大きくする 標準 小さくする
前ページ 次ページ

2010年09月10日(金)更新

続く消費不況。マーケットの閉塞感にどう立ち向かうか

このところ、ようやく秋の気配を感じるようになりました。少し陽気もよくなってきたところで、自社の抱える根本的な課題と向き合ってみてはいかがでしょうか。

というわけで、今回はこんな質問を取り上げてみました(*^_^*)

== 質 問 ==

ここ数年、消費不況が続いています。こんな時代に、お客様の財布の紐をゆるめるには、どうすべきでしょうか? 日々の営業に閉塞感を感じて困っています。

== 回 答 ==

経営的に考えると、取るべき手段は二つあります。一つはもっと個々の顧客の思考を参考にしてビジネスを再考すること。そして二つ目は、少ない人数で同じ仕事をこなせる方法を考えることです。

== 解 説 ==

ビジネスモデルを考える時に大切なのは、イメージしているビジネスが、最終的に本当に顧客対象となるターゲット(会社や人ですね)から支持されるか、ということです。

そんなこと当たり前だと思うかも知れませんが、意外に多くの会社が予測のままにビジネスを立ち上げ、こういった「本当に顧客から喜ばれるか?」という確認をしないで、大きな投資をしてしまうことが多いのです(ーー;)

ちなみに、支持されるとか、喜ばれるというのはどういうことかというと、喜んで対価(定価で、ですよ!)を払ってくれるか、ということです。

ビジネス立ち上げ時にアンケートを取って、「こういう商品やサービスがあったらうれしいですか?」とか、「これを買いますか?」って調査をする会社がありますが、実はこういうアンケートはマーケットをまったく捉えていないケースが多いのです(ーー;)

では、何がいけないかですが、それは、この商品はサービスが実際に売れたわけでは無いからです。

うれしいと思う・・・というのと、実際に買うということとは、まったく別次元だということを知らないといけないですね。

ちょっと解説が長くなりましたが、市場に閉塞感を感じ、これまである程度売れていたモノの売り上げが落ちているということは、企業として、このあたりのズレを一回しっかり確認してみるといい状況にあるということです。

マーケットは常に動いています。顧客の思考もスッゴク変化しているので、これまでの会社側の予測ではなく、個別に現状を聞いて戦略を立て直すのが良いと思います。

「今まで言わなかったんだけど、本当は御社の商品にこんなサービスが付いていればいいなと思ってたんです」とか、「前は良かったけど最近はココが不満」とか、「こんなライバル会社に負けてるよ」・・・などという声が聞こえてくるかも知れませんよ。

コンサルするときに常に言うことがあります。それは、『売上げは最小単位の積み重ねで作られる』ということです。

コレは売上げが、1億でも10億でも100億でも、その構成要素はあくまでも、『ビジネスの最小単位=目の前のお客様が喜んでくれているか』にある、ということです。このあたりの確認を、ぜひしてみてください。

あとは、同じ売り上げでも利益の出せる会社にしないと競争に勝てないので、バックヤードをなるべく省力化することも大切です。できるだけ少ない人数でこれまでと同じ仕事をこなせる工夫や努力も同時に取り組んでください。こちらについては、来週、改めて解説してみますね。


いかがでしょうか? あなたはどうお考えになりますか(^^♪ 私の発行する週刊メールマガジン、『社長、「小さい会社」のままじゃダメなんです!』(購読無料)では、毎週メルマガ読者のみなさんからの質問にこんな感じでお答えしています。

これまでのQ&Aもバックナンバーにたくさんあるので、興味があればぜひ覗いてみてください。もちろん、質問も随時受付中です(*^^)/~~~

2010年05月14日(金)更新

自社における「顧客化のゴールは何か?」を考える

今週はQ&Aの回なので、「お客様から紹介をもらうには」という質問を取り上げてみました。

これからの時代、企業にとって「顧客化」はますます重要になりますが、“自社にとっての顧客化”はどうあるべきかを経営者がはっきり示していないと、現場はカラ回りを繰り返し、とてももったいない状況に陥ってしまいます(――;)

