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2008年09月05日(金)更新

企画力で勝負! 「カトージ」の高級ベビーカーに学べ

今や少子化が進み、子ども相手の業界はどこも企業努力を余儀なくされていると思います。そんななか、商品の企画力に磨きをかけ、高級化路線に舵を切ることで、とても成功している会社があります。

愛知県犬山市にある「カトージ」という、1954(昭和29)年にベビー用品の卸売りから始まった会社ですが、今では東京・代官山に専門店を持ち、1台7万円近いベビーカーが、ふつうに売れていくようです。


カトージ


大手メーカーでは手の回らない“ニッチ”な市場を狙うのがこのカトージの戦略で、2003年に発売した、アルミフレームを採用することで重さ3キロを切った軽量ベビーカーは、ネットやクチコミで話題となり、初年度に3万台を売るヒットを飛ばしました。

同社いわく「自動車で言えば外車のようなベビーカーを目指している」そうですが、従業員数わずか50名規模の中小企業が、こうしたユニークな製品を生み出せるのは、「商品企画」にのみ力を注ぎ、生産は100%外部に委託しているからです。
この業態は「製造小売り」と呼ばれる、ユニクロやギャップと同じビジネスモデルで、自社工場を持たないことで経営的にメリットが生まれます。今年1月に代官山にオープンした専門店は「アンテナショップ」としても機能させることで、持てる経営資源をすべて「企画開発」に集中させているわけですね(*^^)v

今、力を入れているのは、「最軽量」とは反対に、「重くてがっしり」したベビーカーです。なんと、車体重量は14.5キロ。海外製のものと比べてもトップクラスの重さだそうですが、その分、安定性を高めるベアリングやショックを吸収するバネを備え、ゆりかごやベットとしても使えるようなベビーカーとして作られています。
同社の加藤社長は、月の3分の1を海外で過ごし、契約工場や現地のベビー用品の展示会の視察などを繰り返しながら、常に新たなアイディアを出し続けているそうです。

「利幅の薄い低価格品だけでは、いずれ行き詰ってしまう。いつも誰もやっていないものをつくろうと心がけている」という加藤社長の言葉は、われわれ中小企業が採るべき経営戦略の方向性を指し示してくれているかのようです。

実りの秋。ぜひこの事例を参考に、自社の商品戦略を見つめ直してみてはいかがでしょうか(@^^)/~~~