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2007年01月31日(水)更新

秩父発の「金賞ウイスキー」

埼玉県秩父市にある個人経営の酒造会社が造ったシングルモルトウイスキーが、本場英国の専門誌「ウイスキーマガジン」の誌上品評会で、最高得点の金賞を受賞したそうです!(^^)!


whisky


金賞を受けたのは、ベンチャーウイスキー社長、肥土伊知郎(あくといちろう)さんが作った「イチローズモルト1988カード、キングオブダイヤモンズ」というウイスキーで、水を加えると漂う香りは、徐々にビャクダンから柑橘系の香りへと移り変わり、さらに口に含むと香辛料のような香りから花の香りへと変化する、その味わいの深さが批評家をうならせたとか。

今年41歳の肥土社長は、大手洋酒メーカーに勤務後、実家の造り酒屋を継ぎ、他の酒と並行してこだわりのあったシングルモルトを造り続けたそうですが、残念ながらその会社は2000年に民事再生法を適用され、別会社の傘下に収まることになってしまったのです。

しかし「ウイスキーのことしか考えられない」肥土さんは、その原酒を守るため、奥さんと2人で別会社を起業、つてを頼って福島県の酒造会社に原酒樽を「間借り」し、技術指導者として通いながら自社ブランドを守り続け、ついに05年に商品化にこぎつけたんだそうです。

そんな時、イギリス専門誌の誌上品評会に「日本のウイスキー特集」があることを聞き、せめて名前を知ってもらえれば・・・と出品したところ、複数のウイスキーを出品したサントリーやニッカをしのぐ最高得点を得て、みごと金賞受賞とあいなったわけです。

こんな風に、がんばっている日本人が国際的な評価を得るのは、とってもうれしいですよね(*^^)v

最近は、会社の大小ではなく、個人の技術や能力が評価を得やすくなっているように感じます。画一的なものではなく、個々の特性が垣根を越える評価される時代になったことは、われわれ中小企業にとっても、喜ぶべき流れです。

情報化社会が進み、「一般人」にもウェブでの発言権が与えられた今、マスメディアの体質も昔と随分と変わってきた感があります。正しいこと、世のためになることをする人が、きちんと評価される時代になりつつあるのは、歓迎すべきことですね(*^^)v

ちなみに、この受賞で自信をつけた肥土社長は、埼玉県企業局に、秩父市の工業団地を借りて、自社の蒸留所を建設したいと打診、金融機関と融資の話もまとまって、この夏にも蒸留所建設に着工するそうです。

秩父でどんどん上質のウイスキーを造り、世界の酒好きたちに「チチブに行ってみたい!」なんてぜひ言わせて欲しいものです(@^^)/~~~