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2012年11月30日(金)更新

「ナンバー2」は独立に向かない!?

早いもので、11月も末日。明日からは、もう師走です(*^_^*) 経営者にとっては、何かと気ぜわしい季節ではありますが、来年を視野に入れつつ、目の前のことにしっかりと集中していきましょう。
 
そんな中、以前私がポッドキャスト『経営のヒント+(プラス)』で話した内容について、こんな質問が届きました。よかったら参考にしてください。
 
== 質 問 ==
 
会社のナンバー2が独立しても、成功する確率は非常に低いとのことでしたが、ナンバー2が独立して、成功するためのポイントや秘訣があれば、教えて下さい。
 
== 回 答 ==
 
組織にいた時に人を育成する方法を身につけていれば、独立しても大丈夫です。絶対に成功すると思います。 
 
== 解 説 ==
 
組織に所属している人、特にナンバー2が独立する場合、意外と成功する確率が高くないことを以前にお話したことがあるので、この質問が来たのだと思います。
 
この内容をもう少し詳しく言うと、例えばあの会社は「あのナンバー2で成り立っている」とか「社長よりも○○部長のおかげで成功している」と言われるような一見外部から見るとすごく仕事が出来るナンバー2的な存在の人が独立した場合に、成功する確率はイメージよりもかなり低くて、上手くいくのは20~30人に1人位かな~などと話したことがあります(*^_^*) で、この回答に「意外だな~」と思った方の質問だと思います。
 
もちろん、成功をどのレベルで考えたら良いかも問題なので、上手くいくという状況を“元の会社と同じかそれ以上に成功する”という感じで考えて答えていると思ってくださいね。で、そういう風に独立して前職の会社を超えるような成果を出せる人はかなり少ないという感じなのです。
 
では、その理由を解説すると、前職ですごい成果が出せたのに、独立して成功出来る人と成功出来ない人の違いはどこから来るかと言うと、ずばり“人を育てることが出来るか出来ないか”の違いにその原因があります。
 
1人で独立して何かをする場合ならば、ビジネスセンスや営業力が突出していれば成功します。またビジネスモデルやマーケティングのノウハウをしっかり身に付けていれば成果を出すことは出来ると思いますが、会社経営となると、実際には人との関係をしっかり作って行くことが出来るかどうかにかなりのウエートがかかってくるのです。
 
ナンバー2の方が成果を出している場合に、結構ココが問題で、社長が人心を掌握してる組織の中で成果を出しているのか、自分自身にもその能力が備わっていて成果を出しているかは、一度しっかり見極める必要があると思います。
 
大企業をスピンアウトした方が、中小企業に来てなかなか成果を出せなかったり成功できない理由も実はこれと同じで、大企業の場合、上司部下とのコミュニケーションをそんなに気にしなくても、会社の力で部下は動きますから、簡単に組織は動いてしまうのです。
 
独立するにあたって、ビジネスモデルやマーケティングのノウハウも大切ですが、コミュニケーション能力や人の育て方が備わっているかということがとても大切です。特にあなたがナンバー2的な立場にある場合には、一度自分の人に対する能力の棚卸しをしてみるといいかもしれませんね(^_^)/~
 
 
いかがでしょうか? あなたはどうお考えになりますか(^^♪ 私の発行する週刊メールマガジン『社長、「小さい会社」のままじゃダメなんです!』(購読無料)では、毎週メルマガ読者のみなさんからの質問にこんな感じでお答えしています。 
 
これまでのQ&Aもバックナンバーにたくさんあるので、興味があれば覗いてみてください。もちろん、質問も随時受付中です(*^^)/~~~
 
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2012年11月22日(木)更新

話題の「俺イタ」「俺フレ」にみる“真の経営者”のあり方

しだいに年末が近づき、とかく会合なども増えてくる季節ですが、苦戦する飲食店の多い中、「毎日長い行列のできる店」をご存じでしょうか?
 
