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2007年05月23日(水)更新

中小企業向け“社歌”はビジネス

少し前ですが、新聞を読んでいたら、ちょっとおもしろい記事に目が止まりました。2001年に17歳でロシアからアメリカに移住した青年が、中小企業向けに社歌を制作するビジネスを立ち上げたというのです。


社歌


大企業には、経営理念や社風をなど織り込んだ社歌があったりしますが、その制作には、結構な費用と時間がかかるので、中小企業では、「社歌があったらいいな」と思っても、なかなか実現できなかったと思います。

そこで、彼は「中小企業に需要を絞って、社歌を制作するビジネスはニーズがあるかも」と考えたのです。もともと彼は、ロシアの教会で聖歌を歌ったり、オルガンを弾いたりしていた音楽好きだったので、好きなことを仕事にしたいという思いもあり、06年にサンフランシスコに「eNthem(エンセム)」という会社を設立しました。
会社設立当時は、それまで社歌を作ろうなんて考えたこともなかったような中小企業を訪ね歩いて、社歌の重要性を説明して歩いたそうですよ。なかなかガッツがありますよね(*^^)v

といっても、社歌にお金をポンと出してくれる社長さんは、簡単に見つからなかったようで、最初は制作費を思いっきり安くして作ったそうです。作詞、作曲から録音まで含めて500ドル(約6万円)という価格にもかかわらず、ジングル(テレビやラジオのCMのためだけに作られた短い曲)とは違い、たっぷり3分はある曲を提供したそうですから、かなり喜ばれたことでしょう。

社歌は買取式で、作ってもらった会社では、電話の保留音にしたり、社内で放送したり、また、顧客や社員にCDにして配ったりと、いろいろな方法で活用するそうです。

軌道に乗り始めると、彼は会社ごと買ってもらうことに成功し、今はコンルタントとして経営に参加。制作費も700ドルに値上げし、月に10~15社の社歌を制作。今年の総売り上げは15万ドル(約1800万円)と予測しています。

ロシアの青年が、ちょっとした思いつきでビジネスを立ち上げられるアメリカの環境はすごいと思いますが、それを軌道に乗せるとあっという間に事業を売却・・・(――;) 価値観や考え方の違いといってはなんですが、すごいですよね。

日本だと、一般には事業は思いを持って始めるので簡単に売ろうと考えないものですし、まだ、そんなに会社を買うっていうのもノーマルじゃないですが、これから、日本も法律がかわってどんどんM&Aの時代にいっていったら、商習慣がこれだけ違っていると、混乱するだろうなぁ~って思います。

売却目的で事業を立ち上げ、企業は事業の開発費や初期投資する代わりにそういった事業を買収・・・効率的って言えばそうですけどね。みなさんはどうお感じになりますか(@^^)/~~~

2007年04月27日(金)更新

KUMON(公文)塾・インドでFC展開

公文教育研究所が、なんと、インドで学習教育授業のフランチャイズ展開を始めたそうです。ご存じのとおり、インドはIT大国で、インドの子どもたちは、「数字に強い」とされています。

なんでも、インドでは、2桁の掛け算、99×99までを九九のように教えるらしく、その結果、数字に強い子どもたちが育つみたいなんですが、そんな中で日本の「公文式」がどこまで受け入れられるのか、注目すべきところです。

kumon

インドへの進出を決めたのは、今後、中産階級による教育投資が拡大すると判断した結果です。ニューデリーを中心に、教室を運営する経営者を募り、今秋9月の開講を目指すそうですが、現在、ニューデリーの人口は、約1300万人。月収が約1万ルピー(約2万8千円)以上のいわゆる中産階級が約6割を占めるそうです。
公文の月謝は、1科目週2日で、900ルピー(約2500円)。公文が進出している世界各国の中では低い水準だそうですが、現在ニューデリーでは、子どもを私立校に進学させる家庭も多く、塾の需要も拡大しているそうです。

