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2009年05月15日(金)更新

企画の勝利!? 人前緊張経験DVD

最近このDVDの存在を知って、思わず笑ってしまったんですが、あがり性を克服するために、人前で話す訓練ができるDVD、その名も「あがりがあがり」(28分、3,980円)という商品があります。

訓練用のDVDといっても、画面にはこんなふうに人がずらーっと並んでいるだけ…つまり、この画面に向かって、人々の視線を感じながら、勝手にスピーチの練習をするというわけです。


あがりがあがり


社会人になると、面接はもとより、朝礼や会議、客先でのプレゼンテージョンなど、人前で話す機会が増えるものですが、この「人前で話す」ことに対して苦手意識を持っている人は、かなりの数がいると思います。つまり、マーケットとしては十分だということです。
しかし、もし仮にあなたの会社がこのターゲットに向けてのDVDを企画開発することになったら、いったいどんなアイディアを出せるでしょうか?

まず最初に思いつきそうなのが、どこからか話し方の先生を連れてきて、話し方の基礎からレクチャーしてもらう…なんて企画ですよね。このDVDみたいに、「人の視線だけを再現する」なんて企画、なかなか出そうで出ないと思いませんか?

おまけに有名な先生を連れてくるのと違って、制作費も意外と安く済みそうですから、まさに企画の勝利だと思います(*^^)v

このDVDは、朝礼(5人、10人、20人)、自己紹介、会議室発表、発表順番待ち、役員プレゼン、面接というそれぞれのシーンを再現していて、最後に特典影像として「発表成功イメージ」が収録されています。

今回はビジネスシーンに絞って作られていますが、結婚式でのスピーチや大ホールでの講演など、練習ができないシチュエーションを再現するのもおもしろいかもしれませんね。結構、シリーズものにしてもイケるかもしれません。

このDVDのプロデューサーも、「『場数を踏めば慣れるよ』と気軽に言われても、そんな『場』が『毎回本番でしょう!』と言いたい。だからこの人前緊張経験DVD『あがりがあがり』をどうしても作りたかった!」と語っていますが、まさにそのとおりですね。

練習できないシチュエーションを疑似体験させる…このコンセプトは、もっといろいろな企画に発展させられそうな気がします。

経営者の“脳トレ”には、こんなふうにビジネスアイディアの発想を拡げることが一番です。ぜひ楽しく考えてみてください(@^^)/~~~

2009年04月10日(金)更新

USJで企業研修!? リソートホテルのパッケージプラン

4月に入り、新人研修真っ盛りの企業も多いと思いますが、このところ、会議や研修向けのパッケージ商品を、企業向けに積極的に売り出すリゾートホテルが増えてきたようです。

ユニバーサルスタジオジャパン(USJ)の公式ホテル「ホテルユニバーサルポート」では、飲食施設である「ポートダイニングアクア」を会議や研修にも使えるように改修し、昨年(2008年)7月から『ミーティングパッケージ』として発売を開始しました。


usj


これまで、ホテルを会議や研修に利用する場合、宴会と同じような扱いになっていたと思いますが、この『ミーティングパッケージ』は、一人当たりの料金が明示されているのが特徴で、10名以上の利用で一人当たりの料金は3,500円。

これに食事やコーヒーなどをプラスして利用でき、従来どおり宴会場を予約する場合に比べて3割程度安くなるみたいです。
さらに宿泊をプラスして、「2日目はUSJで自由行動!」というプランも可能ですから、企業がユーザーを集めた商品説明会などを開いた場合でも、欠席率が際立って低くなる…なんて効果も期待できるようです。

また、このようなパッケージ商品を使えば、参加者人数から簡単に予算が割り出せるため、担当者の会場手配にかかる手間が大きく省けるというメリットもあるんです。ホテル側の担当者と打ち合わせをしたり、見積書をチェックする必要もありませんからね!(^^)!

もちろん、こうした研修市場を狙うことは、ホテル側にも大きなメリットがあります。閑散期や平日の稼動率が向上すれば収益性も上がるわけですから、今後、宿泊や飲食に次ぐ収益の柱に立てる方針だそうですよ。

今は派手な宴会をする企業も少ないでしょうから、ホテル側としても苦肉の策だったのかもしれませんが、このUSJの場合、「遊びに来てもらう場所にビジネスユースを呼び込む」という“真逆”の発想が必要だったはずです。

経営者のちょっとした発想の差で、企業の収益性が驚くほど変わるといういい事例だと思います。自社の商品やサービスを真逆のマーケットに提供したら、どんな変化が訪れるでしょうか? ぜひ、楽しく発想してみてください(@^^)/~~~

