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2008年04月25日(金)更新

「くら寿司」が回転レーンで回したものとは……!?

昨今、競争が激化する回転寿司業界ですが、「無添くら寿司」を展開する大手のくらコーポレーションは、経営に独自の工夫を数多く取り入れていることで知られています。

たとえば、レーンを回る皿の裏には、「QRコード」が貼り付けられていて、それをレーン裏で読みとることで、製造時間が管理されているのだそうです。

くら寿司

大声を出して注文するのがちょっと気恥ずかしいと感じるお客さんのために、席には「注文端末」が用意されていて、タッチパネルで好きなネタをオーダーできるようになっています。さらに、注文したネタがレーンに流れてくると、画面から「ピーピー」とお届けサインが聞こえてくるのだそうです。これなら、うっかり取りそびれることもありませんね!(^^)!

また、「皿カウンター」に食べ終わった皿を5枚入れるごとに“ハマーチャンス”が訪れ、タッチパネルがちょっとした「ゲーム」に変身! 当りが出るとガチャポンのようなカプセルに入った同社のキャラクターグッズがもらえるしかけになっていたりします。家族連れのお客さんなどが、思わず盛り上がってしまうサービスですよね。

その他にも、携帯サイトから、来店時間を指定して予約するシステムを導入するなど、積極的に顧客サービスを追及しているわけなんですが、そんな「くら寿司」が最近になって、大阪の店舗で実験的に始めた新たな試みがあるんです。

「あるもの」を回転レーンで回し始めたのですが……。
その「あるもの」とは、なんと!「紙芝居型の店頭POP」なんです。たとえば、「ぶりが出世魚と呼ばれるのはなぜか」といったうんちくや、ネタとして提供している「イベリコ豚の飼育方法」などを、カラフルな絵と文字で解説したPOPを回し始めたというのです。

これを聞いて、私はちょっと笑ってしまったんですが、「なるほどねぇ~」と思いませんか? 今の時代、お客さんが欲しいのは「うんちく」なんです。しかも、これなら“蕎麦屋の口上”みたいに、待っている間にもどんどん食べるのが楽しみになりますよね(*^^)v 

食事は「ただ美味しければいい」という時代はとっくに終わっていて、今日食べたのは「○○産のまぐろです」とか、サラダには「○○県の△△さんが作ったトマトを使ってます」といったちょっとした情報が、お客さんにワンランク上の満足感を与えることは間違いありません。

これは、情報化社会の進化で、消費者が「情報発信者の視点を持った」ことと大きく関係していると私は見ています。このあたりのことは、みなさんも“ブロガー“なので日々感じていらっしゃると思いますが、ふと立ち寄った飲食店でも、食材へのこだわりやお店のポリシーなんかが上手にメニューなどに書かれていると、「明日のブログに書こうかな……」なんてつい思っちゃいますよね。

今の時代「食べればわかる!」といった態度ではダメなんです。これはメーカーなどでも同じことで、「使えばわかる!」ではなく、この商品が何故いいのか、どこにこだわって開発したのかを、できるだけ『ストーリー』性を持たせて、消費者に届ける必要があります。

「情報」には、仕入原価がありません(*^^)v 経営資源として、有効に使わない手はないでしょう。こうした事例を参考に、自社の「情報発信戦略」に、もうひと工夫加えてみてはいかがでしょうか(@^^)/~~~