今回の回答を参考に、ぜひ「自社の顧客化のゴール」について、より深く考えてみてください。

== 質 問 ==

輸入の高級海産物を扱っている会社ですが、石原先生のマーケティングの仕組みの中に『顧客化』というのがあります。お客様にファンになってもらい、紹介してもらうというものです。

幸いに弊社と続けて取引してくださるお客様はたくさんいます。しかし「おまえのとこのためにお客を連れてきたぞ」ということがあったのは一度しかありません。

一体どんなことに気をつけ、何を準備し、継続すると、紹介は起こせるの でしょうか? 教えてください。

== 回答 ==

顧客化に対する質問は多くありますが、顧客化について考える時に大切なのは、自社のビジネスにおいて「顧客化のゴールは何か?」ということです。ビジネスによっては、そもそも紹介が出にくいという仕事もあります。どちらかというと、この仕事はそんな感じがします(ーー;)

ということで、その辺(ゴール)を一回見直す・考えてみるといいのではないでしょうか?

== 解 説 ==

マーケティングにおいて、非常に大事なステップが、今回の質問のあった顧客化です。

なぜ大切かというと、商品やサービスを販売したときに、そのお客様から気に入っていただいてリピートや紹介が得られれば、マーケティングロジックが安定し、売るために必要なトータルの費用が大幅に下がるからです。

ということで、顧客化のゴールはお客様が商品やサービスを気に入ってくれてリピートしてくれる、新商品や新サービスを提案した時に買ってくれる、それだけではなく、新規にお客様を紹介してくれるということになります。

・・・これ、確かにそうですよね(^_^;)

皆様にもそう言っているし、もちろん、これが理論的には正解でありゴールなんですが、実はビジネスによっては顧客化というのがリピートまでは可能であるが、新規にお客様を紹介してもらうとなると、かなり難しいという種類のものもあります。

なので、自社にとってのマーケティングを考えた時には、顧客化のゴールは少しそういった要素も入れながら、考えると良いと思います。

・・・そうすると無理が無いですよね(*^_^*)

紹介が難しい仕事ですが、過去に私がコンサルした仕事でいうと、身近なところでは優秀な塾の生徒の紹介はほとんど取るのが難しかったです(ーー;)

理由は簡単で、親が自分の子供にだけいい教育をさせたいと思っているので、他の親には教えたくないと思ってしまうからでした。

また、手作りのとっても素敵なバックを作っているお店がありましたが、ここのお客様も基本的には同じモノを他のお客さんが使っていると優越感がなくなってしまうので、なかなか紹介は出ませんでした。

今回の質問の会社が扱っている商品を考えた時に、高級な海産物となると、どうも同じような状況が生まれやすいのではないかと思いますがいかがでしょうか?

だって、自分のお店がすごく美味しいめずらしい食材を出して繁盛しているのに、たとえ地域は違っていたとしても、他でも同じものを出して欲しくないのは常ですよね(^_^;)

ましてや、近場ならなおさらですよね(ーー;)

それに今はネットの時代なんで、そんな美味しい何かがあるなんてことがネットで取り上げられたらあっという間に広がってしまいますよね。

ということで、今回の質問は、業種そのものや扱っているものが、そもそも紹介には向いていない、顧客化のゴールはリピートや新商品の購入に留めて努力するというのがいいのではないでしょうか?

そうすれば、紹介が出ないのはまだ努力が足りないからだ・・・というような間違った努力はしないですみそうです。参考にしてください。


いかがでしょうか? あなたはどうお考えになりますか(^^♪ 私の発行する週刊メールマガジン、『社長、「小さい会社」のままじゃダメなんです!』(購読無料)では、毎週メルマガ読者のみなさんからの質問にこんな感じでお答えしています。

これまでのQ&Aもバックナンバーにたくさんあるので、興味があればぜひ覗いてみてください。もちろん、質問も随時受付中です(*^^)/~~~

2010年04月16日(金)更新

石原流「ビジネスモデル」の思考法

このところ肌寒い陽気が続いていますが、みなさんの元気でお過ごしでしょうか? 今回は、保険代理店の方からの質問を取り上げ、私流の思考法をご伝授したいと思います。思考はトレーニングです。ぜひ、参考にしてください。


