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2009年09月25日(金)更新

新しい葬儀のスタイル!? 日比谷花壇の「おくりばな」プラン

秋の彼岸も明けますが、この連休にはお墓参りに出かけた方も多いのではないでしょうか。ここ最近は、供養や葬儀のスタイルが多様化しているのが目に付きます。

なかでも、日比谷花壇が今年(2009年)6月に始めた、通夜や告別式を行わず近親者らによる火葬のみで故人を見送る「直葬(ちょくそう)」と呼ばれるサービスが反響を呼んでいるみたいです。


おくりばな


この新プランは『おくりばな』という、どこかで聞いたことのあるような名前なんですが(笑)、スタッフが火葬場や自宅に出向き、故人に白装束を着せ、お棺にバラやコチョウランなどを敷き詰めて美しく飾る儀式「おくりばなの儀」を行った後、荼毘(だび)に付すというものです。
基本料金は、343,610円。同社はこれまでも葬儀ビジネスを手がけていましたが、従来の葬儀プランより3割以上安い価格設定だそうです。

この直葬サービスを手がける背景には、高齢化社会が進んだことに加え、近年は地縁・血縁関係が薄れる傾向にあり、葬儀の参列者が減っているという現状があるようです。また、自ら「簡素な送り方」を望む声も多く、このプランを「生前予約」する方も少なくないそうですよ。

まずは都内近郊からスタートしたこの「おくりばな」プランですが、こうした社会背景を加味すると、かなり将来性のあるビジネスという感じがします。

とは言うものの、100人以上の参列者を集める大規模な葬儀に比べると利幅も少ないので、大手の葬儀会社はほとんど手がけない分野のサービスです。

このサービスがストレートに売上げに貢献するかはともかく、同社の本業が花屋さんであるからこそ出来るサービスですし、このプランをきっかけに、同社の葬儀ビジネスが世間から注目されることを考えれば、賢い選択ではないでしょうか。

いつも言うとおり、これからの日本は、少子化傾向が止まらない限り、どのマーケットも縮小の一途をたどることは目に見えています。また、ひとつのビジネスのサイクルも年々短くなっていますから、どこの企業も、常に新たなビジネスモデルを模索する必要があるのです。

そうした意味では、この事例はかなり参考になるはずです。葬祭場に花を届けるばかりでなく、葬儀そのものを請負うという展開は、自社の強みを活かした賢い選択だと思います。ぜひ、参考にしてください(@^^)/~~~