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2016年07月22日(金)更新

分散する現場にトップの意思をどう伝えるか

梅雨が明けそうで明けない関東地方ですが、そんな中、ちょっとおもしろい質問が届きましたので、私なりの視点でお答えしてみました。よかったら、参考にしてください(#^^#)
 
== 質 問 ==
 
従業員が現場に分散している業務の場合に、どうやってトップの意思を伝えればいいでしょうか? 
 
== 回 答 ==
 
目先の売上げに捉われないで、全体を一か所に集め考えを伝える時間を持つべきです。
 
== 解 説 ==
 
この回答の前提は“会社がまだそれほど大きく無い”ということなので、中小企業を対象にしての答えですが、一番良いのは、目先の売上げに捉われないで、スタッフ全員を一か所に集め、トップが考え方を伝える時間を定期的に持つことです。
 
理由は、組織が分散している状況だと、やはり教育は難しく、なかなかまとまりを持たせることができなかったり、会社の理念や経営者の考えを同じように伝えることはかなり難しいことだからです。
 
もちろんリーダークラスの人間がしっかり成長していて、経営者の考えをそれぞれの職場で部下にしっかり伝えてくれているのであれば別ですが、実際には、なかなか難しいと思います。
 
こういう状況で経営者が考えないといけないことは、目先の売上げを優先するのか? 未来の強い組織作りを優先するのか? そのどちらが正しいかということです。
 
もちろん、正解は、目先の売上げよりも“未来の組織作りに専念するのが正しい”ということになりますが、10人とか20人とか30人のスタッフを一か所に集めて数時間の会議などをするということは、移動の時間も合わせると大変な売上げロスになるわけですから、しっかりした考えを持っていないと取り組めないことでもあるわけです(p_-)
 
さて、今回の回答、とても簡単に答えましたが、質問の意図と回答が違っていることに気が付いたでしょうか?
 
質問は職場が離れていてばらばらの場合の組織の意志統一という内容で、その状況でどうすれば経営者の考えが伝わるかということでしたが、私は、その状況だと意思統一や経営者の考えを伝えることは大変で、みんなを集めて教育した方が楽で成果が上がるので、定期的に全員を集めて意思統一した方が良いという回答をしました(^.^)
 
今回の回答で知っていただきたいのは“そもそもの発想を変えるという選択”を経営者は常に持っている、ということでもありました。前提条件から変えてしまえば、その答えも自然と変わるのです(これ分かりますよね~)。ぜひお試しください(@^^)/~~~
 
 
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2016年07月19日(火)更新

「シンデレラフィット」って?! 言葉が生み出すマーケット

そろそろ梅雨明けが待ち遠しい今日この頃、今年下半期の滑り出しは順調でしょうか? 
日本ではモノが売れない時代と言われて久しいですが、私が最近「おもしろいなぁ~」と心の琴線に触れたのが【シンデレラフィット】という言葉です。
 

       【※画像はイメージです】
 
ネットでは「まとめページ」までできていましが(笑)、「シンデレラフィット」とは、ガラスの靴がシンデレラの足にフィットしたように「ジャストサイズな組み合わせ」を意味する言葉だそうです。
 
そのシンデレラの靴のように、思いがけないモノ同士がまるで純正品のようにピッタリフィットする「偶然の一致探し」がブームの兆しを見せているらしいのです。
 
たとえば、最近主婦に人気の「ニトリのスキレット」という小さなフライパンのような調理器具の持ち手に、100円均一ショップで売っている革製のライターケースがピッタリ!といったこと。
 
外国製のスキレットは結構お高いのですが、さすが安心価格のニトリさんです。同社が500円もしない価格で発売したところ・・・「ニトスキ」という愛称も付くほどの大ヒット商品になりました。
 
スキレットは鉄製なので、持ち手がとっても熱くなるためカバーが必要になるのですが、本体が500円なのに、そこに高いカバーを付けたくないのが人情です。
 
そこで、前述の「シンデレラフィット」が盛り上がるわけですね(*^^)v
 
こんなふうに「偶然の一致」が快感を生んでいくわけですが、この盛り上がりは「シンデレラフィット」というとってもキャッチ―な言葉がけん引していることは間違いありません。
 
つまり、イケてる言葉にはマーケットを生む力があるということです! 
 
ビジネスはもちろんですが、経営者として多くの人を動かさないとならない立場にある方は、もっともっと言葉の力を味方に付けるべきじゃないかと思うのです。
 
この事例を参考に、自らの言葉の力、自社が発信している言葉の力を、楽しみながら検証してみてはいかがでしょうか(@^^)/~~~
 
 

2016年07月01日(金)更新

話し手が魅力的にオーディエンスを引きつける法

早いもので、今年も下半期がスタートを切りました。そんな中、ちょっとおもしろい質問が届いたのでお答えしてみたのですが、経営者のみなさんは、なにかと人前で話す機会も多いと思うので、よかったら参考にしてください(#^^#)
 
== 質 問 ==
 
石原先生のセミナーでは、最初ゆっくり、最後は速く話されますが、これは何らかの意図があってのことではないかと思っています。ぜひ理由を知りたいです。
また、講演、セミナーの話し手がどのように魅力的にオーディエンスを引きつけられるかということに、興味を持っています。経営にとっても大切なスキルだと考えますので、ご指南いただけると嬉しいです。
 
== 回 答 ==
 
質問がいくつかに分けられるので、順番に答えますが、最初にゆっくり話すのは、聞く方たちの準備ができていないからです。
 
== 解 説 ==
 
セミナーや勉強会、あるいは会議などでもそうだと思いますが、さっきまで別の事をしていた人の注意を引き付け、精神的にも脳的にもこちらの話を聞ける状態にするには少し時間がかかるのが通常で、そのために最初はかなりゆっくりとした速さでなお且つ“間”を取って話していると思います。
 
