることで、より大きな効果を発揮すると思います。

現に上野松坂屋では、これまでは50代以上が主要顧客だったのですが、さくらパンダのブログが話題になるとともに、20代~40代の女性たちも関心を持ってくれるようになったそうです。

また、松坂屋は昨年大丸と経営統合し、「J・フロントリテイリング」を設立しましたが、今後はこの関連グッズを松坂屋と大丸の全店舗で販売する予定だそうです。さくらの開花とともに、このさくらパンダが全国でブレイクするかどうか、今後も注目したいところですね。

今は、プロが作った洗練されたキャラクターより、「うちの社長が描きました」みたいな、ゆる~い感じのキャラクターがけっこうウケる時代です。この事例を参考に、自社のマーケティングにキャラクターを活かす方法を、前向きに探究してみてはいかがでしょうか(@^^)/~~~

2008年01月11日(金)更新

試供品配布の新しいカタチ

昨年あたりから、企業の試供品配布の方法が急激に変化してきているのをご存じでしょうか? ひと昔前なら、広告代理店などを使ってキャンペーンを展開するなどの方法が一般的でしたが、今やネット上の「試供品提供サイト」の存在は、広告業界も無視できないほどのポジションを確立しつつあるようです。

ルーク19が運営する「サンプル百貨店」は、会員数が26万人となり、会員の8割が女性だそうですが、前年同時期に比べ会員数は1.5倍に増えたそうです。一方、試供品を提供する企業数も、昨年同時期から30%増えたといいます。


サンプル



このサンプル百貨店では、「サンプラー」という仮想通貨を流通させています。会員登録をすると、まず500サンプラーがもらえ、その後は商品使用後に簡単なアンケートに答えたり、サンプル百貨店を友達に紹介したり、企業戦略企画室に参加することによって、サンプラーをどんどん増やすことができます。そして、そのサンプラーを使って、目当ての試供品を試せるというしかけになっているんです。
つまりユーザー側は「無料登録」ってことに変わりはないわけですが、こんなしかけになっていると、せっかく貯まった「サンプラー」を使わなきゃって気にもなりますし、むやみに配られた試供品と違い、自分から能動的にゲットしたサンプルですから、相当真剣に使ってみるんじゃないでしょうか。そして、気に入れば、その感想を誰かに伝えたくもなるというものです(*^^)v

企業側から考えても、アンケートの返信率の高さはかなりの魅力です。たとえば、「首都圏在住の30代の主婦」というふうに会員の属性を絞ってから試供品を配布することもでき、テストマーケティングの場としても十分使えます。

最近では、食品や化粧品などの消費財だけでなく、家電や自動車の試乗といった耐久財メーカーからの依頼も増え、エステや英会話教室などのお試しにまで裾野が広がっているようです。これからは飲食店やサービス産業にまで、この流れが広がっていくかもしれませんね(*^_^*)

こんなふうに両者にメリットを生む仕組みなわけですが、この仕組みを「リアル」で展開した、とっても頭のいい企業も登場しました。私のブログでも取り上げ、たいへんな反響を呼んだ「サンプル・ラボ」です。私は昨年、「ネットのリアル化」がひとつのキーになると発言してきましたが、このサンプル・ラボは、まさにそのモデルです。

この事例ひとつをとってみても、今年は「ネットとリアル」がお互いに影響し合いながら、これまではお金をかけなければ出来なかったことが、どんどんローコストで実現できるようになってくるのではないかと思います。

見方を変えれば、経営がますます簡単になってくるとも言えますし、われわれ中小企業もその手腕によっては、大企業と互角に戦える時代になってきたとも言えるでしょう。今年も、みなさんの経営のヒントになるようなことを、どんどん発信してまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします(@^^)/~~~

2007年12月28日(金)更新

企業独自のニュースランキング

12月になると、各メディアでは「今年の◎◎ランキング」が発表になりますが、報道機関ばかりでなく、一企業でも長い間ランキングの発表を続けている会社もあります。

一番有名になったのは「新語・流行語大賞」かもしれませんが、これは「現代用語の基礎知識」を出版する自由国民社生涯学習のユーキャンがパートナーシップを組み、1984年から選び始めたものです。ちなみに、第1回の大賞は「オシンドローム」だそうです。NHKの連続テレビ小説『おしん』から生まれた新語ですが、なんだか懐かしいですね(*^_^*)