2009年03月27日(金)更新

ブラジャーを回収!? エコをキーワードにしたワコールの集客に学ぶ

消費不況が叫ばれるなか、顧客サービスの一環に、中古品の「買い取り」や「リサイクル」を取り入れる企業が増えているようです。

ヨドバシカメラでは、パソコンや携帯音楽プレーヤーなど、デジタル製品の「買い取り」を本格的に始めました。首都圏や関西の主力店に買い取り専用コーナーを設置したばかりか、この4月以降には、顧客の家まで出向く「出張買い取り」も始めようという意気込みです。

今や、パソコンや携帯音楽プレーヤーは、一人一台が当たり前の時代。今使っている製品の買い取りでもしないかぎり、新製品を売るにも、なかなか難しいのかもしれません(――;)


ワコール


一方、ワコールと高島屋が協力して始めたのが、なんと! ブラジャーの回収です。4月22日までの期間限定ではありますが、来店客に上記のような専用のリサイクルバッグを配り、ワコール製品に限って、一人最大6枚までを店頭に持ち込んでもらうという方法です。
回収したブラジャーは、ワコールの流通センターへと集め、処理工場での粉砕、分別、圧縮の工程を経て、RPFと呼ばれる産業用の固形燃料にリサイクルするそうです。資源の有効活用という意味からも、お客さんの共感を得やすい企画ですよね。

しかし、この企画の裏には、きちんとした調査結果があるんです。同社の調べでは、約61%の女性が、「ブラジャーを捨てるのにためらいを感じる(躊躇する)」と答えているのだそうです。その結果を見て、「自宅のタンスに眠ったままのブラジャーは相当数に上る」と、同社は踏んだのです。

この話を聞いて思い出したのですが、かつて私が、とある法衣店(お坊さんの袈裟などを扱う会社です)のお世話をしていたころ、そこでも同じようなケースに出会ったことがあります。

その会社では、新しい法衣を売ろうにも、すでにどこのお寺もタンスがいっぱいなので、新しいものは全く売れないという状況が続いていましたが、古い法衣を引き取ったり、なかにはタンスごと引き取ったり…というサービスを始めたところ、あっという間に売り上げがあがりました(*^^)v

やはり、「入るスペース」を先に空けてあげない限り、新しいものは売れません。これは、和服などの業界でも、全く同じだと思います。祖母や母から譲り受けた着物なども、相当「捨てにくい」ものですから…。

王道ではありますが、こんなふうに、お客さんが困っていることに積極的に目を向けると、他社との差別化が可能になります。何も大それたことじゃなくていいんです。「ちょっとした」ことに目を向けるか向けないか…ここが分かれ道になっているんです。

先のブラジャーの回収にしても、リサイクル品を持ち込むことがお客さんの「来店動機」にもなりますし、企業がメッセージ性のある投げかけをすることで、意識の高いお客さんと繋がることが可能です。

この事例を参考に、「捨てにくいものが捨てられる」「エコに貢献できる」などの視点から、自社独自の顧客サービスを発想してみてはいかがでしょうか? 経営者は不況に嘆いてばかりいる暇はないはずですよ(@^^)/~~~

2009年03月13日(金)更新

「テーマパークマンション」で勝負 高い家賃でも入居率9割超え!?

消費低迷が叫ばれるなか、どのマーケットに向けてビジネスを展開するかは、常に経営者の頭を悩ませるところですが、『10人中9人に嫌われる物件』をポリシーに、他より1割高い家賃でも入居率9割5分を誇る不動産管理会社があるのをご存じでしょうか?

下記の写真・・・一体なんだと思います? これが、『テーマパークマンション』と呼ばれる賃貸マンションです。こんなふうに、一見“ぎょっ”とするようなマンションを扱っているのは「明来(あき)」という会社なんですが、独自のアイディアをもって、真っ向から勝負しているのです。


テーマパークマンション


たとえば、漫画家の楳図かずおさんが自宅の紅白ストライプの外装で近隣と訴訟問題を起こしたときには、楳図さんを応援しようという気持ちから、「楳図かずおの紅白部屋」を作ったそうですが、募集してまもなく借り手が付いたみたいですよ。

その室内といえば、インパクトある紅白ストライプの壁に、キッチンの入り口は「とぐろ虫」の形、ベッドルームのくす玉を割ると直筆の「まことちゃん」の垂れ幕が飛び出す…という懲りようで、ちなみにこの部屋、延べ床面積約110平米で、家賃は24万円だとか。
同社は、大阪近郊で約4百棟、8千戸のマンションを管理しているそうですが、そのなかでこうした『テーマペパークマンション』は現在約20棟。部屋単位で改装したものから、一棟新築で作ったものまであるようです。

