2008年02月29日(金)更新

ターゲット層の声を丁寧に拾ってつくったクレジットカード

唐突ですが、あなたは普段何枚の「カード」を持ち歩いていますか? クレジットカードにポイントカード…お財布の中にはカード類が増える一方で、今更「新しいカードを作りたい」とは、よほどのことがない限り思わないのではないでしょうか。

ですから、クレジットカード会社も、新規会員獲得には相当、頭を悩ませているのではないかと思いますが、そんな中、ターゲットを絞った企画が当たり、順調に会員数を伸ばしているクレジットカードがあるようです。


カード


それがこのカード「GE Money アメリカン・エクスプレス・カード」です。個人向け金融サービスの世界ブランド「 GE Money 」と「アメリカン・エクスプレス」の提携で生まれたカードなんですが、『20代後半から30代の男性』をターゲットに、1万人規模のアンケート調査を実施し、分析を重ねた上で誕生したカードです。

そのコンセプトは
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ステータスのあるカードをつくりたかった。
世界で嫉妬されるカードをつくりたかった。
ポイントでも負けないカードをつくりたかった。
そして、美しいカードをつくりたかった。
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といった、ちょっとカッコイイもののようです(*^^)v
アンケート調査の結果によると、この年齢層の男性は、他の世代より『ステータス志向』が強く、「見栄っ張りでありながら賢く消費する」傾向が強いそうです。また、『黒色』を好む人が多いこともわかり、上のようなデザインになったというわけです。

ゴールドカードには、黒地に金色の帯をあしらい、財布から取り出す際に「カッコイイ」ようデザインしました。さらに、アメックスのブランド力を活かしつつも、会費は高すぎず安すぎない、1万2600円に設定したようです。

さらに工夫したのが、ポイント交換です。「(他のクレジットカードでは)交換したい物がないことが多い」との声を受け、ANAマイルとの交換や、amazonギフト券、およびiTunesストアで好きな音楽をダウンロードできる音楽ギフト券との交換もできるようにしたのです。

このポイント交換制度は、やはり好評のようで、「持つ、よろこび。」をうたった専用サイトのアクセスも順調に伸びているそうです。かなりいいアイディアですよね(^^♪

こんなふうに、すでに成熟したマーケットでも、そのターゲットとなるユーザーの声を丁寧に拾っていけば、十分に訴求効果の高い商品やサービスが作れるということです。コンセプトやデザインにとことんこだわることが大切なのは言うまでもありません。

平たくいえば「ブランディング」ってことですが、これからの時代、どんな会社にも、このブランディングの発想がますます必要になってくることでしょう。もちろん、私の会社でも、ブランディングに関するアドバイスをしていますので、よかったらご相談ください(*^_^*)

2008年02月22日(金)更新

「美肌一族」のマーケティング手法に学べ

男性のみなさんにはあまりなじみのない商品でしょうが、この「美肌一族」というコスメグッズをご存じでしょうか? 

実は、この話題、私の主宰する「高収益トップ3%倶楽部」の会員向けに発行している月刊誌『経営情報レポート』の今月号でも取り上げた話題なのですが、かなり反響があったので、この経営者会報ブログでも解説してみたいと思います。


美肌


このピンクのド派手なパッケージに包まれた商品は、株式会社ラブラボという会社が開発・販売している「シートマスク」(お肌用のパックのこと)で、すでにシリーズ商品の累計で、500万個以上を売り上げた大ヒット商品なんです。

パッケージに書かれた「そんなお肌で私に勝てるとでもお思い?」との挑発的なセリフには、その昔の少女マンガを思い出しつつ、思わず反応してしまう女性も多いと思います。
パッケージもさることながら、着目すべきはそのマーケティング手法です。なんと、この会社では、商品の発売に先立つ05年9月、大手携帯サイトで美少女を主人公にした携帯小説「美肌一族」の連載をスタートしたのです(@_@;)

