大きくする 標準 小さくする

2008年07月25日(金)更新

「恵比寿横丁」に学ぶマーケット再生術

こう暑い日が続くと、「帰りにビールでも一杯…」なんて気分になりますが、先ごろ恵比寿に誕生した「恵比寿横丁」が、たいへんな賑わいをみせているようです。

もとは、昭和39年に開業した「山下ショッピングセンター」だった場所なのですが、バブル崩壊後は、23店あった店舗は後継者が見つからないなどの理由で、相次いで閉店していきました。「恵比寿横丁」はその当時の区画をそのまま生かしたかたちで、まさに“再生”したのです。

恵比寿横丁

この恵比寿横丁をプロデュースしたのは、「ネオサポート」という会社のようですが、「独立希望の料理人の多くから、少ない投資で開業できる小規模物件はないか」という相談をうけるなか、この物件に出会ったと言います。

一区画3~5坪というこの物件は、そういった意味では最適で、飲食店コンサルタント業の「店舗プレミアム」が一括借り上げし、整備したうえで開業希望者を募ったところ、口コミだけで50人以上の応募があったのだとか。

そのなかから「長屋的なつきあいができる人」という観点で選んだ店が13店。やきとり、おでん、串カツなど、ひところ人気を博した「屋台村」を思わせる店が連なるなか、7席だけの「野菜とワインの店」や「TVチャンピオン」の全国中華料理人選手権チャンピオンの店などもあるようです。
特にマスコミに取り上げられたわけでもないのに、ネットと口コミのおかげで、今年(2008年)5月のオープン以来連日客足が耐えることはなく、なかには数軒「はしご酒」を楽しむ人や、月に何度も通ってくるリピーターも多いみたいです。

「恵比寿横丁」自体も、きちんとホームページを作っていて、店舗紹介なんかをしているのが、今っぽいですが、いくら世の中が進化しても、人が「長屋的な」温かさを求める気持ちに変わりはないんですね。それも、テーマパークのように「作られた」場所ではなく、「リアルな人間臭さ」がより求められるようになっているのかもしれません。

それはともかく、今は消費者の好みも多様化し、ブームやトレンドが変化するスピードも速いですから、ひとつの店舗に多額の投資をするのは、経営的にとても高いリスクを抱えることになります。

そういった意味では、こうした「リスク分散型」の展開はとてもありがたいしくみですし、テストマーケティングの場としても、かなり有効だと思います。

この事例は、ちょっと錆びれつつある商店街など、地域の活性化はもちろん、企業同士のコラボレーションのかたちにも、何らかのヒントを与えてくれるような気がします。ぜひ参考にしてください(@^^)/~~~