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2007年09月07日(金)更新

ボーズ・ビー・アンビシャス?!

これまでは、お寺で静かに檀家さんを待つ存在だった僧侶たちが、ユニークな布教活動に乗り出しているようです。地域との結びつきが薄れがちな都会のお寺だと、儀式だけの「葬式仏教」だけでは存続が難しいという問題もあるようで、若手の僧侶たちがさまざまな取り組みを始めています。

東京都江戸川区「密蔵院」の住職さんは、新小岩駅近くのライブハウス「チッピー」で、毎月1回『声明(しょうみょう)ライブ』なる活動をしているのだとか。若手僧侶2人とともに袈裟(けさ)姿でステージに立ち、独特の節回しでお経や梵語(サンスクリット語)を唱えるのだそうです。


坊さん



はじめのうちは、店の扉を開けたとたん、お通夜と間違えて帰ってしまうお客さんもいたようですが(ーー;)、このライブを始めてもう5年にもなるそうですから、しだいに定着し、今では癒しを求めてやってくる固定客も増えたみたいです。日本のゴスペルって感じなのでしょうか…。終了後、客席で人生相談に乗ることもあるそうです。
一方、オフィスビルに囲まれた港区虎ノ門の「光明寺」では、本道前にしゃれたイスとテーブルを並べ、『神谷町オープンテラス』として開放しているのだそうです。ランチを持ち込むこともできるので、お昼時は近くの会社のOLたちで結構な賑わいをみせているのだとか。

さらに「ツナガルオテラ神谷町オープンテラス」というブログまで開設しています。先の「密蔵院」のホームページも、「参加するお寺」をコンセプトにしたとってもやわらかい作りになっているので、企業もこのセンスをおおいに見習うべき点があるように思います(*^^)v

光明寺によると「お寺はかつて地域コミュニケーションの中心だった。現代では、カフェに行くような気持ちで足を運んでもらえる寺をつくろうと企画した」と話していますが、「時代が変わった」などと嘆くばかりでなく、自らを時流と合わせていく感覚も大事だなぁ~と、ちょっと感心してしまいました。

また、港区愛宕の「青松寺」では、03年から「ボーズ・ビー・アンビシャス(坊さんよ、大志を抱け)」という呼びかけで、宗派を超えた若手僧侶が、仏教の抱える問題について本音をぶつけあう集いが続けられているそうです。

この活動を応援している、「がんばれ仏教!」などの著者で、文化人類学が専門の上田紀行・東工大准教授も「僧侶が寺に引きこもったままでは、社会の苦しみは救えない」と話していますが、これはビジネスにも通ずる大事な発想だと思います。

特に日本古来の伝統技術を継承したり、老舗と呼ばれる会社を受け継いでいる経営者の方には、ぜひこうした発想を持って欲しいと思います。この事例を参考に、自社のビジネスを時代にキャッチアップする方法を考えてみてはいかがでしょうか(@^^)/~~~