この小説には、商品のことは一切登場せず、美人姉妹の沙羅(さら)と咲(さき)が、肌の美しさを競う世界大会で優勝をかけて苦闘するという、「美をめぐる闘い」の物語に仕立てられています。なんともおもしろいですよねぇ~。

1~2ヶ月経つと、この携帯小説は、若い女性たちの間で相当話題になったようです。そして、十分マーケットがあたたまったころに、同サイト上で実際の商品を「先行発売」してみたら、初回生産の6万4千個が1日で完売したというのです!! 一時は商品が入手困難な状態にまで陥り、「幻のシートマスク」なんてうわさされたみたいですよ(*^^)v

当然のごとく、いち早く商品をゲットできた女性たちは、ブログにその使用感を書き込んだことでしょう。また、女性誌のモデルが誌上で紹介したりしたこともあって、その評判はますます広がっていきました。

06年5月の全国販売時には、女性たちが「待ってました」とばかり飛びつき、以来、シリーズ商品500万個以上を売り上げる大ヒット商品に育っていったというわけです。携帯小説のあまりの好評ぶりを受け、現在は同じ価格で、薄いコミック本付きの商品まであるようです。

いや~、どうです? かなりセンスある戦略ですよね。つまり、同社は全国販売の10か月前から「携帯小説」という今時の“飛び道具”を使って、マーケットにアプローチしていたわけです。

私は日ごろから『経営とは思ったとおりに儲けること』だと定義していますが、この事例は、まさにそれを実証してくれるかのような戦略で、「たまたま当たった」ヒット商品とはわけが違います。

その仕掛け人は、芝本裕子さんという30歳の女性経営者ですが、女性誌の読者モデルやライターなどをしていた人で、ガールズウォーカー・ドットコムの立ち上げなどにも参加していたほどの、感度の高い人物のようです。

確かにこのようなマーケティングを成功させるには、それなりの「センス」が問われる世界ではありますが、はじめは小さく試して、その反応をみながら展開していけますから、われわれ中小企業でも、十分トライできるやり方です。

しかも、広告代理店にプロモーションを依頼することを思えば、投資額も少なくてすむでしょう。この記事にうなった方は多くいると思いますが、ぜひ自社のマーケティングを見直し、「話題を呼ぶ仕掛け」を取り入れることを考えてみてはいかがでしょうか(@^^)/~~~

2008年02月15日(金)更新

様変わりする「社員旅行」

今、「社員旅行」が見直されているようです。とはいえ、「温泉で大宴会」というかつてのようなスタイルでは若手社員がついてきませんから、食や文化の体験、レジャースポーツなど、様々なオプション企画が生まれているのです。

都内の金属加工会社「フルヤ金属」では、各地の工場や営業所員約150人を集め、都内の高級ホテルで『ワインのテイスティング』を楽しむ、ちょっとハイソな社員旅行を実施したそうです。


テイスティング
(*写真はイメージです)

昼間はワインの基礎を学ぶセミナー、そして夜は「テイスティング大会」を開催。銘柄や産地を当てたり、「この味わいを表現すると?」などという設問に答えたり……豪華商品をかけて、テーブルごとの団体戦で行った大会は、大いに盛り上がったみたいです!(^^)!
この社員旅行を企画したのは、JTB首都圏の法人営業部だそうですが、ここ数年、各旅行代理店では社員旅行のオプション企画を増やす傾向にあり、JTBでも「陶芸」「ソバ打ち」「果物狩り」などの定番ラインに加え、「ラフティング(急流下り)」「パラグライダー」「地引き網体験」「着物の着付けもできる京都の町家体験」「お茶屋体験」「東京・横浜のヘリクルージング」など、なんと、100種類以上の体験プログラムを用意しているといいます。

また、「旅行の行き先を選べる社員旅行」を採用する会社も、年々増えてきているみたいです。旅行可能な期間を区切り、たとえば「沖縄・北海道・グアム・ハワイ」などの選択肢から好きな場所を選び、仲の良い同僚や家族と旅行するのだそうです。

