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2012年06月29日(金)更新

泡立て機能付きビールジョッキ!? 「おもしろさ」が波及する時代


早いもので、来週はもう7月に入ります。今年もいつのまにか、ビールのおいしい季節になりましたね(*^_^*) 最近は「家飲み派」も増えているようですが“自宅で生ビール気分”を味わえる、ちょっとおもしろい商品に目が留まりました。
 
 

 
その名も『ジョッキアワー』。タカラトミーアーツから発売された商品ですが、プラスチック製ジョッキの取っ手内部にレバーが内臓されていて(画像の黄色い部分です)、その先はバネ付きの小さなハンマーにつながっているんです。
 
レバー上部を親指で押し下げると、ハンマーがジョッキの底をパチンとたたき、泡をつくるという何ともシンプルなしかけ(笑)。瓶や缶から注いだビールに細かい泡が立ち上がり、生ビール風の見た目になるのです。電池なども不要なので、キャンプなどアウトドアでも楽しめます。
 
容量は390ml、価格は1,575円ですが、何とも“今っぽい”商品ですよね。商品開発の発想が、完璧に「モノ」から「コト」にシフトしているのを感じます。何気なくジョッキに注いだビールが、目の前でモクモク泡を立て始めたら・・・かなりおもしろいですよね。
 
自ら「バーベキュー合コン」を企画して、このジョッキを使ったら・・・あなたはその合コンのヒーローになれるかもしれない。そんなふうに「一発ウケる」ことが、もうそれだけで「商品価値」なのです(*^^)v
 
そこには、注いだビールがおいしく飲めるとか、いつまでも冷たいとか、グラスの薄さや重さとか、はたまた価格とかetc・・・ビールジョッキとしての「機能」を追求する視点はまるでありません。開発者が「単純なおもしろさ」を追求しているからこそ、そのおもしろさに反応した人が、いち早く「それ、絶対欲しい!」となるのです。
 
私はつい、おもしろい商品に出会うと、その商品の企画会議の場を想像してしまうのですが、このジョッキも、会議の場で相当ウケ、会議はとてつもなく盛り上がったはず。商品の機能や品質を追求する冷静な会議とは、その場の「空気」は大違いでしょう。
 
これからの時代、勝ちに行きたい中小企業には、このセンスが不可欠だと思っています。まじめなものづくりも結構ですが、ユーザーの感情を動かすからこそ、ものが売れるのです。特に「楽しい」とか「おもしろい」という感情は、強烈に伝播していきます。
 
もっといえば、「欲しいけどなかなか手に入らない」なんてことになれば、もっと感情が高まります。そして手に入れた暁には、ブログやSNSで思いっきり自慢してくれることでしょう。こうして話題のヒット商品になっていくわけです!(^^)!
 
この事例を参考に、たまにはビールでも飲みながら、自社商品を見つめ直してみてはいかがでしょうか(@^^)/~~~