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2011年06月24日(金)更新

AKBに負けるな!? カップヌードル総選挙

今、「総選挙」というキーワードでネット検索すると、「AKB48選抜総選挙」関連のページがズラッと並びます(笑)。国民の関心事は、煮え切らない政権争いより、彼女たちの頑張る姿なのかもしれませんね(*^_^*)
 
顧問先の社長さんたちの間でも、「今回のAKB総選挙には、組織運営の大事な要素が全部入っていますよね」などと、かなり注目度が高かったようです。このあたりのことは、私の主宰する『高収益トップ3%倶楽部』の会員向け月刊誌「経営情報レポート」でも取上げてみたいと思っているんですが、そんなAKBに負けじとばかり、あのカップヌードルも「総選挙」してるのをご存じでしょうか?


 


 
 
 
 
正しくは「歴代カップヌードル復活総選挙」、カップヌードル発売40周年のキャンペーン企画です。これまで発売された中からすでに廃盤になっているレギュラーサイズのカップヌードル73種類に対して、毎日1人1票、投票できるようになっていて、上位3位までに入賞した商品は、数量限定・復刻版として発売されるみたいです。
 
時代のムードを読んだ、なかなかいい企画ですよね(*^^)v すでに投票は100万票を超えているようですが、6月5日の中間発表時点では、1972年発売の「天そば」が1位、2位は「スパイシーカレー」、3位に「チキンヌードル」と続きます。投票は今月末(2011年6月30日)締め切りです。果たしてどんな結果になるでしょう? ちょっと気になりますよね。
 
AKBもそうですが、今ドキのマーケティングには、「ファンを上手に巻き込むしかけ」が大事なキーになります。たとえどんなに売れているアイドルも、大ヒットを飛ばしている商品も、いつかは陳腐化していくものです。今は時代のスピードも速いですから、たとえどんなモノでも、陳腐化を阻止するのは至難の業なのです(――;)
 
陳腐化させない唯一の道・・・それは「変化」させることです。歴代のカップヌードルを見てみると、なかには「かなり冒険したなぁ~」なんて味もありますよね。たまに「えっ?」と思わせる商品を出すことも、40年間ファンを飽きさせないための戦略だったのかもしれませんが、全権をファンに委ねてしまう「総選挙」は、想像していないレベルの変化を起こすための絶好のしかけです。
 
これまでアイドルグループの編成などは、プロデューサーの腕ひとつにかかっていたわけですが、AKBというグループは、プロデュースの主導権をファンが握っているわけです。メンバーたちはその結果を真正面から受け止め、結果的にグループとして半永久的に進化を続けていくことになるでしょう。
 
そう考えると、「企業が売りたいモノを売る」時代は、とうの昔に終わっているのかもしれません。その道のプロになればなるほど、素人の意見を聞けなくなるものですが、「お客さんが本当に欲しがっているモノを提供する」という姿勢を持った企業にだけ、軍配の上がる時代になったようです。
 
あなたの会社でも「総選挙」と銘打って、自社商品の人気ランキングをお客様の投票で決める・・・なんて企画にチャレンジしてみてはいかがでしょうか? 意外にもその中から「次の一手」が見つかるかもしれませんよ(@^^)/~~~


2011年05月31日(火)更新

『ぴあ』首都圏版の休刊とマーケットの変化

先日、ちょっとさみしいニュースを目にしました。あの『ぴあ』の首都圏版が、ついにこの7月(2011年7月21日発売号)で休刊するというのです(――;) 
 
すでに昨年6月には中部版が、同10月には関西版が休刊しており、首都圏版が休刊すれば、39年の歴史を持つ情報誌『ぴあ』すべてが休刊することになります。
 




 
 
 
 
 
 
 


  
ちなみに上の画像は、1972年の『ぴあ』創刊号の表紙です。『ぴあ』は、当時まだ学生だった矢内廣社長らが創った、画期的なエンタメ情報誌でした。
 
インターネットなどまだない時代には、この『ぴあ』を頼りに、見たいライブや劇団のチケット発売日には、徹夜をしてプレイガイドへ並んだり、何度もリダイヤルしながら必死で電話予約をしたり・・・チケットをゲットするにも、たいそうな“努力”が必要だったのです。
 
また、『ぴあ』がオススメするマニアックな劇団などを、だまされたつもりで観てみたら結構面白かった、なんて経験をした人も多かったと思います。アングラ劇団などは、ある意味『ぴあ』が育てたと言えるかもしれません。
 
当時の学生にとって、『ぴあ』はデートのためのバイブルであり、若者文化の象徴であり、単なる雑誌を超えた“特別な”存在だったのです。その結果、『ぴあ』は就職したい企業ランキングに名を連ねる人気企業にもなりました。
 