もちろん、行き先により費用も異なりますが、あらかじめ会社の補助金額を決めておき、不足分は自己負担、というシステムが多いみたいですね。

マンネリ化した社員旅行では、「今更行きたくない」と参加率も下降気味なところ、 こうした様々なプランを採用することで、社員旅行のイメージも“おつきあい”から“楽しめる”ものへと変化しつつあるというわけです。

もちろん、社員全員が本当に「楽しめる」旅行を実現するのは至難の業でしょうから、旅行代理店としては、「遊び感覚に長けた幹事さん」みたいな社員を狙って、PRするんでしょうね(*^^)v

そうした旅行会社の作戦も見え隠れしますが、それはともかく、人付き合いが苦手な若手社員が増えるなか、社内のコミュニケーション不足を解消するのにも、社員旅行が一役買うかもしれません。

また、社員旅行を通して、一流のサービスを体験したり、文化的な知識を深めたりすることができれば、それが間接的に仕事に活きる可能性もあります。この事例を参考に、自社の社員旅行も見直してみてもいいかもしれません(@^^)/~~~

2008年02月08日(金)更新

お米が内祝いに?! 量やパッケージを変えて新たなマーケットを作る

今日は、商品の販売単位やパッケージを見直し、「売り方」に少し工夫を加えただけで、全く新しいマーケットの開拓に成功した…という事例をご紹介したいと思います。

なんと今、出産祝いのお返しとして、『赤ちゃんの誕生時の体重と同じ重さの米を贈る』という商品が、少しずつ人気を集め始めているみたいなのです。「なるほどなぁ~」って感じの提案型商品ですよね。

おそらくこれまで、出産の内祝いを選ぶ際に、「お米」を選択肢に挙げる人は少なかったんじゃないかと思います。つまりこれって、お米の「全く新しいマーケット」を開拓したのと同じ意味があるわけです(*^^)v


米



北九州市の「好味屋(よしみや)」では、“おくるみ”型のコメ袋を作り、そこに赤ちゃんの写真を印刷した『抱きごこち』という商品を開発しました。たとえば「3,025g」みたいに、その袋の中に赤ちゃんの誕生時と同じ重さの米を入れるわけです。
他の商品と比べて、お米の特性は何かと考えたとき、“重さを少ない単位まで変えられること”って気づいた訳ですが、コレって、なかなかすごいことですよねぇ~。

それを他のギフト商品と競合させて考えると(確かに他の商品は量産品なんで、重さは一定ですから)すっごい競争になるわけです。

さらに商品名どおり、その“抱きごこち”もなかなかのもので、「まるで赤ちゃんを抱いたような実感がある」と、人気を呼んでいるのです(*^_^*)

他にも、秋田市の「本田商店」では、『出産内祝いのお米』購入者に、赤ちゃんの写真を携帯電話で閲覧できるフォトアルバムを付けて喜ばれていたり、徳島県海陽町の「阿波の産直便」が販売する『だっこ米』では、「赤ちゃんの名刺」を付けてくれるそうです。こんなふうに、みんな本気でサービスを開発しているんですね。

それにしても、内祝いに「お米」って、なかなかいいと思いませんか? 失礼ながら、「記念品」テイストの品を頂戴しても、「コレ、どこに飾ろう…(――;)」なんて悩んだりすることも多いですよね。

その点「お米」なら、好き嫌いもほとんどありませんし、食べれば消えて無くなります。しかも、「抱いた」感触だけは、心の中にずっと残るわけですから、贈答品としてはかなりセンスいいですよね(*^^)v

もしかしたら、あなたの会社の商品も、ほんのちょっと「切り口」を見直すだけで、新たなマーケットが開拓できるかもしれません。この事例を参考に、ぜひアイデアを絞ってみてください(@^^)/~~~

