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2009年11月27日(金)更新

問屋街にギャラリー!? 問屋と美大のコラボ 

最近、浅草橋、東神田、東日本橋、馬喰町界隈の「問屋街」を歩く客層が変化しているようです。やや古びたビルの立ち並ぶ町並みを、地図を片手に歩く20代の女性たちをみかけることもめずらしくないみたいです。

なぜかというと、このいわゆる「問屋街」地域では、街おこしイベントをきっかけに、アーティストたち工房や事務所を構えるようになり、それを目当てに感度の高い若者たちが集まっているのです。


ギャラリー


上の画像は、今年(2009年)4月にオープンした、武蔵野美術大学が運営する「ギャラリーαM」です。かつて麻雀店として使われ、長年借り手がつかずに廃墟と化していた地下1階部分を改装し、100平方メートル四方の真っ白な空間を作りました。
ここを若手の才能発掘のためのスペースと位置づけ、企画展やトークショーなどのイベントを開催しています。また、奥のスペースには、作家の資料や過去の活動を誰でも自由に閲覧できるライブラリーを設け、ここで多くの知識や意識の交流がなされることを期待しているそうです。

また、このビルの1階には、金細工ブランド「ノヤ オブ」の工房兼店舗があったり、近くにはおしゃれなカフェや雑貨を扱う店もあり、路地裏のちょっとしたところに、おしゃれなギャラリーがあったりするので、街を訪れた人たちは、宝探し的な楽しみも生まれます。

その理由には、物件の築年数が古いので、都心の半値近くで借りられる…といった事情もあるようですが、古い問屋街がこうした若者たちの力でよみがえる可能性を多いに感じます。

現に空き物件をかかえたビルのオーナーたちは、一様に胸をなでおろしているようですし、若いアーティストにしても、資材を集めやすい環境でもあり、まさに両者にとってメリットのあるムーブメントなのです(*^^)v
近い将来、各社の商品開発に若いアーティストたちを巻き込めるようになれでもば、ここから魅力的な新商品が生まれる可能性もありますよね。

1970年代以降、流通業態の変化で、問屋街はどこも活気を失っています。また、大型店の進出とともに、寂れていく商店街もめずらしくありません(――;)

しかし、発想しだいでは、まだまだできることがありそうですよね。この事例を参考に、若者に限らず「業界外の風を吹き込む」方法を、あれこれ考えてみてはいかがでしょうか(@^^)/~~~

2009年11月20日(金)更新

年末に向けて「仕事の棚卸し」をしてみよう!

年末が近づくにつれ、何かとあわただしくなってくると思います。そんななかでも、経営者としては自社の将来をしっかり見つめることが必要なわけですが、特に最近は時代のスピードがものすごく速いので、経営者も常に勉強し続けていかなくてはなりません。

ということで、今回はこんな質問を取り上げてみました。忙しい毎日のなかで、「将来のための時間」を確保するためには、そもそも時間管理をどう考えればいいか…参考にしてください(*^^)v


== 質 問 ==

日常の業務に追われてしまい、自分にこれから必要となる能力、経験などを考える時間、余裕がなくなってしまいます。そういう時間をとるにはどうしたらいいでしょうか? また、どのくらいの時間が必要でしょうか? 自分に今後必要となる能力をつけるにはどうしたらいいですか?


== 回 答 ==

こういう場合、まず忙しいという中身を一度しっかり検証するといいですね。案外やらなくてもイイことや、やってはいけないことで忙しくなっている場合が多いです。

== 解 説 ==

こういった内容は私の著書「成功曲線を描こう。-夢をかなえる仕事のヒント-」(大和書房)のタイムマネジメントの章の中で詳しく解説していますが、まず現状の「忙しい」という、中身の検証が一番最初にすべき事柄です。

休日などで、リラックスして時間が取れる時に、お茶でも飲みながら(仕事場では環境的に客観的になり難いので、別の場所で考えるのが良いと思います)今やっている仕事を出来るかぎり書き出してリストにしてみてください。

簡単なやり方は、週別にやったことを書き出して、一ヶ月間にどんな仕事をどれだけやっているかをデータとして出してみることです。

データが出たら次は分け方ですが、行動とその行動から得られる効果を考えて、優先順位の高いことで効果があり絶対にすべきこと、緊急度は高いが出来ればしたくないこと、やらなくてもいいこと、ルーチンワーク化できること、というように選抜していきます。

忙しくて仕事に追われている人は、ほとんど目の前の仕事に感情的(中には被害者っぽくなってる人もいます)になってしまっていて、客観的に現状を見ることが出来なくなっている方が多いのですが、こうやって仕分けしていけば、かなり無駄な仕事に時間をとらわれているということが分かると思います。

