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2010年03月12日(金)更新

増える「自転車通勤」をターゲットにした仕掛け人は・・・

最近都心では、自転車でさっそうと街を走る姿を目にすることが多くなりましたが、今月(2010年3月)の1日、東京・青山に自転車通勤者向けの施設がオープンしました。

その名も「ファンライドステーション プラス ランステ」。自転車1台分の駐輪スペースとロッカーの使用料で、月額2万3千円。シャワーや着替えのためのスペースも用意されています。


funsta


私の事務所は、皇居から近いところにあるのですが、今、皇居の周りには「ランナー」たち向けのこうした施設がたくさんあります。ですが、まだ「自転車通勤者」向けの施設は、目新しい感じがします。ちなみに、「自転車通勤者」のことを「ジテツウ」と呼ぶらしいですよ。

満員電車には乗らず自転車で通勤して、この施設でシャワーでも浴びて、スーツに着替えていざ会社へ・・・などというライフスタイルが、これから増えてくる予感がしますよね。

通勤のストレスからも解放され、運動不足も解消され、なんたって「エコ」だし、そのうえちょっとカッコイイし・・・そう考えると、なんだかイイコトずくめです(*^_^*)

「どこが仕掛けたのかな」と調べてみると、なんと!その仕掛け人は出版社でした。

「アールビズ」が同社で出版する自転車雑誌「ファンライド」と連携してつくった施設で、今後は自転車通勤に関するセミナーや新モデル試乗会などのイベントとも連携していく計画だそうです。

つまり、出版社が読者に対して「リアルなサービスとコミュニティ」を提供した、ということです(*^^)v

今週、当社の会議でも話題になったのですが、デジタルブックの進化が著しい時代に、「本」はどうなっていくんだろう…と。本を印刷しなくなると、大量の木を伐採しなくてもいいわけで、そのうえ、倉庫もいらず、物流もしなくていい・・・「これって究極のエコ?」なんて会話まで飛び出しました。

ご存じのように、今、出版各社は、デジタルコンテンツに対抗すべく「おまけ」を付ける作戦に出たり、昔懐かしい「パラパラマンガ」を本にしたりと懸命です。

結局、デジタルに対抗できるのは「リアル感」しかないわけです。実際に「手」に取り、触れることのできる「おまけ」を付けるのはもっともわかりやすいパターンですし、「パラパラマンガ」復活にしても、「手」でページを繰るという「身体性」に着目してのことです。

本好きの私としては、出版業界の今後がかなり心配ですが(-_-;)、当面は、この事例のように「アレもコレも」の精神を持ち、雑誌もウェブもリアル店舗もイベントも…というふうに、「自社内メディアミックス」のような感覚でチャレンジしていくことから、活路が見出せるのかもしれません。

そうした意味では、この「経営者会報ブログ」も、「自社内メディアミックス」ですね。これからも応援しますので、ぜひ出版社の成功モデルを築くべく、頑張ってください(@^^)/~~~