また、セーラー万年筆でも、毎年『10代の重大ニュース』を発表しています。こちらは、1974年から実施しているもので、今回で34回目となるかなりの老舗です。


souri


今年10代から一番注目されたニュースは「安倍総理辞任」で、2位が「相次ぐ食品偽造問題」、3位が「消えた年金記録問題」、9位に「米国サブプライムローン問題」と、意外に硬めのニュースが並びます。
10代が選ぶ流行語の1位は「どんだけぇ~」、次いで「そんなの関係ねぇ」「おっぱっぴー」。4位が「KY(空気が読めないの略)」、8位には“しょこたん語”の「ギザカワユス」がランクインし、こちらは“いかにも”と言った結果です。

これは、セーラー万年筆が、全国の10代の男女500名(内訳は、小学生11名/中学生55名/高校生221名/大学・短大生152名 /専門学校生23名/給与所得者11名/その他27名)にインターネットを通じた調査をし、重大ニュース5項目までと、印象に残った流行語を1つ回答してもらったものの集計結果ですが、34年にも渡り独自の調査を続けている姿勢には、ちょっと感心してしまいます。

ネット環境が整備された現代では、こうした調査も比較的簡単に低コストで行うことができるわけですから、その切り口さえ面白ければ、世の中から注目を集める存在になれるかもしれません。

ネットに氾濫する「誰々がこう言ってました」みたいな二次情報より、独自調査によるランキングという「生の一次情報」はよっぽどおもしろいですしね(*^^)v

この事例を参考に、来年はあなたの会社や業界でも、独自のランキングを始めてみるのもいいかもしれませんね。来たる新年が、ますます輝かしいものでありますように(^.^)/~~~

2007年11月09日(金)更新

有田焼の器で食べられる即席ラーメン屋

先日新聞を読んでいたら、おもしろい記事に目がとまりました。「即席ラーメン屋 アキバ繁盛記」という朝日新聞(10月22日)の記事だったのですが、なんとこの店では、有田焼の器でインスタントラーメンが食べられるというのです。


アキバヌードル



「インスタントラーメン専門店? どこかで聞いたな…」ちょっと調べてみたら、以前私のブログにも書いたことがある「インスタントラーメンさくら」の姉妹店のようです。

この店の名前は「Akiba Noodle(アキバ・ヌードル)さくら秋葉原店」。アニメショップや電気店などに囲まれる雑居ビルの中にある10畳ほどの店で、壁には約400種類ほどのインスタントラーメンばかりがずらっと並び、さながら「インスタントラーメン博物館」の様相を呈しています。

メジャーな大手メーカー品ばかりでなく、地方限定のユニークなものもあり、オタクの聖地だけに「ジャケ買い(パッケージだけで判断して買う)」するお客さんも多いのだとか。

好きな商品を選んで調理してもらい、自家製のメンマやチャーシューが入って190~380円。それが高いものだと3万円を超える有田焼の器に入って出てくるわけなんですが、店主曰く「中身が安いので、見た目だけでも豪華な気分を」という粋なはからいのようです。

この店主、実は6年ほど前に「ラーメンブームに乗ろう」と横浜にラーメン店を開いたものの、あえなく失敗(――;)。そこで「普通のラーメンは繊細で難しい。インスタントラーメンなら自分のセンスは関係ない」と方向転換したそうです。

この店のコンセプトは「大人の駄菓子屋」というもので、「昔、部活帰りにカップ麺をすすった感覚で来てほしい」ということだそうです。10席にも満たない小さなお店ながら、土日には200人を超すお客さんが来ることもあるそうなので、なかなかの繁盛ぶりといっていいのではないでしょうか。

また、アキバならではの企画も始まっているようで、アニメのパッケージに包まれた「変身ラーメン」の先行発売が、今月からスタートしています。

こういう話題は、ネットであっと言う間に広がるでしょうから、広告宣伝にお金をかけなくとも、集客に成功できると思います(*^^)v

このように、情報化社会の進化のおかげで、今は「売る」ことが比較的簡単になった時代になったともいえます。しかし、ネット上に氾濫するのは、あくまでも2次情報や3次情報が主体で、本物や価値あるものを探すのが大変になってきたという側面もあります。

こういう時代の中で、企業が進むべき方向は『価値ある1次情報』を発信することだと私は考えているのですが、従来品より一歩突っ込んだ本物の商品やサービスを開発するのもしかり、この事例のように、既存の商品をケタはずれの単位で集め、付加価値を付けるのもしかり…、経営により“オリジナリティ”が求められる時代になったことだけは間違いないようです(@^^)/~~~
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