中でも、一番無駄な時間は、緊急度が高く利益をあまり生まないことで忙しくなっているという時間です。

ちなみに、こういうことの内訳は、トラブル対応だったり、スケジュールを見落としていて準備を怠っていて、急に気付いたために忙しい・・・なんてことも多いですよね(ーー;)
こういう時間は本来、日々の活動(ルーチン化などですね)や、事前の準備がしっかり出来ていれば使わなくていい時間ですよね。

でも、それをしなくてはいけなくなると、他の仕事にしわ寄せがいって通常業務が全部遅れて、おまけに感情的になるので、なおさらミスが起きて・・・などという負の連鎖を引き起こしやすい事柄でもあるのです。

私の知る限りにおいて、本当に多忙で自分のことを考える時間がないという人は、何人もいないレベルだと思いますので、まずは仕事の棚卸しをしてみてください。よろしくお願いします。


今回はちょっと難しい質問でしたが、参考になりましたでしょうか。私の発行する週刊メールマガジン、『社長、「小さい会社」のままじゃダメなんです! 』(購読無料)では、毎週メルマガ読者のみなさんからの質問にこんな感じでお答えしています。

これまでのQ&Aもバックナンバーにたくさんあるので、興味があればぜひ覗いてみてください。もちろん、質問も随時受付中です(*^^)/~~~

2009年11月13日(金)更新

「3行レシピ」が人気!? 時流を読んだ情報発信とは

そろそろ忘年会の予定も入ってくる季節ですが、景気後退の影響か、今「家飲み派」急増中なんだそうです。それにつられて支持を集めるのが「3行レシピ」。自宅で簡単に作れるおつまみのレシピ本が売れているのです。

最近では、その「3行レシピ」というキャッチーな言葉が一人歩きをし、KIRINのサイトには「おつまみ道場~3行ビアつま」として、簡単に作れる「ビールのおつまみ」を検索できるようなページもあります。(下の画像をクリックしてみてください)


3行レシピ


おつまみレシピの火付け役とはったのは、平成19年に発売された「おつまみ横丁」ですが(なんと! 累計57万部も売れたそうです)、その後続々とおつまみレシピ本が出版され、ついには市販の缶詰を使って、3つ以内の工程でできるおつまみ集「缶つま」なる本も登場しました。
また、「クリエイターのための3行レシピ」なんて本を出している出版社もあり、「3行レシピ」という言葉自体が一人歩きしている感もあります。

ネット社会の進化で、今や企業も個人も情報発信に懸命です。しかし、氾濫した情報の中だからこそ、「3行レシピ」のように、“サクッ”と読める情報が好まれるという側面もあるのです(*^^)v

また、今どきの若者たちのお酒の飲み方も変わってきているようです。これまでの「家飲み」といえば、夕食と一緒に飲む「晩酌」がほとんどでしたが、今は「食後にくつろぎながらお酒を飲む」というスタイルが主流になってきているのです。

そうしたマーケットを狙って、「家飲み用ワイン」を販売するサイトや、焼酎と割って楽しめる飲料を販売するメーカーも増えています。

いずれにしても、経営者が時流に敏感でないと、生きた情報発信はできません。「酒=おやじ=赤ちょうちん」という構図は、もう遠い過去のものみたいです(*^_^*) 最近は、「おつまみ本」をつまみに、家でお酒を飲む男性も増えているようですよ(笑)。

この事例を参考に、自社の情報発信の切り口を、楽しく見直してみてはいかがでしょうか(@^^)/~~~

2009年11月06日(金)更新

会社が「組織化」に向う過程で起こること

11月がスタートしました。みなさん、今年の年頭に掲げた目標には近づいていますか? 来年を視野に入れつつ、今年の仕上げに入りたいところです。

年が明けても、われわれを取り巻く環境は、しばらく厳しさが続くと思いますが、じつは、こうした時期は、社内の『組織化』を進めるのに最適とも言えます。というわけで、今回は、先週回答しきれなかった続きをお届けします。


== 質 問 ==

企業が伸びていくと、後から「優秀な人間」が入ると言われていましたが、それにより初期の人材が辞める時は企業にとってどうなんですか?
経営者からすると当然かもしれませんが、働く人は恐怖を感じるのでは? そこがいわゆる「愛情」でしょうか?


