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2007年06月29日(金)更新

「無料」のかげに「広告」あり

無料デジカメプリントに無料コピー、無料の自販機飲料・・・今、世の中にはこうした「無料」のサービスが続々と誕生しているようです。

その秘密は『広告』。商品の一部を広告媒体として提供することで、無料サービスが実現しているのです。

デジタルカメラで撮影した写真のプリントから発送までをすべて“タダ”で行うのは「プリア」という会社ですが、写真の隅に企業のロゴを入れたり、ハガキ大の用紙の上半分は写真、下半分を広告スペースにすることで、「無料化」を実現しました。

プリア

たとえば、結婚式の披露宴や、旅行の写真を大勢に配りたいといった場合などにはとても便利なサービスで、サイト上から会員登録をすれば、希望の写真をアップロードするだけで、指定した住所に郵送してくれるそうです。
広告主からしても、友人からの封書であれば開封率100%ですから、かなり有益な広告媒体ということになります。現に予想を超える人気ぶりで、約5ヵ月間で登録会員数は10万人に達し、プリントされた写真も500万枚を下らないようです。

一方、「オーシャナイズ」という会社は、普段白紙になっているコピー用紙の裏面を広告媒体にすることで、無料のコピーサービス、その名も「タダコピ」を実現しました。昨年4月から展開しているそうですが、すでに26大学に設置されているそうです。

広告料金は、コピー1万枚で約40万円。女子大では女性用の商品のPRに、理系大学では専門職の求人といったターゲットに合った広告を打てるため、すでに約100社との契約が成立しているそうです。

また、広告業のウィル・ビーと飲料販売のアペックスは、今月下旬から「メディカフェ」というサービスを展開し始めました。自販機のボタンを押すと、飲料がカップに注がれるまでの数十秒間に、自販機に設けられたディスプレー画面に広告が流れるしくみです。

さらには、カップの側面にも広告を印刷することも可能で、スポンサーの意向で、飲料の価格を細かく設定でき、最大は「0円」にすることも可能だそうです。今のところ、路上に置くことは考えていないそうですが、高速道路のサービスエリア、大学構内、英会話教室などへの設置を計画しているようです。

私は、世の中の情報化が進めば進むほど、「広告が一番大きなビジネスになる」と思っているんですが、莫大な費用を投資して「有名なメディアに広告を出す」という考えかたばかりでなく、自ら「広告媒体」をも生み出せる時代になったのです。

経営者の発想しだいで、まだまだユニークなサービスが誕生するかも・・・と考えると、世の中本当におもしろいです。この事例を参考に、ぜひアイディアを絞ってみてください(@^^)/~~~