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2007年08月03日(金)更新

コンテンツを集めるしくみ

日本のネット通販業界で、確固たる地位を築きつつある「アマゾンジャパン」の戦略については、私もかねてから注目しています。

ポイント制の導入や、ショッピングモールの展開については、私のブログにも以前書きましたが、先月から、販売商品に関する写真を利用者が投稿できる「カスタマーイメージ」機能が追加されたのをご存じでしょうか?

現在アマゾンでは、書籍のほかにも、ものすごい数の商品点数を扱っています。書籍、CD、DVDなどであれば、「買おうかどうしようか」迷ったときに、他のユーザーの書いたレビューを参考にしている人も多いと思いますが、それを「写真版」にして、よりよい形で展開しようと考えたのでしょう。


アマゾン


たとえば、上の写真は、「ポータブル冷蔵庫」内部の投稿写真です。メーカーから提供されるカタログ写真だけでは、実際の大きさや使い勝手、はたまた「ペットボトルが何本入るか」などの細かい情報がわかりにくい面もあります。
たとえば、上の写真は、「ポータブル冷蔵庫」内部の投稿写真です。メーカーから提供されるカタログ写真だけでは、実際の大きさや使い勝手、はたまた「ペットボトルが何本入るか」などの細かい情報がわかりにくい面もあります。

それを、ユーザーからの投稿写真で補おう、という試みなのです。かなり頭いいですよね(*^^)v

利用者は、自分の撮った写真をコメント付きで投稿でき、投稿写真は、商品詳細ページに掲載されます。また、別の利用者が、その写真やコメントが「役に立ったかどうか」を投票でき、賛成票の多い写真は、上位に掲載されるみたいです。

この「カスタマーイメージ」の機能は、米国ではすでに2004年9月から開始されていて、今回、日本・ドイツ・フランス・英国の4カ国で同時にスタートを切ったようですが、アマゾンのサイトはこの機能を付加したことで、ますます他のショッピングサイトから抜きん出た存在になると思います。

みなさんも経営者として、自社サイトの運営に係わっていらっしゃると思いますが、サイト運営で一番たいへんなのは、いかに更新頻度を上げ、有益なコンテンツをどうやって充実させていくか、ということに尽きます。

そのために、社内に専任スタッフを置いたり、高い費用を払って、ホームページ制作会社に依頼したり…と何らかの策を講じていらっしゃることでしょう。

ところが、アマゾンのこうした機能は、見方を変えれば、「一番たいへんなコンテンツ制作を、ユーザーに手伝ってもらえる」ということなのです。しかも、無料で!(^^)!

もちろん、このシステムを構築するには、かなりの費用を投資していると思いますし、セキュリティの問題などもありますが、これからの時代は、『ユーザーといかにインタラクティブ(双方向的)な関係を築けるか』が、ユーザーに「選ばれる」企業の条件でもありますから、経営者は、常にこうした方向性を模索していく必要があると思います。

一気にアマゾンのようなしくみは作れないにしても、社内外に散らばっている有益なコンテンツを、いかに集めていかに活用すべきかを、一度真剣に考えてみてはいかがでしょうか。私は“コンテンツを制する”ものが、“情報化社会を制する”…と思っています(@^^)/~~~