== 回 答 ==

こういう現象は必ず起きますが、企業が組織化に向う過程でどんな変化が起きるかということを経営者がしっかり勉強していれば、いろいろな方法でゼロにすることは出来ないまでも緩和することが出来ると思います。

そのために、経営者が知っておかないといけないことは、優秀な人材のレベルを知っておくこと、組織を固定しないこと、聖域を作らないこと、組織を常に変化に対応出来る様に鍛えておくこと・・・などです。

== 解 説 ==

今回は、前回の回答の続きです。

前回、組織の発展に伴って優秀な人間が入ってきて、それまでにいた人との間に問題が生じ、結果辞めていくという問題が起こるがどうなのかという質問でしたが、まず、これに対して、当社だけの問題と考えないで、通常どこの会社(組織)にも起こる問題として考え経営者が対処することが大切、では何を知っておくことが重要かということで、最初に優秀な人材のレベルを知ることと解説しました(ここまでOKですよね)。

ということで、今回はその続きを解説するわけですが・・・経営者が「本当に優秀な人とはこういう人なのか!」ということが分かると、ゆくゆくは当社にもこういう人材が入ってこないと他社に勝てないことが分かりますから、安易に役職を付けてしまわない方が良いということが、組織拡大の前にわかるということです(会社がスタートした段階では、安易に役職は付けない方が良いと前回解説しましたよね)。

ただ、ここで問題になるのがスタッフの方のモチベーションというかやる気の問題です。がんばっているからには評価が必要で、その評価の中には給与と共に、必ず役職も関係してくるわけです。

また、中途採用に際して、ある程度の年齢の方を採用するとなると、それなりの役職には就けないと、という問題が起こってきます。

さらに、これは業務上の問題で、他社との取引関係上、何らかの形で役職を定めないと業務的に難しいということも起きてしまうので、結果役職を割り振るなどということも現実には起きてしまうのです。

なので、優秀な人材が入って来る前に必要に応じて役職が決まってしまい、優秀な人材とのぶつかり合いが起きて、結果質問のような不幸な状況・・・(?)が起きてしまうのです。

そこで、経営者が考えないといけないことは、会社はそもそもだれのモノかということや、自社が提供する価値を最大限に発揮するためにどういう形が望ましいのかということなども踏まえた、組織運営の考え方だと思います。

では、どういう考えが組織運営上大切かですが、まず、どんな場合でも組織を固定しないこと、聖域を作らないこと、組織を常に変化に対応出来るように鍛えておくこと等が大事だと思います。

実はこの項目は、人間が基本的に持っている本性から考えると非常に難しいというか、真逆のことなので、経営者の方は自分が経営者となったことで、かなり通常の人間的思考から外れないといけない、考えないといけないわけでもありますが・・・・。

でも、深く考えていただけると、こういうスタンスで組織運営することが、結果として前からいる人と、後から入ってきた方のギャップによって人が去っていくという問題を一番解決する方法だということが分かると思います。

参加する一人一人を満足させるということと、企業を組織として健全に発展させ、持てる機能を最大限に発揮させるという、矛盾する問題を解決するために、経営者はこういった問題や経営上起こるであろう課題も事前に視野に入れて解決する方法を決めておかないといけないということですね。

今回はちょっと難しい質問でしたが、参考になりましたでしょうか。私の発行する週刊メールマガジン、『社長、「小さい会社」のままじゃダメなんです! 』(購読無料)では、毎週メルマガ読者のみなさんからの質問にこんな感じでお答えしています。

これまでのQ&Aもバックナンバーにたくさんあるので、興味があればぜひ覗いてみてください。もちろん、質問も随時受付中です(*^^)/~~~

ボードメンバープロフィール

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石原 明(いしはら あきら)氏

僖績経営理舎株式会社代表取締役
AZ Collabo株式会社

ヤマハ発動機株式会社を経て、外資系教育会社代理店に入社。約6万人のセールスパーソンの中で、トップクラスの実績を収める。「セールス・マネージャー世界大賞」を受賞後、日本経営教育研究所を設立し、経営コンサルタントとして独立。中小企業から大企業まで、業種や企業の規模を問わず幅広いコンサルティング活動を行っている。毎年の講演回数は100回以上。ビジネスの発想力やマーケティング力を開発・育成する「新経営戦略塾」には1000人が登録し学び、全国延べ4500社が参加。
2万人の読者を抱えるメールマガジン『石原明の「新経営戦略塾」』や、独自の視点で経営を綴るブログ『石原明の経営のヒント』も執筆中。大人気Podcast番組『石原明の経営のヒント+(プラス)』は累計ダウンロード数6000万回を超えている。著書に、累計30万部を超え『営業マンは断ることを覚えなさい』(三笠書房)、『「成功曲線」を描こう。』(大和書房)、『トップ3%の会社だけが知っている儲かるしくみ』(KADOKAWA)などがある。

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