同業者には酷評されることもあるそうですが、同社の社長は「万人受けする物件は万人受けする家賃しか取れない。10人中9人に嫌われても、絶対住みたい1人がいれば家賃が高くても借りてくれる」と自信を見せています。

じつは、彼自身もなかなかの苦労人みたいで、結婚式のプロデュース会社やエステ機器のレンタル販売などのビジネスを経て不動産業界へ入ったそうです。当初は、銀行の債権処理に終始していたようですが、そうするうちに金融機関の信用が高まり、2003年に株式会社化しました。

その後、ファンドの資金流入でマンション建設が急増し、借り手や買い手が付かない物件が増えてことに目を付け、ここ4年のあいだにそうした物件を買い取って改装したり、新規に作った物件をファンドに売ることで急成長したのです。

ご存じのように、今やマンションは供給過剰気味になっていますが、家賃を高く設定できる『テーマパークマンション』は買い手が付きやすいようで、売った物件の管理や入居者募集は、そのまま同社が請負うそうです。

なかなか頭のいいやり方ですよね。あとは、どれだけおもしろい企画を立てられるかの勝負になってくると思いますが、あくまでも「一般受けしない」という価値観を守るため、社内の会議で「全員が賛成」した案件は、すべてボツにしているそうですよ(*^^)v

もちろん、あまりニッチなマーケットだけを狙っていては、会社はなかなか大きくなりませんが、自社の商品やサービスのなかに「尖がった部分」を持っておくというのは、これからますます進化する情報化社会においては、欠かせない戦略になってくると思います。

どうやら、経営者の発想の転換がカギになりそうですね。参考にしてください(@^^)/~~~

2009年01月23日(金)更新

月額制のブランドレンタル!? 時代とともに進化するビジネスモデル

みなさんご存じのとおり、このところの景気悪化で、消費マインドはかなり大きく変化しているようです。新聞や雑誌では「レンタルリッチ」などという言葉まで造り出し、洋服やブランドバッグ、家電製品や自家用車まで「賢く借りる」方法を特集していたりします。

そんなななか、このブランド品のレンタルサービスを、より進化させた企業が登場したのをご存じでしょうか? ブランドレンタルの「ORB(オーブ)」では、なんと、レンタルに『定額制』を採用したのです(@_@;)


orb


これまで、ブランド品のレンタルといえば、ブランド品の販売会社が、売上が落ちてきたことに危惧を感じ、新規事業として立ち上げるようなケースがほとんどでした。

たとえば、会員制のレンタルサービスカリルのように、そのシステムも、ブランド品のバッグやアクセサリーを「週単位」や「月単位」で借りることができる…といったものでした。

ルイ・ヴィトンの定番ショルダーバッグであれば、1週間5,000円程度で借りられるようで、友人の結婚式や同窓会などの日程に合わせて利用する女性も多いらしく、金融危機が本格化した昨年の11月には、通常の約7倍の利用があったそうですよ。

しかし、この「ORB(オーブ)」は他とまったく違っていて、たとえば、月に9,800円を支払うと何度でも“交換自由”なシステムになっているんです。ですから、通勤用にはコレ、週末にはパーティーがあるからコレに交換…といった具合に、自由に選びながらバッグを借りることができるというわけです。
これって、TSUTAYAがDVDレンタルに採用した『ツタヤディスカス』のシステムと全く同じですよね。1本いくらだったレンタル料を、月額制にしたことにより、会員の囲い込みに成功した事例です。
 
私が主宰する高収益トップ3%倶楽部の会員さんには、『この世は自分のためにお金を出して実験してくれている』を合言葉に、いつも世の中を上手に切り取る眼を持つためのトレーニングをしてもらっているのですが、他業界の成功事例をストックしておけば、いざと言うときに、時代に合ったカタチにアレンジして、新しいサービスとして展開することも十分可能なのです(*^^)v

さらに驚くべきことに、先の「ORB(オーブ)」を運営しているのは、国内や海外での美術展覧会の企画及び運営を手がける世界文藝社」という会社なのです。どういう経緯でこの事業をスタートしたのかまでは調べていませんが、上手にトレンドをつかんだ事業展開ですよね。
 
これはほんの一例ですが、今、世の中ではこれまでは「所有」することが当たり前だったモノまで、「レンタル」したり、「シェア(共有)」したり…という動きが急速に広がっています。今後しばらくは、いろいろな業界で「シェア」をキーワードにしたサービスが登場してくることでしょう。

この事例を参考に、ネットやIT技術をうまく活用しながら、自社でもそんなサービスを展開できないか…楽しみながら、あれこれ考えてみるといいかもしれませんね(@^^)/~~~
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