月刊誌として誕生した『ぴあ』は、まもなくあの独特の表紙イラストを及川正通氏が描くようになってからますます人気が高まり、発行サイクルも隔週刊へ。一時は53万部まで部数を伸ばし、やがて首都圏版は週刊誌となります。
 
しかし、インターネットの登場で時代が変わったのです。ネットで情報が得られ、しかもチケット予約も簡単にできるようになったことから、最近の発行部数は、約6万部まで落ち込んでいたようですね。
 
もちろん同社も「@ぴあ」というネット事業も展開していますが、一時代を築いたある種のプライドのようなものが、媒体の移行に歯止めをかけたように見えます。
 
よく「世代間ギャップ」などと言いますが、私たち世代にとってはこれだけ思い入れの深い『ぴあ』でも、若い世代に「ぴあ、読んでる?」なんて聞こうものなら、「はっ?何のことですか??」なんて言われるのがオチです。
 
マーケットにおいては、たとえどんなに人気があるモノでも、ある年代で“ブツッ”と切れる、という現象はよく起こります。
 
そう考えると、企業は売れている商品があるうちから、第二・第三の選択肢を持って、対策を立てておかないとならないことがよくわかります。しかし、一世を風靡するような人気商品を持ってしまった企業は、得てして「次の一手」が遅れてしまうものなのです。
 
『ぴあ』休刊のニュースを見て、そんなことを考えてしまいました。「人の振り見て・・・」じゃないですが、経営者として肝に銘じたいものです(@^^)/~~~
 
 
 

2011年05月13日(金)更新

サムライ魂を世界へ発信!? 「サムライファクトリー」の企業文化

唐突ですが、下の画像、どこの写真だと思います?
 



 
 
 
 



温泉地にある老舗旅館のロビー? それともどこかの和食料理やさん?? ・・・いえいえ、れっきとした会社の「会議室」なのです。
 
この会議室には「砦(とりで)」という名前が付いているそうですが、会議室につながる通路にも、白い玉砂利が敷き詰められています。
 
こんな会議室を持つ会社は、「サムライファクトリー」。「ニンジャ・ツールズ」というホームページ運営支援サイトで、個人ユーザー向けにブログのテンプレートやアクセスカウンターなどのツールを提供し、230万人を超すユーザーを持つ最先端のIT企業です。
 
ちなみに下の画像は、ビジュアル系バンドのメンバー紹介ではありません(笑)。メイクとコスチュームをバッチリきめて、スタッフ紹介ページをつくる懲りようです。
 



 
 
 
 
 



さらに会社案内は「巻物」風につくられていて、「モノづくりの力で世界中に幸せと感動を届ける」という熱い思いが込められています。
 
同社の社員60名のうち、約1割が外国人だそうですが、日本の「サムライ」に興味を持つ外国人は多いですから、入社を希望するかはともかく、海外メディアからの取材なども結構来るんじゃないでしょうか?
 
進化し続ける情報化社会の中で、自分たちの思いを経営理念という「言葉」にしたり、会社案内やホームページから「文章」で発信することが“当たり前”になりつつある今、同社のように会社の『ビジュアル』を丸ごとつかって、自社の企業文化を発信していく姿勢はすばらしいと思います。
 
イメージ広告に多額の費用を投じるより、社屋の外装やオフィスの内装に凝るという選択肢もあるわけです。そこまでの費用を捻出できなくても、サイトの会社紹介ページや会社案内のパンフレットを作り替えるくらいなら、すぐにでも着手できるはず。
 
われわれ中小企業こそ、もっともっと“個性”を発信すべき時代です。この事例をよい刺激に、経営者の思いやユニークな発想を「ビジュアル(=視覚)」に落とし込んでみてはいかがでしょうか(@^^)/~~~
 

2011年04月25日(月)更新

「プロボノ」という新しい社会貢献のかたち

突然ですが「プロボノ」ってご存じですか? 自分がこれまで仕事上で経験してきたことやその知識・技能を活かして行うボランティア活動のことで、ラテン語の「Pro Bono Publico(公益善のために)」を語源とした造語です。

もともとは、アメリカやイギリスの弁護士たちが始めた無料相談からはじまった活動のようですが、資金や人材不足に悩むNPOや社会起業家たちを、「自分の持っている能力で」支援しようという活動なのです。
 


 
 
 
 
 
 





こうして2000年代以降、欧米から広がったこの「プロボノ」は、金儲け主義への反発もあって世界的に拡大し、日本でも特定非営利活動法人である「サービスグラント」が、プロボノ希望者を募っているのですが、昨年(2010年)の登録者数は約650人と、前年の2.5倍に急増したそうです。
 
