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2010年02月05日(金)更新

衰退市場で勝ち組になる方法

立春も過ぎ、まだまだ寒い日が続きそうですが、みなさまいががお過ごしでしょうか? 

さて、今週は「Q&A」なので、今回も私の主宰する「高収益トップ3%倶楽部」の勉強会に参加してくれた方からの質問を取り上げてみました。業界は違っても、参考にしていただける内容だと思います。


== 質 問 ==

「高収益トップ3%倶楽部」の東京勉強会で、衰退市場で勝ち組になる方法として、他社が撤退したり廃業するのを待つというお話をしていましが、どこまで我慢して最後の1社になるか? そのレベル感について知りたいです。
            

== 回 答 ==

しっかりした市場調査とライバル会社の動向を調べた上での判断ですが、残るということに“勝機”があると判断したら、徹底してバックヤードの管理などをして経費節減、最後の1社になる戦略をとることです。

== 解 説 ==

事業会社はもちろん飲食店でも商店でもそうですが、マーケットにライバルがいなくなると結果として1人勝ちするのは当然です。なので、御社がもしこういった可能性がある衰退市場をベースに戦っている会社ならば、徹底した生き残り戦略で経営にあたることは良いことだと思います。

こういうケースが当てはまるのが、製造業などで跡継ぎがなかなか出来ない業種とか、伝統的なしきたり等があってなかなかその事業で新規開業しようとする人間がいない場合などです。

こういう環境で、もしあなたが若い後継者で他社に継承者が無い場合などは、絶対にあなたが勝ちます。そして時間をかければ、他社が廃業する時に顧客を預けに来るという現象まで起こります(*^_^*)

また、経営者の年齢が同じくらいだった場合は、徹底して経費節減などをして生き残り戦略に出れば、同じ売り上げ規模だったとしても結果としてはあなたの会社が生き残りますので、思い切った戦略に出ることをお勧めします。

質問のレベル感ですがマーケットのライバルを調査していただくと、こうなれば勝てるというレベル感は意外にハッキリ分かると思います。・・・・実感があるのでやれると思うわけですね(*^_^*)

ちなみに、例を挙げると、以前にお世話した会社がまさにこういった衰退産業の会社でした。マーケットを調べると、おそらく5年~10年で市場は半減することが予想されましたが、その後はその売り上げ規模がかなり継続、衰退するとしてもかなりゆっくりだろうという見通しでした。

その地域には、当面のライバル企業も含めて同業者が10社ありましたが、おそらく残る企業数は2社~3社なのではないかという結論になりました。

これに加えて事業継承者の有無を調べたところ、かなりの企業で子供が継がない様子や現行社員の年齢等も合わせると社内から継承者が現れそうに無い会社がすでに数社あることが分かりました。

さらに残った会社の資金繰りなども調べて、勝算が見えたので、先ほどの生き残り戦略を決定、自社物件の事務所を縮小半減し、残ったスペースを賃貸に回すなどして徹底的に経費節減と内部留保に努めました。

人事戦略も当面採用をストップ、最低の補充に留めるなどとしたのを覚えています。

結果、見事に最後の2社になり最後は市場でこの会社1社になることが出来ました。そうすると先ほど書いた様に廃業していく会社が顧客を預けていくと共に、その業種での優秀な人材がみんな同社に入れてくれということで集まってきました。

資金繰りにも余裕が出来たので、同社は衰退する隣のエリアに進出マーケットを拡大してとてもよい会社になりました(*^_^*)

と、こんな例もありますので、可能性があったらぜひトライしてください。最後に、その際絶対に大切なのが市場調査と他社情報の収集です。これを誤るとなかなか難しいと思いますので、そこは注意してくださいね。よろしくお願いします。

いかがでしょうか? あなたはどうお考えになりますか(^^♪ 私の発行する週刊メールマガジン、『社長、「小さい会社」のままじゃダメなんです! 』(購読無料)では、毎週メルマガ読者のみなさんからの質問にこんな感じでお答えしています。

これまでのQ&Aもバックナンバーにたくさんあるので、興味があればぜひ覗いてみてください。もちろん、質問も随時受付中です(*^^)/~~~

2009年08月21日(金)更新

新規開拓する上で「業種」を絞るべきかを考える

先週はお盆休みで休載させていただきましたが、みなさん、どんな夏休みを過ごされましたか? さて、今回は「Q&A」バージョンでお届けしますが、時流を反映した、なかなかシビアな質問です。

== 質 問 ==

新規開拓する上で、業種に特化するかどうか迷っています。今まで様々な業種にアプローチしてきたからこそ、今のトヨタショックの影響も軽い状態で済んでいますが、今後は絞り込んだ方が良いかと・・・難しいところです。

