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2006年05月17日(水)更新

中国に1000万台クラブ誕生

経営者は直接自分の仕事や業種に関係ないことでも、情報として知っておいた方がいい事が良くあります。そんな感じで私は、今、中国で何が起きているか情報を定期的にウオッチングしています。中でも、これは「ちょっと知っといた方がいいかも」って情報を今回は掲載します。なんと、中国の家電業界で『1000万台クラブ』が形成されつつあるというのです(@_@;)

1000万台クラブの工場

広東省中山市に格蘭仕(ギャランツ)が、昨年5月に稼動させたエアコン工場では、1万人が働き、昨年は350万台を生産。東京ドーム40個がすっぽり収まる広大な敷地に、30近い建物が並び、部品から完成品まで一貫生産を手がけるのだといいますから、その規模には圧倒されてしまいますよね。

その工場の生産能力といえば、年間650万台。フル生産すれば、この工場ひとつだけで、日本の年間生産量とほぼ肩を並べる数字です。すでに第二期工事にも着手し、2008年には部品を含めて年間生産1500万台の能力を確保、従業員も3万人に達する予定とか。
薄型テレビではTCLが昨年秋、江蘇省に年産600万台の工場を稼動したり、ハイアールも昨年末広東省に洗濯機の新工場を作り、年産1000万台体制を構築したそうです。

もちろんこれらは、中国国内向けというより、むしろ海外市場を狙ったもの。アラブ首長国連邦(UAE)のドバイは、古くから栄えてきた中東貿易の中継地ですが、そこに今や続々と中国製品が集まり、周辺の中東諸国やアフリカに再輸出されているのです。

国連統計によると、西アジアとアフリカを合わせた人口は、現在の11億人から2050年には23億人と、ほぼ倍になると予測されていて、比較的所得水準の低いこれらの地域では、日系企業製品の約半値で買えるケースもある、中国製品の人気が高まる一方なんだそうです。

中国でも人件費が上がってきたとはいえ、巨大で安価な労働力を背景に「まだ10年、20年は中国の優位は続く」と中国家電企業は息巻いているようですが、一方では、中国国内の電力不足が深刻な問題となっていて、この夏には電力の供給が間に合わなくなるだろうとの見方もあるほどなのです。果たして1000万台クラブの企業たちは、この夏を無事に越せるのでしょうか・・・(――;)