2008年02月01日(金)更新

ユニークな“福利厚生”で魅力ある会社へ

今や、日本は空前のペットブームで、子供同然にペットをかわいがる人もめずらしくありません。そんななか、ついにペットを対象に「扶養手当」や「慶弔金」を出す会社が現れました。

動物用医薬品メーカーの共立製薬では、犬か猫を飼っている社員を対象に、毎月一律千円を支給する「ペット扶養手当」を、昨年12月から開始したそうです。社員290人のうち、約80人に適用されているみたいです。


ペット


同社では、配偶者に1万円、子供1人当たり5千円の扶養手当を出しているようですから、金額は人間並みとはいかないまでも、将来的にはその飼育年数に応じて、表彰金や特別休暇の創設も検討中で、ペット購入時には、手当として1万2千円を支給する制度も整えるそうです。
一方、ペットフードメーカーの日本ヒルズ・コルゲートでも、2年前から慶弔手当として、購入時と死んだ時にそれぞれ1万円を支給しているようです。死んだ時においては、「社長名で香典が届くほか、忌引休暇が1日与えられる」そうですから、ペット愛好家にはありがたい制度ではないでしょうか。

ここ数年、中小企業を取り巻く「人材採用事情」は、ますます厳しいものになってきているようですが、こうしたユニークな福利厚生を持つことで、マスコミに取り上げられたり、応募者増加につながる可能性もあります。

私の主宰する「高収益トップ3%倶楽部」の会員向けに毎月発行している「経営情報レポート」で以前取り上げたこともありますが、登山を趣味とする人をメインに採用しているビルメンテナンス会社があるんです。

東京墨田区にある「エーファイブサービス」や、文京区の「スカイブルーサービス」という会社では、山を趣味とする人を多く採用し、そのロッククライミングで鍛えた技や体を駆使して、ゴンドラが使えない複雑なデザインをした高層マンションの窓拭きなど、ビルメンテナンスの仕事を請け負っているのです。

こうした仕事は、登山家たちの格好の“トレーニング”にもなりますし、社員は自由に数か月の休暇を取って、海外登山に挑戦してもいいという制度まで設けていたりしますから、山を趣味とする人たちにとっては、なんとも魅力的な会社ですよね。

こんなふうに、人の嗜好や趣味をベースに社内の仕組みを整えることで、優秀な人材を集めることも可能なんです(*^^)v ペット関連会社のように、その仕組みが自社の商品やサービスに関連したものなら、なおいいですね。

この事例を参考に、自社で実現できそうな「ユニークな福利厚生制度」について、いろいろとアイディアを出してみてはいかがでしょうか(@^^)/~~~

ボードメンバープロフィール

board_member

石原 明 氏

経営コンサルタント。日本経営教育研究所代表、僖績経営理舎株式会社代表取締役。

現在、「成功哲学」「売れるしくみづくり」「成長のための組織づくり」「プロ経営者の育成」などをテーマに中小企業から大手企業まで、業種や企業の規模を問わず幅広いコンサルティング活動を行っている。毎年の講演回数は100回以上。ビジネスの発想力やマーケティング力を開発・育成する『高収益トップ3%倶楽部』には全国延べ3,500社が参加。

2万人の読者を抱えるメールマガジン『社長、「小さい会社」のままじゃダメなんです! 』や独自の視点で経営を綴るブログ『石原明の経営のヒント』も執筆中。毎週金曜日に配信する人気Podcast番組『石原明の経営のヒント+(プラス)』は年間ダウンロード回数が650万回を超えている。主な著書に『営業マンは断ることを覚えなさい』(三笠書房)や『社長、「小さい会社」のままじゃダメなんです! 』(サンマーク出版)、『すべてが見えてくる飛躍の法則 ビジネスは、<三人称>で考える。』(アスペクト)、 『トップ3%の人だけが知っている仕事のルール』(中経出版)などがある。

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