その店とは、欧風立ち飲みというユニークなスタイルで超人気の「俺のイタリアン」と「俺のフレンチ」(通称、俺イタ・俺フレと呼ぶそうです)。最近うちのスタッフも並んできたようで、「超、感動しました!」と報告を受けました(笑)。
 

 
 
  
マスコミにも度々登場しているので、中古本販売ブックオフの創業者である坂本孝氏が手掛けた店であることはご存じの方も多いと思いますが、昨年(2011年)9月「俺のイタリアン新橋店」オープンを皮切りに、わずか1年ちょっとで9店舗にまで拡大させた手腕はさすがだと思います。
 
私はかねてから、この停滞した日本経済を活性化するには、「真の経営者」を育てるしかないと考えているのですが、ひとつの事業を成功させた経営者、とりわけ「創業」を経験している経営者は本当に強いと思います。
 
この坂本氏にしても、「最高の料理を徹底的にリーズナブルに!」というコンセプトのもと、外食産業激戦区である恵比寿や銀座に打って出て、16時開店のお店に朝から行列をつくらせているのです。
 
立ち飲みスタイルにしたのは、もちろん回転率を上げるためですが、通常のレストランであれば2回転するのも厳しいご時世に、ふつうに3回転以上させているみたいですよ(*^^)v
 
お客さんとしては、お店の前で1時間以上も並び、その後立って飲み食いすることになるわけですが、それを平気でさせられるのは“想像を超えたレベルの商品とサービス”を提供しているからです。
 
銀座八丁目店を訪れたうちのスタッフも、「1時間も立ってるとさすがに疲れ、途中で帰ろうかと思った」ようですが、ようやく店に入れて最初の一皿目を口にした瞬間、そんな思いは遥か彼方に吹き飛び、「楽しくて仕方なくなったんです!」と熱く語ってましたっけ(笑)。
 
それもそのはず、老舗フレンチの「シェ・松尾」では◎万円するフィレステーキやフォアグラとほぼ同等のお料理が1000円台で食べられるのですから…。その原価率はなんと4~6割! 業界の常識では「ありえな~い!!」数字なのです。もちろん量もたっぷりで、2~3人では食べきれないほどだそうです。
 
その上、ワインも超格安。持ち込み料(999円)を払えば、家から頂き物のワインを持ち込んでもOKだそうですから、言うことなしですよね!(^^)! こんなレベルのお店なら「こんどはあいつを連れて行こう!」とリピーターが増えるのも当然です。
 
来年坂本氏は、「俺の割烹」と銘打ち、伊勢エビやマツタケなどの高級食材をいただける和食立ち飲みの出店を計画中だそうです。この勢いで、次は中華の高級店でも出すんじゃないでしょうか?
 
それはともかく、「真の経営」ができる人にとって、業種や業態は全く関係ないのだということが、この事例からもよくおわかりいただけると思います。坂本氏から刺激を受けつつ、自社の新規事業について、楽しみながら発想を拡げてみてはいかがでしょうか(@^^)/~~~


2012年11月16日(金)更新

ビジネスはスタイルを持った人が成功する

早いもので、今年もあとひと月半です。時代のスピードが速まるにつれ、ビジネスモデルの寿命も年々短くなっている感じがします(―_―)!!
 
そんな中、ビジネスのスタイルに関する質問が届きましたので、私ならではの視点でお答えしてみました。
 
== 質 問 ==
 
先生が「B to CよりもB to Bのビジネスの方がやりやすいと思っている」とおっしゃっていた理由は、何でしょうか?  もう少し具体的に知りたいです。
 
== 回 答 ==
 
ビジネスはスタイルを持った人が成功すると思いますが、理由を挙げればいろいろありますが、私の場合はB to Bの方が性に合っているという感じで捉えてください(*^_^*)
 
== 解 説 ==
 
今回の質問は私の個人的な感覚の話なので、主観で答えますが、私がいろんな所で「ビジネスモデル的に好きなのはB to CよりもB to Bビジネスだ」と言ったりするので、こんな質問が来たのだと思います。
 
もちろんこれは主観なので、人それぞれの好き嫌いの問題で、私とは反対に絶対B to Cが良いとか、卸しビジネスしか興味が無いからやりたくない、あるいはネットビジネスでなきゃそもそもやる気がしない・・・等々、本当にそれぞれに考え方は違っていていいと思います。
 
それどころか、主観的に“これが好き!”とか“絶対にこれしかやらない”みたいな感じで思っている人の方が、結果として成功している感じがするので、好き嫌いとか主観は大いに持つべきだと思っています。
 