そう考えると、ビジネスとしての将来性を感じますが、私はこのニュースを聞いて、逆に公文が、インド式の「2桁の九九」を日本で教える展開をしたら、相当おもしろい結果がでるのでは、と考えました(*^^)v

2桁の九九が言えたら、結構便利ですよねぇ・・・。こんな風に、私には世の中の動きから、新しいビジネスを発想するクセがついています。

情報化社会になり、他社の動向を知るスピードもどんどん速くなっています。世の中に公開されている情報は「タダ」で手に入るわけですから、経営者に高いアンテナがあれば、どんどん自社のビジネスに活かせるということです。

私のブログも、そんな風に活用していただけるとうれしいです(@^^)/~~~

2007年04月13日(金)更新

「QRコード」の知って得するお話

携帯電話から簡単に目指すホームページにアクセスできることですっかりおなじみになった「QRコード」ですが、「QR」とは何の略だかご存じですか?

……正解はクイックレスポンス! しかも、このQRコード、もともとは、トヨタの生産
管理システムのために開発されたものだと知って、ちょっとびっくりしてしまいました。


qrcord


開発元は自動車部品大手のデンソーです。「ジャスト・イン・タイム」を旗印とするトヨタは、工場に搬入される部品の製造元や品番をバーコード管理していたんですが、90年代に入ると生産台数の増加に伴い、バーコードの容量が不足したことから、新たなコード開発を、系列会社であるデンソーに依頼したんだそうです。

そこでデンソーが目をつけたのが、バーコードの数十倍もの情報量を読み取れる2次元コード。生産現場で使うため、汚れや破損に対する強度や、読み取りの早さと利便性を最大限考慮し、開発から2年で「QRコード」が完成。97年からトヨタの工場で使われ始めました。

しかし、あくまでも「社内利用」ですから、いくらトヨタが大企業とはいえ、このままでは世の中に広まらないと判断したデンソーは、数々の特許を取得したこの仕様を、潔く無償公開したのです。

それにとびついたのが、携帯電話業界でした。02年にJ-フォン(現ソフトバンクモバイル)が、初めてカメラ付き携帯にQRコード読み取り機能を搭載したのです。それからは、みなさんご存じのとおり、他社携帯にも採用され、今ではごく一般的に使われるようになりました。

昨年9月からは、ANAのチェックインレスサービスに利用され始めたり、来年からは、厚生労働省が健康保険証に印刷する予定だそうです。

日本生まれのQRコードは。1文字のデータを効率的に圧縮して入力できるため、複雑な漢字でも、文字化けせずに読み取れる強みがあります。

とは言うものの、国際的に見たら、規格を取得している2次元コードの中で、このQRコードの認知度はまだまだなんです。米国のほとんどの州で免許証に印刷されているモトローラの「PDF417」や、ドイツで切手代わりに印刷されている「データ・マトリックス」に比べればとてもマイナーな存在なのです。

今後は、アジア圏を中心にさらなる拡大を図りたいところですが、そのためには、「QRコードを使うとどんな風に便利か」という利便性を、世界に向けてよりわかりやすく伝えていくことがキーになると思います。

これからの時代は、「高い技術力」があっても、それを世界に発信できない限り、生き残りは難しくなってくるでしょうから、「情報発信力」をあわせ持つ企業にしか、決して軍配は上がりません。

そういった意味で、QRコードの今後の発展を温かく見守りつつ、経営者として、自社の情報発信力にますます磨きをかけてください(@^^)/~~~

2007年04月06日(金)更新

“古本”が次世代のアーティストを育てる!?