== 回 答 ==

一業種に絞らず、かと言ってあまりたくさんの業種にならず・・・といったところが正解だと思います。あまりバラバラに開拓営業をすると、本当に効率が悪いからです。こういう場合は、サイトなども使いながら、「特性の違う数業種」を対象として新規開拓するのがいいと思います。

== 解 説 ==

経営にはパラドックスのような要素が多く、何かに特化すればその分強くなりますが、強くなった反面柔軟性がなくなり、変化に対してとても脆くなるという状況が生じます。
例えば、今回の相談がまさにその典型で、業種や顧客企業に特化すれば、その業種や顧客に対しては商品やサービスがベストマッチしますから当然強くなりますが、その業種や顧客の業績が悪くなると、一気に売上げが低迷します。重ねて、別の業種や顧客に対して、急には対応できないという弱さが出てきてしまいます。

極端な場合、1社に特化してビジネスをすれば、教育も簡単だし仕事の効率もよくなりますから、短期的には非常に強い経営となります。しかし、長期的に見たら、その会社の状況をモロに受けた経営になりますので、特化した分、経営の安定度は超不安定になってしまいます。

なので、こういった一見相反する要素を常に意識しながら経営に当たるというのが、本来の経営者の役割になるということですね(*^_^*)

ということで、これらを踏まえて今回の質問の回答をすると・・・。

さすがに今の景気が景気なので、経営を強化するための新規開拓は効率を考えて業種の絞り込みは必要と考えるが、かといって、あまり狭く絞ってしまうと将来に問題を残す可能性もあると考えて、「特性の違う数業種に絞って新規営業をかける」・・・というのが良いということになると思います。

もちろん、やり方は、数業種をバラバラに進めるより、最初の業種はコレと決めて開拓、次は○○、その次は△△・・・というように、効率的に集団でノウハウや経験を蓄積したり情報交換したりしながら進めたほうが良いと思います。

また、サイトを使うと、お客様の問い合わせから向かうべき新規開拓の業種の選定が出来たりしますので、リアルな営業とウェブの営業を両方使うなどして戦略を立てていくというのがいいと思います。参考にしてください。

いかがですか? 私の発行する週刊メールマガジン、『社長、「小さい会社」のままじゃダメなんです! 』(購読無料)では、毎週メルマガ読者のみなさんからの質問にこんな感じでお答えしています。

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2009年05月22日(金)更新

顧問料に見合わないお客様の断り方

今回は「Q&A」バージョンでお届けしますが、私を「断る営業」のプロと知ってか(笑)、こんな質問が届きました。みなさんの実務にも役立つと思いますので、参考にしてください。

== 質 問 ==

私は、地方の税理士事務所を経営しています。新規顧客については、仕事量に見合う顧問料のお客様のみを顧問先として、見合わないお客様についてはお断りをしたいと考えています。その際の断り文句としていい言葉があれば教えてください。

ちなみに、その言葉は既存客の値下げ交渉などを断る時にも有効かを教えてくださると助かります。


== 回 答 ==

こういう場合の断り文句はこちらから断るというかたちではなく、条件を提示して相手に判断させる・・・断る場合でも相手から断ってもらうかたちにすると良いと思います。

また、この相手に判断させるということを覚えると、値下げの交渉にも役立つと思います。練習してみてください。

== 解 説 ==

こういう場合の断りの文句としては、
「申し訳ありません、その金額だとなかなかお受けすることは難しいのですが…。どうしましょうか?」
あるいは、
「業務の内容をこれだけにしていただければ、その金額でお受けすることが出来ますがいかがですか?」
などと、条件を付加して相手に判断させるというかたちにするといいと思います。

こうすれば、こちらから直接出来ませんと断ったかたちになりませんから、話が穏やかに進みますし「あの税理士事務所は・・・・」などといった変な評判を立てられることなく、あまり受けたくない仕事を受けなくて良くなりますから、業務に支障が無くなります。

とくに地方で仕事をする場合は、評判や風評が意外に大きな影響を与えてしまったり、何かの情報が思わぬ形で広がってしまって、後で結構大変になったりすることもありますので、断る時には、なるべくこちらから断るかたちは避ける方が良いということです。

値下げの要求についても、
「だったらこういう形にして今の金額を維持するのはどうでしょうか?」
あるいは、
「御社の側でこういう業務をしていただければ出来ますが・・・」
というかたちですね(*^_^*)