つまり、自分のスタイルを持った人の方が成功しやすいということですね(*^^)v
 
反対に言うと、いろんな人の話を聞いて「あれも良さそうだけどこっちも良さそう」とか「わ!こんなパターンもあるのか・・・」といろいろ振り回される人は、スタイルが無いので結果として積み重ねや蓄積ができず、とてももったいない感じがします。
 
もちろん最初はビジネス全体が分からないので、いろんな情報に触れることは大切だと思いますが、徐々に自分にはこれが合っていそうだとか、このパターンのビジネスはなんだか性に合っていそうだな・・・などと言うように、自分のスタイルを持っていくようにしたら良いと思います。
 
また、その理由が、最初に就いたのが○○の仕事だったのでとか、先輩がやって成功した仕事が◎◎だったので憧れてやってみたくなってスタイルを決めた、等でも全然かまわないと思います。
 
私は、自分で考えると最初に就いた仕事がB to Bだったので、また、結果としてほとんどの仕事がB to Bだったので、絶対にB to Bが良いと思っているのかもしれませんね(^_-)-☆
 
もちろん、B to Bの方が個人を相手にしていない分、ムチャなクレームが来ないとか、B to Cと比べて顧客数が少ないのでフォローや管理が楽だとか・・・と、理由はいっぱいありますが、一番の理由はその方が好きだからとか、ビジネスがその方向に向いているから、というのが正解かもしれません(笑)。
 
なんだか、今回の回答はちょっと変な方向に行ってしまいましたが、よかったら参考にしてください。
 
 
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2012年11月09日(金)更新

スマホをインフラにビジネスを発想する!?

先日ネットのニュースを見ていたら「ドコモのMNP転出超過、過去最大の約19万に」という記事に目が留まりました。
 
電気通信事業者協会(TCA)が(2012年)10月末時点の携帯電話・PHS契約数を発表したものだったのですが、NTTドコモは冬モデルの販売前であることも重なって、番号ポータビリティの転出超過は過去最大の18万9800件に達したというのです(―_―)!!
 
その大きな原因となったのが、9月21日に発売された「iPhone 5」の存在です。取り扱いキャリアのKDDIとソフトバンクモバイルは、純増数、番号ポータビリティの実績ともに好調に推移しており、ソフトバンクは28万4200契約を、KDDIは23万8800契約を獲得したようです。
 
「iPhone 5」の登場もあって、世の中の「スマホ化」が一気に加速した感もあり、今や電車で向かいの席一列全員がスマホをいじっている・・・などという光景も珍しくなくなりました。
 
経営者としては、こうした世の中の変化には常に敏感でいたいものですが、最近、スマホをインフラにしたサービスも続々と登場しています。
 


 

たとえば、「リブライズ」という図書館開設サービス。9月に発表された「Facebookアプリアワード」のコンテスト部門でみごと1位に輝いたものですが、数千円のバーコードリーダーとFacebookアカウントさえあれば、だれでも自分たちの図書館をつくれるという画期的なアプリなんです。
 
従来の図書館で使用されている蔵書管理や貸出管理のシステムは、かなり高額なものでしたが、この「リアライズ」のシステムを使えば、カフェやコワーキングスペースの一角を簡単に「図書館化」することができるというわけ(*^^)v
 
本の表紙にあるバーコードをバーコードリーダーで読み取っていくだけで、Facebookページ上の本棚にどんどん登録できるのです。本の表紙画像や説明文などは、アマゾンから抽出されるそうですが、将来的には同人誌などにも対応していく予定だそうです。
 
本を借りる際は、スマホに表示される自分専用の貸し出しカード画面をスキャンしてもらうだけ。貸し出しの履歴も、Facebook上に記録されていくそうです。
 
開発の原点は「本を活用して人との交流が生まれるしくみをつくれば面白いんじゃないか」というところだったようですが、たとえば会社やお店の一角に専門書などを並べ「図書館」にしておけば、その本を読みたい人が勝手に検索して、本を借りるために訪ねてきてくれる、ということです。
 