アートやファッションの街として若者に人気の渋谷区代官山で、事務所で不要になった本や雑誌を提供してもらい、カフェなどに置く活動が広まっているそうです。

この活動は、代官山で本を回し読みする思いを込めて「BOOK AROUND DAIKANAMA」と名付けられ、Tシャツのリサイクルなどに取り組むNPO「フレンドリーデーインターナショナル」が主催しているものです。


mawashiyomi


そもそもこの活動を思い立った理由がおもしろいんですが、デザイナーやカメラマンの事務所から本や雑誌がゴミに出されると、いつのまにか、1冊2冊と抜き取られていくことに気がついたんだそうです。

「もしや、クリエーター志望の若者が持っていくのでは…」とにらみ、この活動を始めたというのです(*^^)v
たしかに、画集や写真集などはかなり高価なものですから、学生の身分では、欲しくてもなかなか手に入れられないという現実があります。だからこそ、高価な本が捨てられているもったいなさを感じ、本や雑誌をリユースし、若い人たちに還元することを考えたわけですね。

ボランティアスタッフ4人で、代官山界隈のデザイン・建築・ファッション関連の事務所などを業種別にリスト化し、1軒1軒電話で事情を説明し、協力を仰いだそうです。なかなか、ビジネスセンスがありますよね。

これまで100以上の企業や事務所に声をかけ、約1割から回収。約20店舗のカフェなどに専用の箱を設置し、その場で読むことはもちろん、持ち帰りも認めているんだそうです。

こんな風に、「リユース」や「リサイクル」というキーワードは、これからの世の中でますます注目されてくるんじゃないかと思います。企業にとってはゴミでしかなかった本や雑誌が、代官山で次世代のクリエーターを育てることに役立つなんて、とってもいい循環ですよね。

しかも、こうした「正義の味方」的な取り組みは、かなりメディアに取り上げられやすいんです。企業PRの面からも大きなプラスを生みます。この事例をヒントに、あなたの会社でも似たような取り組みができないか……なんて考えてみると、結構おもしろいアイディアが出てくるかもしれません(@^^)/~~~

2007年03月23日(金)更新

ユニクロ「全商品リサイクル」の本当の理由?!

だいぶ日差しも春めいてきて、そろそろ冬のコートをしまおうかな…などと思う季節になりました。そんななか、あのユニクロが「全製品リサイクル」に乗り出したようです。これまでも、フリースのリサイクルは行っていましたが、その対象を全商品に広げたわけです。

ユニクロの製品であれば、衣料品はもちろん、サングラスやベルトといった雑貨類も対象にするそうですから、不要になったものは、全部店舗で引き取ってもらえます!(^^)!


yunikuro


回収は毎年3月・9月の2か月間に限り実施。持ち込まれた商品の9割方はまだ使える状態のものなので、支援団体を通じて難民キャンプに届けたり、そのほかの製品は、衣料の材料としてリサイクルしたり、燃料として再利用するそうです。
このような取り組みは、ものを大切にし、資源を有効活用するという意味でもすばらしいですし、先日「不都合な真実」のブログにも書きましたが、今、世の中の関心が「地球環境」に向かっているので、メディアに取り上げられやすく、企業PRという点でも優れた戦略です。

しかし、それ以上に意味があるのは「ユーザーのクローゼットを空ける」ということなんです(*^^)v ものの溢れる時代ですから、みんなクローゼットに入りきれないくらいの洋服を持っていると思います。そんな状態では、新しい商品を欲しくとも、入れるスペースがありません(――;)

靴でも、鞄でも、着物などもそうですが、とにかく先に入れるスペースを作らないことには、新しいものは売れないのです。といっても、ただ「捨てる」という行為も、なかなかできにくいものです。

そこで「リサイクル」です。大義名分があれば、ユーザーも気持ちよくものを減らせます。ユニクロの取り組みが、ちょうど季節の変わり目に行われていることもうなずけますよね。

思うように新商品が売れないとお悩みの経営者の方は、この“発想”が参考になるかもしれません(@^^)/~~~

こんな風に、世の中から「経営のヒント」をつかむため、経営者会報ブログとともに、当社サイトのブログも、ぜひ有効に活用してください。
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