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2012年02月03日(金)更新

海外パートナーと上手に付き合うために

かなり寒い毎日が続いていますが、気がつけば明日は立春。暦の上ではもう春なのですね(*^_^*)
とはいうものの、日本経済は冬の時代が長く続いています。
 
今週も、国立社会保障・人口問題研究所から、「2060年の日本の人口は1億人を割り込み8674万人にまで減少し、総人口における65歳以上の割合が4割に達する」などという、いささかショッキングな統計が発表されました。
 
国内マーケットが縮小の一途をたどる中、海外進出を画策する企業も多いのですが、今回「海外パートナーとの付き合い方」に悩む経営者の質問に答えるかたちで、そこには「言葉の壁」ならぬ「思考習慣の壁」が存在するという解説をしました。よかったら、参考にしてください。
 
== 質 問 ==

今後、日系企業もどんどん海外に出ていくと思いますが、海外パートナーとのやり方、考え方で上手くすすんでいないケースが多いと感じます。何か良い事例・方法があればお伺いしたいです。

== 回 答 ==

日本人と海外の人とでは、コミュニケーション上の思考習慣が違うので、そのあたりをしっかり理解した上で、またトレーニングした上で、パートナーとやり取りをすることをお勧めします。
 
== 解 説 ==

思考の習慣で一番違うのは、海外(主に白人の方たちですが)の人は、会議などをする時に、はっきり物事をいってもお互いに傷つかない思考習慣が身に付いています。
 
これは、その人の持つ「意見」とその人の「人格」はまったく別のものだと教えられているからですが、日本人としては、なかなかこの部分を理解しがたいのです(――;)
 
日本人は、自分の意見を否定されると、まるで自分の人格までも否定されてしまったように感じてしまいますが(だからはっきり物事を言えないとか、相手の意見を否定できないということになったりします)、これは単なる思考習慣の違いであると理解してください。
 
実は、この思考の違いこそが、日本人が海外に行ってなかなか成果を上げられない理由のひとつなのですが、こういう“ディベート”の感覚を事前に理解、そして身に付けると良いと思います。
 
外人は初対面でも集まってすぐに会議などでバトルを繰り広げ、物事をどんどん進めていけますが、日本人の場合はまずお互いの人間性を確認、仲良くなってから物事を進めるという時間が必要で、それがスタートダッシュの遅れや、仕事の進行の妨げになる場合が多いということですね(ーー;)
 
思考の習慣なのでどちらが良いか悪いかではなく、違いを十分に理解して、海外に出たら即そういった変化に対応するように、理解とトレーニングをすることが大切です。
 
トレーニングの仕方は簡単で、何人かを2つのチームに分けて、例えば「お金は良いモノか悪いモノか」を議論させるということをします。目的は、議論に勝つことですが、どちらかが勝ったら“お金は良いモノチーム”と“お金は悪いモノチーム”を入れ替えて、議論を再開させるのです。
 
さっきまで、お金は良いモノと言っていたチームは、今度は悪いモノだという意見をしなければならない訳ですが、ビジネスではお互いの立場を少しでも良いものにするために、こうやって意見を戦わせるということを、こうしたゲームなどで理解させることです。
 
慣れたら1対1でこれを繰り返します(^_-)-☆ 海外では、小学生の頃からこういうディベートのトレーニングを日常的にするわけですから、会議はタフになりますよね。
 
ちなみに、私の主宰する『高収益トップ3%倶楽部』では、来週2月7日(火)に開催される東京勉強会に、海外ビジネスのエキスパートである株式会社ソフィアネットワークスの岩崎義久社長をゲストにお迎えし、本物の国際感覚とディベートについてお話していただきます。
 
まだ若干お席があるようなので、よかったらご参加ください。コチラよりお申込みいただけます(*^^)v