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2008年01月11日(金)更新

試供品配布の新しいカタチ

昨年あたりから、企業の試供品配布の方法が急激に変化してきているのをご存じでしょうか? ひと昔前なら、広告代理店などを使ってキャンペーンを展開するなどの方法が一般的でしたが、今やネット上の「試供品提供サイト」の存在は、広告業界も無視できないほどのポジションを確立しつつあるようです。

ルーク19が運営する「サンプル百貨店」は、会員数が26万人となり、会員の8割が女性だそうですが、前年同時期に比べ会員数は1.5倍に増えたそうです。一方、試供品を提供する企業数も、昨年同時期から30%増えたといいます。


サンプル



このサンプル百貨店では、「サンプラー」という仮想通貨を流通させています。会員登録をすると、まず500サンプラーがもらえ、その後は商品使用後に簡単なアンケートに答えたり、サンプル百貨店を友達に紹介したり、企業戦略企画室に参加することによって、サンプラーをどんどん増やすことができます。そして、そのサンプラーを使って、目当ての試供品を試せるというしかけになっているんです。
つまりユーザー側は「無料登録」ってことに変わりはないわけですが、こんなしかけになっていると、せっかく貯まった「サンプラー」を使わなきゃって気にもなりますし、むやみに配られた試供品と違い、自分から能動的にゲットしたサンプルですから、相当真剣に使ってみるんじゃないでしょうか。そして、気に入れば、その感想を誰かに伝えたくもなるというものです(*^^)v

企業側から考えても、アンケートの返信率の高さはかなりの魅力です。たとえば、「首都圏在住の30代の主婦」というふうに会員の属性を絞ってから試供品を配布することもでき、テストマーケティングの場としても十分使えます。

最近では、食品や化粧品などの消費財だけでなく、家電や自動車の試乗といった耐久財メーカーからの依頼も増え、エステや英会話教室などのお試しにまで裾野が広がっているようです。これからは飲食店やサービス産業にまで、この流れが広がっていくかもしれませんね(*^_^*)

こんなふうに両者にメリットを生む仕組みなわけですが、この仕組みを「リアル」で展開した、とっても頭のいい企業も登場しました。私のブログでも取り上げ、たいへんな反響を呼んだ「サンプル・ラボ」です。私は昨年、「ネットのリアル化」がひとつのキーになると発言してきましたが、このサンプル・ラボは、まさにそのモデルです。

この事例ひとつをとってみても、今年は「ネットとリアル」がお互いに影響し合いながら、これまではお金をかけなければ出来なかったことが、どんどんローコストで実現できるようになってくるのではないかと思います。

見方を変えれば、経営がますます簡単になってくるとも言えますし、われわれ中小企業もその手腕によっては、大企業と互角に戦える時代になってきたとも言えるでしょう。今年も、みなさんの経営のヒントになるようなことを、どんどん発信してまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします(@^^)/~~~