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2008年03月28日(金)更新

「夜カジ族」をターゲットにした商品開発

今、「夜カジ族」が増加中みたいです。「夜カジ族」…?? 一瞬何のことだかわかりませんよね。「渋カジ」の仲間かと思いきや(笑)、なんと「夜間の時間帯に“家事”をする人たちのこと」なんです。

今やライフスタイルも多様化し、せっかくの休日を家事に費やしたくないと考える人が増えたせいか、夜のうちに掃除や洗濯をする人たちが増えているといいます。

こうした消費者の変化を察知したメーカー各社は、この「夜カジ族」をターゲットにした商品開発にしのぎを削っているというわけです。


掃除機


東芝コンシューママーケティングが今月発売したサイクロン掃除機「Quie(クワイエ)VC-1000X」は、「静かな」を意味する「Quiet」から名を取っただけあって、業界一の低騒音を売りにしています。

最大450ワットの吸引力を誇る性能を持ちながら、その運転音はたった49デシベル。「静かなオフィス並」の運転音を実現したのです(@_@;) 

さらにご丁寧に「マナーモード」まで付いていて、この「マナーモード」を選べば、43デシベルにまで抑えられるようです。ちなみに、「静かな図書館」が40デシベルだそうですから、いかに静かかわかりますよね。

低騒音機能を「マナーモード」と名づけたセンスもかなりイケてます。携帯電話に慣れた私たち消費者には、「マナーモード」と言えばその機能が一瞬で伝わりますから、細かい部分ではありますが、商品開発にはこうしたセンスも大切ですね(*^^)v

シャープが昨年11月に発売した掃除機「パワーサイクロンEC-VX2」も、モーターを樹脂カバーで覆ったり排気経路を長く設けるなどの工夫をして、運転音を51デシベルにまで抑えました。同社製掃除機の売上を、前年比2倍近くに押し上げる原動力になったそうです。

一方、掃除機以上に低騒音への要望が強いのが洗濯機です。花王の調査によると、「午後6時以降に洗濯することがある」との問いに、フルタイムで働く女性の約4割がYesと答え、専業主婦でも18%がYesと答えたそうですから、ここに大きなマーケットがあることは明白です。

この調査を踏まえ、花王は、「夜洗い」と「部屋干し」をキーワードとした洗濯洗剤「スタイルフィット」を開発しました。出足の売上高は初年度目標の50億円を上回るペースで推移しているみたいですよ。

もちろん、家電メーカー各社も、このターゲットに向けて続々と新商品を投入しています。三洋電機が今年1月に発売したドラム式洗濯乾燥機「 AQUA(アクア)」は、回転数を減らした「ナイトコース」を搭載し、脱水時の騒音を35デシベルにまで抑えたことで、人気を呼んでいるようです。その他、冷蔵庫なども「静音対策」は必須となってきています。

ライフスタイルが変化すれば、消費者のニーズも大きく変化するのは当然のこと。このニーズにいち早く対応した商品を開発すれば、それだけで大きなウリになります。またその商品をきっかけに、「夜家事をしてもいいのか…」と気づく消費者が増えれば、さらにそこからマーケットが育っていく可能性もあるわけです。

商品開発の指揮を執る立場にある経営者は、ご自身の「時代感覚」を常に磨き続ける必要がありそうですね(@^^)/~~~