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2006年08月11日(金)更新

「ゲド戦記」に見るジブリの一人勝ち現象

今日明日あたりからお盆休みに入られる方も多いかと思います。久しぶりに帰省される方、避暑地の別荘で過ごされる方、はたまた映画鑑賞に出かける方など、お休みの過ごし方もいろいろありますね(~o~) 

さて、夏休み映画の中でも、大注目株として公開中の「ゲド戦記」。もうご覧になった方もいらっしゃるでしょうか?映画の内容については、いろいろな評判が聞こえてきますが、その広告戦略の裏側を覗くと、ちょっとびっくりしてしまいます。

gedosenki

この映画は、なんと電通博報堂DYメディアパートナーズが共同で広告宣伝を展開しているのです!(^^)!

これまで両社はジブリ作品に交代で出資し、制作メンバーに参画することが慣例となっていました。前作「ハウルの動く城」には電通が出資していたので、今度のゲド戦記は、博報堂DYの順番だったわけですが、今回はジブリ側からの要請もあり、両社が協力して、広告宣伝を優位に進めていくことになったようです。

ちなみにこれは、国内広告の上位2社が『同一案件に取り組む初のケース』だそうで、電通と博報堂DYがタッグを組んじゃうんですから、もう怖いものなしって感じですよね。

アニメ映画の世界でスタジオジブリが完全にトップの地位を確立したことがわかります。これはもう「一人勝ち現象」と言ってもいいですね。

金額は明らかにされていませんが、2社はこの作品に同額を出資したとか。「ゲド戦記」は複数の出資者から資金を調達する「製作委員会方式」を採用しているので、その他にも、日本テレビ放送網、ウォルト・ディズニー、東宝、三菱商事の子会社でアニメ制作のディーライツなどのそうそうたるメンバーも参画しているようです。

映画を作るには、ものすごいお金が必要ですから、たとえ才能があっても、お金を集められなくて、映画が作れない方も大勢いるだろう中で、「ゲド戦記」の内情を知ると、そこには完璧な「勝者の理論」を見るようで圧倒されますよね。

トップになるということは、欲しいものが全て手に入るということなのです(*^^)v 今後はますます「勝者の理論」が強烈になり、勝ち組と言われる企業連合軍VS消費者という構図が鮮明になっていくことでしょう。

私は「ひとりだけで儲ける時代はもう終わった」と思っていて、これからは優秀な企業がコラボして、全てのマーケットに影響を与える時代が来ると考えています。

「アニメ」はもう、日本が誇る巨大ビジネスになりつつありますが、こういうムーブメントも踏まえ、2005年春に徳間書店から独立したスタジオジブリの今後を、温かく見守りたいと思います(@^^)/~~~