== 質 問 ==

現在、保険代理業(生保、損保)を行っているので、この業界でのビジネスモデルとしてはどのようなアイディアがあるのか、例があれば教えて頂きたいです。


== 回答 ==

ビジネスの特性や置かれている環境そして構造などを考えて、一回保険のビジネスが、そもそもどんなビジネスなのかを考えてみるといいですね。
どんな仕事もそうですが、そうすれば結構、客観的な視点で解決策が見えてきます。

== 解 説 ==

今回は、ビジネスそのものの相談ですが、保険の方はかなり苦労しているようですね(*^_^*)大手保険会社さんからも結構相談や講演・コンサルの依頼が私のところには来ています。

こういう相談に直接お答えしている関係で、この質問には直接的な回答(実はこうすれば絶対にいけるという答えはあり、実際に実行していただいてかなりの成果に繋がっています)はできませんが、いい機会なので、こういうビジネスを見直すときの考え方を回答したいと思います。

コレなら、保険の仕事以外の方も参考になると思います(*^^)v

それは、今、見(考え)ているよりももっと広い範囲に視野を広げて、その仕事の特性や置かれている環境、構造などを一回整理して考えてみることです。

例えば、「保険ってそもそもどんな成り立ちをして業そのものができたのか?」とか、「生きてる人全員にとりあえず必要ってことは、会う人はみんな見込客なんだなぁ~」とか、「コンプライアンスが一番キツイ業界、特に最近では商品が横並びで尚且つ複雑、普通の人にはまったく違いや特徴が分からない」・・・とかですね(*^_^*)

それから、「環境的にはネットの関係で、非常に危うい状況になっているなぁ~」などですが、考えると、結構いろいろ出てきますよね。

こういう事項を今度は、くっつけたり、並び替えたり、どっか別の仕事でこんな感じの仕事はないかなぁ~とか思考して、もっと視野を広げて行ったりするのもいいですが、こんな項目を客観的に見ていきながら、答えを導いていく感じですね。

そうすると、突然! 「あ!コレ、行けるかも!!」って答えが出てきたりします。

もちろん、一回でこの答えが見つかるほど簡単なビジネスはどこにもありませんから、わたしの場合は、このリストを毎日見て思考・毎日見て思考・・・を繰り返して行きます。
保険の答えを出す時は、確か一週間くらい考えていたと思います(ってことは「最低コレくらいは考えてね」ってことです)。

そうすると、潜在意識などもフル動員した面白いアイディアが出てきたりします。秘訣は、答えや、答えのヒントが見つかり、気分が楽しくなる状態を早く作ることですね。
ということで、一生役立つ思考のトレーニング方法にもなります。ぜひ、トライしてみてください。

いかがでしょうか? あなたはどうお考えになりますか(^^♪ 私の発行する週刊メールマガジン、『社長、「小さい会社」のままじゃダメなんです! 』(購読無料)では、毎週メルマガ読者のみなさんからの質問にこんな感じでお答えしています。

これまでのQ&Aもバックナンバーにたくさんあるので、興味があればぜひ覗いてみてください。もちろん、質問も随時受付中です(*^^)/~~~

2010年03月05日(金)更新

既存顧客の「値下げ要求」にはどの位応じるべきか

今年も、あっという間に3月になりました(*^_^*) 年度末を迎えて、お忙しい毎日をお過ごしの方も多いと思いますが、こうした節目の時期は、ものごとを見直すいいチャンスです。

社内のしくみはもちろん、顧客との取引条件なども、定期的に見直してみることをおすすめします。というわけで、今回は「既存顧客の値下げ要求にはどの位応じるべきか」という質問を取上げてみました。「発想」という点において、ぜひ参考にしてください。


== 質 問 ==

大阪で製造業を営んでいます。既存顧客の値下げ要求にはどの位応じるべきでしょうか? 価格競争には陥りたくないし、今のご時勢を考えると少しは協力しないといけないかな? とも思いますし・・・悩むところです。


== 回 答 ==

今回は、価格競争に関する質問ですが、当社が主に製造業など必ず価格交渉に陥る業界や企業体質の会社のお世話をする時には、予め準備して価格競争でどんどん有利になる様なビジネスモデルを作るように指導します。発想を変えて、そういった準備を始めてみてはどうでしょうか?