また、その際、今の金額でこんな業務をしているということも説明できれば、値下げを跳ね返せるかもしれません。

こういうかたちで条件を付加することで、「YES」か「NO」の二者択一の単純な答えから「交渉」の世界に話を展開させられます。ぜひ参考にしてください。


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2009年03月19日(木)更新

カーフィルムが売れない…需要の減少にどう立ち向かうか

東京でも、そろそろ桜が咲きそうですが、今回は、私の発行する週刊メールマガジンの読者さんから寄せられた質問に対する「Q&A」を取り上げてみたいと思います。

== 質 問 ==
私は現在、カーフィルムのメーカーに勤務し、カーフィルムの施工や車体のコーティングなどを行う、いわゆるカーディテーリング業者を対象に、カーフィルムの営業を行っております。

しかしながら、車にお金をかける人がだんだん少なくなってきているせいか、ここ数年カーフィルムに対する需要は伸び悩んでおり、それに伴って、弊社におけるカーフィルムの取り扱い数量も減少してきております。また、カーフィルムの施工を行う業者の数も限られていることから、新規開拓もままならないのが現状です。

こうした現状を打開するためにはどうしたらよいのか、アドバイスをいただければと思います。よろしくお願い致します。
== 回 答 ==
需要と供給の関係から考えてこのマーケットの変化は自然の現象です。現マーケットの中でのシェアを考えつつも、新しいマーケットへの方向転換を考えるべきです。

ただ、チャンスは多いと思いますのでアイディア勝負と考えてがんばってみて下さい。


== 解 説 ==
カーフィルムに限らず、車に付随した商品やサービスは顧客の嗜好が変化していることから、今後どんどん減っていくものと思います。

理由は、パソコンや携帯電話、ゲームソフトなどいろいろな商品やサービスが向上してきたことにより、車に対して消費者が感じている魅力そのものが低下してきているからです。

わかりやすい例としたら、それこそちょっと前までは女性にモテたい男性の必須アイテムとしての位置づけが車にはかなりありましたが、今はゲームソフトに強いとか、ITに明るいとか、お笑いのセンスがあるみたいなことが、モテルということに関して、車より上になったかもしれませんよね。

娯楽という点でもそうで、今度の連休に家族そろってドライブに行くことと、家でDVDを見るのとどっちが良いかと家族に聞くと、子供たちは結構「DVD!」って答えたりしますもんね(ーー;)

消費は、利便性の追求と感情と紐付いた行動によって形成されるものですが、車の消費を支えてきたのが、利便性よりも「感情的な面からの消費」と考えると、明らかに消費は下がっていくということです。

さて、そういう状況で今回の質問の回答を考えると、まずは絶対に消費はもっと下がって行きますので、その中でいかにシェアを下げないでいくかということと、今提供している商品やサービスを軸として、それを他の業界に向けて提供するナドといった新規のビジネスを作っていく以外に方法はないと思います。

マーケットの中でシェアを確保する方法ですが、あなたの会社が業界内である程度の規模を持っているのであれば、市場の衰退に合わせて廃業する企業等が出てくるはずなので、いち早く企業の合併や業務提携をうながすなどという方法が取れます。

また、小さい規模ならば、経費等は極力使わないで収益構造を改善し、マーケット内で最後に残る企業のいくつかに残るという方法があります。ただ、この場合はいずれも消極策ということになりますので、やはり新規のビジネスを今の仕事を基にして考える方がいいと思います。

その場合の方法ですが、新規事業を考える場合のセオリーでもありますが、御社の持っている長所を全て書き出す、抱えている問題点を全て書き出す、というようにリスト化して思考するといいと思います。

長所と短所を全て書き出し、それを眺めてデスカッションすると、いろんなアイディアがでてくるものです。

また、「フィルムの施工やコーティング×○○業=△△で大いに喜ばれるかも?」という計算式を作って、無理やり考えてみるなんていうこともスッゴクいいと思います。(これ、個人的にはかなり好きな方法で、新規ビジネスの立ち上げ時によく使います)

長所の中には、持っている技術やノウハウの他に、人的な経験、情報といった資産も含まれます。

例えば、今の販売ネットなどもまさに持っている大きな資産となるはずですが、通常何かの商品やサービスを考えた時に販売のネットを作るのはとっても大変な作業なのですが、みんな困っているわけですから、(今もっている技術やサービスを他業種に向けて提供するサービスなり商品を考えれば)あっという間に販売できるというわけですよね(*^^)v

そう、考えると結構チャンスがあると思います。参考にしてがんばってみて下さい。

・・・という回答を私がしたら、別の読者さんからこんな感想が届きました(*^_^*)

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私はオーストラリアの日系企業に勤めておりますが、今回の「カーフィルムのメーカー」の営業の方からの質問に対して私から提案があります。