相手がこちらの話に意識を合わせてくれて、しっかり聞けている状況になってきたら、その度合いによって少しずつ話の速度を速くして、飽きさせないようにして、最後は引き込まれる・夢中になるように速度をさらに速くして、どんどん思考が展開するようにしていると思います。
 
思います・・・というのは、私はこういう一連の変化や対応を、観客を見ながら無意識に感じてコントロールしていると思うからです・・・なので、意識はしなくても無意識的にやってる行為というヤツですね。
 
今回はそれをしっかり観察されている方がいたので、ちょっとびっくり!というか、やっぱり、私、そんなことをやっていましたか!って感じで回答している状況です(*^_^*)
 
観客の何を観察しているのかですが、それは、観客個々と会場全体の理解度や真剣度です。なるべく全員が理解できるように何度か確認してバスに乗り込ませ、次の話に移動していく感じでイメージしていただけると分かると思います。
 
分かっていないと思うと、その箇所を別の例えで数回説明してバスに乗せるようにしていますから今度観察される時はそこも大切なポイントなので、発見してみてくださいね。
 
なので、私が話す場合は、50人の時より100人の方が例え話の分だけ若干話が長くなり、100人の時より300人~500人の方がさらに長くなる傾向があると思います。
 
なぜこのようなことができるようになったのかというと、それはセールスマン時代に何度も何度もセールスで顧客をクロージングした経験があるからだと思います。
 
セールスにおけるクロージングって、準備ができていない状態ですると相手が怒り出したりしますから、スリルありますよ(@_@;)
 
反対に買いたい方にこちらからクロージングして買うことを促さないと、相手が困ってしまって立ち往生して関係が上手く行かずに売りそびれる・・・なんてこともあるわけで、相手の買いたい気持ちに合わせて、タイミング良くナイスアシスト的に言わないとダメなんですよね。
 
私のようにクロージング系のセールスをやったことがある方なら、これ、分かると思いますが、人によってすごく気に入っている対応をしている割に全然買う気の無い方とか、無表情に聞いているのにすごく購入したいと思っている方とか、本当にいろいろな顧客がいたので、やってるいうちに分かるようになってしまったみたいです。
 
この辺りを質問の方がトライするには、最初に書いた理由を思い出して、観客の思考や脳を試運転させるのに最初から速すぎるとダメで、相手の理解度に合わせてだんだん速度を上げていくと考えて実行してみることをお勧めします。
 
また、話の速度以外にも話し手がオーディエンス(聞き手)の注意を引き付け夢中にさせる方法はいくつもあります。
 
もちろん、話の内容がおもしろければ、それで全て解決ですが、内容の解説になると話題によってかなり個別に作り込むことになり一般的な回答には不向きなので、話す内容以外のところで皆さんが参考にできることとして、話す内容の“組み立て方”について回答したいと思います。
 
特に話す内容の組み立て方は、セミナーの場合と講演の場合とでは違っていますので、その辺りを解説すると、まずセミナーの場合は最初に今日話す内容はこんな話ですという“サマリー(要点をまとめたもの)”をお話しすると聞き手は安心して講師の話を聞ける状態になるので、お勧めです。
 
告知ツールにもこのサマリー(要点)を入れると参加者には良く伝わりますので、まとめておくと便利です。
 
これに対して講演の場合は、講演のタイトルはあるにしても、最初の話出しでは何を話すのか分からない形で始めて、話を聞いているうちにだんだん内容が分かる形に持って行き、最後に“そうか講師の方はこれを私たちに教えようとして話してくれていたのか!と、原則、感動が後からやってくるような形で組み立てて行きます。
 
この組み立て方をすると、最初に内容が分からない分、分かった時の感動が大きく、聞いた後に「今日こんな話を〇〇さんの講演会で聞いたけどすっごく良かったよ!」と感動を伝えてくれる、口コミしてもらえる可能性が高まったりします。
 
あなたがセミナーをするのか、あるいは講演をするかによって、またどちらの形式でも選べる場合はその選択も含めて、この組み立て方を参考に、どんな話をするか、セミナー、講演どちらが効果的かを考えてみてください。
 
意図があって行動すると、結果があなたをすごく成長させてくれると思います。ぜひ、機会をつくって、トライしてみてください(@^^)/~~~
 
 
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ボードメンバープロフィール

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石原 明(いしはら あきら)氏

僖績経営理舎株式会社代表取締役
AZ Collabo株式会社

ヤマハ発動機株式会社を経て、外資系教育会社代理店に入社。約6万人のセールスパーソンの中で、トップクラスの実績を収める。「セールス・マネージャー世界大賞」を受賞後、日本経営教育研究所を設立し、経営コンサルタントとして独立。中小企業から大企業まで、業種や企業の規模を問わず幅広いコンサルティング活動を行っている。毎年の講演回数は100回以上。ビジネスの発想力やマーケティング力を開発・育成する「新経営戦略塾」には1000人が登録し学び、全国延べ4500社が参加。
2万人の読者を抱えるメールマガジン『石原明の「新経営戦略塾」』や、独自の視点で経営を綴るブログ『石原明の経営のヒント』も執筆中。大人気Podcast番組『石原明の経営のヒント+(プラス)』は累計ダウンロード数6000万回を超えている。著書に、累計30万部を超え『営業マンは断ることを覚えなさい』(三笠書房)、『「成功曲線」を描こう。』(大和書房)、『トップ3%の会社だけが知っている儲かるしくみ』(KADOKAWA)などがある。

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