== 解 説 ==

経営の秘訣はいろいろありますが、その中でも重要な項目に出口を理解して経営に当たるというのがあると思います。これはどういうことかと言うと、最後はどの方向に向かっていくかを理解してそこに早く向かった方が経営は楽になり他社に勝てるというものです。

例えば、数年後に法律が変わり今の仕事のやり方が出来なくなるとなった時に、まだ出来るということでそのままの仕事を続けるか、いち早く方向転換して新しい方法を考えようとするかの違いですが、結果は必ず、早く対処したところに軍配が上がります。

そういう意味で今回は、単に相手が値段交渉を言ってきたというより、仕事をしていれば必ず起こるということに対してどうすればいいかということでの回答にした方が良いと思って、この回答を書いていますが、経営のやり方を思い切ってドラスティックに変えて、顧客に言われなくても自社努力で毎年々々商品原価を何%か下げていく努力をする方が良いと思います。

相手に言われて対応しようとすると絶対に後手になり主導権を取れませんが、絶対に起きることなら先手を取って対応、それが勝てる経営の肝になると思います。

年間行事として、原価の見直しや在庫管理、作業の棚卸し工程チェックを戦略として繰り返してください。

他社はこういった感覚ではなかなか経営しないと思うので、御社の一人勝ちになると思います。がんばってくださいね。


いかがでしょうか? あなたはどうお考えになりますか(^^♪ 私の発行する週刊メールマガジン、『社長、「小さい会社」のままじゃダメなんです! 』(購読無料)では、毎週メルマガ読者のみなさんからの質問にこんな感じでお答えしています。

これまでのQ&Aもバックナンバーにたくさんあるので、興味があればぜひ覗いてみてください。もちろん、質問も随時受付中です(*^^)/~~~

2010年02月26日(金)更新

昔懐かしのリンゴ「国光」をネットで

みなさん「国光」というリンゴをご存じでしょうか? 最近ではほとんど目にしなくなりましたが、1960年代には、日本一のリンゴ生産県である青森で、品種別収穫量の6割を超えていた“メジャーなリンゴ”だったのです。

その「国光」に、年配者からラブコールが贈られ、今年(2010年)の年頭から、同県の産業技術センター「りんご研究所」が、「まごころふるさと便」としてネット販売を始めました。


ringo


今では、同研究所に残る「国光」の樹も、樹齢109年の7本を残すのみになってしまったようですが、毎年11月下旬頃には、この7本から約1トンものリンゴが収穫できるのだそうです。
この「国光」は収穫時期が遅く、実が雪をかぶることから別名「雪の下」と呼ばれ、青森の風土に適して貯蔵性も高く、長い間地元で愛されてきました。

また、しゃきっとした歯切れのよさとその酸味が特徴的で、この「国光」とデリシャスの配合で「ふじ」が誕生し、その「ふじ」と別の品種の掛け合わせで「星の金貨」などの優秀な新品種が生まれたのです。

こうした新品種に押され、「国光」自身は、近年、ジュースなどの原材料として引き取られることが多かったそうです。しかし、一方では、その味を懐かしむ年配者から「どこで買えるんですか?」といった問い合わせも、度々受けていたのだとか…。

そこで、いよいよ残り7本になったこの老木たちに「もう一度生きがいを与えたい」と、ネットでの販売を決めたのです。老木にあやかり「長寿林檎」と名付け、1箱3千円で販売しています。

国光、ふじ、星の金貨の“3世代”詰め合わせもあって、なかなかの人気ぶりみたいですよ(*^^)v

こうした事例を見るにつけ、「大量生産・大量消費」の時代は、確実に終わったのだと実感します。たとえ全国規模では供給できないものでも、その希少価値をわかってくれるお客さんにだけ、「限定品」として確実に届ける・・・ネットというインフラを使えば、それが誰にでも可能な時代なのです。

加えて「老木に生きがいを」といったストーリーは、人の心を打ちますよね(*^_^*) このストーリーに共鳴するかのように、「国光」を食べてみたくなる人も多いと思います。

意外とあなたの会社にも、“復刻”すべき貴重な財産が眠っているかもしれませんよ。ぜひ、そんな視点で、社内をじっくり眺めてみてください(@^^)/~~~
«前へ 次へ»