ありがたいことに、世の中にはこうしたスマホアプリだけでなく、無料で使えるインフラがどんどん増えています。それらを積極的に活用してみようという目で眺めてみると、自社の中には本や資料だけでなく、案外、集客に役立つ貴重な資産が眠っているかもしれませんよ(*^_^*)
 
この事例を参考に、アレコレ発想を拡げてみてはいかがでしょうか(@^^)/~~~

2012年11月02日(金)更新

50年続くビジネスモデルをいかに変えるべきか

早いもので、今年のカレンダーも残り2枚を残すばかりとなりました。そろそろ来年を視野に入れた動きをしていきたいものですが、そんな中、ちょっとおもしろい質問が届きました(*^_^*)
 
「50年やっているビジネスをどう変えるべきか?」という質問ですが、私なりの視点でお答えしましたので、よかったら参考にしてください。
 
== 質 問 ==
 
50年やっているビジネスモデルが、流石に世の中と合わなくなってきています。今のビジネスを変更するにあたって、いかに変えるか? また新しいビジネスモデルを作り出すかについてヒントがありましたら教えてください。よろしくお願いします。
 
== 回 答 ==
 
一番大事なことは、今のビジネスと比べないことです。これだけ長く続くビジネスをされているということは今のモデルが相当優れたモデルだということですから、新規ビジネスの候補として思いついたビジネスを今のモデルと比べてしまうと、絶対に見劣りするはずです。
 
== 解 説 ==
 
人間というのはなかなか難しい思考を持っていて、今自分がやっていることはほとんど「普通のこと」と考えてしまいます。
 
例えば、今回の質問でもそうですが、50年続いているビジネスモデルを変えるには・・・と簡単(すいません、説明上そんな感じで話します)に言っていますが、今のビジネスモデルがどれくらいのレベルにあるかに関してはあまり関心がなく、たぶん正当な評価がされていないと思います。
 
こういった状況で変更や新たなビジネスモデルを考える時に陥ってしまうのは、今のビジネスモデルと比べてもっと良いモノ、例えばもっと簡単で収益性が高いとか発展性があるモノは無いか・・・と考えてしまうことです。
 
50年続けている、現在のビジネスモデルがどれくらい一般の会社のモデルと比べてすごいのかが分かっていないと、新たに考える基準値が高すぎてしまい、どんなアイディアも負けてしまう(=いつまで経っても新しいアイディアや新規ビジネスが始められない)ということになってしまう危険性が高いということです。
 
もちろん、目標としては今のビジネスモデルを超えるモノを考えることですが、例えば、ビジネスの入れ替えに緊急性がある場合には、あえてそのレベルのモデルを作り出すことに集中するよりも、5年や8年はイケるであろう簡単な変更やビジネスモデルを考えてみるとか、収益性は低いけれども、失敗の少ないモデルということに思考を集中させて考えてみる、などという思考の変換が必要だと思います。
 
いずれにしても、今のビジネスモデルを理想として、これに新たなモデルをぶつけるという考え方はやめた方がいいと思います。ご健闘を祈ります(@^^)/~~~ 

 
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ボードメンバープロフィール

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石原 明(いしはら あきら)氏

僖績経営理舎株式会社代表取締役
AZ Collabo株式会社

ヤマハ発動機株式会社を経て、外資系教育会社代理店に入社。約6万人のセールスパーソンの中で、トップクラスの実績を収める。「セールス・マネージャー世界大賞」を受賞後、日本経営教育研究所を設立し、経営コンサルタントとして独立。中小企業から大企業まで、業種や企業の規模を問わず幅広いコンサルティング活動を行っている。毎年の講演回数は100回以上。ビジネスの発想力やマーケティング力を開発・育成する「新経営戦略塾」には1000人が登録し学び、全国延べ4500社が参加。
2万人の読者を抱えるメールマガジン『石原明の「新経営戦略塾」』や、独自の視点で経営を綴るブログ『石原明の経営のヒント』も執筆中。大人気Podcast番組『石原明の経営のヒント+(プラス)』は累計ダウンロード数6000万回を超えている。著書に、累計30万部を超え『営業マンは断ることを覚えなさい』(三笠書房)、『「成功曲線」を描こう。』(大和書房)、『トップ3%の会社だけが知っている儲かるしくみ』(KADOKAWA)などがある。

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