また、企業が積極的に「プロボノ」活動をするという動きも出てきているようで、NECでは昨年の夏よりプロボノチームを若手社員15人で編成し、採血による健康診断事業を展開する「ケアプロ」と、農業の収益性向上を目指す「オリザ」を支援しています。
 
ケアプロもオリザも、それぞれの業界内の構造改革を目指す社会起業家がつくったベンチャー企業ですが、NECチームは、ケアプロの顧客情報のデータベース化や、診断結果をグラフ化し、健康状態に応じて医療機関を紹介する携帯電話向けのプログラム開発などを行いました。
 
一方、オリザに対しては、休日に栽培現場を訪れて農業専門家たちにも取材を行い、ホームページを刷新するなどの支援を行いました。NECの社員さんたちも、自分の仕事が目の前でかたちになることに手ごたえを感じているようです。
 
同社の他にも、ゴールドマン・サックス証券が女性社員中心のチームをつくって、教育・子育て関連のNPOの財務面の見直しを支援したり、日本IBMが教育関連のNPOを支援したりという動きが広がっています。
 
大企業で働く人たちは、どうしてもエンドユーザーと接する機会が少ないですから、「自分のしたことで、目の前のお客さんが喜ぶ」という、仕事の喜びの本質に触れにくい部分もあるでしょう。そう考えると、この「プロボノ」の活動が、社員教育的な意味合いをも兼ね備えるかもしれません。
 
これまで「支援」というと、「資金援助」というかたちが一般的だったと思いますが、それぞれの専門家たちが自分の能力を出し合って社会に貢献できたら、すばらしいことだと思います。
 
今回の震災に対してもそうですが、何も「義援金」を募るばかりが社会貢献ではない、と私は考えています。究極の社会貢献は、企業が最大限の利益を上げて税金を払うことかもしれません。
 
それはともかく、「プロボノ」的な働き方は、今後の企業経営にも多いに参考になると思います。日本が大変な局面に立たされている今こそ、経営者は自社の存在意義を真摯に見つめ直すべきではないでしょうか(@^^)/~~~


2011年03月11日(金)更新

10万円のチャリティ枠!? 東京マラソンにみる黒字化の手腕

少し前の話題になりますが、先月(2011年2月)27日の東京マラソンをご覧になりましたか? 
今年で第5回を迎えたわけですが、回を重ねるごとにその人気を増し、フルマラソンと10キロメートルを合わせて、過去最高となる33万人以上の応募があり、参加への倍率は約9.6倍だったそうです。

以前、私のブログにも書いたことがあるのですが、昨年6月に東京都と日本陸連による組織委員会を発展的解消する形で「一般財団法人東京マラソン財団」が設立されました。

理事には、スポーツキャスターに転身した高橋尚子さんなども名を連ねていますが、今年の大会以降、東京マラソンは同財団の主催となり、これまでの主催者だった東京都と日本陸連は共催団体へ移行することになったのです。


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そこで今回初の試みとして、“つなぐ”をテーマに『10万円以上の寄付で大会に参加できるチャリティランナー枠』を設けたところ、707名からの応募があり、先に開催された「東京マラソンEXPO2011」で会場内に設置された募金箱分も含め、寄付金はなんと!7184万5000円にのぼったそうですよ(@_@;)

寄付金は「難病と戦う子どもと家族の支援」「森林再生プロジェクト」「難民支援」「障害者アスリート支援」の4分野で活用されるほか、大地震に見舞われ現在も救援活動が続けられているニュージーランドにも100万円が寄付されたようですが、それにしてもすごいですよね~(*^_^*)

ちなみにチャリティ枠で参加したランナーには「ゴールドゼッケン」が配られ、テレビ番組内で各人の思いなどが紹介されたそうですが、東京マラソンというイベントを「10万円払ってでも参加したい」価値あるイベントに育てた東京都は、本当にエライ!って感じです。

このモデルに影響されてか、今年秋(2011年10月30日)には「第一回大阪マラソン」が開催されます。このイベントが成功し、大阪の経済が少しでも活気づくことを期待したいところですね。

今のところ、東京マラソンのチャリティ枠は個人のみが対象で、同財団への寄付は、寄付金控除等の税制優遇の対象とはなっていないようですが、例えばチャリティ枠を法人にまで広げて、社員研修の一環としてマラソンに参加してもらうとか(笑)、税制優遇措置を検討するなどすれば、潤沢な運営資金を集めることも可能ではないでしょうか?

少子高齢化社会が進み、年々マーケットの縮小する日本において“黒字化”の道は「既成概念を超えたアイディア」の先にしかないと私は考えています。もちろん、マラソン大会と企業経営を同列に見るつもりはありませんが、世の中から常に刺激を受けるという意味で、ぜひ参考にしてください(@^^)/~~~
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