オーストラリアなどの紫外線が特に強い国への海外展開を考えたらいかがでしょうか。

確かに、石原先生のおっしゃる通り、カーフィルムは「国内での」消費は下がっていくだろうと思われます。

しかし、紫外線が強く皮膚ガンの発生率がとてつもなく高いオーストラリアなどの国は下がらずむしろ人口も移民受け入れで増えて来ておりますので、マーケットは拡大していると感じます。

こちらのカーフィルム施工率はとても高いです。私の周りだけの話をしますと、20数人の同僚の中で、カーフィルムをしているのは、半数以上です。

私の車はしておりませんが、子供が産まれたこの機会につけることを検討しています。
新車を買うときは、必ずつけるかどうか聞かれますし、中古車を買うときは実はこれが重要なファクターとなります。以上、ご提案まで。

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どうですか? こんなふうに視点を変えると、ビジネスのアイディアってどんどん出てくるものですよね。

これから日本は少子化で、どのマーケットも縮小傾向に向かいます。みなさんのなかにも、同じような悩みを抱える方が多いと思いますので、ぜひ参考にしてください。

私のメルマガ、『社長、「小さい会社」のままじゃダメなんです!』では、毎週メルマガ読者のみなさんからの質問にこんな感じでお答えしています。

これまでのQ&Aもメルマガバックナンバーにたくさんあるので、興味があればぜひ覗いてみてください。もちろん、質問も受付中です(*^^)/~~~

2009年02月23日(月)更新

毎日気になるクセになる!? 「超一品.com」

このところ、ちょっとハマっているサイトがあります。「超一品.com」…毎日たった「一品」だけしか販売しない異色の通販サイトなんです。


超一品


今日(2009年2月23日)の「一品」は、「ハンディコードレスクリーナー」…車のお掃除などにも便利に使えそうですよね。こんなふうに毎日0時を過ぎると商品が入れ替わり、たった「一品」を24時間だけの“特価”で販売するのです。

特に家電製品やパソコン周辺機器などは、店舗価格の3~4割引きで買えるようです。安さの秘密は、メーカーとの直接取引と、1シーズン前の在庫を扱うことみたいですよ。
このサイトを運営するのは、「AOSテクノロジーズ」というソフト開発会社ですが、他の通販サイトが「豊富な品揃え」に懸命になる中、みごとなまでに真逆に舵を切ったわけです。

また、サイトの文章にもかなりこだわっていて、同社では専門のライター社員を雇い、この商品を使うと日常にどんな“変化”が訪れるのかを、絶妙なタッチで紹介しています。

単なる「スペック」の比較に留まらず、その商品に「ストーリー」を持たせているところも人気の理由かもしれません。バックナンバーは「ブログ」から読めますので、サイトやメルマガの文章にお悩みの方は、参考にされるといいかもしれませんね。

それはともかく、昨年秋にオープンしたこの「超一品.com」には、在庫の商品を扱ってもらおうと、メーカーさんからのアプローチが絶えないみたいです。

つまり、仕入れの心配はほとんどしなくても大丈夫な状態で、毎日サイトの更新に専念していれば、一定の売上が上がるしくみが出来上がっているのです。

今や大企業から個人商店まで、数えきれないほどのネットショップが乱立し、「今さらネットショップなんて…」とお感じの方も多いと思いますが、まだまだ知恵を絞れば、後発でも十分勝てるということです(*^^)v

ネットはすでに「情報の大洪水」と化していますから、『探さなくてもいい便利さ』をお客さんに上手に提供することは、とても大事な視点だと思います。

欲しい商品を探して、数件のネットショップを行き来しているうちに、あっと言う間に30~40分経っていた…なんて経験、みなさんお持ちではありませんか?

ですから、忙しい現代人は妙な自制心が働いて、すでに買う商品が決まっているか、よほど時間があるときでないと、ネットショップを訪れなくなっているのかもしれません。

それに対して、この「超一品.com」は、ページを開いたら、興味があるかないかを“1秒”で判断できますよね。だからこそ、リピーターが増えるのです。

現に私も、このサイトの存在を知ってから、不思議と毎日気になって、ついついチェックしてしまいます(――;) もし、自分が見なかった日に、超お買い得品があったらどうしよう…なんて心理が働くのかもしれません。

ネットが人々の生活に深く入り込んだ今では、消費者の心理や行動も、「ネット初心者」の頃とは大幅に変わってきています。経営者は、その“変化”を常に感覚としてつかみ、自社のマーケティングに活かす必要がありそうですね(@^^)/~~~
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